板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2009段談

 

2009年 段談

2009年 段談
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12月27日付
2009-12-18
 平成21年が終わる。段ボール業界、数量ベースで見れば不況の影響から1割ほど減少した。中小の落ち込みはより大きく「コルゲータが定時まで回らない」事もあるが、経営を大きく悪化させた段メーカーの話は聞こえて来ない。2年前に大手流通関係者が「この1、2年で中小段メーカーが10社は潰れるかも」としていたのが嘘のように、荒れなかった。実際、今年に入って破綻・廃業した段メーカーはゼロである。
 取材した多くの企業で「2回の値上げが大きかった」と声を揃える。4月からの原紙5円値下げに伴う製品価格の修正でも、下支えとなった。加工賃からの是正を各社それぞれ前向きに取り組んだ結果が、大きな浮輪として残っていたわけだ。
 もっとも「落ち着いているのは見かけだけ」とする経営者は何人もいた。大手営業マンに聞けば「市況に影響しないまでも大手、中小、ボックス入り乱れての乱戦」とする。
 段メーカーに比べ、ボックスを取り巻く環境は厳しさを増している。製箱投入量は増える一方で、輸入紙など追い風は吹きそうにない。シート価格も企業規模で、格差が広がりつつある。
 小さなボックスは「主力設備も入れ替えられない状況でいつまで仕事が続けられるのか」、これが現状だ。数量が伸びない中でどう生き残っていくか、来年は経営者の舵取りが問われる年になりそうだ。     (山)
 
12月17日付
2009-12-11
 ▼同じFFGを使って某ユーザーへケースを納めている大手と中小段メーカー、先日ジョイント部分でクレームが付いた。笑ってしまう言い訳をしたのは中小ではなく、技術にも定評ある大手の方。なんと「あそこの機械はうちよりも新しいから」。もちろん精度不良の原因はそんなことではなく、前段取りにある。
 ▼「聯合紙器にいた○○です」と電話を頂いた。25年ほど前にお世話になったK氏だ。今度、講演することになったから資料が欲しいと言う。当時、すでにレンゴーを退社していたから80歳は優に過ぎている。他の何人かのコンサルタントは口をそろえて言う、「若い技術者が伸びていない」  
 ▼昨年地方のボックスA社をボックスB社へ案内した。先行きに不安を抱えるA社長、事業拡大から今後の見通しなど色々質問して帰ったが「やはりあの位やらなければ伸びませんね」。「あの位とはどの位?」と尋ねれば、「嫌われる位」との返事。A社、残念なことに廃業する方向にある。
 ▼営業が何人も辞めた、と噂される段メーカーの○工場。近隣のボックスより雇用条件は悪いという。周辺では「後半から持ち直してきた」ようだが、以前ここの社長に「業界紙が一貫と専業の仲を煽るから困る」と意見されたことがあった。一貫対専業は昔話になりつつあるが、今度はえげつない中小対策が必要に。    (山)
 
12月7日付
2009-12-04
 ネガティブな言葉が挨拶代わりのこの1年だったが、心から強い会社の経営者は「不況時こそチャンス」と考えている。グローバルな時代、自社のみで解決できない課題も多いが「悪い時こそ色々チャンスがある」と自分自身に言い聞かせ、前向きに挑戦する。そんな経営者のもとでは、社内の士気は高まり、取引先の評価だって上がる。ようは『やると決めたらやる』その信念があるか無いかで、必死になって取り組んでいれば必ず周りも手助けしてくれる。
 頭ではわかっているのだけれど、つい気持ちが緩んでしまうのも事実。某企業を退任するA役員と食事をした時も、以前は「どうすれば業界は良くなっていくのか」と話しあったものだが今回は「お互い歳を取ったね」と華やかな時代の話ばかりに…。
 Aさんとは25年来の付き合いだ。吸収される合併を嫌い他社へ移籍、そこで手腕を発揮し幹部に上り詰めた。今度は吸収する側として幾度となく合併を繰り返し、やっと態勢が整ったと思った矢先にまた合併。それは対等とは名ばかりだった。
 合併は難しい。外から見るのと内から見るのでは大違いで、愕然とするのはよく聞く話だ。これでは1+1は2にもならないし、ましてモチベーションを落とせばどうなるか。合併後の数年間で、生産量を3割以上減らしたメーカーだってあるのだから、パートナー選びは慎重に。 (山)
 
