板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2016年 段談

 

2016年 段談

2016年 段談
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12月27日付
2016-12-22

 ▼平成28年が終わる。『パッとしない』『数量が伸びない』、顔をあわせればこれが挨拶代りの一年間だった。それでもごく一部を除けば水面下には『沈まないで済んだ』。原紙は『上がる前に戻った』なんて声も聞かれるが、表面上は未だにそう変わっていない。但し指定紙中心に激しい戦いの真っ最中。製品も弱含み、特にシートは春先から怪しい状態だったが、特値が横行しつつある。
 ▼段メーカーもボックスも抱える問題に取り組み少しずつ改善した。例えば納期、ある会社は『翌日配送は〇%、当日なら〇〇%掛かります』と文書で通達、その後は足を運び、受け入れない会社とは一部の取引を止めた。ロットにしても『少しでもまとめて』とお願いに歩いた会社もある。『量は減っても収益は高まり、従業員も喜んでいる』と言う。それでも絞る雑巾は乾いてきたのが実態だ。
 ▼大手段メーカーの設備投資。専業トップの驚異的な工場新設に押され一貫系も新工場やリニューアルが続く。『うちが火を付けたから』とはS社長だが、段ボール工場が強化・合理化される事は産業全体にとってプラスに働く。『大手は色々手が打てる』とは中小の言い分だけど、ただ見ているだけでは〝座して死を待つ〟と同じ。自分で出来る事から積極的に動かなくてはジリ貧になる。平成29年はどんな年になるのか。少しでも良い年にしたい。 (山)

 
12月17日付
2016-12-15

 『段ボール需要がこれ以上伸びない中で顧客の要求は多様化・細分化し、そのスピードも格段に速くなっている。1社で出来る事は限られており、無理して打って出てもマイナスに傾く事が多い。段メーカー200にボックス千数百社、現状のままで10年先に存続できているのだろうか』『ユーザーも大きな会社が幅を利かせるようになってきた』、地方の段ボール会社C相談役がこんな話をした。
 段メーカーは大手を中心に合併・吸収を繰り返し事業拡大してきた。だが『中小になると家業であり、どうしても子や孫に残したい』(C相談役)、のも当然の事。それでも『頼みの綱の量が減ってくれば、そんな事を言っていられない時期が来る』と見ている。『1年先が読めない』ほど不透明感が増し、その一方で『設備投資は顧客の要求に応えるために絶対必要』なのだから、まとまった資金もいる。『何か手を打たなければ』、これが最近頭から離れないそうだ。
 絶えず議論される合併、あるいは新会社にアライアンス。仲がいい仲間が『やってみよう』で、出来るもんじゃない。東京と地方、営業と製造、電気と食品(納入先)など等、今までも色々な組み合わせや取り組みが模索されてきたが、具体的な成功事例はまだまだ少ない。量が落ちていない今のうちに次の一手、配送や物流含めて大胆な発想の転換が求められている。 (山)

 
12月7日付
2016-12-07
 ▼ここでも触れているが、商社や商社系の商売は量を求めて一直線だ。まず広域連合の指定紙にちょっかいを出したM。身内の板紙メーカーを使ったまではいいが、果たしてこの先も安定供給できるかどうか。採用した会社Sは過去にもスケールメリットを追求しただけに、板紙業界のみならず、ユーザー筋の一部も面白半分見守っている。しかも取り引きある専業板紙メーカーとは確執も残した。そこまでやる価値はあるのだろうか。また指定紙では別の動きもある。飲料A社を商社系流通が取りに行った。はじき出された格好の代理店Bだが、ここでの価格も驚くばかり。いくら量がまとまっているとは言え、中小段メーカーとの開きは大き過ぎ。
 ▼原紙価格の変動によって段ボール製品も上下するのは昔も今も一緒。『上がったり下がったりするのは、他の素材も。上がれば箱を修正するしかない』とはある経営者だが、このところ原紙は上がる気配を感じない。・安売りしづらくなる。・製品を上げるきっかけに等、春頃までは『上がった方が、メリットはありそう』とした段メーカーもあったが、聞かなくなった。原紙側には常に『(段メーカーは)甘い』とする声があるが、そうとばかり言い切れない。紙を『下げ始めるのはいつもそっち』(段メーカー社長)であり、いくら『自助努力しても上から崩されてはどうしようもない』のだ。   (山)
 
