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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2021年 段談

 

2021年 段談

2021年 段談
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9月17日付
2021-09-29
 ▼『前月まで良かったと思ったら、今月はまるでダメ』、『昨年悪かった分、7月までは昨対比で伸びたが、後半の見通しが立たない』、『他の産業と比べればましだけど、客先も業種によって予測さえつかないでいる』など、期待と不安がごちゃ混ぜの中小段メーカー。それでも『出来る事を地道にやるしかない』と日々、業務改善に取り組んでいる。
 ▼さて最近、耳にする事が増えたのは、『製品市況の維持からか数量を減らした一貫本体、特にシート販売でその傾向が顕著だ』。周辺でも『いくらなんでも落とし過ぎ。この先回復に動く時が怖ろしい』と言われる事も。もっとも『日本一安い〇〇社の段ボールシート』、こんな陰口があるぐらい伸ばす複数の子会社群。聞けばボックス巻き込み色々な動きが出始めている。今や子会社グループの方が販売量も親会社より多いし、たとえ本体が大きく減らしても均せばトントン以上なのだから、中小段メーカーの比では無い。
 ▼ちなみに7月(稼働日マイナス1日)の大手段メーカー8社の生産量を見ると一貫本体は約96%、子会社2社は107、102だ。別の一貫系も102、104と良い数字であるが、専業大手は3社ともに100以下と伸ばせず。この月は中小もまあまあだった。ただ8月もこの傾向が続くかと思っていたらとんでもなかった。中小はお盆明け以降伸びず、中には『最悪に近い』との声があり、『大手の生産量を聞くのも嫌になるほど』と言う。その大手、最高が一貫系の113%で、8社中4社が110以上。他の4社も100を超えた。『2年続けて悪かったから』もあるが、それにしても中小との差は開くばかり。 (山)
 
9月7日付
2021-09-16
 段ボール原紙価格の日経市況は現在、中しん(特しん)ならば㌔71~73円だが、普段気にしている、もしくは取材で追っているのはこの価格ではなく、より実勢に近い価格およびその変動動向である。
 今であれば、関係者の話を総合すると、これから△円程度かい離した〇円あまりのようだ。そしてより言及すれば、そこから概ね半年の間隔で、需要動向等を見ながら見直される、いわゆる協力金◎円の動きがどうなっているのかも気になるところだ。
のっけから○◎△と何とも読みづらい文章で恐縮ではあるが、分かりにくいという点では、日経市況と、実勢の関係性も相当なものだ。
 もちろんエンドユーザーの指定・支給、一貫メーカーのグループ企業向け、そして専業段メーカー向けと、多種多様な販売ルートがある中、『一概に実勢価格がこれとは言いきれないし、日経市況が完全に違うわけではない』との指摘もある。さらにいうなら、日経市況が実勢により近づくことは、製紙メーカー、段メーカーにとって〝一長一短〟であることも重々理解できる。価格の安定化や長年の商習慣などなど、様々なファクターが複雑に絡み合っている。
 ただ、その影響力を鑑みても、もう少し本来の市況を反映した状況への移行が、将来的に、業界にとっても良い方向性に寄与するのではないか。 (浮)
 
8月27日付
2021-09-08
 ▼7月日付けコラム【ケース価格の修正、段原紙やシートが上がった時だけで良いのだろうか】。インキやコーンスターチを始めとする副資材、また燃料が次から次に値上がりし、まとまれば月に数10万円ものコストアップになっている状況から、この分を製品に反映する事はどうなのだろうか、と書いてみた。読者の皆さんから『段原紙以外に変動費なんてあります?』を始め『気づかされる点もあった』など色々とご意見を頂いた。ありがとうございます。
 ▼何を書きたかったか、ひと言で言えば段ボール業界にどっぷり浸かった人達はみんな平米で、ものを見る事にある。例えばコンスが㌔10円アップすれば、200万生産する平均的な工場で月に16万円のコスト上昇だ。しかし平米で見ると、5~8㌘使うとして0・08円ぐらい、シート価格が60円とするならば、コンスの占めるコスト割合も極々僅かだ。平米に置き換えると『微々たるもの』となる。他の資材や燃料費も同様で、一つひとつでは価格への転嫁など思いもしない。
 ▼しかし、ただでさえ低い利益率、給与面での待遇が他産業より良いはずも無い。そんな中で月に数10万ものコストアップ、この分をカバーするにはどれだけの段ボールケースを売ればいいのか、また切り詰めなければならないか。絞り切った中での努力は並大抵では無い。業界の目指すところはワンステージ上のはずである。『この程度ならば吸収する』と考えずに、一方では長年染みついた『平米に置き換えての考え方』を少し変えてみるのも必要で、安く売ることへの抑止につながって行けば、と思う。勿論、皆がそうならなければ何の意味もない。 (山)
 
