板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2010段談

 

2010年 段談

2010年 段談
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12月27日付
2010-12-27
 段メーカーやボックスの取材後にフッと思うのが「普通の事を地道にやり続ける事がどれだけ大切か」。ここでの普通の事とは仕事が丁寧(品質)かどうかと約束(納期、材質)を守る事、それに色々な場面での対応だ。
 少し前に同じFFGを使っている大手と中小で、ケースの精度に差がある話を聞いた。クレームの対象となったのは大手の方。次々とロット替えする中での高速運転、どうしても仕事が雑になっていた。その点、中小は速度を気にせず前段取りもしっかりやり精度を高めて納品した。発注量に差が出て当然だ。
 納期厳守は最低条件『徹夜してでも』とよく耳にする。親しいボックスは下請け100%、時には大手から厳しい条件を突き付けられるが、創業以来『出来ません』とは絶対に言わず、納期も守った。今では近隣の段メーカーにとって、なくてはならない存在だ。
 取引先からの電話の対応、顔が見えないだけに電話の受け応えだけで会社の印象は大きく変わる。たったひと言で、会社全体に影響を与えた悪例も。また取材後、事務員さんの笑顔一つで気持ちがほぐれたりする。馬鹿丁寧な挨拶ではなく、その人からにじみ出る雰囲気、社風の良さを感じる事がある。
 『社員教育』、経営者ならばその大切さは身に染みて分かっているが、実際に出来ているかどうかだ。この差で、会社の将来は大きく変わる。   (山)
 
