板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2008段談

 

2008年 段談

2008年 段談
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12月27日付
2008-12-19
 今年のお酉様は異常に混んでいた。土曜(三の酉)の昼間なのに、浅草・鷲(おおとり)神社手前の信号から身動き取れず、車道まで溢れている。昨年の熊手を返却出来ずに出直す人もいた程だ。みんな少しでも景気が良い事をして、気分だけでも盛り上がりたいのだろうか。
 可哀相なのが入り口付近の露天商。屋台のぎりぎりまですし詰めで、とても中で一杯飲める状態では無い。これにはお兄さんも唖然とするばかり。
 大きな熊手で広く知られるお酉様は、11月の酉の日に行われる各地・鷲神社の祭礼。このにぎやかなお祭りには、20年以上前から亡くなった先輩達に連れて行かれて、はまった。てっちりにひれ酒で勢いを付けみんなで出陣、それぞれ好みの熊手を買い、浅草で遊び歩いた。
 私の好みは『丸〆』。太い縄の中央に手彫りのおたふく、稲穂と鶴、鈴が飾ってあるシンプルなもの。毎年少しずつ大きくするのが商売繁盛に繋がるといわれているが、ここ何年かは、安上がりな『かっこめ』熊手守りで済ませている。これでは商売繁盛、幸運もかき集められないかもしれない・・・。
 さて、神社で驚かされたのが混雑よりも巫女さん。お守りを買いながら「今年はすごいね。一、二の酉も混んでいたの?」と尋ねると、可愛い顔して「そうっすね」と返事をしたのだ。さすが浅草の巫女さんである。(山)
 
12月17日付
2008-12-11
 製品値上げがほぼ終了したのに何となくスッキリしない。材料代まるまる転嫁出来た訳ではないが、「まぁ満足している」(段メーカーD社)会社が何社もあるように、及第点は付けられる。値上げに積極的に動かなかったメーカーだって、「それが自社にとってベストの選択」(ボックスX社)だからそうしたのであり、悲観する必要も無い。
 それなのに秋以降、取材を重ねる度に明るい話題が減ってきた。3時でコルゲータが止まる段メーカー、昼までしか動かないボックスなど、中小での仕事量は確実に減った。今は必至に買い支えている国内古紙価格も弱含むのではと、不安材料が織り交ざり、気持ちを冷えさせている。
 紙段機連合会で女優の藤田三保子さんが特別講演した。心理学者のスペンサー・ジョンソンの著書『チーズはどこへ消えた?』に自身の幼少から現在までの苦労話を重ね、「状況の変化にいかに対応すべきか」「どうすれば自分を変える事が出来るのか」を1時間話した。要点は「良い時ばかりではない。状況がどんなに変わっても1番大事なのは本人の思いよう。過去を断ち切り、新しい発想で、前向きにスタート地点に立つこと」。
 きらびやかに見える女優業も裏での努力は相当なもの。『どうせ』『ダメだ』など伝染するネガティブワードは早くに捨て、ポジティブワードで『頑張ろう』。     (山)
 
12月7日付
2008-12-01
 小さな頃からの持病でA病院に30数年通っている。自宅からも近く、通い慣れているせいか、何かと使い勝手がいい(と言うと怒られそうだが…)。先日も夜間診療でお世話になった。
 この病院、共産党系だからなのか、差額ベッドが無い。個室も2人部屋も6人部屋も全て同じ低料金。以前入院した時、私の部屋の前が個室だったが、新しい患者が入って2、3日すると夜中にざわつく記憶が残っている。差別無くという考えで、個室はお金持ちが入る部屋ではなく、本当に具合の悪い人だけが入る所なのだ。
 もちろん、先生や看護師さん達への付け届けは一切禁止。お礼を考えるならば、赤旗新聞の日曜版を購読するか、○○友の会に入会して下さい、と頼まれる。新聞も購読せず、友の会にも入っていないが、ここほど年金生活者やお年寄りに親切な病院は無い。
 こんな良い病院ではあるが一つだけ毎回行くたびに「変だなー」と思うことがある。薬代だ。風邪を引いた時に風邪薬が増える以外は、もう20年以上同じ薬を同じ量だけもらっている。なのに料金が何百円ではあるが、微妙に違う時がある。
 何かの説明で、薬剤服用歴管理料、特別指導加算が薬代にかかると聞いた。極端な話、持病の薬など薬剤師より詳しいつもりでいる。素晴らしい病院ではあるが、薬をもらうたびに、首を傾げている。      (山)
 
