板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

記者メモ

 

2025年 記者メモ

2025年 記者メモ
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5月17日付「旅行、『行けるもんだ』」
2025-05-30
 『桜が見たい』から始まった舎人会の旅行。体調を崩すなど参加者は減ったものの、いつものメンバー4名で出掛けた。場所は那須塩原温泉で4月日から1泊、晴天にも恵まれ『今が見頃』、Iさんの言葉通りそれは見事な桜だった。
 コロナ前は毎年のように開いたこの旅行会。今や最高齢は90、記者の年齢(68)を加えても平均は82になる。歳を重ね、病気も増え『舎人会で旅行などもう…』と思っていたが、気にする程でも無く8年振りの遠出になった。
 とは言っても前回の会食日に忘れて来なかった人もいる。まずは集合場所の大宮駅に全員が揃う事から心配になる。普段の連絡が電話だけの人もおり、待ち合わせ場所を探すのから苦労する。しかも誰も大きな大宮駅をよく知らず、新幹線のチケットは記者が持っている。『集合時間は余裕を見なきゃ』。Iさんが郵便で各自に送った案内書には大きく赤字で、『発車時刻の1時間前、遅刻厳禁』と書いてあった。
 大宮から那須塩原間は1時間弱、わりと近い。それでも『ビール』と、つまみの弁当探しから始まった。酒量は減ったと言いながら、夕食時には日本酒だけで地酒を1升近く飲んだ。部屋に露天風呂が付いていたが、大浴場の露天にみんなで何度も入り、これも楽しい思い出になった。
 帰りはIさんの娘さんが『心配だから』とわざわざ有休を取り、埼玉から車で迎えに来てくれた。帰路は高速まで桜の名所から、わたらせ渓谷沿いを経由した。トロッコ列車で有名なわたらせ鐵道、列車自体を見学するため水沼駅で食事をしていたが、飲んでいる間に列車は通過し、後ろ姿しか見られなかった。多めに集めた会費は『次回の旅行に回そう』と驚きの提案まで。みなさん、それを目標にお元気でいて下さい。 (山)
 
 
5月17日付「能力と需要差拡大で」
2025-05-30
 ▼2024年の段ボール原紙各社別生産量が公表された(日本製紙連合会)=5月7日号既報=。上位4グループの結果が対照的ではあった。一貫2強が前年並み、微増であったのに対し、3番手、4番手は2%以上落とした。無論、出荷ではなく、生産量である点、マシン大規模整備なども絡んでくるので、必ずしも各社の需要増減に、直結するわけではない点は留意すべきだが、国内段ボール需要の伸び悩みや、グループ内製化強化および、それを受けた対応、調整弁である輸出へのスタンス等々、昨年の業界動向をある程度、反映している結果と言えようか。もっとも現在、生産能力と需要のギャップは250万㌧にのぼる。需要増が見込めぬ中、このギャップを抱えた状況で、各社が利益重視のもと、生産調整を粛々と実行しなければならない点は今年も変わらない。再編含みのそんな陣取り合戦の中、新たなスキームで勝負に出るグループもあるようで、競争に激しさが増すか。
 ▼原紙だけではない。段ボールでも同様の需給ギャップが年々、広がりつつある。成長路線であった数年前ですら、そうだったのだから今後はさらにこれが顕著になる。コルゲータの台数も徐々に変化が生じそうだ。大手中心に、今年に入り、すでに4台の停機もしくはその見込みという話が聞こえてきた。スピード感が増している。 (浮)
 
