板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2017年 段談

 

2017年 段談

2017年 段談
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9月17日付
2017-09-22
 『今回は空気を感じる』と段メーカー社長。お盆明けから、値上げ交渉を本格化させた際、すでに競合する大手一貫も具体的交渉に入っていた点に言及し、一気に突き進むだけと強調した。その大手一貫、関連メーカーへの原紙上げ幅は相当のものと聞こえてくる。『あくまでも中の話しだから』との声もあるが、『製品値上げへの並々ならぬ姿勢の表れ』と多くが好意的に捉えている。製品まで上がってこその値上げ完遂、トップメーカーが先頭を走る状態はやはり力強い。それに今回は原燃料だけではない。運送、人材の問題は古紙以上に、先が読めない。値上げしなくて良いメーカーなどないはずだ。
 中国の古紙を含む一連の環境規制、輸入ライセンス問題から、足元の古紙国際マーケットには出鼻を挫くような不透明感が強い。確かに『水をさされた』面はあるし、実際㌔30円に迫ろうというバブル的な勢いは現在ない。ただ、9月の輸出を関東商組は見送ったものの、東南アジアの需要もあり、依然として昨年とは一段上のステージ。ライセンス問題は解決に向うだろうし、進行中の製品値上げを阻害するにあたる要因ではない。これから最需要期を迎える中国、国内回収だけで古紙が不足するなら、原紙の輸入を増やすはず。当地の原紙価格は固い。日本の製紙もあまり前のめりになっても困るが、古紙が出ないなら原紙といった調整もあるだろう。(浮)
 
9月7日付
2017-09-13
 ▼『10円では、古紙の上昇分で飛んでしまう』とはある原紙メーカー。毎月10億円の赤字を垂れ流してきたが、ほっとしたのも束の間で、古紙価格は日本製紙の発表時(4月4日)から更に上がった。中国での諸事情はあるにしても需給タイト感は否めず『12、いや15円でいきたかった』など色々聞こえてくる。ただ、早くも再値上げ論が出ているのにはちょっと驚いた。製紙側には見通しの甘さを棚に上げ、『製品値上げを後押しするためにも』など言い訳じみた声がある。段ボールからすれば、まだ8月分の製品の道筋さえ見えていないのにいくら何でも…。
 ▼『(製品値上げ)スタート前の雰囲気としては良いですね』とはある段メーカー社長。製紙から段ボールまで取材しても、そう思う。8月から原紙は待った無しに満額上がった。製品までのタイムラグ、調整などは今の段階で出す話でもない。物流・輸送で頭を抱えるのはどの産業でも同じ。『全体に気運が盛り上がっているこのチャンスを逃しては』、中堅段メーカーは言う。
 ▼日経8月26日(土)に掲載された『段ボール原紙値上がり』。8月17日付けの市況欄では価格を変えず、ようやくこの日になったが、記事の最後に『段ボール箱は他社製品と違いを出しにくい』『値上げ交渉は難航が予想される』と余計なひと言。毎回同じような〝落ち〟しか書けないのだろうか。 (山)
 
8月27日付
2017-09-04
 ▼『製品値上げの貫徹を』、流通が段メーカーでこう話している。話すと言うよりは懇願のよう。製品についてはトーモクも8月初めに10月1日納入分から、『原紙上昇分に物流コストアップ分を加えて』発表した。見積書まで出し始めた中小もあるようで、お盆明けから各社忙しそうだ。『万一、製品まで上がらなければ原紙への揺り戻しもある』だけに、製品価格への転嫁は流通にとっても必須である。もっとも新しくなった仕切り値で『ごねる段メーカーからも』きちんと回収できるかどうかは、流通側の責任。
 ▼大手段メーカー7月の生産量。目立つのは一貫△2子会社が前月に続き107を稼いだ事。中小は『よその国の数字』と口を揃える。一方の採算・質重視に舵を切った専業大手◎。今年に入ってから1月のみ100を超えたが、2月から連続で前年同月比100、うち3カ月はそれも割っている。量と質は反比例するのは当たり前。実際に◎社の第一四半期を見ると、段ボール部門の営業利益は大きく改善されている。
 ▼新生・新幸機械がスタートした(インタビュー参照)。中国の同業である科盛隆と相互補完しながら体制を立て直す。塚崎昌弘社長は『迷惑をかけた皆様に、再生する事で返していきたい』と話していたが、段ボール機械を作り続けて80年以上、独自の技術を有するだけに、復活を望む声は多い。 (山)
 
