板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2010段談

 

2010年 段談

2010年 段談
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9月17日付
2010-09-21
 『中仕切り』、記者が業界に入った��年前は中身製品の保護を目的にたくさん使われていた。その後輸送環境も変化し、多くの企業がコスト削減から使用を止めた。この中仕切りに特化し、これだけを製造して生き残ってきたのがフィールドパックだ。困難な状況も多々あっただろうが、過去の成功体験にしがみ付くこと無く、やって来たことは『改善』と『挑戦』である。
 一般的な中仕切りだけでは、企業存続も危ぶまれたかもしれないが、積み重ねたノウハウから同社でしか作れない糊接着タイプを制作した。仕切りの脱落を防ぎ、紙粉や紙片も出にくく、人気商品に育っている。
 糊付機は全長��m程の立派な機械だが、これも自社開発。修理やメンテは自分達でこなす。人海戦術的な要素も強い分野で、しかも得意先であるガラス瓶メーカーは��時間体制、多くのパートさんを使って検品作業する事も。納期、品質を守るために最大限の努力を惜しまず、キチンとやり続けてきたから信用がある。
 2年前にマイクロフルート製、最近ではコンパクトに折り畳める製品やケース一体型も完成した。�`やってみなけりゃわからない�aと明るくおおらかな畑社長の人柄もあって、東京パックへ出品することを決めた。全社員のモチベーションは一気に高まり、一丸で脇役だった中仕切りを、一歩前に進められたらおもしろい。  (山)
 
9月7日付
2010-09-06
 「新聞、売れなくなるよ」、高校2年の末っ子がオーストラリアから帰って来るなりこう言った。iPadが発売され、今まで以上に本や新聞を読む人が少なくなる、という発想だ。もっとも父親の会社を心配してならば可愛げもあるが、自分の留学費用が滞ってしまうことが気掛かりなのだから『何をか言わんや』である。
 さて、話題のiPad。テレビや雑誌を見ても「面白い」「画面上のページをめくる感覚は、実際の本と違わない」と高く評価されている。ゲームに映像、インターネットなど何から何まで1台の新型情報端末で可能となれば、確かにすごいものなのだろう。でも、アナログ人間の記者からは無機質に思え、温か味を感じない。新聞、本ぐらいは紙の手触りや匂いぐらい楽しみたい、と思う。
 昔、夕刊紙の記者をしている友人に刷り上がった新聞を手渡した時「この匂いが堪らないよね」と顔をくっ付けインキの匂いを嗅いでいた。新聞を読むと指が黒くなった時代の話だが、刷り上がったばかりの新聞は独特の匂いがした。新刊は新刊本の匂い、古本には少しかび臭い匂いがあるからいいのだ。
 これからも書籍や新聞のデジタル化、ペーパーレス化は進みそうで気掛かりだけど、紙には紙しかない良さがあるし、本などを見直すいい機会になるかもしれない。『逆境時こそチャンス』でもあるのだから。   (山)
 
8月27日付
2010-08-30
 7月の3連休最後の夕方、携帯が鳴った。電話越しに聞こえてきた大きな声は、懐かしいSさんだった。姪御さんの結婚式に出席するため東京へ出て来たようで、張りのあるバリトンは、大手段メーカーバリバリの営業マン当時と少しも変わらなかった。
 Sさんには、入社当時から目を掛けて頂いた。仕事に対する気概、志など、大先輩の後ろ姿を見ながら覚えたことがたくさんある。東京在勤中は銀座や四谷で遊ばせて頂き、酔っぱらった中で、「社長はいつでも道路の真ん中を歩け。お前が端を歩いたら社員はどこを歩く」と怒られ、無茶苦茶な、と思いながらも「確かにそうだ」と頭に残るなにかがあった。お元気そうで安心したが、今まで頑張られた分、これからは細く長く人生を楽しんで下さい。
 元気な大先輩もいれば、病気になった先輩も。Eさんは日頃から品行方正、無茶飲みなんて絶対にない。拳法の達人だし食事にだって気を付けていた。大酒飲みな記者や一緒に遊ぶT先輩からすれば、彼が病気になど罹るわけがない、はずだった。
 3人で暑気払いの計画を念入りにたて、7月の第4金曜日に○○へ繰り出す約束をしたのだが、その1週間前、段ボールセミナーで足を引きずっている姿を目撃した。そう、痛風に罹っていたのだ。もちろん暑気払いは当面延期。早期回復を願います。     (山)
 