11月27日付
2008-11-25
  すっぱいトマト味のスパゲティーが食べたくて、専門店を目指した。2階への階段を上がりお店のドアを開けると、心ここにあらず、という面持ちのバイト君が立っていた。カウンターに着くなり「○○を下さい」と、頼んでしまったので、彼はとっさに反応出来ず、無言でお水をテーブルに置いた。そういえば、いらっしゃいませも聞こえなかった。無反応、無表情だとこっちも調子が狂う。
  オーダーをコックに伝えると、彼も何も答えない。ふたりとも仲が悪い様子。出来上がった料理の皿も、無言で置いていった。いつもならここで、調理が終わったコックとバイトで仲良く会話が始まるところだが、どちらも口を開かない。3人の気まずい空気が狭い店内を漂い、居たたまれない。早くお店を出たい一心で飲み下すように食べていく。でも次のお客さんが来るまで待たないと。これは口開けの客の礼儀なのだ。
 入社当時、年配の上司行き付けの小料理屋へ連れて行ってもらった時のこと、山梨の名物料理『ほうとう』をここで初めて食べた。お店に入ると私たちは最初のお客だ。軽く飲んで少しつまんで、じゃあそろそろと言うと「次のお客さんが来るまでもう少し待とうよ」と気遣っていた。上司の日常を見ているとほぼ毎日飲んでいるようだから、少しでも多く飲んでいたいだけだと、後になって気が付いた。    (晴)
 
11月17日付
2008-11-17
  10月下旬、地方の親しい段メーカーと食事した。以前から製品値上げの見通しが付いたらと約束、その成果に"乾杯"である。ここでは件数で9割以上、金額ベースでも8割以上決着した。
 ただ成果を収めた会社ばかりでは無い。地域によっても差があり、目標に届いていないところもある。大手段メーカーの下請けボックスでは、シートは期日に8円値上がりしたものの、加工して納めるケースは未だに値上げ前の水準。段メーカーが後ろに付いた資材業者と競合し「動くに動けない」(大手ボックス)、反対に動かない大手ボックスが値上げの妨げになっている事例も特定地域だけではない。 一貫系メーカーに『量を落とすな』と言う指令が出ている、との噂も耳にした。X社長は「こんなところに詰め切れていない甘さがあるのかも」と指摘する。
 段原紙は01年12月以降、待った無しの満額値上げ。06年からは3年連続で上昇した。お荷物扱いされた板紙部門は努力に努力を重ね今や一家の大黒柱である。これまで他社とは一線画してきた製紙メーカーも、こと段原紙に関しては設備を増強せず現状維持していく方針だと聞いている。 『変われば変われるものだ』とある人が話していたが段ボールだって同じだ。板紙に比べたら努力不足であることは否めない。古紙価格など不透明感が増す中で、取りこぼしは無くしたい。  (山)
 
11月7日付
2008-11-01
 段ボール古紙輸出価格が大きく下落しそうだ。新聞が出る頃には、11月の輸出価格が発表されていると思われるが、10月積み(関東)で?あたり1万7530円であったのが、一気に1万円を割り込むのでは、というのが大方の見方である。今年3月に2万3430円と関東製紙原料直納商工組合が入札を始めて以来、過去最高値を記録し、その後も新聞古紙などと比べて、伸びに陰りが見られたものの高値で推移してきた。まさに急落と言える。11月の入札については果たして値がつくのか、との声も聞かれる程だ。
 主たる要因は、予てより懸念されていた中国での相次ぐマシン増設による設備過剰に、今回の世界的な金融危機から始まった経済の悪化が「世界の工場」である中国を直撃、一気に段ボールの需要が冷え込んだことによるという。中国の大手製紙メーカーは計画段階のマシン新設は、延期する方針らしいが、今年に限ってもナインドラゴンズだけで240万?の増設を既に終えており、需要が減少しているとはいえ、償却のために、稼動を停止するわけにもいかない。
 国内段ボール古紙は、9月の段階で既に輸出価格よりも高値で取引されているが、これまで輸出価格に引っ張られる形で、高値で推移してきたことを考えれば今後の動向が気になる。また、需要を上回る生産を続けることで、今後中国国内で余剰となるであろう原紙の行方も不気味だ。 (浮)
 
10月27日付
2008-10-27
 幼稚園の頃から40数年お世話になった床屋が閉店、跡形も無かった。1年も前だと言う。建物は古ぼけ、マスターも亡くなったが、美人のお上さん1人で頑張っていた。
 昔は大勢の人が利用した人気店。今では設備も老朽化し、頭を洗う時はいちいち古い湯沸かし器の側まで移動する。80近いお歳。ひげを剃れば毎回血が滲む。バリカンを使っても切れ味はいまひとつ。そういえば鋏や櫛をよく落としていた。
 それでも昭和30〜40年代そのものの店内は実に居心地良かった。引越ししても、何故だか落ち着くこの床屋に月一で通った。自分ではまず聴く事の無いラジオの人生相談。くぐもったナツメロ。今になれば懐かしい。
 4年ほど前、帰り際に「今度、こぶ平みたいにしない」といきなり言われた。「あの落語家の?」と聞くと、「そう。似合うよ」という。どんどん薄くなる記者の髪のまとめ方がわからなくなっていたのだ。
 その時は気安く「いいよ」と返事をしたものの、本人には一大事。いざ伸びてくると、“まだまだそこまで薄くない”と躊躇し行き難くなってしまった。その後はバリカンを使用、自分で刈っている。だから閉じた事を知らなかった。
 うちの子供が大学生になってもまだまだ小さいものと勘違い、黒糖飴をよくもらった。ひと言『お世話になりました』と言いたかった。心残りだ。 (山)
 
