板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2019年 段談

 

2019年 段談

2019年 段談
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12月27日付
2020-01-14
 11月下旬、『正直、夏前には10月頃に原紙は下がるとみていた』とは大手エンドユーザー。思いのほか、原紙メーカーの強硬な姿勢に驚きを覚えたという。某飲料大手の値下げ要求にも全くの無回答だったとの噂を交えて話す。今後も共同調達や、ビッグユーザーの年契約の進捗を注意深く見守りつつ、購入先の見直し含めて機会を窺うというが、全体のトーンとしては〝原紙強し〟だった。
 『今は各社ベクトルが同じ方向を向いているのでは』とは大手製紙メーカー。専業か一貫か、輸出重視か等々、原紙メーカーもそれぞれ置かれた立場は異なるわけで、戦略は当然違うのだが、『むやみに量を追ったとして、失うものが大き過ぎる』との認識は大枠では同じだろう。それは(大きく伸びた)大手一貫の原紙子会社の中間決算をみても一目瞭然だ。一方で、一歩間違えば、原紙に留まらず、段ボール製品、古紙含めて、一気に業界の利益が外にダダ漏れになる可能性は大いにある。年末年始の生産調整も各社相当規模に及ぶようで、引き締めに躍起だ。
 来年以降、原紙設備の新増設に、古紙価格の行方、そして東京五輪後の段ボール需要等々、懸念材料を挙げれば切りがない。段メーカーからすれば、強い原紙は複雑ではあるが、エンドユーザーに対する交渉含めて原紙メーカーに一貫性があれば、今は〝まだ〟我慢するのではないだろうか。 (浮)
 
12月17日付
2019-12-24
 ▼ボックスの得意先にまで手を伸ばす段メーカーが増えている。ボックス同士の取り合いも耳にする。『時間を掛けて転嫁した価格、崩すのはあっという間』『数段遠いあの距離で』と嘆く。掻き乱し『根こそぎ狙ってくる』と言う。奪われる方は量を追うような事を一切しない会社が多く、他社にも手出しはしない。結果、仕事が大きく減ってしまう。こんな異常な事態、点で終わらせたい。
 ▼量が減り続ければ『従業員の士気も低下する』これが経営者には一番辛い。義理も人情も無い業界(仲間)とは思いたくないが、普通の商売が出来ないのだろうか。日経に『段ボール古紙、安値』の4段抜きで『断続的な古紙価格の下落で、原紙や段ボールの価格を維持できるかは不透明』(11月29日)と出ていた。『憶測で書いて、大きなお世話だ』と思ったが、最近の一部段メーカーのやり方を見聞きすると、本当になるようで怖い。
 ▼先月から話題になったのが〝増量キャンペーン〟を張った段メーカー。期間は年末まで。FAXを受け取ったボックスはそれを見せながら『ここで価格を崩す意味が分からない』と言う。別の会社も『下げたところで利益が増える事も無いだろうに…』とした。一貫の戦略もあって苦しいのは分かるが、今は下手な動きなどせず、我慢のしどころではないだろうか。
 ▼あの手この手で攻めるユーザー。指定紙の攻防では強い要求に対し踏みとどまっているようだ。ここで崩せばこれまでの苦労も水の泡、中小も成り行きを見守っている。(山)
 
12月7日付
2019-12-16
 ▼『数量など今は考えている時では無い。仕事に自信を持たなければ』こう話す人がいる。『愚痴を言っても、誰も助けてはくれない』とし、値上げでも自らやらなければ先は見えて来ない。得意先との交渉にしても、キチンと話の出来る営業マンと理解ある経営者がいるかどうかでその差は大きい。『合理化提案に取引条件の改善を加えて、ユーザー側の負担最小化が計れればすんなり要求が通る事も』と言う。これならば売る方・買う方ともにメリットがある。現実にそれで伸ばしている中小もある。しかも『中小の方が営業マン教育もされているので優秀、目も行き届く』こんな見方もある。
 ▼『大手とは同じ土俵で戦わない』こう話す経営者もいた。『大手が導入する機械を入れても意味が無い』とし、たとえ人海戦術であっても独自の生産スタイルとそれに見合った営業を構築する。一方一貫はナショナルには原紙と加工を絡めてあの手この手で攻める。これでは専業は堪らない。飲料では大手の中でも選別が進む、と見る関係者も。ある中小は『大手も中小も同じ』、肝心なのは今ある量に対してそれに見合った価格設定が出来るかどうかだ。これが出来ない事にはいつまで経っても良くなる事は無い。
 ▼関西のセミオートフィーダ会社が行き詰った。名門直系で台数もそれなりに出ており今後のアフター等が気になるところ。 (山)
 
