板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2020年 段談

 

2020年 段談

2020年 段談
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9月17日付
2020-10-01
 ▼『今年は一度もプラスが無い』など仕事量が伸びない中小段メーカー、8月も変わりは無かった。特に後半が悪い。飲料のある大手でさえ5%ほどマイナスになった8月(稼働日を前年と同じとした場合)、『90に届けば御の字』と言う会社さえある。それでも各社工夫を凝らして頑張っている。『生産ロスを減らした』『糊使用量を減らした』『受注条件見直し』『手順を変えた』、それぞれ自社に見合った方法で改善に取り組んでいる。『原紙に変化がない以上、やれる事をやるだけ』とし『効果も表れ始めている』と喜ばしい話も。
 ▼18年は大きな案件がいくつもあった。昨年(19年)は『今年の方が多そう』と思っていたが、段メーカーの買収話は表面化しなかった。原紙は高値のまま、しかも需要の落ち込み等、マイナス要因ばかり重なる中小のダメージは蓄積されている。そんな中、『買収話が出ていないのが不思議』とはある段メーカーの社長。『一貫には両手を越える支援要請があるのでは』と意味深に言う。これを大手経営者にぶつけてみたら、『コロナもあって、今は無利子、低金利で容易くお金が借りられる』とし、これが無くなれば『増えるのかもしれませんね』。
 ▼増産組と新規参入メーカー、ここまで差が開くとは思っていなかった。〝差〟と言うのは生産して販売する量。夏前から順調に飛ばすDに比較し、新規Hの苦労が聞えて来る。紙業界は段原紙頼み、『ここは死守したい』とは流通営業マンだが、こんな声はどこまで届くのか。 (山)
 
9月7日付
2020-09-18
 ▼治まる気配が微塵も無い新型コロナ。春先より過敏な反応は少なくなったが、『経済全体に大きく影響、段ボールへはどの程度なのだろう』とボックス経営者。得意先に工業系が多く、『7月も2割減少し、同業より落ち込みが激しい』と言う。『これまでの影響は軽微』とし、前年比トントンだった勢いある大手系幹部さえ『先の見通しとなると…』だった。大手7月の数字は一日稼働日が少ない割に1社を除き100前後でまあまあだが、8月も続いた猛暑から数字は悪くないようだ。
 ▼さて、取材先で挨拶代りに出るのが新型コロナの話題。『それ程怖い病気でも無い、経済の落ち込みの方が』、テレビで度々観るし、業界関係者からも同じ話を耳にする。聞けばその時は少し安心するものの、身近で感染者が出れば、落ちついていた気持ちだって泡だってくる。今までの対策を更に強化した会社やリモートワークも増えている。また病気以上に風評で左右されるのが困ったもの。罹った事自体は悪くも無い、誰だって感染する可能性があるのだから。
 ▼段ボールベッド始め災害に役立つ段ボール製品。コロナでも加工適性に優れ、パーテーションなど数多くの製品が市場に出ている。『頼まれる』とは地方のボックスで、地域に貢献する事は大切であり力を入れたい所だが、ある会社では『手間が掛かる。注文を受け作るほど社員が疲弊する』そうだ。〝コロナで儲けろ〟とは言わないが、社員にも行き渡る位の利益は必要である。 (山)
 