5月7日付「悩む、販売価格公表」
2025-05-19
 ▼ずいぶん昔の話になるが新聞広告に輸入販売する機械の価格を出した会社があった。印刷機、自動平盤から小さな機械まで、10機種あれば全てに〇〇万円と入れていた。同じタイプの機械を作る複数の会社から『値段は止めて欲しい』と言われた。クレームのようなものだった。単独では言いにくいのか『機械組合から』と、組合幹部から聞かされた事もある。まだアジアからの輸入機とは性能や品質に大きな差があり『気にする事も無い』、または『無視が一番』と間に入ってくれた機械メーカーがおり、そのまま続けた経験がある。本音は掲載していた小紙も、当時は『違和感があった』。
 ▼ご承知の通り、段ボール機械は導入する工場にあわせて製造する一点もの。『あそこはこう、ここはこうして欲しい』段ボール会社の様々な要望まで聞き入れる。同じ種類の機械でも10台あれば10台が違う。付けるオプション、お互いの納期関係、支払条件などによっても変わってくる。『値段は違って当然』はよく分かる。
 ▼ある社長が中国からの輸入機について価格を公表しようか悩んでいる。大規模はもちろん小さな工場まで必ずある機械だ。その機械に関しては、中国と日本製との差を見ると『性能、耐久性は同じ』で、異なるのは『価格だけ』(販売会社社長)と言う。しかもその単価は大きく違う。導入側は投資額が少なくて済むものの、既存メーカーは足を引っ張られるかもしれない。さてどう出るか。 (山)
 
4月27日付「中国製設備について」
2025-05-07
 4月前半、上海と台湾を立て続けに訪問した。詳細は追って記事にするが、毎度ながら日本にない活気に圧倒されながらも、人手不足に起因し、各種設備に生産効率、省力化、操作の簡便性が求められている点は、彼の地の段ボール産業も同様であった。よって関連資機材のニーズや、開発の方向性も、より近くなっていると感じた。
 中国屈指の機械メーカーでは、毎分350㍍で高速稼働するFFGを間近に見た。品質はどうか。幸いプロである多くの段ボール会社の方々と同行しているので聞いてみると、これが面白い。印刷はほぼ全員が『概ね問題ない』だったが、製箱に関しては、『このスピードで、この品質は悪くない』『多少、ジョイントにずれがあるが許容範囲』から、『ユーザーが認めてくれない』『ケーサーで不具合が起きるかも』まで意見が分かれた。ただ、日本の品質基準を前提に開発していないという点を差し引いても進歩は疑いようがない。
 ちなみに同じ時間に見学していたイランの大手段ボール会社はスウェーデン製から更新する予定で、『品質、生産性共に申し分ない』と話していた。
 関連して過去、何度も展示会等で段ボール会社と同行している機械関連の社長は、『(段ボール会社経営者が)依然は遠巻きに見ていたのが、今は小型の機材中心に間近に寄って具体的な導入も視野に鋭い質問をするようになった』と話していたのも印象に残る。
 また、これはFFGなど主要段ボール機械のことではないと強く断っておくが、日本のある資機材メーカー社長が、『(〇〇分野は)東西が逆転した』と断言。欧米に対して中国はじめアジアがコストはもちろん、品質、先進性が上回ったという。そして『中国であればユーザー数千社に鍛えられている。トライ&エラーのサイクルが異次元』と強調した。
 海外製がどんどん国内にとは思わないが、いち選択肢という点ではその技術進歩と、業界関係者の意識変化が進んでいる。 (浮)
 
4月17日付「作る量より利益の幅で」
2025-04-25
 ▼減り続ける最近の段ボール生産量、2022年が146億4800万平米で過去最高だった。そこから減少に転じ、23年が142億1700万平米と前年比97・1%、24年は140億6200万平米で98・9%、本年の予測も140億平米だから3年連続してマイナス成長となりそうだ。過去2年連続は4回あり、3年連続は初めてとなる。増える要素が多少あるにしても人口減、脱・省段ボールなど、個人的な肌感覚としては微減の時代に入ったように思う。
 ▼業界の慣習として『生産平米が多い=立派』と、工場で作るシート生産量(ボックスにしても箱にするシート量)、つまり平米中心に会社の大小、良し悪しを考えてしまう。『あの工場は1千万平米やる』、『2千万が目標』は、最高の誉め言葉だった。
 ▼しかし、ある経営者は『大手段メーカーならば市場からの評価は生産量の対前年比では無く、利益で点数が付けられる』、と指摘した。『中小企業は特に量より利益』でもある。『これからは”利益””利益率”で判断をしては』、と言うわけだ。物の見方を少し変えた方がいいのかも。
 ▼利益率を高めるためには、生産性向上や合理化など色々手立てはある。遅れ気味だった加工賃修正もその大きなウエイトを占める。終結宣言し価格改定が終わった企業もあるにはあるが、未だにやり切っていない会社も散見される。『昨秋には』『年が明けたら』から『4月には』『今度は〇〇』、決着するのはどんどん先送り。”先送り”ならば、まだいいが…。 (山)
 
