板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2023年 段談

 

2023年 段談

2023年 段談
1
 
12月27日付
2024-01-16
 ▼機械の操作が苦手だ。スマホのアプリがおかしくなっただけで大慌てし、パソコンなんて固まれば新しいのを買いたくなるが、その新しいのはバージョンが違う。『たいして変わらない』と言われるが、考えただけで嫌になる。以前、古い物を探したが、店員から『新品も中古も値段はそう違わない』と言われ止めた。プリンターもそう『あれ、印刷できない』は自分では対処できず、誰かに直してもらう。銀行にしても利用するのはせいぜいATMまで。パソコンやスマホからの送金など出来やしない。『うちのお父さん、今でも窓口に行く』とは知り合い、銀行員からは『キャッシュカード、作りましょうか』と行く度に言われているそうだ。自分には父親の気持ちがよく分かる。
 ▼機械音痴だから、編集ソフトのメンテには提案されて直ぐに入った。壊れる事はあまりないものの過去、年に何度か使えなくなる事があった。新聞製作は全ての操作をこれで行うのだから焦るし苛立つ。こればかりはお金には替えられない。メンテに入った事で生まれる安心感も大きい。さて、似通っていると思うのがISOWAの計画メンテナンスである。段ボール工場は1台の貼合機や印刷機で動かす事も多いから、それに異常があれば工場全体の問題だ。〝止めない事に価値がある〟とスタートさせたサービスであり『壊れたら直す』よりも全然お得だろう。 (山)
 
12月17日付
2023-12-25
 ▼『日本はガラパゴス』、以前から過剰な品質要求について言われていた。流通はお客さんが『綺麗な物を欲しがる』とし、より厳しく対応する。目に見えない程度のケースの傷、軽度の色むら、多少の缶潰れなど等、中身商品には全く問題ないのに返品対象、突き返されていた。海外からすれば〝無駄〟、特に最近は〝作り直しは環境に大きな負荷が掛かる〟と言われている。
 ▼先日耳にした『日本はガラパゴス』は、原紙の価格で。『どこで抄紙しても赤字』まで下落したアジアの板紙。名だたる製紙会社が『給料も払えなくなる』と囁かれる始末である。これに対し、上がったままの日本の原紙価格は『ガラパゴス』となるらしい。我が国の場合、作る方は下げたい訳が無く、買う段メーカー側も製品下降に繋がる原紙下落より安定を望む。現在の状況は『そう悪くはない』と思っている。
 ▼さて需要は。昨年10月から今年9月まで1年間マイナスが続いた。10月の速報は100・9。中小はこれより5ポイントは低いだろう。国際感覚豊かな業界関係者は日本を含めアジアは『もう成長が期待できない』と口を揃える。中には5%のマイナスは覚悟しなければ、まで。世の中、大きく変わっている。日本だけ良いはずがない。近く出る来年の段ボールの需要予測、『(それを当てにするのだから)無理して三桁を作らなくても』こんな意見もある。(山)
 
12月7日付
2023-12-21
 段ボール原紙生産能力と、現在の需要とのギャップを受けて、『あくまでも個人的意見だが、私ならば経営判断として、〇の△工場と◎工場、☆の◇工場ほか何拠点かは停機(休機)を検討する』とは、原紙に非常に詳しいある業界関係者との雑談。心の中で衝撃を受けつつも、その中に一見競争力が高そうな工場も含まれていたので理由を聞くと、立地や生産品種の構成、将来性等を挙げて説明してくれ、納得した。
 匿名、雑談とはいえ、実際の動向を前提とした発言では全くないことは強調しておくが、最近は取材時にそんな話も話題にのぼることが少なくない。一方で、一貫、総合製紙、板紙専業と立場が異なる中、それぞれがそれぞれの理由で、『今は自社のマシンを停める決断などとてもできない。でも需給環境を鑑みたら、どこか他社が…』と考えているだろうとの声も。さらに、各社判断ということで言えば、全需給とは別に、自社の置かれた状況を踏まえて、能力ダウンではなく、今後、多少の能力増を計画しているメーカーがあっても決しておかしくない。
 連続値上げにしても、当初からマシンの動力源の違いなどによって、必ずしも各社の本気度というか、ひっ迫度が同じではないとの指摘は根強く聞かれた。そして結果的に、現在の動きを見ていると、『確かに…』と思うことも多分にある。
 全体で見れば、稀に見る需要減の中でも、需給バランスが取れていることは確かだが、色々考え始めると、先々、少々不気味さも覚える。 (浮)
 
