板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2010段談

 

2010年 段談

2010年 段談
3
 
6月7日付
2010-06-07
 ▼ある経営者との雑談で、社長交代の話になった。「あまり出来過ぎだと次を探すのも大変だ」、どこの会社でもそうだが社長が偉大であればあるほど、後を引き継ぐ方は大変である。D社はすんなり代わったが、「他はどう見ていますか」、と尋ねたところ冒頭のコメントとなった。
 「○さんが辞めない限り、△さんも辞めない」なんて冗談話も出たりするが、周りを見ても実年齢より元気で意欲的な社長ばかり。「会社を思う気持ちは誰にも負けない」だろうし、業績も好調。力強く引っ張る経営者の存在は大きい。
 ▼中小企業にとっても、世代交代は大きなハードルだ。息子さんを社長にしたのはいいが、親がいつまでたっても子供扱い、何かにつけ口を出したそうだ。伸び悩んだ末にボックスを廃業、他業種で再スタートした同年輩を知っている。この意味からすれば、首都圏の段メーカーのほとんどが、うまく事業継承した(する)ように思う。先日もKさんから「我々若い世代がしっかりしないと」なんて頼もしい発言が聞けた。若い人達には業界活動含め、存分に力を発揮して頂きたい。
 ▼20年昔になるが、倒産したU社の当時副社長だったU・Sさんとしこたま飲んだ帰りのタクシーで「お互いにオヤジが偉いから大変だよね」と、変なところで意気投合した。親しかったUさん、亡くなられてもうだいぶ経つ…。    (山)
 
5月27日付
2010-05-31
 ▼入る部分と抑える部分ともに成果を上げたX社、利益はここ何年にない上積みである。Xさん、社長就任直後に経済不況も経験したが、「先を見て打った手がズバリ当たった」という。内部留保は厚くなったがこの地域、大手、中小、ボックス問わず落ち込んでおり、どの時期に、どう設備更新するか悩んでいる。「高速機を入れれば、それなりの仕事を取らねばならず、そうすれば収益は付いてこない」のだ。
 ▼段ボールと印刷2本柱で伸ばしてきた○社、印刷の売上げが激減し、借入金の多さなどよくない噂も出始めた。「段ボール部門だけ残すんじゃない」とは口の悪い同業者。地域一を誇った印刷がダメになればダメージも大きく「切り売りはないだろう」とも。一方、段ボール箱と印刷紙器の△社、昨年まで「年間売上高と同じくらい借金があるらしい」と出入り業者も心配していたが、こちらの噂はもう下火。
 ▼知り合いの印刷屋さん、御多分に洩れず仕事が激減、頭を抱えている。同業者も同じ立場だと、夜遅くまで営業して小さな仕事をかき集めても、古くからの取引先が尽く印刷物を減らしているそうだ。「ボーナスは出ず、給料にも手が付けられた」とこぼしていたが、身につまされる話である。今年に入っても毎日の様に印刷メーカーの破綻が。債権者を見れば、聞き慣れた代理店や卸商の名前があちこちに。    (山)
 
5月17日付
2010-05-19
 ▼数量が回復してきたか、いまいちなのか、色々な意見がある中、4月17日付けコラムで「大手はだいぶ回復、中小・ボックスはまだまだ」と書いた。その後も何人かの経営者に取材したが、関東の段メーカーA社は「4月も全然ダメ」、B、C社は「105%ちょっと」であるのに対し、ボックスD社は「昨年それほど落ちなかったし、今年もまあまあ」、しかも「GW前半は休日返上で対応した」そうだ。
 ▼この時期にこれだけ忙しいとは…。D社の社長と食事したおり「安く売っていませんよね」と尋ねたところ、「ありえません。きちんと利益を上げないと設備投資もままならない」と話し、精度を高めるため積極的に投資すると言う。帰り際、社長の携帯が鳴ったが、部下からの営業報告らしい。片付けるべき仕事はどんなに遅くてもその日のうちに。�`全社一丸�a、D社の強さが垣間見えた。
 ▼ボックス社長が呆れたように話していた。「ちょっと前までシートを売り込みに来ていたが、来なくなったとたんに得意先でバッティングした」のである。今年伸ばしている一貫系のことなのだが、もっとひどいのは毎回名前が挙がる専業の○。E社へシートを売り込みに来たのはいいが、「うちが入ればシート価格は下がりますよ」。2年前の製品値上げ時にも聞いたこのセリフ。もちろんEさん、耳も貸さなかった。      (山)
 
