有限会社
日刊板紙段ボール新聞社
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。
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晴れた休日、古本屋街のある神保町を歩いた。この界隈は表通りには大きなビルが立ち並ぶが、一歩路地に入ると今でも小さな建物がたくさん残っている。
25年前、小紙を印刷していたのがここにあった○○印刷。いわゆる業界紙専門の印刷屋さんで、継ぎ接ぎだらけの古びたプレハブ2階建て。昔の旅館みたいなところだった。
この中でちゃんと輪転機を動かしていた。テレビ等に映る1分間に3千部も印刷する機械ではなく、8頁建てをゴトゴト刷る年代物。調整と称し、よく途中で止まったりもした。
鉛筆や万年筆で原稿を書き工場へ持参、棒ゲラで1回校正してから職工さんに紙面を組んでもらう。この時、横で立会うのだが、下手な割付だとこっちがお客なのにえらい勢いで怒る。だから先輩よりも職工さんを意識して割付した。
見出しに使う鉛版も工場内で作っていた。既に樹脂を使ったきれいな版があり、それと比べれば刷り具合は格段に悪い。それでも大正生まれの先輩は「鉛の活字は、味がある」と変な自慢をした。
印刷所の前を通ったが窓には中から紙が、郵便ポストにはガムテープが貼られていた。うちみたいな小さな業界紙でもパソコンで紙面を作る時代だ。職工さん達の手を使うことは全く無く、輪転機のみ借りるだけ。得意先は激減していたのだろう。またお世話になった会社が無くなった。 (山)