▼『10月から値上げは浸透する』と言い続けた大手段メーカー各社、果たして成果はどうだろうか。進め方によって浸透度合いの差も大きくありそうだ。ここに来て親しい中小やボックス経営者から『少し動きが出てきたようだ』と喜ばしい言葉、『〇円改定で1月1日実施を、10月からアナウンスした』と言う。上げ幅は物流費〇円、人件費〇円、副資材〇円で上がった諸経費に相当する。出だしが早かった地域では『小さな顧客は決まりだしている』まである。
▼しかし『大手の持つ顧客が多少上がったとしても、我々クラスは全く上がっていない』も依然多い。”足を引っ張る一貫系”など周りに迷惑を掛けるのだけはやめて欲しいし、”ボックス向けのシートが先か、段メーカーの箱が先か”の議論はいつの時代でもついて回る。大手の中には『グループの中小子会社の方が上げやすかった』もある。今はユーザーに値上げ話を持ち込んでも聞く耳は持つのだから、やるだけやってみよう。
▼『持続的な賃金アップのためには、毎年価格交渉が必要になるのでは』が段ボール業界の現状であり、『原紙値上げの時のような一発値上げでは立ち行かなくなる』(業界関係者)、更に『値上げしなければ会社が無くなってしまう』、と危機感を持つ会社も。皆が大手には『王道を歩いて欲しい』と望むが、真っすぐに王道を進める会社は…。 (山)