11月27日付
2009-11-25
  ▼シート価格は弱含みで推移しているものの、"市況にならない"と安心していたら「夏過ぎまで特値は点で済んでいたが、その点が増え真っ黒になりつつある」。特にひどいのが昔から節操のない段メーカー○社。潰れた工場、他社が廃棄するようなマシンを使って、とんでもない価格を出しているそうだ。
 ▼輸入紙に関する話題で"えっ"と思ったのが「某大手が海外から中しん100?を入れ、ケースで提案するらしい」。関係筋に聞けば「余っていますよ」と笑い飛ばされた。もっとも東南アジア最大手のAPPは、来年1月から白ライナの在庫販売を始める。ターゲットはエンドユーザーだ。ここ当分、輸入紙から目を離せない。
 ▼極一部で取り沙汰されている噂が、一貫と専業大手の組み合わせ。リーマンショックと○○が重なり「どうも専業の方が乗り気みたい」と流通筋から流れ出た。製紙メーカー経営者に可能性を尋ねれば、"無いとは思いますが"としながらも、火のない所に煙は立たないし、「自分ならば狙うでしょう」。まだまだ最後の陣取り合戦が残っている。
 ▼地方の大手ボックス、近隣の段メーカーをしり目に業績は好調。量を取材すれば「大きな声では言えませんが…」。安値で増やした訳では無いが、どこか後ろめたそう。品行方正で通っているだけに「安売りで伸ばした」と風評が広がるのを嫌っている。(山)
 
11月17日付
2009-11-16
 今年4月から信用金庫の某支店に配属された娘。業務は後方支援とかで、先輩OLから厳しい指導を受けている。自分の勉強不足は棚に上げ、「きちんと教えてくれない」「教え方がおかしい」等など家に帰ってから1時間ほど愚痴をこぼす。先日は「新人は社内旅行で芸をやるのが恒例なんて…、今どきある?」と怒っていた。
 それでも同期の女性を自宅へ連れて来ては、着ぐるみを付け練習に励んでいた。その『芸』思いのほか受けたらしく「まぁ旅行も楽しいかも…」と。少しは大人になったのか。
 この間は「自分の机だけが無いなんてありえない」。机が無いために持物をしまうことができず、忘れ物をするという。「フリーアドレスなんて先端じゃないか」と取り成してみても、「そんなんじゃない」の一言で片づけられた。
 この信金、理事長が若くホテル業からの転身。100名近い新人達と定期的に対話会などを開き、意見をどんどん吸い上げるという。「今度机のことを話してみる」と言うのだが、トップに『机が欲しい』など、戯言を言っていいものだろうか。
 そんな親の心配をよそに「机もらえたよ」と喜ぶ娘。対話会で話し、なんと翌日、本店総務から支店に電話があり、すぐに用意されたらしい。「ちょっとは会社を見直した」のだろう。転職話もどこかへ消えた。  (山)
 
11月7日付
2009-11-05
 ▼先に負債額67億1019万円で破産した二上鉄工所の債権者が判明した。三菱東京UFJ銀行の16億7797万円を筆頭に、大阪商工信用金庫11億6633万円など、金融機関からの借入金だけで61億3946万円もある。『超』が付く優良企業と知られた紙工機械メーカーではあったが、中身をきちんと調べないでよく貸し続けたものである。
 ▼「このところ卸商の倒産が多いですね」、ある紙系の経営者に話したところ、「都内の卸商の多くが赤字ではないでしょうか」と返ってきた。洋紙を取り巻く環境は厳しさを増している。もっとも板紙・ボックスメーカーも9月の佐藤工業(負債額約9億円)ではないが、老舗も破綻する時代。ある段メーカーの営業責任者は「シート販売は量よりも与信管理だ」と話していた。
 ▼「段原紙の統廃合は終わった。これからは段ボール」と見ているのは地方の有力段メーカーのZ専務。過去繰り返された『安売り合戦』『疑心暗鬼』が、2回の値上げで払拭され、周りも含めて経営者の意識は相当変わったそうだ。仲間達との共同購入・購買にしても、まだ幾つもハードルはあるだろうが、「自分でカバー出来ない地域では仕事をお願いすることも増えてきた」という。まず一歩踏み出すことが大切だ。これから若手が力を付ければ、将来の統合・合併、共販会社などいくらでも選択肢は増えてくる。  (山)
 
10月27日付
2009-10-26
  「東南アジア大手の日本法人が直接、青果物関係へ売り込んだ」「大手飲料メーカーがライナで採用を決めた」など、何かと話題になる輸入原紙。国内製紙系の代理店で取材すれば、「現時点ではそれほど脅威に感じていない」と意外なコメントも聞かれるが、商社系流通ではユーザーへ『箱』ごと売り込める強みもあり、確実に増えている。
 現在の輸入原紙価格は多少強含みではあるが、まだ国産に比較すれば安い。品質も、色や「きちんと巻けていない」といった初歩的な問題から「使っているのは品質にうるさくないところ」など様々。安定したデリバリも大きな課題だ。
 ただ、段メーカーで圧縮強度をテストした結果、1、2割は国内原紙より優れていたそうだ。「薄くても強度がある」とも話していた。いずれにしても、段メーカーが一貫系列に対する牽制として握った、ひとつのアイテムである。
 ユニクロが990円のGパンを発売して驚かされたが、今ではドン・キホーテが690円でその上に。まあ安売り競争なんてこの程度のもの。間違っても輸入紙を使ってケースの価格操作などしないことだ。
 「品質さえ間違いなければ使ってみたい。ただ安くは売りたくないですね」とは関東のX社長。「輸入原紙を使い始めた段メーカーの真価がこれから問われますね」とも。(山)
 
