板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2011段談

 

2011年 段談

2011年 段談
2
 
9月17日付
2011-09-15
 動きだした原紙から製品までの値上げ。ともに実勢価格は「思っていた以上に下落していた」(原紙大手)ようで、何れかの時期での立て直しは共通認識でもあった。
 記憶に残る07年秋の加工賃修正は、各社ともに足並みを揃え大成功を収めた。今、それを振り返って「やれば出来る事を皆知っている」「気持ちが大事。精神論みたいだけれど、心をひとつにする事」と見る経営者がいる一方、「あの時は各社総ドボン状態でやらざるを得なかったが、状況が違う」と指摘する人も。違う状況とは何なのか。原紙メーカーそれぞれの古紙事情、為替、経済状況など諸々が入り乱れてはいるが、レンゴーの発表がジリジリ下落する価格に楔を打った事は事実である。
 「値上げは段ボール離れを加速させる」価格修正時には毎回聞かされる話だが、今回の修正幅で離れるユーザーは遅かれ早かれ去って行くところだろう。
 段メーカーA社長は「この2年間で利益が3割近く落ちた。取られる得意先はAランク、無理して取れば採算ギリギリ」とこぼしていた。昔から段ボールは、絶えず値上げするつもりでいないと少しずつ値下がりし、一緒に加工賃まで目減りする、ものなのだ。
 先日取材したある若手経営者は価格修正を「何事も前向きに考え会社のため、業界のために行動するのみです」と、とらえていた。       (山)
 
9月7日付
2011-09-05
 出張帰りの新幹線、新神戸から幼い顔の新入社員らしき男女8名が乗車した。研修でもあったのかスーツケースとビジネスバッグを持ち疲れた様子。それでもネクタイを締め、話す言葉もきちんとしている。「帰りは支店に直行」等、支店が度々出て来るから大手の金融関係か。新大阪、京都、名古屋で2名ずつ下車したが、「また会えるよね」「昨日は楽しかった」「遊びにいくよ」。降りた後も窓の側で身振り手振り、別れを惜しんでいる。これが同期か。小さな業界紙、同期など存在するはずも無く、なんとなく羨ましく思った。そんな中に「支店に帰るのが怖い」と言った女子がいた。初めての会社は今までの楽しい場では無く、不安の塊なのかもしれない。頑張れ若者達。
 さて、段メーカーA社長と「お盆前か?」と話をした原紙値上げの発表。8月
 
8月27日付
2011-08-29
 ちょうど10年前の夏、関西の中小段メーカーY社、○さんから『企業存続』について話を聞いた。Yが「日本紙パルプ商事の傘下に入る」との噂で持切りとなり、以前から親しく、オーナー家から経営を任されていた○さんと会ったのだ。嫌な顔をせず取材させて頂き、記事にした。
 内容は「仕入れの9割近くをJPに絞り、大きな設備はJPリースを使い関係を深めているので、そのような噂が出ているのでしょう。今は資本も役員も入っていません」としながらも当時進みつつあった原紙業界の集約から一貫化を踏まえ、「この先原紙は統制経済(購入メーカー、価格ともにある程度決められてしまう)になるかもしれないし、数量も減って来る」と、段メーカー側は仕入れ・販売ともに厳しくなると予想。「私はJPとは限らないが大手の傘下に入る事を否定しない。会社を継続させることが第一」と締めくくった。掲載後、「色々な会社からお誘いの電話があったよ」と連絡あったが、その数年後にY社は段ボールから撤退した。ことY社で見れば、○さんの見方が正しかった訳だ。 (山)
 
8月17日付
2011-08-17
  インターネットを活用した段ボールケース販売。10数年前からITに強い段ボール会社が始め、今では小さいながらもひとつの市場を開拓した。段ボール業界特有のどんぶり勘定を嫌い「1箱は1箱、100箱は100箱、きちんと原価計算して販売するので利益は上がる」(ボックスA社)のが魅力であり、また「思いもよらない会社と取引き出来た」(同B社)等、ビジネスチャンスが広がる利点もある。パソコンで検索すればかなりの社数がヒットするが、商売として成り立つのは上位組。どうすればトップ頁に位置するか、それぞれノウハウを積み上げ現在に至っている。
 最近この市場に異業種から参入し、価格で掻き回す業者が出て来たと耳にする。ネットに弱い段ボール会社をうまく利用(段ボール側も当初は旨みを感じている?)し、自分達は手数料で稼ぐ訳だ。ここで問題なのは、段ボール会社のネット販売が価格を大切にして来たのに対し、異業種組は価格ありきな点。お客さんの要求するケースを、数社のメーカーで競わせ一番安い会社が落札するのだから当然そうなってしまう。落札価格が、段ボール業界にどのような影響を与えるか知る由もなく、悪く言えばどうでもいいのかもしれない。
 ネットでの販売、これからは価格以外でも顧客を引き寄せなければならないが、せっかく築きあげた市場の今後が心配だ。  (山)
 
