板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2024年 段談

 

2024年 段談

2024年 段談
3
 
6月7日付
2024-06-20
▼先日、事務所の坂を上った先にある最高学府の学生さんから、段ボール産業について調べていると連絡があり、矢継ぎ早に『今、過去に例のない製品単独値上げに動いているが成果は』『各社の上げ幅の動向と根拠、その収斂性』『市況価格について』等々質問された。こちらも可能な限り話したが、探求レベルと知識、理解の早さは流石の一言。将来、段ボール業界に入ってくれれば良いなぁと思いつつ、せめて○○新聞に入って、今よりまともな記事を書いてほしいが、それはないか。官僚いや大手金融・コンサルで業界の再編に関与するのが今の時代なのだろうかと、勝手に夢想してみる。
▼『A社系と専業B社が先行し、他の大手が追随し、どこまで広がるか』と現状を見る段メーカー。動きが出てきた点は良い方向性だが、これからが本番だ。さて、夢想ついでに今後の段原紙値上げの可能性について。洋紙が再び動きはじめ、製紙系の事業説明会でも段原紙と言及はなかったものの、まだまだ価格改定の必要性を訴える声も聞かれた。仮にあるとして、製品値上げはどうなってしまうのか。『交渉の手間、厳しさを考えても、あり得ない』『我々の値上げがぐちゃぐちゃになる』との意見の一方、『タイミングによっては後押しとなる』『二段階でしっかり取り切れる』との考えも。前述の学生さんにも意見を聞いてみれば良かった。(浮)
 
 
5月27日付
2024-06-05
 4月は全ての大手が前年比を超えた模様。平均稼働日が1日多く、飛び石連休で前倒しがあまりなかったからか、「実感がない」との声多数。
 さて、製品値上げに取り組んでいる中、『値上げで一定の成果を残して、さあ拡販だと量を追いかけた結果、市況が軟化し、利益圧迫要因が現れればここぞとばかり、また必死に値上げし一息つけばまたまた…。もうこんな繰り返しで成長(事業を維持)できる産業ではない』と、専業大手段メーカー幹部は強い口調で述べる。
 確かに全面的に正攻法だと皆が捉えていないとしても、長年の商流と言えば良いのか、値上げ後の拡販は、ある意味、常套手段の一つであるだろう。以前のように、段ボール需要の成長を前提としていれば、各社、各受注のバランスをみながら強弱をつけても、『そこそこ』の利益は残せていたかもしれない。もしくは仕事は回っていたのかもしれない。ただし、先行きの成長が不透明な時代に突入しただけでなく、今後もコストはどんどん上がっていく。
 製品値上げの要因を挙げても物流、労務費、人材確保に労働環境と多様。『この程度(利益が)残れば良いか』の、この程度のレベルが低いと、認識を改めなければならないとのことだろう。外部環境と産業の置かれた状況、双方を考慮しても、『以前の感覚で”儲けすぎ”は、今や”当たり前”』なのだ。(浮)
 
5月17日付
2024-06-02
▼4月からスタートした製品値上げ。大手は具体的に動いているのか。中小段メーカーは追従しているのか。『流れはこっちにあるが、それでも難しい値上げ』と言われ、”時期、幅が個別対応”だけに『決めづらい』の声も一部にある。そもそも主原料の原紙が上がっていない。ではどの項目がどれだけコストアップなのか、運賃はいくら修正すれば…。段ボール会社も各社違えば顧客への決め方もそれぞれ個別になるだろうから、根気よく気長な価格改定になってしまうのか。ダラダラして気持ちも失せていくのか。”製品単独で値上げに挑む”、段ボール産業の心意気がここに詰まっているのだから成功して欲しい。
▼『シート価格は決めやすいのでは』、あるボックスから聞かれた。複数の段メーカーからすれば『ケース、シート、値上げする難易度はどちらも変わりません』が返答だった。『大手段メーカーが持つ大手ユーザーとは違い、我々の得意先で値上げの必要性があるのは…』『赤字の広域さえ上げれば』こう話す中小やボックス経営者が大勢いる。実際に大手周辺で聞いても『小さな得意先より、営業本部が担当する大手ユーザーの方が、持って行った話(値上げ)は素直に聞く』そうだ。これも”世の流れ”なのだろう。4月も後半の事、具体的に〇円と数字をあげた一貫系もあると耳にした。『時期は夏頃から』 (山)
 