10月17日付
2008-10-16
 グーグルで小紙の社名を検索すると、だいぶ後ろから『リラクゼーションマップ東京』が出てくる。10年以上前に出版関係の友人達と『街角探偵団』を作り、一般向けにチャレンジした1冊だ。当時はマップ本などあまり無く、流通筋から「目の付け所がいい」と褒められ、一時は神田神保町・岩波書店で平積みされた。
 上野駅構内の本屋でベスト20入りを目指し、社員と代る代る本を買いに行った。ただ営業したのは夕刊紙や週刊誌に伝を使って書評を書いてもらったぐらい。肝心の取り次ぎや書店への営業など全部他人任せにした結果、重版ならず。社員1人分ぐらいの赤字を出した。計画では貸衣装・ペット美容室・当選率の高い宝くじ売り場等など年に5、6冊出しシリーズ化するはずだったが、リスクの大きさに恥じも外聞も無く止めてしまった。
 「失敗が無ければ成功も無い。失敗を恐れる考えはネガティブ。ただし失敗の原因を真剣に考えないと失敗した意味が無い」―講演で聴いたり本で読んだりする話だが、この失敗は先頭に立って営業しなかった事にある。今でも本屋でマップ本を見ると、懐かしさよりも真剣に動かなかった後悔が、頭の中を過ぎっていく。
 「動かずに失敗した時が一番後悔する」とは、昨日取材したボックスのC社長。製品値上げの成否は、行動にある。目標はまだまだ先だ。     (山)
 
10月7日付
2008-10-06
  ▼段原紙、シート価格が上昇した。待った無しの値上げである。ボックスメーカーは前回の被りに、今回の値上げと厳しい状況が続くが、段ボール産業で成長しようと思うのならば、とにかく前に向かって舵を取ることが大切だ。
 「シートは8円で受け入れてもらった」(中堅段メーカー)、一貫系も当初からの計画通り推し進め「シート値上げにそれほど抵抗無かった」。超大手ボックス向けは従来の開き分を加え、10円以上で交渉した所もあるという。
 段メーカーも今までのネゴとは違う。お互いにババを掴み合うのではなく、外部から収益を上げなければ生き残れない時代である。
 ▼最近の日経記事。個々には挙げないが、段ボールや古紙・板紙の取り上げ方にしても、揚げ足を取った書き方をしているように思えて仕方がない。書かれればそれなりの影響もあり、今、気になるのは今月第3木曜の日経・原紙市況。「原紙市況が上がったかどうかで・・・」とA社長は話す。
 また今回の製品値上げを「従来のボトムアップ型からトップダウン型に変わった」と評価したのがB社長。従来遅れ気味だった大手ユーザーのケース価格が、早めに改善されている結果を踏まえたものだ。
 最後まで、「段ボールよりも優れた包装資材があれば、どうぞ」位の強い気持ちで頑張って欲しい。  (山)
 
9月27日付
2008-09-26
 この時期、取材や食事をしていても必ず話題に出るのが値上げの進捗状況。記者も浮沈をかけた価格改定を、どうにか成功させたいと切に願っている。
 ▼9月上旬、親しい友人から訊ねられた時「比較的順調そうですよ」と答えた。俄には信じられない様子だったが、8月末に取材した段メーカーも、前年の値上げ時より余裕を見せていた。実際、周りの中小の多くがシートは8月内、ケースも9月上旬にはユーザーへ見積りを提出。「スタートは盆明け後と多少遅れたが、一気に決着をつけるつもり」でいたのである。
 ▼原紙、シート・ケース同時値上げ、まずまずの滑り出しだと思っていた。原紙のアナウンスが3カ月前でそれぞれが“同時値上げ”を目指していたのだから。が、「うちは少し遅れ気味かと思っていたら、実は一番早かった」と話すのは大手ボックスと競合する段メーカー。「9月中旬になっても動いていない」のだそうだ。一方では段メーカーが後ろに付いた資材業者の悪さも耳にする。
 ▼事業規模から経営方針・戦略まで違うのだから、多少の回り道は仕方ないにしても、やる事はきちんとやるべきである。今回は板紙も指定原紙に対して毅然とした態度で交渉しているという。
 シートは10月から値上がりする。ケースもこの新聞が届く頃には、ある程度の目安がついている事を期待したい。(山)
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