12月17日付
2010-12-13
  平成22年が終わる。段ボール業界、数量ベースで見れば107億1506万平米、3・5%増(1月〜10月速報)と、最悪期から抜け出した。通年でも130憶8900万平米、対前年比3・7%増が予測されている。
 価格面は、“シートの特値”“原紙の協力金”など不安定要素はあったが、市況的には心配された値崩れも無く、まあまあ無難に推移した。これもそれぞれの会社が取り組んで来た意識改革の成果である。
 ただし、特値については「ひとつの価格帯ができつつある」(大手ボックス)。「段メーカー側の拡販」、「ボックスからの値引き要請」など意見は様々だが、「・特例な受注への対応、・数量をまとめる、・一定期間の割引、どれなのか非常にわかりにくくなった」(中堅ボックス)と指摘されるほど広がっており、関東◎号線沿いでは驚く数字も飛び交っている。
 もっともシートを購入するボックス側は、ほとんどが下がる事を望んでいない。「シートが下がって利益を上げられるのは半年ぐらい。それ以降は引きずられてケースも下落する」からだ。結局、一部の大手ボックス、拡販段メーカーに掻き回されてジリジリ弱含んでしまったのだろう。今のところ肝心のケースに波及していないのだから、この辺で歯止めが必要である。
 原紙の協力金にしても戻し無しで採算とれる価格を設定するのが当たり前だが、「戻る事を前程に営業するメーカーがある」(関東段メーカーA社)。これも弱含みの大きな要因となり、結果、「段ボール業界がもっているのは我々が協力金を調整しているから」「加工賃を増やしたからとは言うが、協力金無しで現状経営が成り立たない会社もある」(流通幹部)と、なめられてしまう。
 段メーカーから流通側には「製紙の言い分をただ伝えるだけで昔と少しも変わらない。マーケットの実情を考え、流通としての価値を見出して欲しい」との指摘が一般的。一部には「製紙、段ボール直取引で良いのでは」との声もあるが、流通頼みの段メーカーは増えている。
 そんな中、大きな利益を上げたのは大手の一角。特に一貫の△グループ、専業大手A社、経営スタイルは違うにしても着実に利益を上げ、盤石な体制を固めている。環境厳しい洋紙部門が無いこともあるが、「他の製紙系とは営業マンの質、技術力まで違う」(中堅段メーカー)など、力の違いを見せつけた。「専業大手でも差が開いている」としたのは流通幹部。大手専業は残すところ数社に絞られたが、「まだまだ一貫の陣取り合戦は続きそう」(流通)で、噂話は事欠かない。
 一方の中小は、年初から数量不足に泣かされた。「定時までコルゲータが回らない」と話す段メーカーは何社もありる。大半は「なんとか対前年比をクリアーした」(中小C社)ようだが、実際の伸び悩みより、将来に対する心理的不安が影響してか、「来年も量はそう期待できない」が、取材した中では大方を占めた。
 先日も「来年の予想は?」と親しい段メーカーに聞かれ、エコポイントなど需要の先食いがあり猛暑の特需も無ければ、「このままジリジリ推移しそう」と思わず返事をしてしまった。当人も「現状のままで安定した経営は厳しい」と言い切った。別の社長は「絞れるものは絞り込んだ」とし、S&B予定だったフレキソグルア更新を先延ばした。過去何回かの値上げで膨らませた浮輪がどんどん萎んで来たようで、「5年先なんてもんじゃない。1年先が見えない」とも話す。
 その設備投資。大手を中心に戻り、主力機械メーカーはどこも受注で満杯。これからも大手グループを中心とした工場統廃合は進み、フレキソグルア増設やコルゲータ更新、更にはリニューアルから新工場建設など、いくつもの案件が浮上する。どの会社も「量は追わない。品質や環境対応が中心」とは言っても、数十億かけた投資は早くに回収したいはず。
 需要が伸びない中での生産能力アップ。使う側の気持ちひとつなのだが昔から工場が新設される度に、「新工場に移管した量を周辺から集め、周辺で不足した分はその外周から」、が常套手段と言われており、「今までそうだったし、いずれ皺寄せしてくるのは間違いない」(関東大手ボックス)。既にきな臭いにおいを感じてか、周辺では不安を募らせている。
 何れにしても今までの対処法とは違った、大胆な対応が求められる時代に入った。関東の段メーカーは「相互協力、中小同士のアライアンスも視野に」とした。「コルゲータを何社かで共有する時期に入ったのかもしれない」(中部地区段メーカー)は200万以下の経営者ならば頭の片隅にあり、「撤去し、300万平米クラスのボックスも面白い」と業態変更をチラつかせる経営者さえ出てきている。
 “一年ひと昔”、時代は波のように流れ、しかも速くなる一方だ。輸入紙は国内価格が安いから入ってこないだけで、いつまたその脅威にさらされるか分からない。段ボール原紙の新マシンに設備増強、指定・支給原紙、取扱量の拡大に走る総合商社系紙代理店の動向も気になるところである。どう潮目を読むか難しいが、流れに取り残された企業は急速に衰退してしまう。「来年は正念場になりそう」(関東ボックス)だ。
    以上、記者の雑感であるが、板紙業界がしっかりと基盤を固めたから、段ボール業界が多少振れても揺るがないのだと思う。『少し良くなったからこれぐらいなら…』、『うちがやる量なんて…』こんな安易な考えが一部にあるから、変われないのだろう。
 あの板紙だって血の滲む努力で変った。段ボール・ボックスが変われないことは無いはずだし、いつまでもおんぶに抱っこではだらしがない。とにかく協力金があるのならば安売りなどせずに、その分は内部留保にしっかり留めるべきだ。
 安定している時こそ、製造業として次の手を打ち、技術力・生産性を高めることが大切である。段ボール関連業界の原点は『ケース』。製品価格だけは大切にして欲しい、と切に願う。        (山)
 