11月27日付
2016-11-30

 ▼運転手不足に悩む地方の段ボール工場、『50万平米販売するなら、10万を5社に売るより50万を1社に』と言う。得意先や近隣同業との関係からどこまで出来るか未知数だが『この方向』だ。しかもボックスの方でもこの考えに乗る気の社長もいる。当然、まとまればそれなりの価格になるのだから、『仕入先を絞るメリットはある』、のだろう。気になるのは小さな会社。運転手不足が進めば『その量では引き取りに…』なんて事もあり得るのか。運転手不足によってボックス大小の差が、また開くようでは困る。
 ▼『ユーザーよりも段メーカー対策の方が大変』とは中堅ボックス。競合する得意先に安値を出すのは必ず段メーカーで、それも仕入れているシート価格では対応できない提示価格。量不足でも沈んでいないのは、ケース価格をある程度は守ってきたからで、これまで壊してしまったら…。前には強力なユーザー、後ろの段メーカーは仲間のはずだが、そうでは無くなった?。片や、昔『うちには5台のコルゲータがある』と話したボックス経営者がいたが、戦略上これはこれで立派な事だ。一部地域は今も同じようなものらしく、こっちは強力なスポンサーか。
 ▼10月の大手段メーカー生産量、△グループのみ前年比を僅かに超えたが、他は軒並み前年割れ。中小も同様で秋需の盛り上がりもいまいちか。  (山)

 
11月17日付
2016-11-22

 ▼10月21日付けの日本経済新聞に、財務省と国税庁は酒類の過度な安売りを防ぐため、『原価と販管費の合計を下回る価格で販売を繰り返した場合、違反業者の免許を取り消せるようにする』とあった。安売り業者の台頭で経営に苦しむ中小の酒販売店を守る狙いだ。これを読んだA社長『夢想ですが』と前置きしながら『段ボールも日経市況を原価とし、大手段メーカーは原価と販管費を割って販売したら罰則、なんてルールが…』と言う。これが冗談では済まないぐらいなのが今の現状。少しでも良くしたいところだが一部大手の動きは逆方向だ。
 ▼少し前に調整幅と言うか原紙価格がバラけてきた感じがすると書いたが、大手板紙メーカーの中でも売り急ぐ会社があると聞く。それでも『仕入先は絶対に変えない』段メーカーがあると思えば、動かすところも。どちらが会社にとってプラスかはトップの判断であり、最近は経営者の器量、腕も問われるようになっている。『厳しい会社もあるようだ』こんな噂話も金融筋から出ているそうで、与信管理は小さなボックスだけの話では無くなっている?
 ▼某流通が一部で話題にあがる。取扱量の移動があったことは確かだが、原因は人絡みか価格面でのことか。他の流通でも動きはあるようで原紙、段メーカー同様に差は開いていく?。なお10月末原紙在庫、増えに増えて53万㌧超え。  (山)

 
11月7日付
2016-11-15
 08年に開始したエンドユーザーの原紙共同購入。商社Aがまとめ役で原紙を調達、加工も差配する。メンバーは量的メリットや、加工賃明確化等の効果が見込める。Aも取扱量拡大の契機に。一方、単なる供給先、加工請け先と見られかねない原紙・段ボール業界からは苦々しい感情を吐露する声が聞かれた。
 ビックユーザーばかり。値上げ時はチャンピオン交渉と注目を集めた。加入・脱退あったものの来年10年目。が、この節目で潮目が変わりそうだ。年間約20万㌧と言われる合計量のうち4万5千㌧以上を占める飲料Zが、傘下に原紙メーカーを持つ商社Bに来年の取扱い会社を変更するらしい。元々、原紙購入はAの一括交渉ではなく、他社が入る余地はあったようだが、Bに移ることで、大きな量を失うメーカーCにとっても打撃は大きい。
 飲料Z、かつて共同購入について「量的メリットをさらに大きくするため」と語っていた。資材も本業さながら、大胆かつ合理的で変化を厭わない。勝手な想像だが、旨味が薄くなったとの判断からか。原紙側も専業の生き残り競争は激しさを増す。今回、取った、取られた方、ともに専業。関連してか、飲料大手Xの入札も体力勝負の様相がさらに際立つ(Xは共同購入メンバーの飲料Yと提携との報道も)。量と価格の天秤。一連の動きは原紙専業メーカーにとって攻めか、はたまた焦りか。    (浮)
 
10月27日付
2016-11-02
 ▼『極一部の小さなボックスを除けば、赤字にはなっていない』、パッとしない中でも、現状についてこう話した経営者がいる。表面上は価格を維持していそうな段原紙、安い価格は何でも〝特値〟を言い訳にするシート。たとえシート、ケースが弱含んでいたとしても、それぞれ後ろの方で何らかの対応策があるのだろうか。『売価を少しでも上げないと産業も会社も良くならない』のだが、当たり前のことが出来ないでいる。後ろを向く会社が多くなればなるほど、前を見ていても躓いてしまう。
 ▼『2千平米以上なら〇円引き』、なんと〇〇円だ。大手ボックスがひしめくこの地域のシート価格には、最近の特値に慣れた今でも驚く事がある。ボックスに相次いで導入される高速製箱機、どうなっているのだろう。片や新旧工場あわせて〇〇〇〇平米を目標にする大手段メーカー、中部でも一部で安いケースが出回った。原紙の先行きを見越しての事なのか。『最近の動きにはとてもついてはいけない』とは中小営業マン、慌てず自社の方向を間違えずに。
 ▼さて、9月の大手段メーカー生産量。一貫系△は好調を持続、本体・子会社2社ともに105%を超えた。もう一方は前年並みで、専業大手も1社は前年を割った。中小・ボックスは総じて悪そうだがバラつきも見られ、中には大手とガチンコ、ここは中小意地の見せどころ。 (山)
 