5月7日付
2024-05-16
 ある大手段メーカーは、早く値上げの道筋をつけてほしいと、前のめりになる記者を諌めるように、『当然、コストアップは抱えている。転嫁は必要な点も偽りは無い。ただし、我々は、まずは最大の要因と捉える、荷役も含めた物流のコストアップ額を推定ではなく明確化してから厳格な交渉を行う。おそらく下期には価格を浸透させる』と強調。これに、『原紙が動かない中、打ち出し内容、コストアップ要因含めて、今回は特に各社各様の値上げになるだろう。よって動きが早い、遅いという経過に対する評価は従来に増して見えにくいかもしれない』と付け加えた。前例のない値上げだけに、尚更こちらも気持ちは焦るが、ターゲット時期は明確に定めているようなのでここは期待したい。
 同社と同様の理由ではなくとも、例えば大手広域ユーザーの交渉や、製品単独、シート値上げの強弱と、それに呼応するボックスの動きという様々な特殊性を考慮すれば、確かに夏前をひとつのベンチマークとする見方は多い。せっかちな記者としてはすぐに結果を想像したくなるが、遅くとも秋頃には価格転嫁を終えて、願わくは量も安定した業界を今は想像することとしたい。それにしても交渉自体は早い方が良いとは思うが…。まして、ここに来て色々聞いていると、原紙だって、また、いつ再び上がるかわからないのだから。 (浮)
 
 
4月27日付
2024-05-08
 3月の段ボール生産量、大手速報は8社中80%台が半数、残りも90%台前半であり、中小も予想以上に悪かった。中盤から『悪い』『伸びない』こんな話をよく聞いた。大手経営者が『主力工場に発破を掛けた』と流れ、それを耳にした中小は『発破で伸びるなら、いくらでも』と苦笑した。いつもは何でも教えてくれる社長からは『言えないぐらい悪い…』もあった。今月は製品値上げのスタートである。今年に入って2月は若干伸びたものの、その後が続かない。こう悪いと『値上げに影響も』などネガティブな考えが出てきそう。
▼テレビで『大手スーパーIやIがプライベートブランドを値下げした』とやっており、しかもそれを”良し”とする報道があった。このご時勢に。『最近はユーザーの購買姿勢も変わってきた』とする段メーカーがポチポチいるが、こと流通に限っては全くない。以前『メーカーよりも流通の方がたちが悪い』と大手経営者から聞かされたが、同感だ。一方、あるジャーナリストがテレビで『価格転嫁を渋る大企業。雇用の7割を支える中小企業の賃上げを阻害』と話していた。活躍するGメンにもっと頑張ってもらいたい。
▼スタートダッシュがあったのか、様子見程度なのか。最大手は案内などやる構えは見せても『期日や上げ幅等の具体性はゼロ』(ボックス各社)。他社の評価も『動きはまだまだ見えませんね』であり、『去年、値上げしなかった所にもまだ』だった。始まって10日程だから、これからに期待したい。(山)
 
4月17日付
2024-04-29
▼あっという間に製品単独値上げの4月になった。価格を取り切らなかった大手ユーザー等との攻防が本格化する。ケース購入側からすれば期中の値上げには反発もありそうだが、業界の浮沈をかけたのだから、一貫や専業大手は発表した言葉通りに動いてもらいたい。続く中小オーナー系は『大手の行動を良く見極めてから』も。中には大手と同調する事が、ボックスから『シート販売で便乗値上げだ』と言われた会社まで。反面動かず、落とし続けたシート数量を取り戻したい中小が出ても不思議ではない。
▼多くのボックスにしてみれば、この単独値上げを頭では理解していても、大手段メーカーとは持つユーザーも違うのだら『(万一シートが上がったら)本当に箱まで転嫁できるか』、悩みに悩むところだ。特に現状がまぁまぁだった事もあり『思考停止状態』までの経営者も。今よりも良くしたい、と思う人がほとんどのはず。業界が変わるきっかけが出来たのだから一緒に取り組んで頂きたい。他社がどう動くかを気にするのではなく、自分の会社をこれからどうしたいのか、どうあるべきか。真剣に考える時である。
▼『取った取られた』このような話が少し減ったように感じる。人から奪い取るよりも、自社の製品を修正した方が得と実感できたのであれば、需要が減った事も災い転じて福となす。 (山)
 
 
4月7日付
2024-04-19
 動かないわけはないと分かっていても、『いつになるのかな。まだ?リリースを出さずに?』との声もかなり飛び交う中、王子コンテナーがついに値上げを発表、これで外装大手6グループ全てが、それぞれの条件のもと、表明したことに。無論、これをもって何か成したわけではないが、段ボール産業の現在、そしてこれからを左右すると言っても過言ではない取り組みが動き出す。是が非でも完遂してもらいたい。
 記者が、『そうは言っても(交渉は)難しいですよね』と尋ねたら、『確かにそれは否定しないが、我々こそが必要としている値上げなのだ』との強い言葉を、オーナー系段メーカー、ボックスメーカー、双方の社長から明確に言われた。規模の大小で言えば、人件費、人手不足、労働環境に、物流コストは大手の比ではない厳しさがある。だからこそ、今はネガティブにはならないで進みたいのだと強調する。
 決して方向性がずれて業界内での、いがみ合いになり挙句はガタガタになることなどは望んでいない。自らも既にユーザーへの説明を開始している。その上で、大手の力強く、粘り強い交渉を、従来に増して切望している。それは単なる大手任せとは違う。全体の値上げを動かすことはできないとしても、自社のため、業界のため、やるべきことをやるという強い決意だ。今回そんな会社がかなり多いと伝えたい。 (浮)
 