8月17日付
2021-09-07
 ▼ある一貫系の段メーカーグループ、事あるごとに、リモートでも対面でも、相手は変わっても、色々と言われるようだ。『なんでうちだけ』そんな思いもあるらしいが、やっている営業マンを見れば、多少文句を言われても仕方がない。
 ▼『以前からそうだったが、最近は特に目に余る』とは中小段メーカー。首都圏で新設した大型工場が近く2直体制に入る事から、シート販売でもケースでも影響を受ける会社が増えている。『1割、いや2割安の見積もりだって出される』とはある経営者で、グループの原紙メーカー含めて申し入れもしたが『改善しなかった』。勢いある中小でさえ攻め込まれているようだ。これは全国的に起こっている案件ではあるが、関東では来年秋にそのグループのより大きな工場が動き出す予定。『ただでさえ量を減らした我々からまだ持って行こうとする』、周辺では危機感を募らせる。
 ▼『段原紙の価格修正が現実味をおびている』、古紙動向や環境対策等々を背景に製紙・流通側ではこんな見方も出て来ている。製品価格の堅持がもっとも大切なのは誰にでも分かるし、死守するのが一貫の使命だ。〝紙だけ上げて、製品は…〟幾度となく繰り返されるようでは、何を言われても。『極々簡単な話で、理解していた時期だってあったのに今はできていない』(中小経営者)、全く不思議である。
 ▼なお仮に今後、段原紙が動く事があるとすれば、専業段メーカーは『製紙、段ボール業界が良くなるのであれば、原紙の修正があっても構わない』。また、下手に協力金をいじられるよりも『正攻法で紙、製品ともに上げる事がベター』である。 (山)
 
8月7日付
2021-08-16
 ▼コロナ禍になって1年半以上、まだまだ終息は見えていない。もろに影響を受けた飲食や観光産業に比べ、段ボールは落ち込みも少ない。巣篭り等から好調な業種さえある。それでも中小やボックスから『好調』と言った話はあまり聞く事が無い。『戻ってきた』とは言うものの、今年1月からの半年均せば『104、5あれば御の字』(段メーカー社長)。前年が良かった大手と違い、大きく落ち込んだ中での数字だから〝良くなった感〟が無くて当然か。しかもボックスにおいては企業規模によって仕入(シート購入)に大きな差が出ている。
 ▼シート販売の価格も色々、中小は高め、大手は低めと決まっている訳では無いが、会社によって価格帯に違いはある。『どの段メーカーでも、売り先で10円の格差はありますね』、と話したA社長、横で聞いていたB社長『そんなもんでは無いよ』とした。いくら箱の売価を高く設定しても『あの値段でシートを買っていれば儲けなんて…』と付け加えた。しかも『工賃の高い仕事ほど狙われる』、こんな困ったオマケ付き。
 ▼年々シート販売を減らす中小段メーカー、数年前と比較すればいかに生産平米を落としたかがよく分かる。以前コラムで『シート売りは、極一部の中小を除けば手が出せなくなる』と書いた事があったが、一貫系からギリギリ紙代しか出ない価格を出されれば…。こんな話も聞いた。ある地域の大手ボックスが材質、ロット、配送条件など様々な要求を出したが、一貫系や製紙系は『素直に従う』と言う。『それは…』こう返事をした途端、減らされた中小C社。『この量ではもうやる意味も無い』、と断るつもりらしい。 (山)
 