12月7日付
2010-12-03
 80歳を機に廃業したT社長。後継者を作らず従業員は高齢で印刷機など主力設備も老朽化、いつ工場が止まってもおかしくない状況だった。グルアの入れ替えを相談されたりもしたが、すぐ立ち消えに。機械が壊れるか、自分の身体が動かなくなるか、閉める時期を探っていたようだ。
 T社長、独立前は大手ボックスメーカーの辣腕営業部長として鳴らしたが、会社には営業マンを一人もおかなかった。唯一の営業方法が電話帳への小さな広告。問い合わせは逃がさず、他社が引き受けない細かな仕事を積み上げ、月産15万平米をキープした。
 31年前、初めて購読料を集金したのがここS社だった。当初は『うるさいオヤジ』で敬遠したがケースを作る工程を丁寧に教えてくれたのがT社長。以来、親子ほど歳は違ったが何かと頼られ、シート市況が動くと必ず電話が掛って来た。「本当に上がったのか。うちみたいな小さな函屋は、いいように買わされる」が口癖だった。仕入先をシートの品質で選ぶ、こだわりもあった。自慢は優良申告法人と工場を新設した時の小紙記事。事務所内にはその賞状、掲載紙のコピーが貼られていた。
 何年か振りに工場の前を通った。もちろんS社の名残はひとかけらもない。小さなボックスメーカーでも仕事を続けられるのが、本来の段ボール産業なのだけれど、最近の状況は…。     (山)
 
11月17日付
2010-11-24
 ▼特値。「特例な受注に対応する場合なのか、一定期間の割引きなのか、数量をまとめればなのか、非常にわかりにくくなった」、こう話したのは中堅ボックスのA社長。本来は特例案件に応えるため、だと思う特値が、工場近辺で昨年後半から少しずつ増え始め、ひとつの価格帯が出来つつあるそうだ。材料代が下がることは助かるが、半年もすれば自然とケースも下落、結局「利益の幅はシート値下がり前と変わらなくなってしまう」。以前から指摘されている、あるべき業界の利益が無くなるだけなのだ。原紙の協力金にしても同じようなもの。最初から戻る事を前程にして価格を提示すればどうなるのか、子供でも分かりそう。
 ▼人に頼まれ、「ちょっとコルゲータを見学させて下さい」と段メーカーA社に頼んだところ、気軽に「いつでもいいですよ」と返事を頂いた。「ただし3時過ぎると停まっているかも」と付け加えられた。別の段メーカーでは「2台を1台にしても定時まで回ればいい方」とも。中小段メーカーにボックス、どこで取材しても「数量が足りない」と聞かされる。先ほど発表された全段連の下期・段ボール需要予測では、2010年暦年予測を年初予測の128億2300万平米(101・5%)から130億8900万平米(103・7%)に上方修正したが、中小にはその仕事が回っていない。(山)
 
11月27日付
2010-11-24
 「社長、お久し振りです」、日曜の夜に携帯から聞こえて来たのは、15年以上前に辞めたK君の明るい声。4年ほど勤めた後、いくつかの専門紙で編集や編集長を経験、最近はフリーランスで生計を立てていた。中央大学卒、人懐っこく器用なところもあり誰からも好かれる性格、重宝がられていたようだ。そんな彼が「ペーパーはもうダメです。ネットに食われて激減です」と言う。株式関係の配信記事も手掛けていたから自分なりに何かを感じているのだろう。
 実際、フリーランスに見切りを付け47歳にして再就職を果たした。職種は広告代理店の営業。「昔、社長からK君には記者より代理店の方が似合うかもね」と茶化されたことが頭に残っており、面接を受けたのだと言う。この辺が上手なところなのだが、とにかくこの歳でのチャレンジ精神には脱帽する。就職難で勤め先の無い若者も多いが、努力し続ければちゃんと結果が出るお手本のようなもの。「最低保障で歩合制ですから」とも話すが、きちんと成果を上げて行くと信じている。
 彼のように紙媒体が無くなるような話をする人がたまにいる。業界紙も確かに厳しいけれど、紙媒体が無くなるとは全く思えず、反論にはならないがつい「基本はその産業、取材先にどれだけ深く食い込んでいるかどうかで、メディアの問題はその先の先」と言ってしまう。    (山)
 
