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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

記者メモ

 

2025年 記者メモ

2025年 記者メモ
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2月27日付「量減少の中、再編の噂も」
2025-03-10
 ▼量的成長が見込めない状況の一方、人手不足は段ボール製造でも深刻度を増している。大手段メーカーの一角ですら、『(人がいなくて)本当に段ボールが作れない時代になりつつある』と度々危機感を口にする。さらには物流問題から、『運ぶこともできなくなってしまう』と付け加えた。
 このような状況を受けてかは定かでないが、喫緊でも、複数の大手グループが、各地で工場再編を検討しているとの噂を耳にした。真偽は置くとしても、1社あたりの工場数や設備台数が限られる中小とは違い、地域ごとでのバランスを見た上で再編を進められる大手の方が、動きが早いのかもしれない。一方で、過去10年あまりでも業界全体の製造能力はむしろ大幅に高まっているわけで、近隣工場で十分に補完して余りある状態なことは疑いようがない。
 ▼1月の大手段メーカーの生産は前年比101~107。稼働日は多くがプラス1日だが、少なくとも前年並みの水準を維持した模様だ。
 業界関連各社の第3四半期決算も出そろったが、数量は微減から微増まで、大手は全体生産量よりは少々高い実績ではある。そして注目の値上げ効果は第4四半期、さらには来年度に浸透することを期待したい(するしかない)といった結果だった。
 しかしながら、2月中旬時点での進捗具合のヒヤリングでは、愕然とする状況も耳にする。業界初の製品単独値上げの結果は果たして…。(浮)
 
2月17日付「考えさせる老人ホーム入居」
2025-03-03
 ▼『騙して連れて来られた』『部屋に突っ込んでくれればいい』、母親を入院先の病院から老人ホームに移した翌日に言われた。『自分で(食べる事もトイレも)何も出来ないでしょ』と言い聞かせたら、そう口にした。60後半から難病を患い85歳で倒れ、そのまま住まいの団地には帰れなかった。古い建物で取り壊される直前でもあった。自宅から近い場所で探したホーム、何カ所か回ったがどこの施設長も『百人入所したら百人が帰りたいと言います』だった。10年以上前の話ではあるが、鮮明に覚えている。
 ▼知り合いの〇さんが老人ホームに入った。20代からお世話になっている段ボール関係の元経営者で、よく一緒に仕事をし、退職後も年に数回定期的に飲食していた。入所する3カ月前数名でお会いした時も酒を飲み、『歳を取ったな』位にしか感じなかったが、本人は『忘れる事が多い』だった。メンバーが次回の約束を取り決める電話をしたら、家族から『老人ホームで、今は出られません』。『1人にしておくと危ないのであずけた』と言われたらしい。『急にそんなにボケるとは…』と思い、何度も携帯に電話したがもう繋がらなかった。
 ▼仲間の1人が家族から『帰りたい、そう言ってきかない』と伝えられた。80歳過ぎても歩く事が好きで健康、仕事、趣味、何にでも恵まれていたのに。その後も様子が気になったので、ホームで面会できるか聞いたら簡単に許可が出た。訪問当日、いきなりノックをして自室のドアを開けたら目を丸くした〇さんがいた。『分かる?』と問いかけると、すごく喜んで『もちろん分かる、分かる』と直ぐに反応した。食堂で1時間話をしたが、『こうして話をしていると夢みたいだ』だった。落ち着いており以前よりしっかり歩き元気な様子。次回外に連れ出してみよう。(山)
 
 
2月7日付「保険証、いつまで使える?」
2025-02-17
 ▼現在の保険証がマイナンバーカードに移行しつつある。いくつか持病を持ち複数の医者に通うから、病院や薬局の受付で『マイナンバーカードでやりますか』と聞かれる。暗証番号を忘れているお年寄りも多く、『顔認証でも出来ますよ』等と色々教えてもらっている。それを見ているので、煩わしいから使える間は従来の保険証で、と思う。
 ▼先日あるクリニックで保険証を出し『これ、いつまで使えるのかな』と尋ねたら、お姉さんから『Yさんのはけんぽですよね。なら返せと言われないので、ずっと使えます』と言われた。本当?まだその程度の認識なようだ。先輩の一人はマイナンバーそのものを登録していないと話していた。『自分は死ぬまでしない』と頑固に言い切った。優秀な大手段メーカー工場長だったがそれでもデジタルは苦手らしい。まぁ85歳だし無理に使う事も無い。
▼銀行にしても店舗数を削減し、窓口の女性行員は大幅に減った。預入・引出ぐらいはATMで出来るが、窓口に相談しようにも結構な時間を待たされる。更に事務処理の電子化は種類も多く複雑で覚えるのも大変。自分には絶対出来ないだろう。昨日の早朝、マンション一帯のネット環境が悪く、スマホやパソコンが使えなかった。もちろん、パソコン上で行う振込などの手続きはお手上げ。こんな事があると、なお更嫌いになる。”DX”これからの人生に必要な事は百も承知。嫌だ、苦手だ、と言っていてはますます時代に遅れてしまう…。 (山)
 