4月7日付「指先にペンダコの名残」
2025-04-23
 ▼”ペンダコ”、今の若者はこんな言葉さえ知らないだろう。鉛筆を握る中指の先に出来るタコである。入社当時はパソコンなど無い時代だ。万年筆を使う先輩もいたが、記者は鉛筆と消しゴムが主役だった。社名の入った大きなマス目の原稿用紙に書くが、うまく書けないと消しゴムで消す、何度も。書いては消す事により頭の中でリライトが進んだ。これが入稿までの作業だった。鉛筆はHB、Bだと掌が黒く汚れてしまう。よく消せる消しゴムも好きで、使うメーカーは決まっていた。強く握る癖があり、指先にはペンダコができ、みるみる育った。手を見ればひと目でたくさんの文字を書く職業と分かる。自分の中ではちょっとした自慢だった。鉛筆を使わなくなって20年以上経つが、今でもペンダコの名残は残っている。
 ▼一眼レフカメラとテープレコーダーも必需品だった。バッグに入れて常に持ち歩いていた。カメラはフィルムだから映すのにも気を使う。よく現像するのでカメラ屋さんとも馴染みになった。今はデジタルに進化、いくら映してもSDカードが記憶するだけだ。カメラを持たずにスマホで済ます事も多い。修正もアプリで好きなように加工可能なのだから便利になった。テープにしてもそう。カセットテープの時代は何度も上書きして使う。聞き取りにくい事も度々あった。保存するテープは何十本も溜まった。ボイスレコーダーが登場しこれに替わった。最初は長く録音できなかったが、小さくて軽く持ち運びも便利であり、再現する音声の鮮明さには驚いた。今では当初の100倍は保存可能になっている。 (山)
 
 
4月7日付「原紙97年?段ボール22年?」
2025-04-23
 ここ数年、『今年は需要が回復するのでは』という年初の期待が、3月には『難しいか…』と、落胆することの繰り返しであった。今年も2月までの結果と、3月の段ボール各社へのヒヤリングによると、同様の傾向になりそう…(ただし、需要予測とは同程度か)。やはり振り返れば、国内段ボール生産量のピークは2022年だったとなるのか。今後、たとえ買い控え等、短期的要因が改善したとしてもその公算は強い。
 さて、段ボール原紙の国内出荷を見ると、ピークは30年近く前、1997年の941万㌧。25年の見込みは864万㌧強で9%近く減る。もっとも段原紙の場合、この間、薄物化が大きく進展した。現に段ボールの軽量率と、段原紙の出荷減少率はほぼ同じだ。
 一方で当時のメーカー数や事業所数と比較すれば、さらには市況等を鑑みても、この量を上回ることはないであろう。そして現状、在庫水準がこれだけ高く、国内需要も鈍化する中でも、少なくとも当時よりは段原紙の需給バランスは取れているはず。同年の段ボール生産量は135億平米超。今年の予想140億平米よりも少なく、一貫化比率が今よりも断然低く、買い手市場色は強かったはずだし、その数年後からの再編も頷ける(最も段原紙の再編は今後もあるだろうが…)。
 では段ボールは?需要構造が異なるとは言え、22年から3年目、段ボール業界も本格的に新しいフェーズに突入するのか。 (浮)
 