10月17日付
2016-10-21
 ▼受注好調なある大手ボックス。自工場で捌き切れなくなり得意先ごとに価格を再考、底辺にあったケースのみ無くすつもりで値上げした。予想通り翌月から無くなったが、『どこかが同じ価格で入れている』と言う。ここのシート価格は読者の皆さんの想像通り。ケース価格もシート価格からはじき出されている。『うちが落とした注文を引き受けるなんて』と冗談みたいな話だが、どんな値段でも拾う会社はある。大手段メーカーの競争もまったく同じようで、大手飲料に修正を試みた結果、他社へ移動した例は毎年のように起こっている。誰かが動くと足を引っ張る、どこでもありそうだが、利益を上げていない業界だけに止めた方がいい。
 ▼9月末の段原紙在庫、約49万2千㌧と相変わらず50万㌧に近い。『今の適正在庫は50万㌧』と、ある原紙メーカー上層部が話していたが、現在のように増えた品種やデリバリを考えれば、それに近くなっているのかもしれない。さて原紙価格、在庫が増えようが減ろうが影響なく長らく弱含み状態が続く。『一級品が弱いと他の商品まで影響する』、こんな声も聞かれ始めている。値上げ前より吐き出す事は無いだろうが、ひと言付け加えれば、元々が違うにしても、関東周辺ではばらけてきた感じがする。それでも原紙側に危機感が少ないのは、一貫2社がしっかりしているからか。      (山)
 
10月7日付
2016-10-12

 ▼『需要は伸びる→設備投資→少しぐらい安く売っても。このパターンが忘れられないんだ』とは某地区の中堅段メーカー。伸びが頭打ちになった今でも、『増える生産量、導入した高速製箱機を前提にケースのコストを決める会社が多い』と言う。だからなのか、需要の落ち込みが少し続くと、へばってしまう。ある広域向けケースなど『どうしてあの値段になるか不思議』とし、『原紙の協力金を考慮しても赤字になる仕事に価値はあるのだろうか』。小さな仕事も減っており、シート販売先であるボックスも『毎年、数社が廃業する』そうだ。産業全体が疲弊しきらないうちに、どうにかしたいところだが…。
 ▼『湧いて出て来る関東とは量が元々違う』、こんな話が以前から囁かれていた関西地区だが、関東の同業者は、『中部・関西の方が良さそうな感じ』と言う。もっとも全国的に中小は数量不足にあるものの、『増えたら増えたで取りあいが始まる』と段メーカーは話す。『奪い合えば足りないと感じるし、同じ産業で切磋琢磨する仲間を裏切る行為が問題な事に気が付いていない』。飲料の比率を落とすメーカーもみられるが、今までが激しい消耗戦、我慢比べだっただけに、中身が良くなる事は確かだ。だいたい需要が増える事を前提に、設備や箱作りをしているから、少し足りないと人の物まで手が出てしまうのだ。      (山)

 
9月27日付
2016-10-03

 ▼入社当時(昭和54年)、『段ボールだけやっていれば、まず潰れる事は無い』、色んな取材先で聞かされた。『倒産した会社は別な何かをしたから』で、真面目に段ボールをやっていれば間違いはない、と。確かにそうだったし、『今でも通じる』と思いたいところだ。さて、大手ボックスに対するシート販売、たとえ引き取りにしても異常な価格を耳にする。紙代にも満たないその値段では、〝増強される製箱機は段メーカーのプレゼント〟、こう揶揄されても仕方がない。しかし大手ボックスが潤った会社ばかりとは限らない。売るだけでなく与信管理をきちんとしないと後が大変だ。
 ▼8月の段ボール生産量、『お盆前はまあまあだったが明けてから悪い』と関東地区の中小段メーカーは言う。前年並みならまだいい方で、数量が上がらない会社も多い。荒らされ採算悪化の原因になったシート販売、極力減らした事も影響する。そんな中、大手段メーカーは全社、対前年比100%を超えた。『いつの間にか小さな取引先にも入り込まれている』そうで、特に一貫△社は前年悪すぎた本体は別にしても、子会社2社含めて110以上稼いでいる。『ここまで差が付くと、別の国の話みたい』とは親しい経営者だが、まだまだ勢いは止まりそうにない。段ボールはある程度の量は必要だが、中小各社は惑わされず見極めが肝心。     (山)

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