11月27日付
2023-12-11
 ▼『もう数量は増えないものと思って向き合っていきます』、ボックス経営者から頂いたメールに書かれていた。その通りである。〝これからも量が増える、少し位安く売っても〟では無く、〝価格を乱さず、今ある量を大切に〟が肝心要だ。生産時間が早めに終われば顧客と親密な関係を築く事も大きな仕事だ。ボックスが地域の有力ユーザーと親しく、近隣の段メーカーがいくら安く入り込もうとしてもダメだった、こんな話がいくらでもある。信頼関係は価格だって超える。
 ▼『段ボールも1年間落ち込みが続くが、段原紙の方が気になる(耐えられず拡販)』、段メーカーがこんな話をしていた。抄紙機は一度動かせば簡単には止められない。輸出が減った分もあり、落ち込みは段ボールより大きい。今は価格も比較的落ち着いている。下落は紙側が望む事は無いし、段ボール側にだって仕入れ価格は安定が一番だろう。崩れれば一気に製品にまで波及する怖さがある。これは雑談の中の話題ではあったが、気にはなる話である。
 ▼さて10月の段ボール生産量はどうだろうか。昨年同月は12億1741万平米で2021年比98・0%、これからマイナスが始まった。大手段メーカーの生産量を見る限り、前年に大きく伸ばした一貫△子会社が減らした他は全て100%を超えた。ただ、中小の数字は大手より5ポイントは悪そう。落とした数量の挽回など考えず、量で争うのは大手だけでいいのでは。既に『大手間で熾烈な取り合いが始まっている』そうだ。 (山)
 
11月17日付
2023-12-01
 昨年10月以降、前年比割れが丸1年続いてしまった段ボール生産量。振り返ると、マイナス成長が4カ月目を過ぎる頃から、コロナ禍は段ボールにとってマイナスではなく、むしろ稀に見る特需期間だったとの見解が業界関係者の間で、より多く聞かれるようになっていた。
 混乱の2020年は置くとしても、昨年、一昨年は、巣ごもり、宅飲み、家電はじめ家内設備の充実そして通販の利用等々…、コロナを前提とした生活の定着が段ボール需要に直結したことが要因で伸びた。だから、一旦過去2年の数値は忘れて、今後再び成長軌道に戻るとしても、まずは19年比で取り巻く環境を整理していこうとの主旨だ。
 これに伴い、生産量ベースでの新たなスタンダードがほしいとの声が強い。でなければ原紙も、製品も、現状のあまりに大きな能力と需要ギャップによって、業界皆が望まない方向に進みかねないとの危惧が強くなっている。原紙は国内はもとより、需給調整役を期待された輸出の回復も、多くのメーカーが採算を考慮すれば、全く先が見通せない状況で、近年の増設分も重く圧し掛かる。まして段ボールは長きにわたり、主要設備の能力を考えれば、需要を上回る水準にある。
 そろそろ、来年24年の段ボール需要予測も気になる時期となってきた。また、各社予算編成も始まるだろう。食品ロス削減、段ボール製品の値上げによる包装の合理化、インバウンドのコト化等々も考慮した上での指標が必要な時を迎えている。 (浮)
 