8月7日付
2011-08-08
 ▼衝撃的に流れた中国の新幹線事故。現場すぐ横に穴を掘って事故車両を埋めてしまった映像からは一党独裁の恐ろしさが伝わってきたが、関連業界でも中国企業との関係強化は積極的だ。「これからは仲良く、お互いに何が出来るか探していく」とは機械メーカーA社。資材B社にしても「いずれは大陸での物作り」を考え、社長自ら調査中。今は、絶好調な受注状況だが、「国内はいつまで続くか分からない」からで、これからも成長見込まれる中国・東南アジアはやっぱり魅力的。
 ▼「一緒に台湾へ行こう」とは貿易会社のC社長。同社の取引先が日本で商品を販売、そこそこ売れているのだが、小紙に紹介記事を載せて「販売に弾みを付けたい」と言う。台湾は大好きな国のひとつだし、お世話になったC社長「喜んで…」とは返事をしたが、パスポートは
 
7月27日付
2011-07-27
 岩手県沿岸部を回って来たH先輩から、被災した街の写真を見せてもらった。大手一貫メーカーを退職後も各方面で活躍するHさんだが「何か手助けできる事でもあれば…」と、思い立っての行動だ。4カ月後の現在でも打ち上げられた大きな船舶、逆さになったままの車や瓦礫の山、その傷跡の大きさは写真からでも息を呑むものがあった。
 この大震災に端を発した電力不足。大量に電気を使う夏場を避けて発生した仮需は、段ボール業界にも4、5、6月はそれなりの仕事量をもたらしたが、ユーザーサイドの作り置きなどにも限界がある。ある段メーカーはお客さんから「倉庫が満杯」と聞かされ「7月は荷動きが鈍いし、8月からが気になる」とする。仮需では受け持つ商品がメインかサブかで天と地ほどの差も出ている。多くの主力商品を扱う大手段メーカーはここでも有利であった。
 さて、板紙の価格修正が発表されたが、一部で段ボール原紙の値上げも囁かれている。記者もそうだが「年内は無い」と見ていた方が多いと思っていたが、「板紙の次は段原紙」「年内にありそう」等など、色々な場面で聞こえて来る。「上げたくてうずうずしている人が何人もいる」そうだし、震災前、値上げの準備は△だけだったようだが、今回は○が乗る気だとも。何れにしても、シート・ケースも心の準備はしておこう。    (山)
 
7月17日付
2011-07-19
 沖縄のリゾートホテルにも外国人の姿はほとんど見えなかった。毎年同じ時期にここを訪れるが、昨年までは結構いたのだから原発事故の影響なのだろうか。もっとも外国人だけで無く、本土からの旅行者も少なかったから、東日本大震災による逆風か。自粛ムードは、はるか離れた沖縄にまで及んでいた。
 ホテルから10分程の所に『御菓子御殿』がある。元祖・紅いもタルトを製造する?お菓子のポルシェの工場兼お土産販売店なのだがここの試食が美味しいので帰りに立ち寄っている。少し派手目の女性社長で有名なこの会社は1979年の創業以来、増収増益を続けて来たことでも知られている。ただし今年、それが途絶えたという。それでも次の手を打ち、「萎縮しない経営を心掛ける」そうだ。
 段ボール業界でも、未来への一手をしっかり打つ中小段メーカーが何社もある。新工場の構想を持つ甲府紙器を始め、FFG更新を人間力向上につなげる伊藤段ボール工業所、ボックスと一体になった工場作りを計画する○社等などだ。
 これらの会社に共通しているのが『減量増益』。「利益の出ない仕事はしない」「見合った量で充分」を徹底し、内部留保を厚くしてきた。今まで数量に頼ってきた段ボール業界にもようやくこのスタイルが定着しつつあり、これがまた段ボール産業の魅力を高める事になるものと期待したい。     (山)
 
