▼値上げについて”大手が上げやすいのか、中小企業の方がやりやすいのか”どの業界でも様々な意見がある。〇〇Gメンの活躍など公取委や中企庁の後押しもあって『中小の方が』と言う人もいるが、ある調査(4月~6月期の法人企業統計)では売上高経常利益率でみると大企業は過去最高を記録し、中小は足踏み状態、となっていた。しかもその差は過去最高に開き、”価格交渉力の弱さ”を要因に上げていた。調査では、中小企業は顧客との関係を容易に断ち切れないことから価格交渉が大企業よりも難しく、”値上げ話”には乗ってくれるものの『仕事量を減らす』『他社に切り替える』があり交渉の難しさを指摘した。人材を確保するための賃上げにしても、”実施する”とした中小の6割が”防衛的な賃上げ”で、従業員数が少ない会社がより顕著と言う。
▼さて『年内には殆どが決着する』大手からは、そう聞こえてくる。上場企業ならそのうち出される決算を見れば出来栄えは分かるが、中小クラスではどうだろうか。聞いてみると良し悪しあるが、総じてこんな声が返ってきた。『はっきり言ってこれから、という感じ。年明けや4月になってから決まりだす』であり『遅れても金額さえ要求通りに転嫁出来れば』なのだが、『”やっている”と言い続ける大手段メーカーの上げ幅は低い』とし、『あわせればコスト上昇分に対し不足してしまう』案件も。地域によって浸透率の差は大きそうで、『まだまだ』は未だにけっこうある。シート値上げはより顕著だ。 (山)