11月7日付
2023-11-17
 ▼ある業界関係の大先輩が、『物の成長は人間の欲求を越えてしまい、無意味な成長に』『物に未来はない。もう皆が満足しているのだから』と話した。電気自動車が1千㌔継続運転できても、我々は一度に1千㌔も運転しないし、24時間録画できても24時間テレビを見続けることはないと言葉を続け、今振り返るとアナログを不便と思わずに工夫しながら遊んでいた若き頃が懐かしいとも。
 記者も同調する部分が少なくないとハタと気付かされた。決して物欲が少ないわけではない。ましてミニマリストでないことはデスクを見てもらえれば一目瞭然だ(これはこれで別の問題を孕んでいるが)。イノベーションの先にある社会に期待しながらも、その未来ではこれまでのように、多くの物が必要とされるのか。そう考えると、既に物理的な重さ、形を伴うものに対する欲求が減っているのかもしれない。当然、段ボールも影響されるだろう。ただ、カスミを食べて生きるほど、高くに住んでいる人はそう多くもなく、食品用はそこまで減らないだろうが、半世紀後とはいえ30%人口が減ると言われれば…。
 ▼需要低迷が続く中、どうしてもマイナス要因ばかりを深追いしてしまう。無論、量だけではないのだが、現実はシビアである。そんな中、先日『○○の段ボールはなぜ安くなくとも売れるのか』と聞かれることが多いと、某段ボールメーカー社長。『そもそも、この一言に安くないと売れないという先入観が端的に表れている』と。マインドチェンジは必要なのだ。 (浮)
 
10月27日付
2023-11-10
 ▼前年割れが当たり前になったこの頃、加えて『90台前半、いや80台だった』こんな声も耳にする。ジリジリとマイナスが続き『他人事では無い』と切実な実感がある。『今ある価格を大切にしなければ』は誰でも分かるのだが、これまで見向きもしなかった中小の仕事にまで手を出す大手がある。最近聞いた話は『旧旧値』と言うのだから驚きだ。中小の得意とするこまかな分野、『大手に出来るのか』と思っていたら商圏を奪い、やる場合もあれば子会社に振り分ける事もある。
 ▼『原紙は下がっているのですか』、ボックスから聞かれた。『そんな事は…』と返事をしたのだが、彼が何故こう思ったのか。購入するシートについて、一貫系やそのグループ段メーカーから値引きが相次いでいるからだ。『数量を〇までまとめてくれたら△円引き』だったのが、その値引き額が増えた。しかもライバル企業まで『△円ですか、なら…』とそれに加わっている。見ていると一貫は、加工部隊が赤字やそれに近い収益体制の中でも、『原紙で利益を出していれば、加工で利益は考えていない』、こうも疑ってしまう。実際、一貫系の人から『それはあり得る』と聞いた事がある。
 ▼先月の生産量は中小でも『7、8月の最悪期よりはマシ』も聞かれるが、大手段メーカーの9月を見ると一貫△子会社1社のみプラス102%で、他は専業の92%など全て前年同月比減少。これで1年間通してのマイナスが確定する。仕事の無さに我慢しきれず量を追う会社が存在するのが悲しい。 (山)
 