11月27日付
2019-12-06
 ▼全段連が昨年末に予測した2019年(暦年)の段ボール生産量は、前年比101・3%で過去最高の146億平米である。しかし8月は94・2%で、年初めからの数字も見劣りする。9月にしても月からの消費税駆け込み需要があったのか106%だが、稼働日は前年よりも一日多いので、これを考慮すればほんの僅かな伸びに留まる。この伸びにしても仮需ならば10月にはその反動が出る事も十分にあり、帳消しになってしまう。現に中小段メーカーやボックスは100を割った会社が多く、二桁マイナスも。大手の対前年比も2社が101、100で、他の6社は100を割った。東日本を中心に続いた災害もあり、今年はリーマン以来、伸び続けた数量に陰りが見え始めている。
 ▼前に理不尽な下請け仕事を書いたら読者から『こんな事があった』と電話を頂いた。大手段メーカーが製造する飲料用ケース。ワンロット数千から1万以上で、使うマシンはハイスペックなFFGである。先日、カウントミスから納品枚数に不足が出たのだが、近くの提携するボックスにやらせる場合があるらしい。その数わずか10枚以下。ボックス曰く『精度には厳しく、価格は段メーカーの受注額に毛の生えた程度』。1ケース納品ならば『数千円頂戴してもおかしくない』が、そうもいかないらしい。仲間は大切にしなければ。 (山)
 
11月17日付
2019-11-28
 ▼9月、10月、東日本を立て続けに台風が襲った。15号では千葉を中心に強風による農作物被害があり、親しい先輩の大きな畑は全滅した。19号は想定外の大雨が広域に渡り多くの河川が氾濫、各地で水害が発生した。地元を流れる荒川は氾濫危険水域を超え、河川敷のゴルフ、サッカー場、テニスコートは水没、娘のマンション近くではパトカーが走り回った。長野、東北では『幸い工場は免れたが、お客さんが被災した』ようで、段ボール需要にどの程度影響があるのか分からない。被害総額は1千億円以上と報道されているが、その後の大雨も重なり更に増えていくだろう。
 ▼多くの中小はここ数年、量への期待はしておらず10月も100を割った会社が多い。経営者の頭にあるのは『今ある量で、上がった運賃や人件費含め会社がやっていけるようにしなければ』だけだ。〝価格を大切に〟が身に染みている。一方の大手はどうか。一貫△は最近の需要を見てかI県での計画を塩漬けしたと流れたが、直後からグループ大手子会社のK工場でコルゲータリニューアルが噂に。時期は来年夏過ぎで他の工場でも古いマシンから順次更新するらしい。値上げでは悪い動きは無かったが、この県では同じグループ企業のRT社のコルゲータも更新される。日本で一番段ボールが生産される県らしいが、能力過剰が気になるところである。(山)
 
11月7日付
2019-11-19
 高水準な原紙在庫と古紙の状況を踏まえ、今の原紙価格を問われた時、説得力ある回答を持ち合わせているか否かとなればなかなか難しい。そこを真正面から突いてくるのがエンドユーザーだ。特にこれから本格化してくる来年の支給・指定紙交渉は相当タフなものになるだろう。
 インパクトが大きいだけにここから大きな風穴が開いてしまうのは避けたいが、『どこまで原紙が耐えられるのか』との声も強くなる中、『一気に崩れてしまうなら、軟着陸を』との意見まで聞かれる。
 段ボール生産量がほぼ前年並みに推移しているものの、予想よりはかなり低調、先の台風19号の被害は言うに及ばない。特に中小への影響が大きいとなれば、今後シート、ケースでも利益度外視とまでは言わないまでも、設備を安定して回すためにも量を欲する動きが広がってもなんら不思議ではない。まして支給・指定の結果次第では下期のさらなる軟調を見越した大胆な動きも危惧される。
 無論、値上がった製品価格はまだまだ維持されている。ようやくその効果が数字にも表れてくる時期となった。プラスとなる外的要因が見つけづらい状況なのでどうもヤキモキしてしまうが、冷静にみれば、製品はやっと適正価格に近い水準に近づいただけ。必要とされるものを、適正な価格で製造しているに過ぎない。今が踏ん張りどころだ。 (浮)
 
10月27日付
2019-11-11
 ▼伸ばす大手系中小の中でも目立つ存在の関東地区△段ボール、周りからの声に『利益を出しているから何を言われても構わない』そうだ。コルゲータも数年前に高速・幅広化し、最新製箱機の導入も検討、設備投資額は数年で〇〇億円に達する。△段の親会社も過去最高を更新し続ける一貫直系で、こことの相互補完も万全のよう。関係者は自信満々『紙が上がっても転嫁できて黒字。ユーザーへの提案力も大手並』とした。一方、同じ県でも中小の生産量が伸びる事は無く、中には100万平米近く減らした会社もある。落としたところの品質やデリバリは定評あるだけにどこに差があるのだろうか…。それぞれの地域で同じような事が起きている。『限界ギリギリ』の会社も出てきた。とても段ボール産業全体が明るくなるようには思えない。
 ▼9月の生産量、皆さんはどうだっただろうか。1日稼働日が多いとすれば最低105%で考えたくなるが、大手7社を見れば110が2社、107、106と続き105は2社、97も1社あった。中小の話では『仮需はあった』『うちは無かった』で最高は112だが、マイナス企業も。中には『仮需があっても前年並み』しかも『仮需があったなら10月の反動が怖い』だ。取材で回った感触で言えば、盛り上がりに欠ける上、先の見通しも視界不良である。値上げ効果が出てきたのがせめてもの救い。(山)
 