8月17日付
2010-08-19
 ある印刷メーカーの経営者と話す機会があった。記者の胸のプレートを見ながら「段ボールはいいですね」と話し掛けられたから、「数量はともかく、収益はたいした事ありません」と返事をした。この社長、段ボールへの参入を窺っている。「ここまで商業印刷が減ると、若い社員が不安になり離職してしまう」と言う。工場は新設では無く、手っ取り早く、弱ったボックスを買収する目論見である。
 同様の話は1年程前にもあった。同じ紙加工業として、そう違和感なく入れると思っているのかもしれない。印刷より加工度が高く仕事として面白い、とも話していた。紙器を含め印刷物の輸入は、中国を中心に増え始めているし、確かに印刷業界は暗雲立ち込めている。
 では、最近の段ボール業界はどうだろう。企業間での仕事量の差を「まだら模様」、1社での仕事量の変化を「曇りのち晴れ、時々ドシャ降り」と表現する人もいたが、段メーカーでもボックスでも企業間格差は広がっている。じっと価格を大切にしてきたメーカーが、どんどん量を落としているのを見ていると、割り切れない思いだし、もう一段上のステージを目指していたのではないか。
 三菱、石川製作所と相次いで最新マシンを公開したが、このような至れり尽せりの設備がどんどん入れられる業界になればいい、と切に願う。  (山)
 
8月7日付
2010-08-09
 大手製紙メーカーが○○向けのライナマシン(2号機)を年内に発注、再来年春から稼働させるとの噂が…。その後5年以内に月25000?以上を目指すとも。「○○がやれば、遅れずに△や□も続くだろう」と、予想する人もいらっしゃるが、何れにしろ「どこも量は狙わない。効率や高品質化の追求」なのだそうだ。これもしっかりしたプラットホームがあればこそだし、板紙業界は更に強固になって行く。
 GW明け以降、散々だった段ボール生産量。ここに来ていくらか持ち直して各社ともに一息ついたが、それもつかの間で、シートは特値が拡大中。書けない数字が飛び交っている。大手に限らず、中小でもボックスの要求に素早く対応しているようだ。
 これを象徴する出来事も。○段工理事会で某大手ボックスの安値拡販が取り上げられたらしい。大手一貫メーカーが安くシートを入れるから拡販できるのか、それともボックス独自の戦略なのか。ボックスの話題がその場で出ること自体、ちょっと異常な気も…。
 大手は大手としての自覚を持たねばならないし、中小・ボックスもその地域では影響力(特に価格に関しては)がある事を忘れてはならない。段原紙価格は、当面べた凪(なぎ)だろうし、製品価格はもともと採算ギリギリのラインなのだから、それを割るような愚策はありえないだろう。      (山)
 
7月27日付
2010-07-30
 小紙HPには、「段ボール箱を売って下さい」等、色々な問い合わせがある。エンドユーザーからも半年に2、3件あり、先日は超大手電器メーカーから「生産調整して価格維持しているように思える。購入ベンダの価格精査を行ったところ割高になっており、どうにかしたい」と、現在の製品市況を尋ねてきた。こんな時は「箱は個別取引ですから」「シート価格は日経市況を見てご自分で判断して下さい」と返事をする。超大手ユーザーから、価格維持なんて言葉が出て少し驚いたが、これも段ボール業界が【変わった】証明だと喜んでいた。
 次の日、「一貫系段メーカー○が各工場に対し6月下旬から『作れ』と指示を出した」とメールが入った。価格重視に方向転換していた○社だったが、実際に中小段メーカーの得意先であるボックスに安値で競り込んで来たそうだ。別の段メーカーでは「プライベート商品が荒れそう」と話しているし、数量の減少で工場のモチベーションが下がってしまうと、ある程度の量回復を狙う段メーカーもある。
 親しい経営者と生ビールを飲みながら、「仕事にはやりがいを感じるけど、最近なんだか面白くないね」と愚痴をこぼしあったが、段ボール業界と言うよりも、自社の将来像を描けない中小企業が増えているような気がしてならない。どうにかしたい、と強く思う。      (山)
 
7月17日付
2010-07-20
 ▼『身体に染み付いたDNAだから…』、関連産業A社長が口にした言葉だ。もちろん良い場面で使ったのでは無い。Aさん、段メーカーの営業マンを経験し業界を熟知。それだけに最近の段メーカーやボックスの動きを見て、『少し良くなってきたと思っていたのに』と、残念そうに話したのである。
 ▼『書き方に気を付けて下さいよ』、とは段メーカーB社長。コラムで、ケースが弱含みと書いた事に触れ、情勢分析を兼ねながら電話がかかってきた。笑いながらも「微妙な時期だから」と。確かに既存製品は価格を維持しているし、超大手ユーザーも下がっていない。にもかかわらず、取材に伺えば「あの値段で出来るわけがない」などマイナスな話ばかり耳にする。
 ▼『自分のは食い荒らして、今度は他人の料理を』、一貫系に限らず大手段メーカーが中小の仕事を狙っているそうだ。超大手ユーザーは大手段メーカー同士の勝負。中小やボックスには何の関係もなかったが、利幅がどんどん小さくなり、同じやるなら小ロットでも儲かる地場ユーザーから、という事らしい。
 ▼原紙を持たない大手と言えばもう4、5社。そのうち1社の名前をよく聞くようになった。そういえば森紙業が王子製紙傘下となる2、3年前にも同じような噂が飛び交った。どちらの色が付くのか、専業を貫き通すのか。業界紙ではなくても興味津津。 (山)
 
