板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2012年 段談

 
2
 
9月17日付
2012-09-18
 ▼公取問題や古紙価格など暗雲立ち込める段ボール業界だが「段ボールが半分無くなるわけではありません」、「色々な場面で言われる言葉だが、ピンチこそチャンスでもある」こう話す人が何人もいる。今まで少々恵まれていたかもしれないが、ここはバタバタと慌てずにしっかり地固めして新しい秩序を作るなど、将来へのステップとしたい。段ボールほど、環境に優しく安全で使いやすい素材は、他に無いのだから。それにしても需要予測まで出ないなんて…。
 ▼「値引き要請なんてまだ正式にありませんよ」とは、関東圏の大手ボックスメーカー。仲間と接触できず情報不足の中、噂先行でポロポロ出ているユーザーからの価格引下げだが、実際はどうなのだろうか。大手営業に聞いても「無いです」だった。一部のユーザーでは段階的に求めていく方針らしいが、段ボール側としては理論武装し交渉にあたって頂きたい。ボックスも今は、圧力などかけない方がいいのでは。
 ▼大手一貫の名古屋新工場。コルゲータの細かな仕様も決まったと思うが、建設地は全国で一番段ボール工場が密集している地区と言われている。周辺では「やる仕事が違うから…」と全く意に介さない会社もあれば、「我々の工場の3、4倍の能力を持つ」と戦々恐々の中小段メーカーも。一方ボックスでは、不安よりもシート買いでの期待が見え隠れする。   (山)
 
9月7日付
2012-09-07
 ▼「今までは業界全体を考え我慢し、抑えていた部分もあった。その制御が不能になる」、「周囲の段メーカーが後ろ向きに鉄砲を構えている気がする」、このような話を取材先で聞いた。段ボール産業を少しでも良くしたいと、それぞれ頑張ってきたが、その積み上げてきた信頼関係がグラついている。
 原因は公正取引委員会の立ち入り調査。ある機械メーカー会長が、「産業自体の競争力から研究・開発力まで、全ての力を削いでしまう」と憤慨していたが、段ボール箱は材質から個数まで異なる個別の受注生産で、弱小企業が大半を占める。ちょっとしたグレーを真っ黒に扱う、今回の案件には記者も憤りを感じている。もっと言えば、仲間同士が同じ方向を見ず安く叩きあえば、公取は満足するのだろうか。
 ▼少し前に『各機械メーカーの受注が好調』と書いたが、読者から「意外です」と電話があった。親しい機械メーカーからも「大手段ボール機械は良いのでしょうが…」とも。「周りからそのような感じは受けていない」と言う。段ボールでもボックスでも機械でも、景況感の違い、格差は広がっているのだろうか?。
 ▼独・BHSの日本法人が営業活動を再開する。8月初めに臨時株主総会及び取締役会を開催し代表Y氏を決定した。当面は海外の日系段ボール工場へのアプローチがメインとなるもよう。  (山)
 
8月27日付
2012-08-27
 ▼「収益の上がるケースを先に固めてからだろう」、とは今後の一貫系の出方を予想する中小段メーカーA社長。「現実にそんな動きがある」とし、「原紙は後からいくらでもはけるでしょう」と付け加えた。更新や新マシンの計画が出ている段原紙。○社が戦略的にも一歩先を進んでいる、との見方があるが、その場合他社はどう出てくるのか。
 ▼「昔はボックスとずいぶん遊びに行きました」こう話したところ、「山さんには悪いけど、ボックスのシェアは2割近くまで下がるよ」と段メーカーB社長。このところシート販売量が、以前にも増して落ち込んでいるという。しかも小さなボックスと大手との格差は、シートの買値にしても予想以上に広がっているそうだ。
 ▼風当たりが強くなりそうなボックス業界。設備投資も儘ならぬ企業が増える中で、主力マシンの入れ替えを計画、「生産性と精度アップが生き残りの条件」としたのがC社長。数年先を見据えて模索しているが、「逆風下こそチャンス」と力強いコメントも。
 ▼古紙買取価格下落から「原紙価格を元に戻せ」とするユーザーが一部にある。上がった経緯と逆パターンなのだから当然、との理屈だ。確かにそうだが、古紙だけとらえても…だし、総じて前回の値上げでは時期は遅れて額も満額ではない。よって、影響は軽微?(良いのか悪いのか解らないけれど)。(山)
 
