板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2024年 段談

 

2024年 段談

2024年 段談
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2月27日付
2024-03-11
 ▼昔、取材先で大手ボックスは早朝に段メーカーからのシート搬送トラックを、工場近辺に何台も待たせていた。悪びれた様子もなく『うちのスタイルにあわせてもらう』、だった。1月末にある大手製紙メーカー□が国土交通省から勧告を受けたのも”長時間の荷待ち”である。今まではどこも『待たせる事が悪い』この感覚が薄い時代だったかもしれない。もっともこれらの改善には、段ボールを使うユーザー側の協力だって必要になる。
 ▼間近に迫った2024年物流問題。4月1日以降はドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限される等で起こる諸問題である。中小の中には『配送トラックが不足しそう』『顧客での待ち時間を無くすために前日に予約を取りに行かねば』、こんな声もあった。中には使う運送会社が値上げを言って来ない、と逆に心配する人も。以前なら喜ぶべき話なのだが、『運賃の改定を我慢してドライバーがいなくなっても』なのだろう。持続的な経営を考えれば、掛かるコストは我慢せず、転嫁して行かなければならない。『新しい料金体系に変えると、(運賃は)最低1割は上げなければ』もある。
 ▼なかなか下げ止まらない需要量。1月の大手段メーカー生産量速報値は前年同月比で98、99が多い。しかし中小、ボックスの多くはそれよりも落ちていそう。そろそろ底と思いたい。 (山)
 
 
2月17日付
2024-03-11
 1月の段ボール、スタートは堅調も、3連休以降失速、最終的に大手各社は1社以外は100以下で、全体も前年割れが濃厚。中小・ボックスは大手と比べて15ポイント以上悪いところも。年度替わりの食品はじめユーザー新製品投入の動きも少々鈍く、新規需要に強さは見られないのも気がかりだ。全段連の予測で1~3月は前年比99%予想だが、2月は前年比並みとしても、3月の稼働日は前年比で2日も少ない。既に業界関係者から、出足3カ月は予想以上に厳しい結果になるとの観測が広がる。
 4月以降、前年並みならば、コロナ禍で”あやふや”になったところから、本来の需要ベースが見えてくるはずだが、さらに大きく減少してしまえば…。それにしてもこれまでの記述通り、記者自身がまさにそうだが、ここの所、どれだけ減った、もしくは今後どれだけ減るかと言ったことに呪縛され過ぎている。実際、人口減の中長期的影響等は見過ごせないが、一方で『堅い需要層は変わらず存在する』『段ボールから○○に代わる要素は依然少ない』は紛れもない事実。電気代の政府支援が切れた後、4月以降の運送費等々、収益圧迫要因が連なる中、再値上げが可能かは不明ながら、『むしろ、多く・安くに捕われないで、現実を見た仕事の選択ができる(していく)』との声は多い。今はそれを阻害する動きだけは勘弁。 (浮)
 
2月7日号
2024-03-06
▼昔は今より段メーカーとユーザーは密な関係だった。作った商品を消費者に届けるには段ボール箱が必須。輸送箱が不足し『あの段ボール屋さんには助けられた』、入社当時でも(昭和年代前半)このような想い出話を聞いた事がある。時代は変わった。コンペ、入札、安ければ良いが蔓延る。大手段メーカー経営者が入札画面を見ている数分間で価格がどんどん落ちて行くのにびっくりした、こんな笑い話さえある。最近も『紙が下がっていない事はわかりますが』としながらも強引な値下げを要求するユーザーが。しかし、まだまだ立派なユーザーも多いのだから、段ボール側からその関係を壊すのだけは止めなければ。『うちから買ってくれればこの価格です』、以ての外だ。
▼『量に期待しない』『他所の仕事は奪わない』、こんな段ボール会社が増えて来ればいい。各地で頑張る中小は価格を重視し、量の呪縛から脱皮している。2回の値上げで『生産量はマイナスだけど、反面、売上高も収益も伸びた』、よく聞く。高能率の生産機を導入するのも生産性を追求する訳ではない。品質、省人化、会社によって求めるものが違う。大手の営業がその地域で仕事を取っても次には異動だってある。一部でシートの売り込みが増えている。『安値だけ残していく』はもう止めよう。せっかく方向転換した会社の邪魔だけはして欲しくない。 (山)
 
