▼3月になった。遅れに遅れた製品値上げだが、ようやく進んで来た。『4月には大方が決まりそう』『上げ幅もそう悪くない』など、少しは明るい話題も増えている。ただし動きの遅い地域がまだまだ残る。ある大手段メーカー幹部も『地域によって差があり過ぎる』と話していた。『大手ユーザーZの紙は2月、箱は5月から』に対し、『中途半端な紙をベースに決められて』と引っかかる人が多いものの、それでも〝一縷の望み〟なのか『あそこが決まれば』が一部にはある。
▼当初は動かなかった(全く?)一貫子会社は、期待した量を確保したのか、まだ不足なのか。周辺に動かない大手があるとそれだけで進捗度合いは遅れてしまう。競合相手など周りを見ながらにしても〝シートは半年近くの差〟。先に上がったボックスは素早く動きケースへの価格転嫁も早い。当然、遅くなればその影響は確実に表れる。『ケースまで上がるのならば、シートはいつ上がってもいいですね』、ボックスの言う通りだ。
▼年々下落した加工賃、『2回の値上げで少しは引き上がった』、と思いたい。苦労を重ねてようやく獲得した成果である。何があるか分からない時代だけに、自ら貶めること無くこの価格はしっかり守って行きたい。『人材を集めるには今のままでは…』『従業員の給料を増やしたい』こう話す経営者を何人も知っている。設備投資にしてもそう、一回滞れば後々まで響いてしまう。
▼価格を下げるのはひと言で済む。一瞬である。既に『新価格がある程度行き渡った頃が狙い目』、こんな声が一部にあるそうだ。名前に上がる数社はいつも聞き慣れている会社だ。北関東では一貫系の大型工場も本格的に動き出すし、子会社も含め周辺の生産能力は大きく上がる。1月の大手生産量は他がマイナスの中(中小やボックスはより悪い)、1社のみ約100%だった。ある中小段メーカーが、大手が得意先ボックスに出したシート新価格を見て、『その価格で買いたいぐらい』と嘆いた。新工場の会社とは別のようだが、この時期に…、情けない会社が多過ぎる。 (山)