8月17日付
2017-08-23
 ▼『古紙が不足する』製紙や古紙関係で耳にする。高値圏を推移する中でこれ以上の上昇があるのだろうか。『輸出(原紙)を減らす』、『古紙輸出に規制を』(以前、A社O社長が何度も訴えていたが…)など様々な取組みや意見があるが、『製品までしっかり値上げすればいいだけだ』とは大手の営業。『日本だけだ、ババを産業内でやりとりしているのは』と付け加えたが、中小は大手の行動を見詰めている。
 ▼製品は独自での値上げが難しい商品だ。原燃料の高騰を背景にしながら時間を掛けて取り組むだけに、『加工賃や運賃の是正』まで持ち込みたい。ただ、少数ながら『積極的には動きたくない』経営者がいるようで、段ボールも一枚岩ではない。ドライバーを始めとする人手不足は更に進みそう。産業全体のボトムアップは絶対に必要だ。『□社にやってもらう』『△社が動かなきゃ』では無く一貫、大手専業を先頭に行動で示さなければ。
 ▼その一貫系大手段メーカー『8月からうちは動く』と上層部。巷では『社内価格は15円アップ』や『実質10円』と出ており、既に原紙は上がっている。少しでも被りを減らすには早期に製品への転嫁しかない。ここの原紙『元々高い』と身内では言う。それでいながら先頭走っても平気なだけ量を集めていたのだから凄い。ちなみに6月は他社を尻目に本体2子会社ともに107%だった。 (山)
 
8月7日付
2017-08-10
 ▼8月1日を迎えた。既に製紙メーカーから流通にバトンは渡っている。『最終的なケース値上げに持ち込むまで段ボール側とどうスケジュールをまとめていくかも、流通の仕事のひとつ』(段メーカー社長)なのだが、これをしない会社があれば、同業の動きを探ってばかりの会社も。〝中抜き〟論が燻るものの、流通の機能・役割は重要である。ここは踏ん張ってひと仕事しなければならない所だが、一部に動きが鈍いように思うのは記者だけか…。
 ▼段メーカーは今回の値上げをどう捉えているのだろうか。中小の多くは前向きなものの、一貫□系子会社が『このタイミングで取引きを開始して頂いたのだから直ぐには値上げ出来ない。本社には了解してもらっている』とユーザーに話しているらしい。見送り、先送りとも取れる発言には呆れてものも言えない。前回の二の舞とも取れるが、これで紙業界のトップ企業だとしたら、情けない。トップ自ら活を入れる一貫△社とは違うなぁ。
 ▼7月17日号で関西地区某社のコルゲータ撤去に触れたが、この号ではもう少し西の方の中小段メーカーがコルゲータを一新する案件。元々数量など追う会社では無かったが、将来を見据えて大型投資に踏み切る。可能にしたのは規模が小さくても信頼を武器に、長年地場で根を張ってきた強みだろう。早期に新マシンが動き出す事に期待したい。 (山)
 
7月27日付
2017-08-02
 かなり衝撃的なデータだ。最悪の場合、今年中に段ボール古紙と新聞古紙が足りなくなるとのシミュレーションが先頃、業界団体、大手製紙、古紙問屋によってまとめられた。
 製紙メーカー関係者によると、1~3月の古紙消費量の伸び率をもとに算出した17年『段古紙消費量』は916万㌧強、『需要見込量』は1100万㌧弱に及び、『国内不足量』は30万㌧弱で、『年末メーカー在庫』は4万㌧のマイナスと予想している。しかるべき対策をとらねば、古紙操短どころか段原紙を生産できないメーカー、事業所がでてくる。レンゴーは、古紙不足の一因である原紙輸出を5月から大幅に減らしたと価格修正会見で発表したが、他も同様の措置を取らねばならない。無論、古紙問屋も国内メーカーの生産が止まっては本末転倒。輸出を調整するべきだ。
 新聞はさらに深刻。古紙消費量は380万㌧弱、需要見込量は420万㌧近くと見込まれ、国内不足量は31万㌧近く、年末メーカー在庫は10万㌧以上マイナス。古紙だけに頼っていては新聞が発行できない事態だ。メーカーはパルプ含有量を増やすことで対処する方針という。発行部数の減少に伴い回収量も減っている一方、旺盛な輸出と新聞古紙を原料とする白板や微塗工紙の需要が堅調なことが不足に拍車をかける。
 世界的な古紙争奪戦。段原紙値上げは言うに及ばず、相当根深いレベルにある。(浮)
 
7月17日付
2017-07-21
 ▼スタートラインに立った段ボールの値上げ、どこがグイグイと引っ張っていくのか。まずは8月からの段原紙だが、『時期に上げ幅』(段メーカー)など攻防戦が始まる。特に大手専業段メーカーと取り引きある専業板紙、『決めた通りに上げられるか』(一貫)も先に控える製品修正には欠かせない。原材料の値上げ、買う側からすれば当然反対・抵抗したくなるが、ここは産業全体のレベルアップを考えて行こう。気になるのは原紙も段ボールも供給過多な事。『ちょっと儲かり始めれば…』心配の種は尽きない。しかも設備を販売する段ボール機械メーカーはどこも満杯状態が続く。
 ▼親しかったボックスが法的手続きに入っている。昭和40年代からの読者。創業者からの付き合いで現社長とも歳が近く、これといった取材は無かったが、年に一度はお伺いしていた。独自の品質管理で顧客や段メーカーから頼りにされていたが、訪問する度に社員数は減っていた。最近は連絡を取っておらず気にしていた矢先に届いた弁護士からの通知。なんの力にもなれなかった事が残念極まりない。小さなボックスの出来る事は限られている。大手を筆頭に全体で動かなければ、段ボール産業は立ち行かない。
 ▼関西で一貫系段メーカーがコルゲータを撤去、製箱のみになるようだ。一方近隣の同業は貼合部門を強化しており、ここの分を補う? (山)
 
