板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2009段談

 

2009年 段談

2009年 段談
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9月17日付
2009-09-14
 お盆以降、急激に仕事量を減らした段メーカーが増えている。頼みの食品までガタ減り、原因のひとつに増え続けるPB商品があるようだ。「でも価格はまだまだ横ばいですよね」こう尋ねたところ「我々川下で防戦できても川上(ユーザー)でやられたら…」と話したのは中小段メーカーのA社長。自分達の手の届かない所から段ボール製品価格が弱含んできたことに、苦々しい思いがあるのだ。
 懸念材料は輸入原紙。商社筋が東南アジア等の原紙を使ってコストを下げることをユーザーへ提案、それに乗る会社が出てきているという。段メーカーは得意先から原紙を指定・支給されれば、それを使って箱を作る加工賃商売だが、輸入原紙となるとデリバリーや不足した時の条件等、若干事情は変わってくる。また中小には、大手ユーザーの仕事は回ってこないにしても「価格下落は喜べることではない」。まして過去の値上げをリードした原紙一貫メーカーへの風当たりは相当強く、2社ともに防戦を強いられている模様。「量を増やし、得しているのは○○だけ」、と関係者はみている。
 大手製紙メーカーの経営者へ取材したが、「シートにして影響の少ない中しん原紙は、ある程度入ってくることを覚悟しなければならない」としていた。現地の日本法人も本格的に動き出している。輸入量が万単位になる前に何らかの手立ては無いのだろうか。(山)
 
9月7日付
2009-09-07
 ▼『合併や統合、グループ化など巨大化したユーザーの購買パワーは一段と増し、これまで以上の要求を突き付けてくる』―8月中旬に取材した中堅段メーカー上層部が「無茶な価格を提示された」とこぼしていた。困ったことに、どこにでも価格しか見ない点数稼ぎは存在する。
 ▼同月下旬、日経が『アサヒビールは原材料や包装資材の調達をグループで大幅に集約し年間で数10億円の調達コストを圧縮する』と、大きく取り上げていたのもその一つ。まさにこれから段ボールを含め、納入業者の熾烈な戦いが始まろうとしている。
 ▼記事が出た日の夕方、数社の機械メーカー社長と会食した。紙器・段ボール関連が落ち込む中で仕事の幅を広げようと大手○○メーカーにアタックしたA社。会社創業以来の取引開始に喜ぶ一方、「理不尽な要求には呆れた」。なんでも、契約を交わす前に大切な図面を出すように言われたそうだ。すかさず歯切れのいいB社長「バカだなー、そんなところには売らなきゃいいんだよ」。
 ▼仕事確保に大変な時期だけれど、思わず「そうですよね」と相槌を入れた記者。テレビ等では恰好のいい事ばかり並べても、上から目線であれこれ要求してくる大手ユーザーには、これぐらい言ってやってもいいと思う。日本を代表する大会社が零細企業をやっつけるのは、卑怯というものだ。   (山)
 
8月27日付
2009-08-26
 今度の週末は天気が良いから海水浴へ行くことにした。いくつになっても夏は海だ。持ち物を用意すると結構な重さだけど、駅から海岸へは歩いて
 
8月17日付
2009-08-13
 「量の確保へ舵を切り始めている」と話す段メーカーが増えている。2、3カ月前とあきらかに雰囲気が違うと言う。例えば、「グループ内での取りあいが飛び火している」「親は子が何をしても見て見ぬふり」と大手の動きをけん制する中小。一方の大手に言わせれば、「先に手を出しているのは中小」「取られた時だけ騒ぎ立てる」、となる。どちらにしろ落ち込みの激しい段メーカーが数量へ目を向け始めているのである。
 『喉もと過ぎれば…』という物言いがあるが、もう値上げ時の気持ちは無くなってしまったのだろうか。幸いまだ市況には反映していない。傷口を広げる前に一旦立ち止まり、自社の営業マンがどう行動しているのか、振り返る必要もありそうだ。
 ある意味、中小ボックスの方が我慢強い。「他社の顔色を窺うことなく邁進して来た過去の値上げ。今年に入っての値下げ局面でも、あの積み上げがあるから沈んでいない」とは関東地区のB社長。無茶な価格設定が自分の首を絞めることをよく知っている。
 「取った取られたの繰り返し。取った方だって利益の出る価格じゃない。得をするのはユーザーだけ」としたのも小さなボックスA社長。今はいくら量が減っても価格に見合う仕事しかしていない。
 みんなで辛抱しているこの時期、『量』の亡霊に惑わされたらおしまいだ。   (山)
 