 
1月27日付
2024-02-14
 ▼『スロースタート』『出だしはいつもの(伸びない)1月』、年明けに頂いたメールだ。12月の大手段メーカー生産量も前年割れだった。量に期待しない、とは言ってもやはり気になるのが需要動向である。その12月の生産量、原紙と段ボール生産で、前年同月比に少しズレがあり原紙の方が伸びを示していた。段ボールは大手8社中100%超えが1社、それに比べ原紙は大手7社で5社が100をオーバーした。『売り急ぐ製紙メーカーがあるのか』と心配する向きもあったが、輸出が昨年より増えたためで、国内出荷は100割れだったよう。新年互礼会で出たように今年は『(製品価格を守り切れるか)試金石の1年』となる。
 ▼年明け早々、悲惨な出来事が続いた。元日夕方に発生した能登半島での大きな地震には心が痛む。そんな中でこんな良い話もあった。山形のボックス・エスパックが石川県中能登町、内灘町に段ボールベッド『クイックベース』を無償で提供した事だ。在庫が無かったため、正月休み明け5日に社員総出のうえ、近隣の障害者施設利用者からも協力を得て急ピッチで作業を進め、300台を両町の支援物資集積場に届けた。この様子は河北新報やテレビ山形でも大きく取り上げられた。なお、同社は22年に発生した海底火山噴火と津波で被災したトンガにもベッドを200台提供している。気持ちが素晴らしい。 (山)
 
1月17日付
2024-02-02
 ▼今年の段ボール需要、出だしはどうだろうか。昨年12月に出された全段連の24年予測は前年比100・5だった。ただ大手や中小で取材しても大方『もう増える事に期待はしていない』と言う。聞いた中で最大は将来、二桁近いマイナス予想だった。中小は自分の持ち場をしっかり守って行ければいいが、仕事が不足する大手によりロットが細かな分野まで横やりが入る。『小ロットですら破格の単価で奪い取っていく時代』、昨年暮れの中小社長の嘆きだ。
 ▼どちらかと言えば大手主導だったTFPにしてもそう。『模範たるべき一貫系がこのあり様では』やられた周りではそう感じている。『量の減少を価格転嫁で補った』が現在の根本だ。値上げをやり切り、価格を守るほとんどの会社がそう思っているはず。『24年物流問題で上がるコストの転嫁もしなければ』こう話す社長までいる。値段を下げるどころじゃない『上げる場面だってある』(ボックス社長)のだ。段原紙も製品も今年は正念場である。『安売りが始まる年』は絶対に避けねばならない。
 ▼新年の挨拶メールに『大手並みに給料を上げられない、払えない』こんな中で『どうやって人を集めればいいのだろうか』とあった。他業種との人材奪い合い、どの業種でも人件費はますます高騰しているが『その原資が乏しい』と。続けて『良い職場にするために機械化もしたいが設備資金だって必要だ』。以前と比べ加工賃が低くなり『低位安定では弱小は生き延びられない』、続けて『一つ上のステージを目指そう、そう頑張っていた頃もあったではないか』。弱小企業含めて『より良い産業にするには』、やるべき事は分かっている。 (山)
 
1月7日付
2024-01-24
 24年の全段需要予測は前年比100・5%の142億平米を見込む。予想通りになればと思いながらも、現状、その難しさも取材を通してヒシと感じる。特に昨年23年は、『なぜなのか?』と困惑するほど、数量面では低調な時期が長く続いた。記者として、そして一消費者としてもインフレを意識しながらも、『それだけではないのではないか…』と、もやもや感が拭えなかった。世界情勢にとどまらず、業界にとっても時代は変化している。
 需要予測を受けて、『予想通りに行けばそれはそれ。ただ、変化の時代、想定が簡単に覆される事態に世界が直面し、我々も否応なく影響を受ける。であるならば、不測の事態に対して、あたふたせずに柔軟且つ迅速に対応することが重要だ』とは、オーナー系段メーカー社長。大手の寡占化がますます進展する中、中小段メーカー、ボックスが今後もしっかりと業界で歩んでいくために、常日頃から尽力している同社長だからこそ、置かれた状況に対して大きな危機感を抱くとともに、新しい局面での生き残り方を模索している。『そのためには一定の資金力も必要』と付け加えた。
 では資金の源はと考えれば、これ以上、価格を下げても何一つ良いことはないだろうと思う一方、大型案件だけでなく、中小ロットでも大手中心に安値で量を確保する動きが昨年末あたりから徐々にだが大きくなってきているのは非常に残念。一体何が原資となるのか。板紙・段ボール業界の誰もが連続値上げを終えて、『昔と同じことを繰り返していては業界は絶対にダメになる』と口を揃える。有言実行、そうあってほしいと強く願う。今年もどうぞよろしくお願い致します。 (浮)
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