8月17日付
2012-08-17
 ▼工業組合での集まり。西段工や東段工は力のある理事長に引っ張られて進んでいくが、中段工では大手一貫の発言力がそれほど強くは無いそうだ。それぞれ地域性が出ていて分かり易いが、段ボール業界にとって各社顔を合わせての組合活動は、今後も必要な事だと思う。諸々の会議に出ない企業が、増えない事を望む。
 ▼公取問題での犯人捜し。噂先行で色々取り沙汰されているが、最近は当初から名前の出ていた会社に加えて○や□が登場する。こんなあり得ない噂話はどうでもいいが、せっかくまとまりが良く、他人の懐に手を突っ込む人がいなかった東の中小経営者間に、少しでも
 
8月7日付
2012-08-07
 ホールディングへ移行、ホールディングから元の形態に。洋紙の低迷から試行錯誤する大手総合製紙メーカー。諸々の手を打っては来たが、海外勢の強さから、素人(洋紙分野)の記者が想像しても明るい未来はまだまだ見えていない。国内がダメなら伸び代のある海外で、と考える事は理解できるが、これといった決め手はまだのよう。海外での投資に偏りすぎでは…、と見るのはやっぱり素人だからか。
 利益を稼ぎ出す加工事業(段ボール等)。総合製紙の一方は加工を手元に残さず、トップも国内の加工では動きが鈍いように思えて仕方がない。某工場へ台湾製マシン(2台目?)を導入した、との噂話は聞こえて来るが事実だとしたら、最近うるさくなった製箱精度が気になるところ。台湾製を使っていたものの、精度の関係から日本製に戻した会社だってあるのだから。
 洋紙メインの製紙会社にとって、昔はお荷物だった段ボール原紙。努力に努力を重ねて今や健康優良児。国際価格に引きずられる格好で、「古紙の買取価格引下げが原紙に影を落とす」と言う人もいるが、その前から微調整の動きはあったようだ。段ボール製品にしても【公取問題が決着してからが正念場】である事は間違いないのだし、ここはバタバタせずに自らの製品価格に自信をもって、しっかりと説明責任を果たしていけばいいのではないか。   (山)
 
7月27日付
2012-07-26
 ▼「公取の影響よりも量の不足の方が大きな問題」とは関東の段メーカー。春頃に比べればいくらか戻したものの、まだまだ通常の数量ではない。公取問題で「ボックスとの関係が微妙に…」とした社長もいたが、需要の減退を背景にボックス・段メーカー入り乱れての争奪戦が始まるとしたら、最悪だ。
 ▼下請け仕事で成り立っている小さなボックス。新製品のケースを段メーカーから依頼されたが、営業責任者からその場で「する所はいくらでもあるから」と言われたそうだ。FAXで送られて来た注文書の目立つ箇所にも同じ事が書かれていた。最初からこれでは話にならず、受けるかどうか悩んでいる。
 ▼主力機械メーカーの受注は今年も好調。最低でも半年近く、中には1年先まで詰まっている。数年前から続くこの状況を【ミニバブル】と書いた事もあったが、あながち間違いでは無いと思っている。「国内の段ボール会社にはだいたい販売しつくした」(印刷機メーカー)との見方が大方でもある。早くからバブル後を睨んだ体制づくりを進めた企業と、ただ勢いだけに身を任せていた会社ではこの先、大きな差が出るだろう。
 ▼原紙の先行きを不安視する声が若干、聞こえてくる。古紙の買取価格下落、原紙微調整など色々な動きが出始めているからなのか。ここは踏ん張り、前を向いて行こうではないか。    (山)
 
7月17日付
2012-07-17
 一般的な段ボール箱は差別化しにくい。大手で作っても小さなボックスで作っても大きな違いは見られず同じような製品での競争となる。この競争はコスト、価格競争に陥りやすく、最終的には体力勝負に突入する。サービスに違いを求めれば、「ユーザーからより厳しい要求が突き付けられる」のも現実。他社に無い独自性を出そうと各社なりに努力しているものの、なかなか実現していない。
 そんな中で極小さなボックスA社が生き残りをかけた仕事が、C式や緩衝材を貼り付けるなど加工度の高い製品作りだ。「段ボール箱は近くて何でもできる小回りの利いたところが一番」であり、C式対応の機種を取り揃えた。
 それにしても、シートが満額近く上昇しても、某段メーカーは下請け(ボックス)に出したケースの値上げをまだ認めていない。こんなバカな話が値上げの度に繰り返される。ある時は、売上高の2割以上を占める大きな仕事を断った。無茶苦茶な価格設定に、社員を減らしてでも。業界では「メーカー数が多いから価格も崩れる」と言われているが、「少なくなって、少ない仲間とうまくやっていけると思ったら、そうじゃなかった」(A社長)。
 ここに限らず、割の合わない仕事は行き場を失う。どこも引き受け手が無ければ自社でやるしかないが、ボックスが返した仕事を段メーカーがやっても同じ事である。  (山)
 