3月27日付
2024-04-04
▼”値上げ”きれい事や建前で話す人はたくさんいるが、自ら実践し『やった結果で判断して欲しい』と言い切った経営者は、記者の知る限りでは珍しい。ダイナパックの齊藤社長だ。その行動は社長就任時からずっと続いている。昔在籍した一貫系段メーカーのI・T社長もそうだったが、共に自社の生産量を大きく減らしてまで『業界を良くしたい』と熱く語った。これからも関連産業の地位向上のために、色々と発信して頂きたい。
▼3月17日号に掲載した井上レンゴー副社長の言葉も実に力強かった(インタビューは5日にUが行った)。やろうとしている事は、早急に実現しなければ。同社が本気になれば変われない事は無い。ボックス含め皆その目で見詰めている。大きな得意先こそガツンと『その条件では出来ません』くらい言って欲しい。受注を失う事を恐れずに動けば、他の段ボール会社も必ず付いて行く。たとえ成功しなくても、失うものはないはずだ。
▼過去に何度か変われるチャンスがあった。が、良い所まで行きながら到達できず『学習効果のない業界』と言われ続けていた。壊していたのは、『量だけを追い、安売りに走る会社』である。安値は知れ渡り、しかも残る。『自分さえ良ければ』など段ボール箱には通用しない。ここに来て良い流れが出来てきたのだから、一気にやり切ろうではないか。 (山)
 
 
3月17日付
2024-03-21
▼『業界の歴史的偉業』なのか『取るだけ取ったから後は上げるだけ』なのか。レンゴーが1日に発表した段ボール製品単独値上げに対する周りの反応だ。取り巻く環境は物流問題をはじめ労務費、環境対策費等々、コストアップが山積みしている。これは業界人なら誰でも理解している。しかし『今が程よい状態』(ボックス)にも関わらず3回目の値上げを、しかも主原料の上昇が無いにも関わらず、単独で挑む事に戸惑いを隠せない会社もある。『先に上げるべきユーザーがある』『オーナー系は最後の最後に動くか動かないか、そんな感じがします』(中小段メーカー)なのだ。
▼それでも記者は偉業だと認識する。物流問題一つ取っても『数円は頂かなければあわない』(ボックス)と言う。労務費を見ても、高くなる初任給、毎年キチンと昇給していかなければ離職してしまう。どんどん上がる人件費、他産業との人材奪い合いに勝つためには、今の業界平均利益率では太刀打ちできない。レンゴー以外の大手は必ず追従するとみていたが、4日トーモクが打ち出し、6日にダイナ、続く会社の名前もあがる。『業界全体で動かなければならない案件』『せっかく流れが出来た』である事は間違いない。量を減らし続けた中小やボックスには不安、疑心暗鬼が根付いている。払拭するためにも、やると決めた企業は行動で示して欲しい。(山)
 
 
3月7日付
2024-03-14
▼”製品価格を守ろう”、この気持ちを持つ人が板紙・段ボール業界でも増えている、と聞いた。1月の新年互礼会でもそんな話を何人かから。日本経済の失われた年は安売りが原点と多くの人が言う。それが”物は安く売らなくてはならない””給料も上げられない”に繋がっていたが、一気に反転し現在は値上げラッシュ、給料アップ一色だ。それにわが業界も同調した。中小・ボックスはその前から『安売り体質ではやっていけない』『付加価値あるモノ作り』を実践していたが、一貫や系列段メーカーにも価格を守る気持ちが増えているのであれば喜ばしい。
▼段ボールは他社との差別化が難しい。大手で作っても小さな会社で作っても一般に使われる段ボール箱には大差なく、価格だけの競争に陥っていた。最新鋭機を導入し、入れたら入れたでブンブン回す。大手企業がここ数年間で立ち上げた新工場がいくつかあるが、『生産量』についてはどう見ているのだろう。能力はみな月産1000万平米クラスだ。工場建設計画時とは、取り巻く需要構造が大きく違っている。この数年間を見ても分かる。たくさん作れる機械をセーブしなければならない場合だってあるように思う。製紙と違い、段ボールは他国との競争が無いだけマシではないか。しかも抄紙機と異なり、コルゲータは止めようと思えば直ぐに止められる。 (山)
 
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