7月7日付
2010-07-09
 紙器や段ボール、印刷、機械などあらゆる業界に『組合』は存在する。そもそも『組合』とは、会員企業の相互理解と健全な発展支援を骨子とし、一方、組合の活性化には会員が経営基盤の強化に取り組むことで、活動強化・存続に繋がっていくものだと思う。
 伸び盛りの時代とは様変わりし、やり終えた事業も多く色々大変なところだが、現在は会員相互の信頼関係を高めることに、大きなメリットを感じる人も多いのではないか。それぞれの業界に『組合』や『クラブ』的なものは間違いなく必要だ。
 さて少し前、○組合理事会後の懇親会に混ぜて頂いた。これからの在り方や運営方針について、仲間の前で自分の気持ちを素直に表現するH社長はじめ、本音でざっくばらんに話せるメンバーがたくさん集まっていることは、長年に渡って信頼関係を構築してきたからであろうし、なかなか真似のできることではない。隣席のS社長が帰り際に「これがいいんだ」と話していたのも頷ける。
 昔、段ボールの業界紙にも記者クラブが存在した。各社の代表、個性豊かですぐに解散してしまったそうだが、その後、再結成のために動いた親しい先輩がいた。部屋をどこにするかなど具体的な話を聞かされたこともあったが、残念ながら実現しなかった。懇親会からの帰り道、腹を割って話せる○組合は素晴らしく、また羨ましくもあった。 (山)
 
6月27日付
2010-06-30
 『一貫系段メーカーがシートを売り込みに来なくなった途端、客先へ競り込んで来た』とボックスで聞いた話をコラムにしたが、その後に取材した段メーカーA社では全く逆の一例、「ボックスだって同じ。驚く値段で指して来る。どう計算してもシートが○円以下じゃないと出せない価格だ」と呆れていた。
 後ろで大手段メーカーが糸を引いているのか、シート量確保の特値なのか。巷では「シートは多少下がっても、ケース価格は維持している」ようだが、実際のところどうなのだろう。特値で済んでいるうちはまだいいが、「別の地域でも同様の奪い合いは始まっている」とするのがB社長。ケースについては「そりゃ建前、そう言うしかないでしょう」とこぼしたが、案外これが段ボール業界大方の本音なのかもしれない。
 数量が1割ほど減少しても、まあまあの経営状態を維持できているのは、加工賃・価格をしっかり守ってきたからだ。これは各社ともに、身にしみて分かっている。ジリジリ弱含んできたこの嫌な雰囲気は、共通の認識なのだから、早く情勢を建て直さないと、いつの間にかあの数年前に戻っていた、なんて事になりかねない。
 中小、またボックスだって地域での影響力は大手段メーカーと大差ないのだし、安売りは、[天に向かって唾を吐く行為]であることを、忘れないで欲しい。      (山)
 
6月17日付
2010-06-17
 ▼輸入紙を使う段メーカーは名古屋、九州が多いと聞く。名古屋、博多港に着くのでこの地方で使われているようだ。最近では、「製紙系列の段メーカーにちょっかいを出している」何て話も。価格メリットが少なくなり採用を見合わせたメーカーもあるが、それでも「また使いますよ」と根強いファンはいる。品質面では「全く問題なし」から、「台湾品を使ってみたが紙管が外れ引き取ってもらった」等、まだ遅れているとの声が。
 ▼設備投資の話題が増えた。「ジョイント精度が全然違うから」と新マシンの計画を持つ段メーカーA。機種選定の基準を尋ねたところ、アフターサービスを第1に挙げた。3社の印刷機を使用しているが、そのうち1社が修理に来なくて困ったらしい。「あそこはもうこりごり」と、当事者なら耳を塞ぎたくなる厳しい評価。受注が回復したのはいいが作る事に精一杯、アフターまで手が回らないということか?
 ▼一番のお気に入りだった飲み屋が上野から撤退し浅草で再スタートする事を決めた。鮮魚中心で宴会場まで予約がいっぱい、どうして不採算なのか不思議に思った。原因はやっぱり価格。いい魚を仕入れ、手間隙かければそれなりの値段になるが、ここ何年も安く提供し、最初の生ビールもサービス。固定費がばかにならない飲食店、安さで量だけを追いかければ、先は見えている。    (山)
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