 
2月7日付「今、執着すべきなのは・・・」
2025-02-17
 昨年12月の大手各社の貼合量は前年比94~102%、平均では微減くらいか。稼働日は会社によって多少異なるが、概ね前年同月プラス1日もしくは前年と同じ。年末年始9連休前ではあったが、加工食品はじめ、多くの需要部門で引き続き低調に推移した。
 さて、年が明けて1月も半ば過ぎ、年始の挨拶では『相変わらずです…』との声が少なくないものの、『1月はここまでかなり良い状況』という大手段メーカーも。随分と久しぶりに聞いたフレーズであったので、安堵しつつも正直驚いた。それくらい減ることが当たり前になっている。
 段ボールや段原紙の需要予測についても、各種調査を精査、参考にした予想であることは重々承知しているが、数値的にはある意味で目標とも捉えて、『是非到達してほしい』というのが正直な感想だ。
 そもそも、人口減はじめ業界努力では決して覆せないこと、それに伴う需要減少は、事実として受け止めるしかない。しばしば超一流アスリートが、『自身のコントロールできないことには執着しない』と語っているが、これに多少似ているかもしれない。減少は仕方ないこと。ではそれと比例するように、価格さえもコントロールできないのか(しないのか)。減少しているからこそ、その状況で製造する上で、見合う水準に上げることが必要である。そしてこんな時だからこそ、余計に成長余地のある需要が生まれたならば大切にすべきだ。 (浮)
 
1月27日付「どこまで上がる、内製化」
2025-02-10
 ▼『自分の修行先だから、営業のやり方がよく分かります』とはある中小段メーカー。世話になった製紙メーカーゆえ従来は快く原紙を買っていたが、ある事をきっかけにそれが変わったそうだ。シート購入でも同様の事が起こる。仕入れ先の入れ替えは、頻度で言えばシートの方が多いかもしれない。値上げの時、値下げの時、売る側が量確保に動いた時など等。仕入れ側からすれば、売る側が多少強引であっても筋を通した商売なら納得するが、担当者との信頼関係もあって難しい。大手に有りがちな『この約束は前任者ですから…』で済まされたら『変えたくなる』、そのような話も耳にする。
 ▼一貫がグループ製紙メーカーの原紙をグループ段メーカーに使わせる、いわゆる内製化。『自分の陣地内だけでやっていて、他社まで攻めて行く訳ではない』とは思うが、弾き出された製紙専業メーカー等はどこかに売り先を見つけなければならない。その先も同じような事が起こる。ちょっときな臭い噂も耳にした。以前は『グループ内よりも、買いやすい(安い)原紙を調達していた』一貫系の段メーカーは何社かあったはずだ。それが競争力にもなっていた。年々、締め付けは強まり内製化が進んでいる。原紙生産は国内で微減が続く。韓国の段原紙業界から『ダンピングで提訴されるらしい』と一部メディアに出た国内製紙メーカー〇や□。更に丸紅が手放したベトナムKOAの一件を見ても、アジアの環境は想像がつく。内製化率、果たしてどこまで上がるのだろうか。 (山)
 
 
1月17日付「量減少、生産性で補完」
2025-01-27
 段ボール生産量(需要)は残念ながら、年々減少していく可能性は高い。この程度は減るだろうというラインを、今後10年間、毎年1%減少すると仮定した場合、量にして9・6%程度は減少することになる。その結果、単純計算すれば、売上も9割程度(1割減)、利益も同様となってしまう。この前提で、利益をしっかり維持・拡大しようとすれば、コストを年間2%、10年で2割程度減らす(改善する)ことが求められる。
 釈迦に説法だが、継続して『コスト削減=生産性向上』をしなければ、利益は確保できない。人手不足が深刻さを増す中、幸いとまでは言わないが、AI技術はじめテクノロジーの進展および設備の省人化は期待できそうではある。設備投資コストが相応にかかる点は考慮すべきだが、これらのサポートに加えて、原材料の最適化なども促進し、生産性を高めることで補っていければ理想的ではある。まして日本の生産性は欧州等と比べて低いわけで、改善の余地は少なくないはず。
 が、しかし、これはあくまでも量から、利益重視にシフトすることを前提とした話で、冒頭の試算も、最低でも現状価格が維持されていることが条件となる。無論、毎年値上げできるならば、それに越したことはないが、それが最も難しい…。そして最悪のケースだが、量的成長に拘るあまり、無尽蔵且つ無益な価格競争に陥ってしまえばたちまち、立ち行かなくなることだけは強調したい。 (浮)
 
1月7日付「値上げ、悪くても4月に期待」
2025-01-20
 ▼24年に取り組んだ製品値上げ、中小・ボックス大方の『動けない』から一部地域の『やり切った』まで色々ある。成果の良し悪しは様々だ。会社を回す経費は上がる一方だから、動けなかったメーカーは25年の良くて1月、悪くても4月からに期待する。ただその改定幅が〇円ならば、上昇したコストとトントンかもしれない。ではこの先、もう一段の価格改定はあり得るのか。今回の進捗状況を考えれば…。
 ▼12月に『原紙は上がるのですか』、こう聞かれた事がある。今年の春先から流通など一部噂に燻った原紙値上げだが、この1年で段メーカーへの□△金はどうなのだろうか。質問した会社は『年初からすれば〇円、増えています』だった。”上昇する”と噂があった割に反対に振れるとは…。製紙メーカー現在の、これからの環境対策費など増す負担増を考えれば、『上昇局面はいつ?』と思ったそうだ。まぁ個人的に勝手な見方をすれば『まだ無いのでは』。
 ▼24年の生産量、やはり前年比でマイナスになりそう(11月の大手生産量は悪かった)。日本の人口が減り続ける、脱・省段ボールもある、もちろん増える要素も無くは無いが、大雑把な肌感覚からすれば、この程度のマイナスならば御の字ではないか。”量の時代は過去の事”とは分かっていても、長年染みついた感覚はなかなか抜けない。しかし無理して作ろうとは思わず、自社に見合った生産、会社の在り方を創造して行こう。 (山)
 
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