10月17日付
2023-11-01
 『量を志向する動きが段々強くなっている。価格を維持してほしい』と9月の終わりに、ある大手段メーカーはそう強調した。折角上がったケース価格を易々と下げる動き自体は非常に限定的で、比較的大規模案件での話だ。まして大手同士のことなので、どちらが先に『取った、取られた』は置くが、横やり、競り合いが増えているという。大きな案件は全体需要が芳しくない中、やはり大手中心に確保(もしくは奪取)したい。ただ、ここでポイントとなるのは、『ケース価格である程度無理しても、これに充てる原紙の購入量が増えれば、その後の価格調整で十分に取り返せるとの思惑が働いているかもしれない』点である。置かれた市況環境にもよるが、今の原紙サイドの対応を推測すれば、特に大型案件では、極端に言えばケース販売よりも原紙購入の方が儲かるとの判断になるのかもしれない。前述のケース価格維持とは相反するが、直近の値上げで一定水準に達した中で、削る余地も多少あるということか。ただし、その利益率はどうなのか…。
 無論、バイイングパワーを活かした戦略は有効である。一方で製品価格を軽視すれば後々、ボディーブローのように効いてくる可能性も孕む。また、『この価格で販売、製造するスタッフのモチベーションに影響する』とも。
加えて、2024年問題。『段ボールが運べなくなる可能性は高い。回避には、顧客に時間指定、短納期の変更をお願いしなければならないが、理解を得たとしてもコストアップは避けられないのが現実』とした上で、『どのような戦略にせよ、今価格競争を激化させるべきではない』と繰り返した。 (浮)
 
10月7日付
2023-10-19
 ▼『段ボール、相変わらず量が悪いですね』、段ボール会社や関連メーカー等で取材して聞かれる事がある。確かに、全体の数字は10カ月連続でマイナス、中小に至ってはそれよりも悪い。気持ち的に機械が早くに止まれば暗くなるのもよく分かる。しかし少し前のコラムにも書いたが、『量が増える』願望は横にでも置いておきたい。『需要が増えたなら、儲けもん』位の気でやればいい。上がった材料費など掛かるコスト分をキチンと転嫁さえすれば、今の価格をしっかり守っていれば、そう悪くは無いはずだ。他社の仕事を奪うことなど考えず、空いている時間を使い会社に磨きを掛ける事である。
 ▼とは言っても、一部大手の数字を見る限り、拡販は相変わらずのよう。『トップが変わってから営業の行動も違いますよね』とは、値上げに『動かない』で絶えず名前が挙がっていた一貫□系段メーカーへの評価だが、ここが少し良くなったと思えば別の一貫△子会社が勢いを増す。△は子会社含め『価格を下げてまで』との指示は出ているようだが、どうだろうか。9月からダブルの貼合を止めた中部の□系についても量が減ることから、近隣の△子会社が喜んでいるそうだ。さて8月の大手段メーカー生産量、前述の一貫△子会社のみ101%、後はすべて前年比割れ。全体の数字も11カ月連続マイナスになる事は間違いない。 (山)
 
9月27日付
2023-10-06
 ▼ECでの過剰包装を筆頭に、今までが少しおかしかっただけ、そんな気がしている。少しの傷で中身ごと廃棄される商品、フードロスにしてもそう。〝もったいない〟目で見れば、必要以上に段ボールが使われていた側面がある。これからは環境問題もますます声高になる。人口が減り続ける日本で、小箱化や通販などで一時的に増えても(思いのほか長く続いたが)、それが延々と続く訳が無いはずだ。
 ▼大手は需要が増える事を前提に、自社の空いている地域で工場作りを進める。今後も増え続ければそれも当たり前だと理解するが、中小段メーカーの5工場分以上の能力で新規に乗り込んで行く。入れた最新鋭機は回さなければペイ出来ない。『生産性は良く省人化、少し安くても』で拡販されたら周りはたまらない。中小や専業大手でも質へ舵を切った会社はたくさんある。これらの中身(決算数字など)を見れば解りそうなものだが、量志向の会社は未だ変わらない。
 ▼段ボール需要はもう伸びない、とは思わないのだろうか。ある会社の社長は得意先から『これ以上高くなるなら使えない』、と宣言されたそうだ。『脱プラは段ボールにとってチャンスではあるが、脱段ボールを虎視眈々と狙っている業界がある事を忘れてはならない』(ダイナパック齊藤社長)、こんな話もある。今ある量を最大だと認識して、段ボール箱の質や価値をより高める、デリバリーに磨きを掛ける、これが段ボール会社のやるべき仕事、方向性ではないか。 (山)
1
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120