8月7日付
2009-08-05
 ▼既報のとおり菅野製作所が7月1日破産した。二上鉄工所に続き今年に入って2件目の老舗紙工機械メーカーの破綻である。両社ともに昭和20年代には会社組織で活躍していた。小紙も創業からお世話になり、言葉に言い表せない寂しさがある。二上が社長個人の責任が問われているのに対し、菅野の場合はジリ貧。最盛期に30億円売り上げていたのが、直近は3億または6億円とも言われるまでに落ち込んでいた。
 ▼今年の段ボール需要は当初予測によれば125億平米。個人的に言わせてもらえば、120億を下回ると思う。ケースなど製品市況こそ横ばいを維持し、辛うじて水面上に顔を出してはいるものの、未だ日本経済全体に不透明感が漂っている。これでは段ボール・ボックスメーカーの設備投資意欲だって回復しない。
 ▼これほど機械需要が低下すれば、修理・アフターで凌ごうとするのは当然のこと。でも「機械が売れない分、部品代、サービス料等がいやに高くなっている」と指摘されるのが某メーカー。その場その場で無茶をすれば、得意先も去ってしまうし、次の受注など到底見込めない。
 ▼こんな状況下でも定期的に公開運転やオープンハウスを実施、ユーザーに会社の進んでいる方向、開発力など真の姿を見せられる会社は強い。少しでも状況が改善されれば、受注に大きな差が開くことだろう。  (山)
 
7月27日付
2009-07-24
 全段連は6・7月を「リサイクルマーク推進キャンペーン月間」と定め、標示率向上に向け取組んでいる。今年4月時点では68・0%。昨年10月の28・4%から大きく躍進している。段ボールリサイクル協議会は、3R推進の10年度目標のひとつとして「標示率90%」を掲げているが、今キャンペーンを契機に更なる向上が期待される。
 各段メーカーによると、自動車や一部食品が難色を示しているとの話もあるが、概ね理解を示してくれているという。法的規制でない点、新たな版コストが発生する点など困難な条件下、粘り強く交渉を続けている。
 調査対象ではないボックスメーカーは、小ロットの仕事が多いこともあり、低い水準にとどまっているのが現状のようだ。
 10年度目標と直接的な影響関係にはないが、次回容リ法改正を見据えた取組みという側面もある。前回05年の改正では、分別回収について、事業者負担を拡大すべきとの議論が紛糾した。次回も同様の議論が起こるか否かは現時点で不透明だが、目標達成は業界として着実に成果を上げたことを強調する有効な材料となるはずだ。
 もっとも、他の目標▽04年度実績に対し原単位1%削減▽回収率90%維持―は達成済みだ。リサイクルマークはあくまでも資源回収を後押しするものであり、回収率95%以上が何より評価されるべき点は揺るがない。(浮)
 
7月17日付
2009-07-16
 「お父さん、再来週の日曜日家に居る?」、帰宅するなり娘が聞いてきた。4月から勤め始めたばかり、『何か買って欲しい』とねだられるのかと思ったら、付き合っている人が挨拶に来たいのだと言う。「挨拶?前から知っているし、今さら何で」と訊ねると、「会えば解るから」と意味深な返事。嫌な予感が一気に膨らんだ。
 娘は今でも2人で食事や買い物に行くなど気があう存在。何かと頼られ、まだまだ子供だと思っていた。ウイスキーのコマーシャルじゃないけれど、イラ立つ気持ちは大きくなるばかり。でも「お父さんとは仲良くしてほしいな」なんて言われれば、怒りのトーンも下がってくる。
 尋ねて来たのは20代後半の青年A。「○さんとお付き合いしたいのですがよろしいでしょうか」、「もう、しているだろ」。「結婚を前提にです」。会社組織になっているとはいえ小さな塾の講師。年収もやっと300万円を超えるぐらい。「食わしていけるのか」と突っ込めば、返事に困った様子。娘も心配な顔で「良い暮らしがしたい訳じゃないし、当分共稼ぎだから」と庇っている。
 『子育ての究極の目標は子供を自立させる事』だから、これが最後の役目なのだ、と自分に言い聞かせているのだけれど、ドラマの中だけの出来事だった娘の結婚がこんなに早く現実になるとは…。複雑な気持ちでいっぱいだ。     (山)
 