7月27日付
2021-08-06
 6月の段原紙出荷は前年比、前々年比でみても10万㌧以上多い。前年比で7割近く増加した輸出を差し引いても、国内出荷はほぼコロナ以前の水準。ワクチン接種の進捗などにもよるが、年末に近づくほど、状況は上向くとの期待は高まる。
 段ボールも大手をみると、グループ内企業を子会社化した一貫系が10%以上増加と突出しているが、5%増以上が大半、どこも100は超えている。大手と中小では差があるものの、数量面では、それほど悪くない。
 一方で、原紙市況は強含み気配が濃くなっている。表面上、市況は堅持されているし、国内古紙価格も変化はないが、内実をみれば、18年の値上げ以降、徐々にではあるが調整はみられるし、輸出が上昇基調にある古紙の動向も気になるところだ。環境投資の面では、政府の30年CO2排出量削減目標がこれまでの13年度比26%減から、同46%減へと変更された。これが喫緊のコストアップ要因として影響してくるのか。黒液利用や森林資源の価値化といった相殺要因の有無は各社異なるが、製造面でバイオマスボイラー化などを急ぐ必要が出てくるとしたら、数百億円規模の投資が今後年に一気に前倒しになる可能性も。これらを踏まえても原紙価格が現状以下にはならないことを前提とした舵取りが求められる。少なくとも少し前に聞いた『原紙が安くなるから製品も…』なんて提案はなくなるはず。(浮)
 
7月17日付
2021-07-27
 ▼〝ケース価格の修正〟、段ボール原紙、シートが大幅に上がった時だけで良いのだろうか。段ボールの経営者ならば大小問わず、常に感じているだろうが、最近の副資材や燃料、配送関係のコスト高を目の当たりにして、〝適正な価格〟とは、また上昇したコスト分を製品へ転嫁(スライド)する事について考えてしまう。
 ▼200万平米生産する平均的な工場でインキがキロ30円アップすれば、月に約5万円、コーンスターチにしてもキロ10円上昇すれば16万円程のコスト増になる。酢ビ系接着剤、ベーラー番線からPPバンド、ストレッチフィルムなど等、工場で使うあらゆる資材が上がっている。『積み重なればボディーブロー以上に効いてくる』(中小段メーカー)のは間違いない。燃料に配送コストも上昇。加工賃よりも高い運賃を聞いた事もあるが、100%料金に反映できなかったそうだ。
 ▼世間には二桁の利益率が多々ある中で、段ボール産業の利益率は製造業の中でも下位レベルだ。記者が業界に入った昭和50年代前半、『3%あれば立派』こんな話を聞き、実際に業界大手企業もこの程度だった。今もって数字が改善した、とは思えないし、逆に加工賃の目減りさえ耳にする。業界を想うHさんが言った『各業界の適正取引の自主行動計画が進み、働き方改革や資材等のコストアップを反映できる場が自然と持てる環境になれば』この言葉が頭にこびり付いてしまった。
 ▼一方、こんな見方もあった。『段原紙とシートは時期から上げ幅まで一律だが、資材や運賃はバラバラで足並みが揃いにくい』『ユーザーサイドが理解を示しても、段メーカー側がひるんでしまう』、更に『価格(安値)でシェア拡大を狙う大手がいる限り、〝絵に描いた餅〟で終わる可能性も』『営業に〝取って来い〟、この感覚を捨てない限りダメだ』など、一部段メーカーの行動を問う声も多かった。何をするにも、まずは業界を良くしたい気持ち、姿勢が大事なのだ。(山)
 