10月17日付
2019-10-31
 ▼ある寝具メーカーが東京オリンピック・パラリンピックの選手村で使われるベッドに関してコンペを行ったようだ。ベッドフレームは段ボール100%とあり、ちょっとした話題になった。メーカーのHPには〝再生可能な素材を使用。高い耐久性、衝撃試験に合格。撥水加工。難燃性試験に合格〟と良い事が書かれていた。総数はオリンピックで1万8千、パラで8千台。『へぇーオリンピックで段ボールベッドが使われる』と、こちらまで嬉しくなった。
 ▼ただ周りの話を聞くと喜んでばかりもいられない。1台当たりの金額は〇千円ぐらい。作るまではいいとしても、保管から組立て、更には撤去まで段メーカーが受け持つらしく、運賃や保管費を考慮すれば『割に合わず、適正価格は3割増し』と見る人も。一方、コンペ参加企業ではないものの『これでも合う』とする会社も存在する。部外者が個人的に思うに〝オリンピックに協力するボランティア精神でやって下さい〟ならば、協力する段メーカーの名前ぐらい見える位置に入れて欲しい。
 ▼小紙記者がその寝具メーカーに電話取材した。『段ボール新聞です』と言うと、殆どの方が『えっ』と聞き直す。確かに段ボールの新聞なんて想像もつかないだろう。本業の『マットレスについても書いて下さい』と頼まれたらしいが、そこは段ボールの新聞だからカットした。 (山)
 
10月7日付
2019-10-18
 ▼今年の夏も暑かった。7月が長雨で低温だっただけに8月前半から9月初めの暑さは堪えた。段メーカーを訪問時、工場見学を終えた高校生と出会わせた。『超暑っ。いられね』こんな話し声が聞こえた。蒸気を使って貼り合せる工場内は気温以上に不快指数が高い。慣れたオペレーターでも熱中症になる危険がある。親しい会社でも具合を悪くした人は複数いる。『もっと涼しい時に見て欲しかった』、段ボール工場を敬遠されては困る。経営側も手を拱いている訳では無い。ペットボトルや塩飴から屋根への散水、大型扇風機、スポットクーラーなど等、手を打ってきた。『暑さ対策展にも行って良い方法があるか探して来ました』こんな社長もいる。それでも追い付かない。
 ▼8月の大手段メーカー生産量を見ると、一貫1、一貫系列4、専業3社全てが100%を割った。最低は85で、92、93・・・最高でも99%だ。もっとも稼働日が1日少ないのでマイナス5%で考えれば、それなりの数字の会社もある。大きく減らしたメーカーは、某飲料の仕事を価格面で辞退した関係らしいが、『飲料はやれる工場とそうで無い工場にはっきり分かれる』と他の大手経営者は言う。そうなれば戦うステージを変えるのだろうか。段ボール産業全体でもリーマン以来続けてきた伸びに陰りが見える。大手が持つ計画の中には塩漬もあるらしい。 (山)
 
9月27日付
2019-10-08
 ▼何号か前に『古紙が上がれば原紙も、原紙が上がれば製品も、それぞれ連動して上がるのが海外では一般的。日本でもそうなれば』・・・『調整などで誤魔化すのではなく、古紙に連動するならば今は下げるのが正論』と、段ボール側考え方の一例を書いたが、原紙サイドから色々と反応があった。ある会社の営業幹部は『原紙が下がれば、製品まで下がってしまいますよ』と言う。もっともなご意見ではあるが、ちょっと上から目線、製品を下げるかどうかは段ボール会社の決める事であって、姿勢でもある。紙側の人が言う事では無いように思うし、今の段メーカーから『下げる』気持ちは感じない。
 ▼将来に渡って両業界の安定を願うAさんからは、こんな指摘もされた。『そもそも段ボールの経営者が連動性を望んでいない』と。またここでこう書いたから紙が下がる事を望んでいる、と思われたらちょっと違う。原紙の苦労も知っている。紙がいくら上がっても製品へ転嫁できれば、少々のタイムラグがあっても誰も、何も言わない。ただ紙だけ上げて製品は…、を実際に見聞きしているから、つい書きたくなる。段ボール側にしてもまだまだ変わる、是正する、事もありそうだ。〇〇金の話にしても、無造作に出してしまえば〝麻薬〟になる恐れだってある。前だけを見ている中小経営者はたくさんいる。しっかり見極めなければ。 (山)
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