3月27日付「原紙値上げ◎○△×」
2025-04-04
 今後1年以内に段ボール原紙値上げがあるのか。
 現状、『古紙価格』は△。安価ではないものの、要因にできるほど高くない。『燃料』も△×。石炭、原油もやはり安価ではないが、前回値上げ時と比べるとかなり低水準だ。『運送費、人件費』は〇。確実にコストアップになっている。一方でこれだけで打ち出せるかと言えば、段ボールとは状況が異なる。仮に上げ幅㌔2円程度ならばあり得るが、そうなると段ボールサイドが転嫁できない。では『環境投資』はどうか。実行すれば多大なコストを要するが、必要なはずだが具体的な動きが見えてこない会社・事業所、もしくは見通しがついた、または既に不要な会社・事業所と、まさに各社各様。よって◎もしくは△か×と、かなり極端に分かれそう。ただ、過去の値上げの主要因であった点は考慮せねばならない。そして『市況要因』、前回値上げ2022年下期から、早2年以上が経過しての現状はどうか。本音を言えば多くが〇ではないだろうか。にしても採算が難しい輸出に、国内需要の低迷、在庫水準を考慮すれば、一気にトーンダウンしそう。そして最後に、段ボールサイドが製品値上げに一区切りを付けた後、その評価を持って原紙値上げをどう捉えるのか。×か◎か?前者が多数も、立場で極端に分かれる気も…。このように見てみると、喫緊で各社が一様に動く状況にはないが、どこかが手を上げざるを得ないと判断する可能性は捨てきれない。(浮)
 
 
 
3月17日付「ひと工夫加えた分布図」
2025-03-31
 ▼読者に毎年3月に配布する全国コルゲータ分布図、1996年が1回目だから30年ほど前になる。当時のマップを見ると、まだまだ段メーカーも独立系が多く、グループは存在した。例えばチヨダコンテナー、本州製紙、中央板紙、森紙業はそれなりの規模を誇ったが、今では王子グループに集約。レンゴーにはセッツ、日本マタイが加わり、16あったグループは10に減った。唯一、グループとして増えたのがトーモクで、以前は段メーカーの子会社は有していなかったが、今ではトーシンパッケージを筆頭に6社段メーカーを持つ。また大王製紙、ダイナパック、日本トーカン含め大手の生産量は全体の約8割に達している。
 ▼当初はマップに掲載した工場名の後に、コルゲータの主要メーカー名を入れていた。ISOWA、三菱重工業、丹羽鉄工所、内田製作所の4社だ。この他に稼働していたマシンはコンプリートでは無いにしてもハマダ印刷機、ワナックス、S&S、後藤鉄工、源豊(台湾製)等など。いまでも貼合機メーカーで健在なのはISOWAと三菱ぐらい、ハマダは石川製作所と一緒になりコルゲータから撤退。販売台数1位を誇った専門メーカー内田も破綻し、ユーテックが引継いでいる。
 ▼皆様には例年同様付録として3月に分布図を配布しました。新しくE、F、G段の生産工場を、一目で分かるようにひと工夫加えてあります。 (山)
 
3月7日付「クローズド再生如何に?」
2025-03-14
 使用済みの段ボールケースが古紙として回収されて原紙となり、再び段ボールケースになる。長年の古紙、製紙、段ボール業界による啓蒙もあって、業界関係者にとどまらず、多くの人が『段ボールはリサイクルの優等生、当たり前のこと』と良い意味で捉えているだろう。
 ではこれはどうか。㈱〇△が使用、排出した段ボールケースが再び㈱〇△の段ボールケースとなる場合は。『結局は通常のリサイクルと変わらない』という人もいる。実際、確固としたリサイクルシステムが構築されている日本であれば、そう言っても語弊がないはず。ただ、㈱〇△からすれば、完結した且つ確実なリサイクルに貢献したともいえる。まして自社で排出したものを再生し使用することは、企業としてアピール度が高い。また、古紙国際市場の過度な影響回避や、古紙不足対策はひとつの理由にはなるだろうが。
 まだまだ限定的だが、段ボールでのクローズドループリサイクルともいえるこのスキームに対するニーズが今後高まれば、産業にとって、より高付加価値な提案として定着するかもしれない。適正な利益が得られるなら、なお更良い。一方でどこまでの厳密さが要求されるのか。素人ながら、その厳密さの先に何らかのコスト面、環境面での負荷が生じないかとの素朴な疑問が残る。そして、ある意味、指定支給の拡大版のような顧客の囲い込み自体、全面的に否定されるべきことではないとしても、では原料代と加工賃が益々明確化した結果、何が残るのか大いに気になる。 (浮)
 
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