有限会社
日刊板紙段ボール新聞社
東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。
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家電量販店を覗くと目に付く場所に山ほどあるのが、今注目のiPadなど新型携帯端末。手持ちの携帯電話でさえ使わない機能があるのに、形までまるで違うiPhoneなど触れない。身近でも工学部出身の友人はアナログ派。それに比べ段メーカー顧問のIさんは御歳○で、いとも簡単に最新機材を使いこなしている。この差は何だろう?
「本を買う楽しみのひとつに装丁がある」こんな人がけっこういる。昔、小紙で出版した「リラクゼーションマップ」も装丁に力を入れデザイナーと綿密に打ち合わせた。紙にはインクの匂いが染み込み、新刊本独特の肌触りもある。刷り上がったばかりの新聞だって同じだ。と、ここでいくら紙媒体の好きな所を書き並べてみても、あの端末に触った時の衝撃には…。実際、ページをめくった感覚に近いものがあるのだから。
さて本の輸送には多くの段ボール箱が使われている。取次大手の中には段ボール工場さえ有するぐらいだ。この物流に脱段ボール化が進みつつある。既に出版社から取次までは半数がプラコン等で、トーハンは取次から書店までも13年までに全量、プラコンに切り替える予定らしい。一方の大手・日本出版販売でも「現在は微々たる量だが将来、使う可能性はある」という。段ボール箱のネックは、コストと強度のようだ。(山)
3月19日の土曜日、浜松町から竹芝まで歩いたが、途中で窓ガラスが割れたビル、比較的新しくてもロープが張られ立入禁止のビルが何棟かあった。帰りに立ち寄った東京駅大丸は八重洲通り側の大きなガラスが1枚ひび割れていた。小紙事務所のマンションも、あちこちダメージを受けている。震度5強でこれだから、7や8は想像を絶する。
それにしても被災地の惨劇には目を覆いたくなる。過酷なまでの試練に耐える東北の人々に頭が下がる。そんな中で、テレビに映し出される子供達の笑顔、前向きな考え行動に救われ、希望、勇気を分けてもらった人達は多い。「安否」の「否」だけではどうしても辛く暗くなってしまう。業界のメディアとして、「安」をもう少し出せればと思う。
震災後に取材した機械メーカーの会長が、「救援物資を運ぶのはやはり段ボール箱」、「使い終われば避難所の間仕切りや床に敷いて使える」等など、あらゆる所で役立っている段ボールを見て「嬉しく、誇りに思った」と語っていたが、同じ様に思う人はたくさんいる。
製紙、段ボール、ボックス、機械、関連会社を始め、海外の同業、関係会社からも義援金、物資がどんどん寄せられている。被災した機械の修理を部品代だけで行う機械、機器メーカーは何社もある。小紙も自分達で出来る事を、精一杯やりたい。 (山)
心配された段原紙の供給。取材した中小段メーカーは、みな「問題なく入ってきている」と言う。ただし、今まで原紙の買い方に問題ある会社(製品販売でも)では、困っている話を聞く。例えば○。ここでは原紙が滞り、シートの供給にも問題が出始めている。○の得意先であるボックスも他の段メーカーX社へ「入れて欲しい」と依頼したが、何せシート価格が△円。X社長「□円以上でないと出来ません」ときっぱり断ったと言う。原紙はもちろんだが、シートにしてもそう。普段からの取引姿勢で、非常時に差が出るのは当然かも。 (山口)