7月7日付
2012-07-09
 ▼スタート時から足並みが揃わないままだった価格修正。どうにか恰好を付けた矢先に起こったのが、公正委の立ち入り検査。関東でも東段工メンバー全部に入った訳では無く、「限られた地域、特定のユーザー等が対象みたいで拡がりは無いだろう」(段メーカーA社)。それでも「シートは上がったままだが、ケースについてはお客さんから前(修正前)に戻せと、きつく言われ困っている」(ボックスB社)のが現状で、「まったくいい迷惑」と、埼玉を中心とした取材先で耳にする。
 ▼「価格で離れた得意先はいつでも取り戻せるが、品質で無くした場合は二度と戻らない」と強調するのはボックスY会長。半世紀もの間、段ボール業界でやって来ただけにその経験から出る言葉は、全てを言い当てている。品質を高めるためにはある程度の設備が必要だし、設備を導入するには資金がいる。「安売りなんて出来ない」のだ。
 ▼安売りで疲弊した牛丼業界に価格改善の動きがある。これについて段メーカーT社長は少し前のブログで、「安さだけを顧客に訴えている物はいずれ低価格の効果が無くなり、量も伸びなくなって粗利の減少を補えなくなる」と書いていた。牛丼業界はここにようやく気が付いた訳である。段ボールも「価格以外の魅力を業界全体で作り上げていく事が必要」(T社長)なのだ。      (山)
 
6月27日付
2012-06-25
 プライベートブランド(PB)市場が広がっている。スーパーやコンビニでの12年度売上高は、前年比で2割増えて2兆円を超える見込み。特に大手3社は5年で2倍に伸びている。テレビで経済評論家は「中小スーパーが大手の傘下に入るのも、自社ではPBが開発できないから」と解説し「今後も同様の再編が相次ぐ」と話していた。不況時に伸び、消費が回復するとメーカー品へ戻る傾向にあったが、最近のPBは大手メーカーが積極的に生産を請け負い品質が向上。少し高めの商品も充実させ消費者を引き付けている。
 消費者にとって安くて質の高い商品ほどありがたい物は無い。以前、雑誌で「強い商品を一品、一品作り上げる事こそ、企業の足腰を強くする」と大手販売店のコメントを読んだ。「ヒット商品の原石を見つけて磨く。規模に関係なくセンスと知恵で良い商品は出来る」とも力説していた。
 確かにそうなのだろう。しかし、安く物を作り続ける事で日本経済は本当に復活するのだろうか。経済に詳しくも勉強さえしていないが、自分の身近な段ボール業界で見れば、安売りに参入した企業は必ず疲弊する。安値で量を確保しても利益が減れば経営は立ち行かなくなってしまう。消耗戦に突入して耐えられる会社は何社も無い。超大手のみの業界になれば、どうなるのだろうか。買い手側だって困る事は言うまでもない。    (山)
 
6月17日付
2012-06-18
 大手段メーカーの工場を見学して思わず口に出るのが【凄い】。無人化を進めた明るくゆったりした場内、生産性はもちろん、原紙からシート、製箱工程へ流れるように進んでいく様子は、従来見てきた段ボール工場とはちょっと違う。惜しみなく投資できる大手ならではのものだろう。大手と中小では受注内容が異なるにしても、楽に1000万平米を超える力は、「周りにとっては脅威」(中小段メーカー社長)でもあるようだ。
 中小でも関東、東北で新工場がいくつか稼働、関西でもK社が夏頃をめどに動き出す。小口対応や品質、中小ならではのきめ細かな工場作りは【意地】が垣間見え、業界紙としては誠に嬉しい限りであり、こんな中小やボックスにこそ頑張って頂きたい。
 とは言え、設備投資には大きなお金がかかるし、地域内全ての工場がS&Bを実行すれば、能力ばかりが過剰になるのも事実。ある県の若い経営者が、「従来○台だったコルゲータが1台増えただけで、競争が激しくなった」と荒れ気味な市場を嘆いていた。「県内の段メーカー全部が出資し、シート生産会社を設立するのもひとつの手」とも話したが、10年先の段ボール業界を想像すれば、提携やアライアンスは間違いなく必要なことだと思う。「大手一貫の傘の下もあり得無くはない」(中堅ボックス)では、つまらないではないか。    (山)
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