板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2012年 段談

 
3
 
6月7日付
2012-06-07
 「激安」、至る所で目につき耳にする。先日の痛ましいバス事故の後にお会いした段メーカーA社長は、「値下げ合戦の結果、安全にかかるコストまで削り取られてしまったのでは」と話していた。まだ記憶に残る食中毒での死亡事故にしても、根底にある大きな要素は激安価格、と言っても過言ではない。
 昨年から進めた原紙・製品値上げだが、あるフィルムメーカーは「段ボールは値上げを持ち込めるだけ恵まれている」と言う。同じ包装資材でも業種によっては、値上げ話を出しただけで取引が無くなる事もあるからだ。だからと言って、ジリジリ下落した加工賃をそのままにし、まして修正時に動かず値下げ競争に追従しては、会社の体力は疲弊するばかり。「時には誇りまで失いかねない」(A社長)のだ。A社長は「段ボールは成熟産業だが、新化(新たな領域)より深化(既存の領域を掘り下げる)で、付加価値を高めなければ」と社員にメッセージを送っている。最後の締めは「価値をあげて高い価格で売る事は勇気がいるが、深化による高価格勝負の方が継続性は高い。まずは足元をじっくり掘り下げよう」である。
 最近は、飲料缶のケースの角(8角形)にまで印刷が施してある。段メーカー側の設計・生産技術は誇れるにしても、ちゃんと価格が取れているのか心配なところ。【安い】という価値以外の価値を売って行こう。(山)
 
5月27日付
2012-05-29
 ▼初めてお会いする人と名刺交換後に「コラムをよく読んでいますよ」と言われる事がある。先日は「お酒が好きなんですね」とも追加され、帰り際に日本酒を一本頂いた。ただし中には「コラム以外は…。業界がもっと良くなるように叱咤激励を」と厳しい評価があるのも事実。業界と共に存在する新聞として、より良い紙面を目指したいと、若い記者と話している。
 ▼「全体の生産量は激減しない」、「値上げの話しは持ち込める」、同じ包材でもフィルムや、印刷・洋紙分野から見れば、「段ボールは恵まれている」。だからといって成り行きに任せたり、やるべき事をしなければ、結果は見えている。特に市況が動く時にありがちな『自分さえ良ければ病』は、瞬く間に伝染するのだから、大手ボックス含めた経営者のモラルが問われるところ。もっともある大手ボックスに言わせれば「こちらは何の要求もしていない」そうだから、シートを売る側の責任は重い。
 ▼「0123」、どこかのコマーシャルみたいな数字。板紙・段ボール業界でも西の方で少し前から耳にするのがこの0、1、2、3である。いくらなんでもここまでは無いと思うが、今頃になってこんな数字が出てくる辺にも今回の一連した価格修正の結果が出ていそう。古紙は何となくきな臭いし、その他色々と目が離せない。特に秋を控えた板紙の動きには要注意。(山)
 
5月17日付
2012-05-14
 『でき婚』、テレビではよく耳にしていたがまさか身近で起きるとは…。親の目からは奥手に見えた長男である。工学部卒業後、親が勧める製造業を「つまらない」と足蹴にさっさと金融業界に飛び込み、以来、関西勤務を続けて5年目だ。帰って来ても、友人宅を泊まり歩き、家ではただ寝ているだけ。長女や二男と違いおねだりする事なく、記者が大阪出張時にたまに食事をするぐらいで、あまり会話も無かった。
 夜、電話で「あのさ、俺、結婚する」と切り出された時は、一瞬、『交通事故か』と間違えたほど。しかもその理由が「出来ちゃったから」これにはさすがに驚かされた。「相手は、どこの人だ」「いつ生まれるんだ」と焦る頭で矢継ぎ早に質問してもひと言ふた言で終わってしまう。何事も臆することなく経験してきたからなのか、親よりは大物のよう。
 そんな心配をよそに連れてきたのは大阪生まれ・大阪育ちの可愛らしく清楚な女性。思わず「うちので本当にいいんですか」と口走ってしまった。そう言えば2年前に嫁いだ娘にも、相手の父親は「うちので…」と何度も言ったそうだから、概して男の父親の気持ちとしてはこんなものなんだろうか。
 『子育ての究極の目標は子供を自立させること』これが最後の役目であり、まして今回は頂く方なのだから、素晴らしい娘がひとり増えた事を素直に喜んでいる。  (山)
 
