板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2010段談

 

2010年 段談

2010年 段談
4
 
2月27日付
2010-02-26
 ▼大先輩達との飲み会でのこと。引退しても気になるのが紙・段ボール産業。「この10数年で様変わり、今の人は大変だ」から始まり、政治・経済ごちゃ混ぜの中で、一致したのが「段ボールは新用途を開発しない限り減っていく」。同じ紙でも「間違いなく増えるのは大人用の紙おむつ」。大病した先輩曰く「横や上から漏れちゃうやつもあるんだ」と当事者しか分からない、身につまされる話も。家庭紙担当だった○さん、すかさず「パンツ型がいいですよ」
 ▼「主食には間違いなくならないね」A社長が言えば、「3時のおやつにも無理」とB社長。一方ではユーザーの要望から使用量が倍近く増える段メーカーも。昨年から増え続ける輸入紙の話題はあちこちで。某大手で行った強度テストではメーカー側が出した数値より低めだったとか。この話を中しんを少し使用中の中小C社長にしたら「うちでは全く問題ないですよ」。国内製紙系代理店が扱えば、使ってみたい段メーカーも何社かある。今年も古紙と輸入紙から目が離せない。
 ▼段ボール中古機械を扱うH社長から「○○が△△工場を閉鎖するって本当か」と電話があった。○○に知り合いが多く、これから先もどんどん工場を統合していくものと心配したという。平22年1月時点でのコルゲータ台数は398台。ある人は今年止まるコルゲータは大手4、中小4台と予想した。(山)
 
2月17日付
2010-02-16
 ▼ボックスや段メーカーの設備投資が少しずつ回復してきたようだ。資金に余裕ある会社は【買い時】と捉えているし、長い間投資が滞っていた工場も多くある。「古くて精度が出ない」「印刷機を1台に集約したい」等、昨年から聞かれる代表的な声である。
 問題は、マシン能力も然ることながら製作する機械メーカー自身だ。過去何台か採用してきた会社でも、開発能力やアフターサービスが衰えていたりする。情報化時代、普段からの姿勢や取り組みも世界中にあっという間に広がっていく。今年は今まで積み重ねてきた努力、きちんとしてきたか、しなかったで、差が開く年になりそうだ。
 ▼一般紙にも極端な安売りがもたらす弊害が書かれている。少し前までPB商品や三桁のジーンズが、さも主婦の味方みたいな書き方だった事から見れば、多少は世間の激安商品に対する考え方が変わり、紙面にもそれが出て来ているのだろう。
 こんな話を友人にしたら「安くても利益を上げられる商品を作る事が企業の足腰を強くする」と言い返された。確かに知恵を絞った商品作りは大切だが、今の競争は、ただ規模・量を拡大する事でコストを引き下げようとしているようにしか思えない。ダイエーが落日したように、もう規模で商売する時代ではない。もっとも最近、海外から複数台の○○○を安く受注した会社もあるそうだが。 (山)
 
2月7日付
2010-02-05
 年明け後、もっとも気になるのが段ボール製品価格。【特値】が「点から線になり面まで広がった」(大手一貫メーカー経営者)ようで、ジリジリと落ち込んでいる。思うように回復しない生産量、デフレ、ユーザー圧力等が絡み合い、踏ん張りきれないようだ。各地の段メーカーから「顔を合わせれば強気でも、疲労困憊」と悲鳴に近い声が聞こえてくる。
 「ビックカメラ」、「ヨドバシカメラ」と並び3カメと言われ急成長した「さくらや」。より大きな企業との価格競争に敗れ颪年以上の社歴に幕を閉じる。そりゃそうだ。消費者はA社の価格をB社に持ち込み値引き交渉、更にその価格をC社に提示、またA社に戻って値下げを要求する。ある調査では、3割以上が複数のお店を回ってから商品を購入するという。
 さて、中堅段メーカーが昨年1年間の加工賃の減少額を分析した。平米の減少と平米当たり加工賃の減少で区分けしたところ、平米の減少が総額の1/3だったのに対し、平米当たり加工賃の減少は総額の2/3も占めた。X社長は「いかに単価を引き下げる事がバカな事か、業界全体で再認識すべきだ」と話す。優良企業で知られるX社でさえこの状態。さくらやではないが、単価を大切にすること無くこのまま行けば、企業の勝ち負けよりも、段ボール産業そのものが負け組に入ることになる。  (山)
 