7月7日付
2011-07-11
 ▼「需要の見通しが立てにくい」、取材先でこんな話を耳にする。大震災の影響に電力不足問題が加わり、今後の需要がどう振れるのか掴みにくいのだ。東日本で減る分、西日本がカバーする「西高東低」である事は間違いないのだけれど、「絞りに絞ったギリギリの線でやっている」(中堅ボックス)会社にとっては、例え2、3%の減少でも「死活問題」なのだ。
 ▼古紙→段原紙→段ボール製品、この一連した「値上げがある」のか、「無い」のか、どちらかと聞かれれば、「ある」である。時期について「年内か」、「否か」となれば「年内は無理でしょう」。来年ならば…、では「年末か年始に打ち出し、4月から」。これは大手一貫の段ボール部隊を中心とした雑談から。原紙部隊の意見はもう少し過激かも。もっとも、ケース値上げの環境かどうか、更に共同購入、広域ユーザー等など先に片付けるべき問題もいくつかある。
 ▼ある機械関連メーカー社長が「段ボールはいいですよ。製本に商業印刷は悲惨です。毎日のように倒産しているんだから」と話していた。確かに需要構造から変わってしまう業種から見れば、まだましだろうが、「隣の芝は青く見える的な発想」(段メーカー社長)だ。某印刷メーカー社長も「ボックスメーカーを買収したい気持ちは変わらない。あればいつでも」、と電話してくるが…。  (山)
 
6月27日付
2011-06-29
 『精米』、玄米から糠などを取り除き白米にする事であるが、東京で生まれ育った記者にとって、その行為は言葉では知っているが実際に精米機に玄米を入れ白くした事は一度も無いし、現場さえ見た事が無かった。「米は最初から白いもの」と頭にあるのだ。
 段メーカー○さんから「新米があるから。山さんの分も安く取り寄せておいたよ」とメールが来たのは地震の直後。「どうもありがとうございます」と返事をしたのはいいが、後日、取材かたがた引き取りにお邪魔すると、荷姿が「30?の玄米」と聞いてビビってしまった。
 「工場の近くに無人精米所がある」「精米機なんてスーパーでも売ってる」と、いとも簡単に言う○さん。「デジタルプリントするボックスみたいなもんだよ。ざーっと入れ、しばらくすると出てくるから。10分ぐらいで終わるよ」と。続けて「3段階あるけど上白がいいよ」と言い、上白の説明に精米所の地図、操作手順までメモ書きしている。一緒に行って欲しいのは山々だけど、こうなっては覚悟を決めるしかないではないか…。
 スーツ姿で精米所に入り、100円玉を入れ、怖々と玄米30?を流しこんだ。2分ぐらいすると白い米がパラパラ出てくる。何の事は無い。実に簡単で面白く、あっという間に終わってしまった。これならば何度でもOK、と少し自信がついた。      (山)
 
6月17日付
2011-06-16
 以前、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に罹ってホルモンを抑える薬を飲んでいた。4週間程すると副作用がひどく出て薬を飲めなくなり、手術か内放射療法かいずれかを選択するしかなくなった。医者曰く「内放射は放射性ヨードをカプセルに入れて飲むだけですが、日本では多くの人が手術を選びます」。被爆国である日本人は放射能に強いアレルギーがあるのだ。それでも、ごく簡単な内放射療法を選び、亢進症は抑えられている。
 福島の原発事故。被災地の方々の痛ましい現状、辛抱強さは海外メディアでも取り上げられているが、ドイツの知人が「世界で唯一、原爆を経験したにもかかわらず、原発反対運動が盛り上がらない。もっと怒りなさい」、「じっと我慢し続ける日本人は不思議に思える」と言う。事故の前までは原発に必要性を感じていたが、あの大惨事を経験すれば諸々の事情をいくら考慮しても、「少しずつ他のエネルギーに変えていかなければ」と思うようになった。
 さて福島、茨城などの青果物。放射能の影響に風評被害で大打撃である。そんな中、上野駅もそうだが、各地で被災地の野菜や果物を積極的に取り扱い始めている。もともと安全だし、今までも食べていたが最近気になるのが、野菜の価格だ。あるスーパーでは大震災前よりもかなり安く、ほうれん草など半値以下。これで応援になるのかな?  (山)
2
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120