5月7日付
2012-05-07
 『TM450』、トーモク技術陣が独自のノウハウから完成させた世界最速のコルゲータだ。生産性のみならず、品質や小口対応など市場の求めるニーズに合わせて開発したのも同社の底力。ひと目世界一のマシンが見たく、稼働中の館林工場を見学させて頂いた。
 各ユニットに革新的な技術を採用し、形は通常のコルゲータと同じでも全くの別物。2500?幅・最高速度450?で瞬時にロットを替える。目の前をビュンと移動する巻き取り原紙、出来立てのシートは流れるように製函工程へ。滞留が全く無い。この他、騒音・環境対策など注目すべき取り組みは数多い。時間をかけて技術を研鑽、ぶれない軸を築き上げていたから、成せる業なのだろう。
 経営でも研究開発でも問題解決の重要な鍵はやはり人材である。人を鍛えれば組織も鍛えられる。一人ひとりに高い意識を植え付け徹底させるのが館林工場内の錬匠館や厚木工場の販捷館、漠尚館だ。新マシンの影響も大きい。やはり頂点の技術力は若いスタッフの自信につながっている。
 既存の設備に甘んじる事無く「新しい技術、未知への挑戦が段ボール産業の発展につながる」(斎藤社長)として果敢に挑戦、成功を納めたが、今後も研究開発には邁進する。バブル、失われた20年を経た今の日本に不足がちな『物作りへの熱い情熱』、トーモクからは強く感じ取れる。(山)
 
4月27日付
2012-04-24
 ▼段ボール機械のミニバブルが始まった2年程前は、良くて2、3年だと思っていたが、今年も国内主力印刷機メーカー5社の受注は満杯状態。「国内はいずれ…」と考え、海外に目を向け始めたメーカーもあるが、予想以上に引き合いは多い。しかも機械性能は格段にアップし生産性や精度向上は当たり前に。FFGで2ピース、素通しなど変形箱の生産も可能となっている。
 ▼そんなFFGを導入したA社、「機械を回す為に人が振り回されてはしょうがない」と言う。設備投資は必要だが「余力が出来ても回す事ばかり考えず付加価値の高い仕事に振り向ける事が大切だ」とも。大手企業は高速・自動・省人化を進めており、こことまともに競争しても敵う訳がない。中小段メーカーやボックスの生き残りは仕事に価値を付けて行くしか無い。
 ▼ボックス役員が、「定時前に仕事が終わったら従業員は帰します」と話していた。2時間早く終わっても、定時までの賃金は必ず支払うと言う。ダラダラと仕事をされても困るからだが、どんな仕事にもリズムみたいなものがある。「仕事が減って速度を落としてしまうとなかなか前の速度に戻れない」とも聞いたが、レベルが下がっても気づかずそれに慣れてしまうのが一番怖い。ちなみにここの従業員は自主的に1時間早く出社し、自分の操作する機械を清掃しているそうだ。(山)
 
4月17日付
2012-04-16
 ある段メーカーが「うちの周りのボックスは強い」と話していた。シートが6円値上がりしても、うまくケースに転嫁しているのだ。「この辺が、工場長や事業部長クラスとの差」だとも付け加えたが、基本的に会社が損をすればモロ自分に降り掛かる訳だから、危機感を肌で感じ、気持ちの持ちようが違うのだろう。
 10万平米ほどの小さなボックスでも
 
4月7日付
2012-04-09
 △さんと飲むと昔話に花が咲く。「昔の事を話すのは歳をとった証拠」、こんな言い方もあるだろうが、多くの仕事仲間と遊んでいた頃の思い出は、笑いながら何時間でも語りあっていられるから不思議なものである。その筋では一番、顔が利く△さんだが、「出来ないものはやらない」「頼まれた事はきちんとやる」「理不尽な要求は蹴る」から、信用が高まり仕事も集まってくるのだろう。
 出来そうで出来ないのが、この『理不尽な要求を蹴る』事である。「言えば値段が下がる」と思っている買う側が悪いのか、「言われるままに値段を下げる」売る側が悪いのか。段ボール側としてはただでさえ利益率が低いのだから、「目先の仕事を確保したい誘惑を抑えなくては」(段メーカーA)ならないし、安値競争への参入は自らの首を絞める行為だと、頭に叩き込む必要がある。段ボール会社が儲からなければ、機械・抜型・製版など段ボール産業に関わる全ての企業へ皺寄せしてしまう。
 さて、進んでいる製品値上げ。シートは決着がつき、ケースもある程度の見通しはつけたようだ。その状況を関東周辺で取材したが「利幅となると…だが、まあ満足」(大手営業)。一方、数量狙いのメーカーと入れ合う得意先ではいまだに未決着も。しかも一部で「段原紙、再値上げ」なんて噂話も飛び交っているのだから驚きが…。      (山)
 