8月27日付
2020-09-09
 ▼『機械が高くなった』、『リニューアル機さえ手が届かない』、段メーカーやボックスから耳にする事が増えた。7月17日付けコラムで『そこまでの生産性は求めていない』『廉価な機械の必要性も感じる』と、触れたら予想以上の反響があった。段メーカーやボックスの声を書いたのだから、使っている人は『その通り』、『良い記事だった』となったが、機械メーカーも要求を聞き入れながら開発を進め、諸々のジレンマに悩んでいる。今回は機械を作る側の声を反映してみた。
 ▼『あれもこれも…、求められる事は山ほどある』、より生産性・精度を高めると同時に、顧客の要求を取り入れれば機械価格が上がってしまうのは仕方がない。中には『低グレードの機械を買ったのに、上位機種と同様に質・耐久性・サービスを求める』、こんな意見もあった。また『99%が中小零細企業。より良い機械を作りたくてやっている。廉価版まではとても…』とも言う。
 ▼『段ボールとユーザー』『段メーカーと機械』、これらの関係に大切なのは〝パートナーで〟。お互い無くてはならない存在なのだから。そんな中、レンゴーが7月13日、内閣府・中小企業庁などが進めるサプライチェーン全体の付加価値向上の取り組みの促進、下請け取引の適正化に向けた「パートナーシップ構築宣言」を関係協会が運営するポータルサイトに提出した。買ってやる、使ってやる、そんな時代では無いのだ。
 ▼『機械を止めないのが一番』、肝心なのはメンテナンスに関する心構えや予防保全に対する取組みである。新台導入時の性能が100とすれば、年々劣化するのは仕方のない事。『たとえ費用は掛かるにしても、劣化をいかに食い止めて使い続けるか』(機械メーカー)が鍵となる。オペレータのメンテ等に対する姿勢や取組み、対処法など勉強会を開く機械メーカーは何社もある。親しい段メーカーの社長は『壊れる前に直せ』が口癖だ。その考えを行き渡らせた結果、機械はピカピカ、人差し指でなぞっても紙粉など付いていない。高価な機械なのだから大切に使うのが一番だ。 (山)
 
8月17日付
2020-08-31
 ▼5月全体の生産量は前年比80%に届かなかった。この月、大手8社の数字は概ね90前後だったから、いかに中小が悪かったか分かる。6月も思ったほど伸びていない。今年は稼働日が2日多く期待もあったが、何社もの中小が口を揃え『5月があれだけ落ちたから少しは戻ると思ったが、ダメだった』とする。親しい社長は『2日多ければ110%は行きたいところ。それが95に届かなかった』と話していた。
 ▼この95にしても中小の中ではそう悪くないのかも知れない。100超え企業もあるが、地域によっては二桁マイナスも耳にした。大手もそれなりに伸び悩んだものの、8社中6社が100を超え、最高は一貫系の107であった。『やはり大手は違う』。全段連が出した6月速報が99・7%だったから、5月同様に大手段メーカーの作った分で全体を押し上げた格好になる。記者が気になるのは〝加工賃の低下〟、『大手及び大手系の横槍が入る度に落ちて行く』と言われ、『量が減ったうえに質までも…』。
 ▼7月も勢いがない。各地の段ボール会社が『この地区は悪い』と同じ事を言う。全国の中でも比較的良かった九州地区も、大雨で農産物に大きな被害が出て、インフラも寸断した。『これからジワジワ影響が出て来る』と言うが、中国や東北など他の地方でも同様の被害や日照り不足が聞こえて来る。踏んだり蹴ったりだ。 (山)
 
8月7日付
2020-08-20
 7月、前半はそこそこも、コロナに天候不順で勢いつく要素は乏しく、後半はやや失速した。5月を底に回復基調にはあるが、不透明な状況は続く。
 そんな中、『製紙を持ってないから』とはある段メーカー社長。ユーザー指値を受けてそれなりの価格で提案したものの、一貫系にさらわれた。一体何が違うのか。設備も伍する能力を持ち更新も頻繁に行っている。しかしどう頑張っても原紙代以下にはできない。値上げ後、それ相応に保たれている原紙、一方で比較的低位な古紙、燃料、それが段ボール価格の原資になっているとしか…。『そもそも段ボールで儲ける気があるのか』とも。
 原紙出荷が伸び悩む中、複数の大手一貫でグループ購入比率をあげる動きがある。新工場が稼働する中、量確保へ猛烈に動くAも、近年高まった比率がさらに上がり、過半は有に越すようだ。他社から広く購入した方が、量があればあるほど旨みがあるはずで、一見高い原紙を買わされる印象を持つが、少なくとも専業段メーカーはそんな風に見ていない。
 夏以降、関東では2千万平米近く能力が高まる。Aと貼合機を更新するBが主たるところだが、Bも原紙との共闘体制で量への志向は強い。無論、投資に対する回収は当然で、大手一貫の包括的戦略を全否定しないが、中小の体力を奪うだけに留まらず、自らの身を削っては身もふたもない。景気後退局面はただでさえ市況は弱まる。ましてコロナがなくとも、いずれ国内需要は頭打ちになる。今、収益性を無視して良いはずがない。 (浮)
 