5月7日付
2010-05-07
 最近、耳にすることが増えたのが『日本は段ボール原紙、段ボール製品ともにグローバルスタンダードと異なる動きをしている』。古紙価格が国際市況とかけ離れた時期があったことなのか、最近の市況を指してのことか、先日も海外製紙メーカーの幹部から「原燃料に同調しない価格(日本国内)で、売れば売るほど持ち出しになる」、と聞かされた。別の中国・大手原紙メーカーでは、「一昨年たまたま値上げが成功し、単価が良かったから売っていた」など、見下された声も出ているらしい。海外勢の中には、より高く売れる地域にシフトし、日本からは撤退するメーカーもあるようだ。
 もっともインドネシア最大手・APPは、本紙とのインタビュー(次号5月17日付け)で「日本市場は10年先を見据えたもの。品質を高めるためにも学ぶべきことが多く、絶対必要なマーケット。価格面だけの理由で撤退はありえない」と強調。しっかり腰を据えた営業展開で薄物(140g)白ライナなど色々な製品を紹介、将来的にはプレプリントライナをユーザーに提案する考えもあるようだ。
 価格や今後の伸び率など何をとっても「ギリギリで四苦八苦」している国内原紙メーカーと、伸び盛りの市場をメインにする海外製紙メーカーとの差なのだろうか、APPのスリ・センビリン統括本部長からは、控えめな中にも余裕が感じられた。      (山)
 
4月27日付
2010-04-26
 ▼大手段メーカー3月の貼合量を対前年比で見ると、105%台はRのみ。110%を越えているのがSとTの2社、Sは1〜3月でも好調のようだ。中小は100以下もあるが、だいたい105〜7%ぐらいか。3月は数量こそまだ良いが、収益面は「単価の下落が予想より大きい」そうだし、同じグループ内での競り合いも目立ってきた。仲間で取り合うなど、隙を見せ無い方がいいのだが…。
 ▼前回のコラムで取り上げた『見合原紙』。総合商社系のM・Pが、ケース購入量3億円という大手ユーザーに『段ケース調達コスト削減のご提案』をしたものだが、ユーザーの購入コストが下がるのはわかるにしても、段ボール側のメリットまで何項目か書かれていた。提案書の中身をよく読んでも理解できず段メーカーに聞いたら「わからない(山)さんの方が普通ですよ」と言われる始末。製紙系の流通では「箱を握る商社がよくやる手口」と、たいして興味も示さなかった。
 ▼インドネシアで華僑の女性と結婚、その一族が株を持つ関係で現地段メーカーの仕事を手伝うようになったMさん。「勉強したい」と来日時に小紙へ寄り色々話していく。今回は中古の自動平盤打抜機を仕入れ、それに使う打抜き資材を探しに来たそうだが、「仕事が増え1台のコルゲータでは作りきれない」と言う。日本の関係者からすれば羨ましい限り。      (山)
 
4月17日付
2010-04-19
 親しい段メーカーとの飲み会で、誰からともなく出たのが「今年はどうか」。中小にとって1〜3月は想像していた数量の回復と若干違ったこともあり、色々な見方があった。はっきりと良いか悪いか言い切る人はいなかったが、取材先で感じるのは大手が『だいぶ回復してきた』であるのに対し、中小は『まだまだ』と多少の違いが。それでも最悪期は脱出しており、段ボールも数量さえもう少し回復すれば、盛り返すことは間違いない。
 少し前に機械メーカーの社長が「リーディングカンパニーとリーダーがしっかりしているから」と段ボール業界が良くなったことについて話していた。一方では原紙業界が価格含めガチガチな現状では「大手一貫の後を付いていくだけ」(中小社長)であり、大手には「業界全体を間違いない方向へ進めて欲しい」と期待する。多くの人と話してもみんな同じである。どこの地域にも量を追う業者は一部存在するが、「収益のみを追求する」(中堅社長)会社がほとんどなのだ。
 ただ気になるのはいつもなら新工場、バトンタッチ含め20年先を見据えた計画を語る○社長が、今までとは違ったひと言をこぼしたこと。○さんと一緒に段ボール産業全体の発展を祈念しているが、大手商社系のM・Pがケース購入量3億円のユーザーに提案した『見合原紙』、この時期、掻き回されるのだけは困る。   (山)
 
4月7日付
2010-04-06
 ▼少し前に、努力を積み重ねてきた機械メーカーとそうでなかった企業では差が開く年になる、と書いたが、同じ事は段メーカーにも当てはまる。C社の社長は、社員の幸せを第一に願い「ここで働いた事を良かったと思ってもらえる会社にしたい」と、歯を食いしばり頑張っている。これが、生産量が減ったからとリストラばかり考えている経営者だとしたら、従業員のやる気はどうだろうか。大きく変わることは一目瞭然だ。
 ▼大手ボックスB社。中小段メーカーからシートの買い方がうまい(きつい)と評判である。社長の意を酌んだ担当者が、絶妙のバランスでシートを発注するようだ。それにしてもこの担当者、女性なのだが気力が溢れている。きっと経営陣からの信頼も厚く、やり甲斐を感じているのだろう。「今の仕事が楽しいですか」と尋ねれば、「大好きです」と即答。
 ▼このところ機械メーカーの動きが活発になっている。段ボール機械メーカーXでは将来を見据えた社長交代の動きが。複数のFFGメーカーからは7月に新型マシンが相次いで公開される予定。別の印刷機メーカーでは台湾や中国の印刷機械メーカーとの提携話もいくつか浮上、また一方では海外でグルア単体機の販売も視野に入れているとかいないとか。不況を乗り切るために各社とも一生懸命だ。ここ当分、目が離せない。    (山)
 