3月27日付
2012-03-26
 ▼「大手段メーカーと中小経営者では値上げの受け止め方がだいぶ違う」、こう話したのは関東地区のA社長。確かに大手で聞く状況と中小からの取材では大きくズレがある。終盤を迎えたはずの製品値上げについても、「まだまだこれから」と言い切った。大手との違いはどこから来るのだろう…。
 ▼同じ地域のB社では、「複数の大手ボックスが拡販に動いている」と言う。背後に一貫系がいるそうで「シートが上がっているとは思えない価格でさしてくる」。状況説明を親会社幹部にしたものの「社長の耳に届くのか」。今のうちに末端までビシッと締めておかないと、数字が明らかになった時に…。
 ▼大型・高速コルゲータの稼働が相次ぐ中、「生産量が思っていた以上に伸び悩んでいる」(一貫営業)。2200、2500幅で350?となれば、普通に回しても中小段ボール工場のほぼ2倍の能力。値上げ後の乱れを心配する声もあるが大手ボックスは「まずは今の値上げ」とした。先に自らの襟を正すべきなのだが…。
 ▼友人がシンガポールで袋関係の仕事を立ち上げ来年で満25年。たったひとりで筆舌に尽くしがたい苦労が多々あった。それでも今では同国で唯一存在する製袋メーカーに。「これから儲けて下さい」と笑いながら話したが彼の逞しさにはいつも頭が下がる。健康に気を付け、25周年を一緒に祝いたい。(山)
 
3月17日付
2012-03-19
 「製品値上げがひと段落したら一杯やりましょう」、年明けからこんな会話を段メーカーやボックスと交わしていた。当時はまだまだ足並みが乱れて手探り状態。「春先には気持ち良く飲みたいですね」と別れ際に言われても『4月までの達成』に確信があったとは言い切れないでいた。潮目が大きく変わったのは2月に入ってから。シートは一気に動き、3月には遅れていた地域でも新値が浸透した。「C5で50円以下を一掃できた」と段メーカーは底上げした感がある。
 その先のケースはどうだろう。早くから進んでいた地域では、2月に「ほぼ終結宣言」(九州中堅ボックスA社)が出た。一方では、「シート上昇分を100%転嫁できるか微妙だがとにかく値上げに走る」(関東ボックスB社)と、2月中旬から動き出した会社も。全体的に「南が早くて北が遅れた」(一貫営業幹部)格好ではあるが、その遅れた関東でも青果物を中心にする地域では進行状況も悪くなかったようだ。
 今回の値上げについて、あるボックスは「原紙値上げをするための古紙価格いじり。皺寄せはいつも我々中小ボックスに向かう」と話していた。広域ユーザーに対しても強気の構えを崩さなかった一貫や大手段メーカー。成果は現実に出ているし、後ろ指さされる事も無いだろうが、大手は各社ともにしっかり脇を締めて仕上げたい。     (山)
 
3月7日付
2012-03-07
 ▼「現状、安定価格というなら?2万円前後」と大手古紙問屋役員。事業を安定的に進めるために必要とのニュアンスだ。段古紙?1万7千円はそれ程、理不尽ではない。
 ▼「輸出価格の高騰で段古紙価格が上がったことが原紙値上げの理由なら、輸出が下がり理由が消えた」との声は少なくない。タイミングが悪かったのは事実だが、古紙業界が安定して初めて板紙・段ボール業界は安定する。仕入れ環境、段古紙は余剰すること、「ゴミを資源に」という流れを考慮すれば「国際マーケット高騰の影響は受けるが、急落した時、国内価格を極端に下げることはできない」のが現状と認識する必要はある。
 ▼大手エンドユーザーは、原材料高騰を一般消費者向け商品に転嫁することが極めて難しい。まして今はデフレとして「値上げ理由がそのまま値下げ理由になる。だからこそ明確な理由を」と。切実かつ的確な指摘だと思う。ただ、段ボールにとってリーズナブルさは特長だが、限界を超えた安さを求める動きが少し度を越しているのも事実ではないか。
 ▼シート・ケース値上げが進む中、ある中小ボックスメーカーは「シート価格は(量が少なく)上げ幅が大きい。一方で小規模の仕事に大手、中堅が(量の力で)参入してくる。従来の住み分けが崩れ苦しい」と口にした。「業界の底上げ」が本当の意味で進む値上げになればいい。 (浮)
3
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120