11月7日付
2010-11-11
 「独立不羈の精神で新聞作りを」、「文章は経国の大業、不朽の盛事=業界紙は業界の大事」―先輩達から掛けられたひと言です。こうした温かい叱咤激励に支えられ、小さいながらも創刊50年を迎える事が出来ました。昭和35年から業界の指針となる新聞を目指す一方、読者との対話も大切にして来ましたが、これからも偏ることなく、媚びることなく、情熱を持って紙面作りに励みます。
 幸い板紙・段ボール業界は利益重視に方向転換、目先だけの消耗戦から脱却しました。今年に入って製品価格は弱含んだものの、しっかり踏ん張ったのもその表れです。大手は大手の自覚を持ち、中小段メーカーやボックスもそれぞれの地域では、自分達が大手同様の影響力を持つことを念頭に置き、節度を持って行動すべきです。特に価格に対しては、地域全体に影響を与え、近隣にまで広がる恐れもあります。『自分さえ良ければ…』は、絶対にありえません。
 遅れていた設備更新など合理化をより進め、強固な企業体質を築き上げることも大切です。環境・安全・衛生面でも改善しなければならない幾つかの事例が見られます。これらを是正する為にも、積み上げた加工賃を崩さず収益を上げ、内部留保を厚くするべきです。
 段ボールをはじめとした紙系製品は、他の素材に比べても環境に優しく、印刷・緩衝・加工適性に優れ、まだまだ伸びる可能性を秘めています。紙面を通じて用途開発のお手伝いをさせて頂き関係各社と共に発展したいと思います。新市場開拓では失敗を恐れず、先ず行動することです。何事も行動しなければ発展等あり得ません。
 一方、次世代を担う後継者、また社員の方々にとって会社は、自分の志を実現する場、自己実現の舞台です。悔いを残さぬよう、やり残しが無いよう、持てる力を全力で発揮して欲しいものです。段ボール、ボックスをはじめ機械や関連メーカーには多くの素晴らしい後継者が育っています。若い人達一人ひとりの努力が、働いている会社を成長させ、板紙・段ボール産業全体のレベルアップに繋がるのだから、もうひと踏ん張りです。
 創刊以来、関係各社の良きパートナーでありたいと思う気持ちは少しも変わりありません。心から業界、そして各社の健全なる発展を望んでおり、恩ある業界に愛情ある記事・コラムを書き続けたいと思います。どうぞ、これからも『板紙・段ボール新聞』をよろしくお願い申し上げます。 (山口)
 
10月27日付
2010-11-01
 「25年前にお世話になっていた○○印刷です」、アポ無しで初老の男性ふたりが挨拶に来た。【○○印刷】、一気に懐かしさが込み上げ思わず「まだあそこでやっているのですか」「あの輪転機は?」「大変ですね」、なんて失礼な事を口走ってしまった。
 JR水道橋から歩いて7、8分、神保町のど真ん中で営業する。昔の旅館みたいな継ぎ接ぎだらけの木造2階一部3階建て、1階で鉛を溶かして活字を作り、壊れかけた輪転機を回していた。日々進化する印刷技術に付いていけず、2年程で取引を止めた。それでも、小さいからこそ全工程を隈なく覚えることが出来た想い出の場所。清酒業界の専門紙から「君に将来を任せたい」と誘われたのもここ。存続しているのか、気になることも度々あった。
 数年前、印刷所の前を通ると郵便受けにガムテープが貼られ、窓を見れば薄暗く、てっきり倒産したものだと思っていた。だから、名前を聞いた時には驚いた。帰り際、「今は△△印刷さんですね。邪魔するつもりはありません」、見るからに人が良さそうな社長さん、こちらが名刺を出すまで、もじもじしたまま。「積極的に名刺を出しても…、△△さんに悪いですし」なんて終始、控え目な受け答えだった。毎日のように印刷メーカーが破綻している厳しい中、こんな調子でやっていけるのか、心配になってしまう。   (山)
 