10月17日付
2009-10-19
 母親の介護用品を購入しようと事務所近くのデパートへ行ったところ、売り場が小さくなっていた。色々検討したいが、並べられているのはどれも2、3点。これでは選びようがなく店員さんに「カタログから探す事は可能ですか」と尋ねれば、「出来ますけど、そのカタログがここにありません」。何をかいわんやとはこの事。売り上げが減少し続け、新聞にも『千人リストラ』の文字が並ぶ状況下でこの調子とは…。
 さて、あるデパートが野菜の安売りを始めた。デパートの食材と言えば高くても品質は間違いない物が多い。同じ物を安く売るのでなく品質を落しているのならば、今までの顧客が喜ぶわけが無い。高級イメージを捨ててまで、安売り店と同じ価格帯で勝負して、勝算はあるのだろうか?
 段メーカーのA社長から聞いた話では、『農産物直売所・みずほの村市場(つくば市)は新参農家が既に市場にある作物を売る場合、必ず既存品より高価格にするという規則がある。高い分、既存の野菜よりおいしくしなければ商機はなく、その緊張感が直売所全体の品質向上につながる』。トマトはスーパーより3割も高いが、飛ぶように売れているという。(7日付け日経朝刊でも紹介されていた)
 本来の競争とはこのように今までの物にない【価値】をつけること。目先だけを考えた安売りは、自滅の第一歩なのだ。   (山)
 
10月7日付
2009-10-05
  アースダンボールが、参加型ネット販売「全国ダンボール在庫販売」を開設した(8月17日号既報)。段ボールケースを製造または販売している業者であれば出品可能で、価格から品種、数量まで自由に設定できる。新たな販売ルートを持ちたい、ネット販売を始めたいと考えている企業にとっては、利用価値の高いサイトだ。
 業界内でもインターネットの発展とともに、HP等で販売する企業は増えている。ただ、状況を聞くと「なかなか難しい」というのが、共通する意見のようだ。
 そんな中、同社は1990年代のサイト開設以降、着実に実績を残してきた。製品構成や価格設定を含めたサイトデザインがユーザーに受け入れられていることに加え、検索エンジンで上位にランクされるノウハウを構築している点も大きい。
 当然、運営には、大きなコスト・労力を割いている。ネット販売は利用者にとっては手軽でも、販売側にとっては必ずしも手軽なものではない。奥田敏光社長も、「トップダウンで、迅速かつ柔軟な対応をしつつ、全社一丸で取り組まなければ成功は難しい」という。
 新サイトについても、軌道に乗るまで時間が必要とするが、普及すれば小さくない勢力になるだろう。また、そうなった時、同サイト内でどのような市場原理が働くのかなど興味深い点は多い。新たな取り組みに注目したい。      (浮)
 
9月27日付
2009-09-24
 東南アジアでがむしゃらに働く友人がいる。ひとりで営業から物作り、工場管理までこなす。絶えず競争を迫られるこの地域、やらなければ会社は直ぐに潰れてしまう。何事も『他人任せ』では良くなるわけがない。『自分の会社は自分で守る、自分の食い扶持は自分で稼ぐ』が、生き残りの第一条件なのだ。
 段ボール業界もここ数年間、ユーザーと粘り強く交渉、自分で稼いだからこそ今がある。「売上を2割以上減らしたが、利益は4年前よりも出ている」とは関東の大手ボックス。毎年きちんと主力設備を更新、品質向上に磨きをかける。
 中堅段メーカーの中央紙器工業は「安値を入れられたら【捨てていい】とさえ思う」と高付加価値製品のみ追求、5%台の利益率をキープした。神谷社長は「コストだけの比較では仕事そのものに誇りも持てない」とする。
 「量へシフトするメーカーが出始めた」、こんな声もあちこちで聞こえるが、競りに競って他社が手放した仕事にどれ程の価値が残っているのだろうか。安売りは、いずれ自分の首を絞めることになる。
 2年前、業界首脳が「本当の意味での段ボール業界の地位、段ボールそのものの価値を日本経済界に認めてもらう」と話していたが、まだまだ道半ば。ここで後戻りしようものなら、今までの努力は水泡に帰すことになりかねない。    (山)
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