7月7日付
2021-07-19
 ▼ある社長からのメールに、『営業はいかに高く売るかを、必死になって考えなければ』と書かれていた。・提案、・サービス、・情報、等などライバルよりも一歩先に、濃い内容で提供し満足してもらわなければ、とても作り手側の値段で箱を売る事は出来ない。『そうすれば考える力も自然と鍛えられる』。反面、安く売り始めると一切考えなくなり(考えなくても、安くするだけで相手は満足する)、営業マンとして成長しない、と言う訳だ。大手段メーカーは資金力にものを言わせ生産性を高められる。それが出来ない中小は営業マンの〝力〟を鍛えなければ、「どこで作っても同じ段ボール箱」では勝負にならない。前にも書いたが、『あの営業マンなら』『あの会社なら』と認めてもらえば、こっちのものだ。
 ▼少し前に話題になった王子グループの日光・宇都宮における段原紙・段ボール一体型工場。一貫メーカーの王道を行くスタイルであり生産・コスト面ばかりか環境性にも優れている。今、ちょっと噂になっているのが、同グループの苫小牧工場。抄いていた新聞・印刷用紙から段原紙に転抄する計画で進んでいるが、『釧路工場内の段ボール工場をここに持ってくる』、いや可能性ならば『岩見沢にある札幌工場は老朽化も進み、マシンも1800』と言う人も。しかし北海道に新工場に見合う程の段ボール需要があるとは思えないのだから、噂で終わるのかも。一方、関東では最新のデジタル機を2台設置するようで、今後の使い方に注目。 (山)
 
6月27日付
2021-07-07
 ▼『原紙価格の引き締め』とも取れる発言が春先から聞かれるようになった。『海外は原紙高』『古紙動向』『輸出の活況』など等、『いやいや国内価格は調整・協力の増やし過ぎ』『環境関係での投資増』こんな声もある。実際はどうなのだろうか。1つの状況と言うよりも複合的に要素が絡み合って、原紙側の思惑は動く。2度の値上げで18円上昇、その後もかつて無いほど足並みが揃いガチガチだった価格だが、『引き締め』なんて言葉が出て来るようでは、『安くなっている?値上げのアドバルーン?』、段ボール側の疑心暗鬼は強くなる。
 ▼『原紙価格は乱高下せず、盤石な方が良い』、ある中小段メーカー経営者は言う。原紙が崩れれば必ず製品も良からぬ影響を受けるからだ。『黙って儲けにすれば良いものを、毎回それが出来ない』、下降幅に対応して量狙いに走ってしまうのが情けない。今、製品価格がある程度保てているのは原紙がしっかりしているからで、段メーカー側もそこはよく分かっている。だからと言って『価格が再び上がることを素直に受け入れられるか、と言うとそんな事は無い』。原紙は通達1本、段ボールは18円アップを少しずつ数年掛けて転嫁した。この苦労とエネルギーは比較になるまい。まして、製品軟化があるとすれば、原因の発端は一貫段ボール部隊と上層部の管理にあるのだから。
 ▼静岡県で『コルゲータが1台止まる』、と流れている。出ては消えていた話なのだが、どうも秋には現実に…。 (山)
 
6月17日付
2021-06-30
 ▼コロナ禍で仕事の仕方が大きく変わった。小紙みたいな小さな会社でもそうなのだから大会社はどう変化したのだろう。会社の規模は関係ないのかもしれないが。人との接触が減り、得手不得手はあるにしても、パソコンで取材先を探しZOOMなどで行う方法が格段に増えた。『治まれば元に戻る』と言う人もいるが、今の働き方の方が、働く人にとっては快適なのだろうから、『そう簡単に戻りはしない』と思っている。個人的には面談の方が、雰囲気、相手の熱量から小さな発見まであるので、話は顔をあわせてしたい。
 ▼飲食店でもデリバリ対応、ランチを強化、朝から営業など変化するお店があちこちに。『どれだけ売り上げるかは手探りだが、やらなければ潰れる』、と居酒屋店長がテレビに映っていた。店は生き残る事に必死だ。『今日もお客が一人も来ない』、また紙器関係ではインバウンド需要を見込み増産体制を敷いた直後に、『包む商品そのものが消えた』など、コロナ禍、社会の変化、はたまた自然災害…。何かが起こった時こそ、経営者の対応力がより問われるようだ。
 ▼大手製紙メーカーの決算説明会、今年はオンラインで行われた。その場に直接参加はしていないが、資料や担当記者から話を聞くと、会社によって大きな違いがあった。A社はスマートな話題を並べ、足元を見詰めればその内容は絵空事とまでは言わないが、ちょっと現実離れしているように思った。一方、地道に今伸び盛りで収益を上げられる板紙・段ボールに力を注ぎ込む大王製紙。あらゆる手を使ってでも伸ばそうとする意欲が伝わって来る。さて結果は数字となって表れてくる。 (山)
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