7月27日付
2020-08-11
 ▼『売り先がどんどん萎む』、専業製紙の営業が話していた。一貫は内製化を進め、関係会社に『これを使え』である程度は計算できるが、専業製紙はそうはいかない。中小段メーカーの使う量が減れば、その分、海外市場含め売り先を確保する必要がある。今年に入って中小の疲弊は更に厳しさを増す。有力企業でさえ生産量が『最盛期に比較し7割まで落ちている』と噂される中『(製紙も段ボールも)専業は専業同士、もう少しどうにか…』とある経営者は言う。これを原紙側に問い掛け、更に『売り先が減りますよ』と言ったものの、言葉を濁しながらも価格維持、今の販売姿勢を変える気配は一切無かった。しかし、何となくだが、今までとは雰囲気は違う。
 ▼昨年一部で持ち上がった製紙系の段メーカーのコルゲータ移設話。その筋でも否定し『無くなった』と思っていたら再浮上、噂のあった中部圏の既設工場が設置場所らしい。茨城県の新マシンが動きだし、旧マシンもそこから撤去、一時保管する事が決まっているようだ。背景には他の段ボール工場より身近な所で、家庭紙の箱を作らせたいからか。直ぐに動かす事は無いにしても、大手製紙系のコルゲータがまた1台増える事になる。
 ▼5月7日号付録として配布した「段ボールメーカー6グループ系譜図2020年版」、複数の読者から『追加で送って欲しい』など嬉しい声が寄せられた。中には『某一貫グループだけ赤だらけだね』(前回発行した18年版から現在までの2年間に買収した企業を赤字で記載)と言う指摘もあった。その赤字こそ、まさに今の勢いそのものといった様相だ。秋には『原紙工場マップ』を配布する予定で記者Uが調査を進めている。原紙工場一覧は20年ほど前に紙面1頁を使って掲載したが、当時とは社数からして大きく違う。今回製作するのはコルゲータマップ等と同じA1サイズ、最新の能力や品種ともに全国に点在する段ボール原紙工場がひと目でわかるよう工夫した。 (山)
 
7月17日付
2020-08-03
 ▼意外に反響あった2月27日号コラム、『段ボール会社の担当者が、どうでもいい問題を付け、据え付けた機械の検収を先延ばしに。ようやくあがった検収後の支払手形は〇〇日』。反応の多さは、それだけ同じ思いをしている機械メーカーが多いのだろう。『大手段メーカーほどその傾向が強い』と言う。協力関係(パートナー)や取引先と言うよりも〝納入業者〟位にしか見ていないからではないか。『(支払いを遅らせた事で)担当者は自分の得点稼ぎ』ともあった。それに比べ、『中小・ボックスはパートナー以上に見てくれる』そうで、支払いにしても『納入前にいくらかある』そうだ。機械が止まれば工場まで止まる事だってあり得る。大手ほど大切にしなければ。
 ▼機械を使う会社からは『価格が高い。大手や一部の有力企業しか買えない価格で、我々中小では設備投資が不可能になりつつある』。小さなボックスからは『リニューアルした中古でさえ手が出せない。機械が壊れれば潮時。今は修繕費ばかり嵩む…』こんな声も聞かれるようになった。段メーカーでさえ『精度はともかく、速度や生産性において今の能力は必要ない』とも。働き方改革などもあって機械への代替を進める大手の動き、またメーカーとしてより良い新鋭機開発の方向性はよく分かるが、小さな会社で使える廉価なタイプの必要性も感じてしまう。 (山)
 