7月7日付
2009-07-07
 スキューバや釣りで船に乗ること数知らず。荒れた海でも酔う事なく、まして『怖い』と思った事など一度も無かった。それが先日沖縄で大潮時にガイドと3人で潜り、漁師のおじいの予想より早く潮が引き、船が帰れなくなってしまった。地元で60年も海に出ている海人、島をぐるりと回り往路とは逆から戻ろうと太平洋に出た。それがいけなかった。低気圧が発達、波高そのものは4m程なのだが方向が一定でなく、うねりながら正面や左右から5人乗りの小さな船にぶつかってくる。余裕でエロ話をしていたおじいも無口になり真剣そのもの、ガイドを見れば浮き輪を引き寄せ踏ん張っている。一瞬「このまま…」が頭を過った。
 翌日、プライベートビーチでS君に「奥のロープまで泳いでいこう」と誘った。日頃プールで泳いでいる、と聞いていたから当然泳げるものだと思っていた。それが違った。半分ほどのところで急に砂浜に向きを変え、足の着かない深さで「社長、助けてください」と叫んだのだ。冗談だろう、と声をかけたら「本当です」。慌てて側まで行くと手を差し出している。自分よりだいぶ大きいS君に掴まれたら2人とも沈んでしまう。後ろに回りおしりを持ち上げようと見てみると、なんと犬掻きをしていた。本人「パニくって、平泳ぎを忘れました」と。
 本気で『海は怖い』を実感した旅行だった。      (山)
 
6月27日付
2009-06-29
  6月17日の日経産業新聞onlineを読んであいた口が塞がらなかった。端的に言えば、これ見よがしの見出しで煽って、読めば読むほど訳のわからない記事なのだ。
 見出しは『大手変心、段ボール相場に嵐の予感』。市況に触れる重大な情報でも掴んだのかと読み進めば「大手板紙メーカーの社長がシェア拡大の指示を出したらしい」と業界関係者の噂を紹介。「景気悪化で原紙の出荷も減退がつづいていることから、メーカーの中に価格よりも販売量増を優先する動きが出るとの観測だ」とする。
 続いて、「今まで価格を優先してきた大手板紙メーカーが、他社からも原紙を購入するグループの段ボールメーカーへの『内製化』を進め、販売数量を増やす戦略」。結果として、「押し出される中小原紙メーカーが、他へ売り先を見つけるために、安値で原紙を売る例もでている」と書いた。冒頭『大手の変心』とある割には、安値販売するのは資金力の乏しい中小板紙メーカーとしているし、まして天下の日経新聞が噂話をもとに業界を左右する市況記事を書くとは…。
 中小段メーカーは原紙の値下がりを期待するどころか、重油価格などの上昇を懸念。また、これだけ販売数量が落ちても月次でトントンなのは「過去の値上げが浮き袋になっているから」と認識している。原紙が下がる事など絶対無い、と記者は思っている。 (山)
 
6月17日付
2009-06-15
 ▼とかく気になる同業他社の生産量。ボックスAは4月まで5%の減少で落ち着いていたが、5月は40%も減った。1・2・3月に15%以上落としたボックスB、4・5月も落ち込んだが5%台まで回復した。九州のボックスCは平均してマイナス5%「他地区が増えた時でも九州は増えなかった。おかげで減り方も少ない」という。
 ▼段メーカーA社の社長「周りを見ても数量にこだわる経営者はほとんどいない」。B社は「今の生産量で利益が出ているのだから、それで充分」。両社ともに「売り上げは二桁違っても利益はそれほど違わない」と、大手以上の利益率を上げている。ただし、老舗段メーカーが噂になる時代。中小の体力差も広がっている。
 ▼変わってきたのがシート販売。中堅ボックスは「中小の段メーカーともろに競合するようになってきた。シートは大手からしか購入しない」、仕入先を以前の5社から2社に減らした。段メーカー側は「シートで揺さ振られるよりも、付加価値の付けられるケース販売を増やしたい」、設備するマシンもその傾向だ。
 ▼5月後半に入って状況がガラっと変わった、と指摘する人が増えている。PB品を含め思い切った価格が出始めているのだ。減らした大手が「巻き返してきた」、「いや、新たな勢力が大きく伸びている」。いずれにしてもここが踏ん張りどころである。  (山)
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