3月27日付
2010-03-29
 【段ボール製品価格が弱含みながらも横ばいを維持している。昨年秋口から目につくようになったシートの特値が広がりを見せたものの、段メーカーは表だった拡販に動いていない。段ボール原紙が原燃料高を背景に高値圏で安定していることが歯止めになっている。ただ、ボックス含めて腹を空かせた状態であることに変わりなく、先行き不透明感はぬぐえない】――ある意味、期待を込めてこんな記事を書いていたら、段メーカーA社から電話が掛ってきた。
 「実際どうなの、製品価格は?」。周りの同業者から本音が聞けず、顔を合わせても「何だか表面だけ取り繕っているみたいだ」と言う。確かに、大手一貫関係者周辺で取材すれば「シートは多少下がったかもしれないが、ケース価格は維持している」と、判を押したような答えしか返ってこない。
 大手段メーカーは、「過去の値上げで落とした数量の回復」を前程にある程度伸ばしたものの、中小段メーカーは業界平均以下。1月から2月だって95%台そこそこの段メーカーが何社も。「去年より今年の方が厳しい印象を持っている」(S社長)のである。
 過去積み上げた加工賃を崩すことは絶対に避けなければならないし、不信感が台頭することも避けたいところなのだが…。綱渡りの展開が予想される中、どう乗り切るか、各社の真価が問われ始めている。     (山)
 
3月17日付
2010-03-18
 1年ほど前、突然家に彼氏を連れてきた娘。嫌な予感は見事に的中、婚約・結婚式の日取りまでスラスラと決まってしまった。娘は昔から家族で1番気が合う存在、嫁にやる寂しい気持ちを当時のコラムに書き冷かされもしたが、刻々とその日は近づいている。
 子育ての究極の目標は子供を自立させる事なのだから、これが最後の役目だと頭では分かっているが、ドラマだけの出来事だった結婚が、こんなに早く現実になるとは…。業界の友人達との飲み会でT、E両先輩は「一生、行かなくたって全然かまわない」と断言した。それほど娘は、特別な存在なのである。
 とは言っても、いそいそと家にある頂き物の食器やタオルを箱に詰めている姿を見れば、ついあれもこれもと思ってしまう。まして「ちょこちょこ帰ってくるから。今までとそんなに変わらないよ」なんて言われれば、イラ立つ気持ちも治まり喜び半分、寂しさ半分。ウェディングドレス姿を見たい気持ちも湧いてくる。
 幸い相手の父親Mさんはざっくばらんで気さく人。奥様を2年前に亡くされたが、娘にはいつも明るく優しく接してくれる。しかも『縁』とは不思議なもので、Mさんと記者双方がお世話になっていたのが段ボール○○のJ社・T社長。まじめに働いていれば『善き縁は必ず向こうからやって来る』と言うが、こちらも娘達が運んできた良縁だ。  (山)
 
3月7日付
2010-03-08
 昨日は『舎人クラブ』の初顔合わせ会。場所は去年と同じくベルギー料理の名店「シャン・ドゥ・ソレイユ」。初めて食した前回は、お店の雰囲気に些か飲まれもしたが、美味しいベルギービールの味が忘れられず、会の開催を待ち侘びていた。
 まずは赤、白ワインで乾杯。前菜のニシンのマリネレモン風味に続き出てきたのが肉、魚、肉と豪華なメイン料理3皿。ニシンのマリネぐらいは食べた事もあるが、他は記者の拙いボキャブラリーでは表現すら出来ず、ひたすら料理を口に運ぶばかり。それでも日常(居酒屋で一杯)と異なる落ち着いたムードでの楽しい会話、メンバーへの叱咤激励は、明日への活力となる。
 よく「これをやったあれもやった」と自慢話をしたがる人もいるが、長く仕事をしていれば、誰だってひとつやふたつの勲章は持っている。舎人クラブのN社長はじめ5名の先輩達は、過去を振り返ること無く、厳しい環境を認識したうえで常に新しい目標を掲げている。ちなみにA会長は、コルゲータオンマシンでの新しいフレキソ印刷方法を近く発表する。
 齢70、80過ぎにして目を輝かせ、日々努力し続けているのだから、まさに生涯現役。『夢を持ち目標に向かって努力、そして一歩踏み出せば不可能な事も可能になる』、を教わった夜だった。
 Iさん、次回は旅行会をよろしくお願いします。     (山) 
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