7月7日付
2017-07-12
 ▼『待ちに待った、は言い過ぎかもしれないがこれで動き出す』、6月26日レンゴーが値上げを発表した。原紙は8月1日から㌔10円以上、製品は原紙や燃料、物流経費等の上昇分を基に個別で交渉し実施時期は10月1日出荷分から。短いリリースで目についたのは2点、原紙が8月で製品が10月な事、2カ月のタイムラグがある。しかも製品値上げは徐々に浸透する。かぶる期間が気になるところだ。また製品の上げ幅も示さなかった。
 ▼26日は9時過ぎからラインや電話で『レンゴーのHPにアップされている』と連絡頂き『王子より先』だった事を意外に思った人もいた。この日は小紙の印刷日、朝一で最終確認を済ませ印刷所に連絡した矢先の発表。『レンゴーに値上げはあるのだろうか…』そう書いた手前、慌てて修正した。
 ▼各社の受け止め方は冷静で好意的だ。先にNTI等が打ち出し空気が変わっており、テレビで連日、物流問題や食品等の値上げが出ていれば、『段ボール関係の発表は遅かった』。それでも一気に良い方向へ流れ出す事は間違いない。親しい社長が『暑い夏になりそう』と話していたが、自社、産業全体のレベルアップのためにも『やるっきゃない』。
 ▼残る王子も『29日にある』と流れていたが、段原紙8月1日から円以上、コンテナーや森も製品で10月から現行価格の15%以上を打ち出した。 (山)
 
6月27日付
2017-07-03
 ▼『段ボール屋さんは余裕ありそうだから』と、段メーカーがユーザーから言われたそうだ。宅配便を筆頭にする物流経費、多くの資材や食料品が値上げに走る中、古紙がこれだけ上昇しても動きのない段ボールは、余裕綽々に見えるらしい。ひどい話になると『他の材料が上がるから、段ボールは下げて』、全く勘違いも甚だしいが、そう思わせても仕方がない量狙いの動きもある。『うちは(値上げを)しません』、ある大手が客先で話したと噂に。安値で数量を稼いでも会社の利益は…。
 ▼大手5月の段ボール生産量。一貫△グループの絶好調が続く。稼働日が1日多いとはいえ子会社2社は110%超え、中小の平均が104、5と見られる中、やっかみ半分『前年だって立派な数字。どこから取って来たのだろう』。元々分母が違うだけに、ボックス含めて周辺での影響は大きい。さて、その動きだが、音無しだった一貫□社、△社を尻目に『7月中に打ち出し10月1日から』、と流れている。もちろん同時になるのだろうが、前回は加工部隊の動き方で総スカンを食っただけに、やるのならばしっかりやって頂きたい。
 ▼最終校正を終わって印刷を待つ段階で飛び込んできたレンゴーの段原紙値上げ、8月1日出荷分から㌔10円以上、段ボール製品は原紙や燃料、物流経費上昇分を基に10月1日から実施。 (山)
 
6月17日付
2017-06-22
 ▼先月の週末、音無しだった『一貫□社が、来週早々に白板紙のみ打ち出す』と連絡があった。『白板だけなんて、ちょっとおかしな話』と思っていたら、後に続いた△社も同様に白板だけ。肝心の『段原紙はどうなった』、と気になる人も何人かいた。これで白板紙の値上げは出揃った。『やり易いところから』なんて茶化す筋もあるが、そんな事は無いだろう。7月からキロ当たり10円以上で交渉に入っている。
 ▼大坪レンゴー会長兼社長が全段連の記者懇談会(5月24日、前号で掲載)で『原料が非常に強くなってきて避けて通ることが出来ない状況である』、『TFPを更に強化しコストプッシュをある程度吸収する努力をすると同時にTFPは対取引先との関係においても改善する目的を持つ』、そして『コストプッシュをTFPの一端として各自で考えて頂ければ一番良い』とした。これを聞いていた中小段メーカー、そっと耳元で『決まりだね』と囁いたが、確かに一歩踏み込んだ発言だ。会場の雰囲気も何時にも増して〝しっくり〟していたように思うのは記者だけか。
 ▼となると『いつから』が関心の的。『ユーザーもある程度の事情は分かってくれる』、早くもこんな声まで出ているが、ジリジリ落としてしまった加工賃を加えて取り戻したいところ。他の産業に比べ段ボールの利益率はどう見ても低いのだから。      (山)
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