1月27日付
2010-01-29
 各地域で業界の新年会が開かれた。激減した生産量もいくらか戻りつつあり、会場では明るい話題が多かった。これもみんなで勝ち取った加工賃があるからなのだが、気になったのはT社長が耳元でささやいた「継続は力なり、なんだけど…」。この言葉が使われ始めたこと自体、継続できていない人が出て来たということか。
 実際、関西では「経営トップが現場を知らな過ぎる」(段メーカーG社)として、弱含んできた製品価格に危機感を持つ。「大手よりも抜け駆けする中小に怒りをおぼえる」としたのはB社長。関東では「口では偉そうに話すが、営業がどう動いているか掴めていない」(C社)と、拡販する○社の動きを警戒する。
 ただでさえ利益率の低かった段ボール業界。まだまだ『自分さえよければ病』がはびこっているが、早く脱却しないと、せっかく向上した“業界の地位”さえ落ちかねない。
 トーモクの齋藤社長が板紙・段ボール関連3団体の挨拶で「段ボールはこの数年間頑張った。そして段ボールは変わった。“心が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わり、人格が変われば人生が変わる”」と名言を紹介し「心が変われば業界も変わる。ただ心が変わったと言ってもすぐに心変わりしないようお願いしたい」と結んだが、正に段ボール業界の経営者、ぶれたらお仕舞いである。    (山)
 
1月17日付
2010-01-18
 昨年末、小紙を刷っていた印刷屋さんが不渡りを出した。少し前から自社ビルを売却するなど不安要素はあったが、3社でグループを形成する大手で200社近くの新聞を請け負っていた。出張先に焦った声で電話があり「○○が不渡りを出しました」。その直後には担当者から「100%約束できませんが、次号までは大丈夫かも」と言われたという。
 印刷屋さんは仕事を続けたいだろうが、紙もインクも持って行かれてしまえばどうしようもない。慌てて他の会社を探す事にした。
 幸い古くからの知人が他の印刷メーカーの特別顧問をしていることもあり、新聞は滞りなく発行できている。誹謗中傷、噂が飛び交う中でも、従業員の一部は暮れも出社していたようだ。景気が良ければ他社への移籍もあっただろうが、印刷業界は不況一色。負けずに頑張って欲しいものである。
 同じ頃、段ボール加工業者が自己破産した。ユニークな経営で知られ業績も伸ばしてきたが、この不況で一気に萎んでしまった。印刷メーカーもさることながら、小さなボックスを取り巻く環境は厳しい。
 ある忘年会で、大手一貫メーカー退職者が「これからも統廃合は続くだろう」と言えば、現役の流通マンは「卸商や函屋さん、家業だからと我慢に我慢を重ねていると、手遅れになっちゃうかもね」。
 小紙とて他人ごとではない。    (山)
 
1月7日付
2010-01-06
 根がせっかちな性分なので、電車を待つことが好きではない。地方への出張時の乗り継ぎにしても、出来るだけ効率よく、早く利用できる方法をあれこれ考える。たとえ電車が事故で遅れ、乗り継ぎに間に合わなくても、今は携帯電話で簡単に立て直しできる。ずい分と便利な世の中になっている。
 仕事だから効率よく移動しているわけではない。遊びや旅行の時も、ついホームを走り、階段を駆け上り、あきれられている。
 そう言えば、シンガポールで事業をしている友人が日本へ帰国した時、閉まりかけた電車のドアに飛び乗った瞬間、こけたらしい。多くの人の視線を集め恥ずかしく、痛い足を引きずりながら車両を移動したと言う。この友人、以来電車にあわてて乗車することを止めにした。そう、私達は足がもつれ、もう走れない歳になっているのである。
 さて、大回り乗車という言葉を聞いた事があるだろうか。つい最近知ったのだが一筆書きとも言い、JRの「近郊区間」の規則を利用した鉄道を趣味とする人達の遊びである。区間内であれば自由に経路を選択でき、初乗り運賃で遠回りして1都5県回ることも可能だそうだ。
 早さ、便利さ、正確さ――現代人は当然の権利のように享受しているが、見方によっては寿命を縮める一因かも知れない。1度大回りでも経験してみようと思っている。 (山)
4
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120