10月17日付
2010-10-22
 ▼○県で2台の最新鋭FFGが設置されたのが数か月前。同時期にシート供給先である段メーカーとシート購入先のボックスメーカーが導入しただけに、色々な憶測が飛んだ。「仲違いした」と見る人がいる一方、「ボックスが他社から押されたので2社での共同戦線」との分析もある。記者の見方は後者の方。いずれにしてもたいした需要があるわけでもなく、周りのメーカーは戦々恐々。
 ▼だいぶ前にこんなコラムを書いた。『原紙を持たない大手と言えばもう4、5社。そのうち1社の名前をよく聞くようになった。そういえば森紙業が王子傘下となった2、3年前にも同じような噂が。どちらの色が付くのか、専業を貫き通すのか。業界紙でなくても興味津津』。「どこの会社?」と何人かに聞かれたが、直ぐに分かった人は「もう決まっているんじゃないの」と言い切った。この噂、最近とんと聞かなくなった。それでも地元の流通筋では「水面下での交渉が継続中」と言う。
 ▼「何となく静かですね」とA社長に話したら、「限られたパイの中で動いているだけなので、静かと言うより静かにせざるをえない状況」なのだそうだ。某大手ユーザーが先日「長年にわたって価格水準を落としてきたのは段ボール側の競争によるもの。自ら崩して後で要求するのは流れとしておかしい」と指摘した。もっともなご意見である。  (山)
 
10月7日付
2010-10-12
 最近、耳にすることが増えた『ジェネリック医薬品』。特許権の切れた先発医薬を、特許権を持たないメーカーが特許の内容を利用して製造する薬のことだが、記者も薬剤師さんから「循環器系の薬は半分以下ですよ」と言われ変えてみた。確かに薬代は驚くほど安くなった。先発メーカーが後々まで、いかに儲けているかがよくわかる。
 この医薬品に使われる印刷紙器、中身が中身だけにメーカーが求める品質基準は昔から極めて高い。そのため紙器メーカーは、無理をしてでも高価な設備を導入、応え続けてきた。両者の関係には、『持ちつ持たれつ』、信頼関係が成り立っており、「得意先は○○製薬」と誇りにした業者も少なくない。
 先日、「この信頼関係を壊すような出来事がある」と耳にした。「食品分野を主力にしてきた会社が、医薬分野に参入してきた」と言うのだ。食品は成長こそ医薬品に劣るが�W安定した需要が見込まれるだけに、首を傾げたくなるが「食品パッケージは価格が安い」のが、最大の理由�X
 医薬品メーカーにしても、以前はあれだけの要求を突き付けながら、品質基準に満たない新規参入者に対しては、「少し位なら品質を下げても…」で済ませているらしい。
 関係筋に言わせれば「ジェネリックが増えつつあるなど医薬品もデフレ気味。品質よりも価格が魅力なだけ」なのだ。    (山)
 
9月27日付
2010-10-01
 今年は夏が長かった。9月中旬まで太陽が照り付け、記録更新、熱中症の文字が並んだ。16年前、1994年も暑かった。当時は巨人軍の大ファン。最終戦を残して中日と同率首位、しかも直接対決とあって試合当日の10月8日は盛り上がっていた。テレビを見ていたのは静岡の海岸。ウエットスーツで遊べるほど水温が高かった。今年はそれ以上に温かいという。異常気象は喜べないが、10月に海で遊べるのはちょっとうれしい。
 さて、年初めからいまいちだった段ボール生産量。景気よりも天候に左右される部分もあるだけに、7月後半から8月に入り「猛暑の影響でだいぶぶり返した」(大手段メーカー)。ただ、これもつかの間の喜びでしかなかった? 9月に入っても暑い日は続いているが、「お盆過ぎから全体的に芳しくない」(中小)と言うし、流通でも「飲料を含めても販売量が伸びない」と聞かされる。
 幸い、一時広がりを見せた特値が落ち着いてきたし、一喜一憂することもない。ここ数年、段メーカー各社は、様々な会合で顔を合わせる機会が増えている。『抑止』『ガス抜き』色んな意味で、本音で話し合う事は必要だし、トーモクの齋藤社長が言うように「平時が一番大切」なのだ。
 昔、『段ボール業界の常識は、世間の非常識』と揶揄した経営者もいたが、業界・メーカーともに大きく変わっている。   (山)
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