7月7日付
2020-07-20
 ▼原紙側の姿勢から例年よりも凪状態だった○社会含めた指定・支給紙、5、6月頃からちょっとキナ臭い。一貫△は○社会の仕事を失ったようだし、そこに浮上したのが□製紙。どう食い込んだのか、買う側からすれば『取り付く島も無かった』状態だったのに、『相手から擦り寄ってきた』のだから渡りに船。儲かるのは商社だけのようにも思えるが。一方では新規参入や増産メーカーについて『想定していた通りに生産出来ているが、出荷の伸び悩みは想定外のよう』との声もあがっている。□製紙にしても『増やした分は海外に売るから』としたところで、まとまった国内向けは魅力なのだろうか。中小段メーカーは指定紙の動きをどう捉えるか。『馬鹿らしい』とは言われるまま真面目に買っている会社であるが『製品にまで飛び火するのが一番避けたい』だった。
 ▼5月初めの事だが、日経で立て続けに『段ボールは堅調、増産』と出た。どこで聞いて書いたのか、読んだ瞬間に違和感があった。周りの段メーカーやボックスも同様に感じたと言う(6月27日に段ボール需要、ブレーキとの記事は出ていたが)。確かに数字を見れば4月まではそう減っていなかった。事実その頃、大手の中には『通年では数%伸びる』とする会社もあった。5月は空気が一気にガラッと変わった。生産量を『過去最低の落ち込み』『経験のないマイナス』こう表現した中小が何人もいた。大手はこの数字をどう受け止めているのか。『これから持ち直す』との見方がある一方で、『今年いっぱいは…』とした営業マンも。6月は稼働日が2日多いだけに110は稼ぎたいところだったが、大手、中小の数字はいかに。 (山)
 
6月27日付
2020-07-13
 ▼段ボール生産が落ちてきた。大手段メーカー5月の生産量を見ても明らかだ。今年は稼働日が一日少ないがそれを差し引いても悪い。最高は一貫系Yで94、落ち込みが激しい専業は79であり、他も軒並み90前後になった。もっとも取材する中での体感は年が明けてから『減らずに増えるのがずっと不思議』なぐらいだった。大手営業関係筋もコロナの影響で『得意の分野(飲料、食品等)で需要先取りがあった』と見る。今後、『しばらくはこんな状態では』とする関係筋も。
 ▼中小段メーカーの数字は思ったより伸びていない。関東で『80台』と聞けば、中部では『全国的に見てここが1番悪い(良くて70台)』と言う。この地区は工業系が多いので影響しているのだろう。数年来減り続けた会社の中には限界ギリギリもあるらしい。中小経営者の心配はやはり激しく動く一貫系だ。関東ではリニューアルに40億かけたA、同系列のBも20億円注ぎ込んだ。千葉県では中小4、5工場分の大工場が間もなく立ち上がる。『減った中での取り合いが始まる』しかも『価格を落としてまで』。
 ▼『コラムの話はどこだ』、大手の中にも気になる人はいる。〇や△、□について、『〇はA社で、△はB社ですか』『□はC製紙では』、こう聞かれる事もある。たまに異なる事もあるがほとんどが的を得ているように思う。一貫やその系列企業の人も、市場からどう見られているのか知っている。先日、『中小の置かれた現状をよく代弁してくれる』こう言われた。『書きたい事、言いたい事、何でも書いて下さい』、嬉しい手紙も頂いた。読者からの反応が1番の励みになる。 (山)
 
6月17日付
2020-07-03
 ▼昨年まで中小から安売り等で名前が出るのは一貫子会社Yが圧倒的に多かった。何年も生産量で過去最高を更新しているのだから当然と言えば当然だが。それが今年になって変わった。各社が口を揃えて挙げるのは別の一貫系Mである。新工場が夏から営業運転に入るため、『掻き集めている』と周辺の同業者。現状は隣県にあるグループ工場から運ぶが、最近では大手専業段メーカーが大手ボックスに納めていたシートについて『月に30万平米も移動した』と聞いた。専業も特値で対応していたらしく価格は平米〇円、これを奪い取ったのだから更に下回っている、と考えてしまう。学習効果もへったくれもない話、この地区では今に始まった事では無い。
 ▼ある中小は『Mはケースでも安値で動いている』と言う。市場原理の中で、『立地条件を活かした売込み』『デリバリー即時対応』などは理解できても『紙代を無視した一貫にしか出来ない超安値での取引をされたら…』、専業の経営は成り立たない。問題のケース価格を現在のライナ・中しんから計算すると、専業が買っている今の原紙価格からは出せない金額になる。真相は定かでは無いものの、某筋によれば、『20年3月期にグループの原紙会社からMに相当…。それを基に見積りをしている』と言う。こんな〝禁じ手〟紙を代表する会社が使うとは、記者は思っていないのだが…。(山)
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