板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2012年 段談

 
4
 
2月27日付
2012-02-27
 ▼「動き出したら早かった」とは関東圏の中小段メーカー。2月初めに遅れていた段メーカーでも営業へ指示が出たとかで、周りのボックス含めて値上げに弾みがついている。もっとも言われているメーカーの動きが遅かったからずれ込んだ訳では無い、と記者は思う。古紙や価格に対する戦略、ボックス事情など複雑に絡み合い多少の時間はかかった。それでも早々にシートの新価格体系が見えて来た。(日経は2月9日付けで下値6円上昇)
 ▼「2月に入っても見積りも出さない段メーカーがある」とはボックスA社長。名前を聞けば誰でもわかる□で、市況が動く度に取沙汰され、「今回に始まった事ではない」(段メーカーB社)。ボックスC社はメイン仕入先を□に変えたそうだが『同類』との声も。原紙値上げに反対だったにしても、既に上がっているはずだし、いつまで安値販売を続けられるのか…。
 ▼2月7日付け日経新聞に『印刷用紙の輸入急増』とあった。昨年の輸入品比率は前年比で3・4%増加し、14%を超えている。国内メーカーの値上げ、加えて中国などで生産量が増え、今年も高水準が続く公算は大きいという。段原紙は入って来るようでなかなか入らない。あるユーザーは「原紙は需給を絞ってやり方がずるい」と言うが、そちら側の品質要求が異常に厳しいから、輸入原紙は入って来ないのだ。(山)
 
2月17日付
2012-02-14
 取材後の雑談で、関東圏の中小段メーカーが「2月に入って少しは動き出した」と話していた。ケースでは小口ユーザーが決まり出し、遅れていたシートも「21日もしくは3月1日から動き出す」と言うのだ。「中小もようやく足並みが揃った」とほっとした様子。「原紙は昨年11月21日から上がっている。自分達で上げる(製品)努力をしないで"困ったから後でどうにかして(調整)"、こんな甘い話は通じない」とも付け加えたが、○さんの言う通りである。
 1月末、北関東ボックスの話では「値上げどころでは無い」など、青果物を中心に新規狙いの売込みがひどかった。それでもここまで来たのは、値上げに邁進する大手や中小段メーカーがあればこそ。ボックス社長も「この業界で生き残るには、当然ケースの価格修正が必要」と強調した。「やらねば満足な設備投資も出来ない」のだから。
 中堅ボックス社長も「上がらないままズルズル行けば大混乱に」としていたが、値上げを打ち出せばやるしか無いので、「多少の時期や思惑違いはいつものこと」なのだ。年明けから出ている「原紙が上がったのはいいが額・幅が問題(日経市況)」にしても、値上げ前からは、ちゃんと上昇したのを日経も認めていると言う話らしいから、顧客に1度や2度断られたぐらいで諦めること無く、それぞれ目標目指して頑張ろう。     (山)
 
2月7日付
2012-02-06
 ▼前号『段談』で九州地区の値上げ進捗状況を書いたが、親しい○さんから「本当か?」と聞かれた。疑うほど関東地区では進んでいないのだ。製品は【2月1日から修正】と昨年末に何社も打ち出したはずだが、複数の中堅・大手ボックスで取材すると、段メーカーの営業は「本社からは上げろと言われていますが、現場の判断で…」であり、この範囲では1月末時点で動く気配は見えていない。
 ▼「小口ケースが決まり出した」、「大手ボックスでも思った以上で決着出来そう」とは中堅段メーカーA社長。同じ関東でも大きな違いがあるのは入れあっている業者の違いだ。「今回は時間がかかり段メーカーの被る期間が長い」し、没落価格も改善できずに困っている。業者の差、数量の呪縛から抜けられないのか、動かないのも戦略なのか。
 ▼シートについて、「大手ボックスはどこからでも買えると思っている」こう話した人がいた。原紙はどこからでも買えない状況に近いのに、シートがどこからでも買えるのは、売る人がいるからである。ケースにしてもそう。ネット入札など、原紙代プラスちょぼちょぼ。「商社はマージンさえ稼げばいいのだから絶対に損はしない。泣くのは段メーカー側なのだが、そこに突っ込むメーカーは必ず存在する」とも。自ら頭を下げて不採算の仕事を取りに行くほど、バカな話はないのでは。     (山)
 
1月27日付
2012-01-27
 ▼現在進行形の製品値上げ。南九州へ出張してちょっと驚いた。ケースの価格修正が半数以上も進展していたからだ。鹿児島のA社は「周辺は4、5割。当社は5割以上決まっている」と明言し、熊本のB社も「やるしか無い、この雰囲気が出てから急に動き出し50%以上、2月中旬には100%決着がつく」と話している。しかもC社からは「中部や関東が遅れれば弊害(揺り戻し)が出てきそうで怖い」とオマケ付き。北九州でも同様で、その理由が「こちらは段メーカーもボックスも数が少ないから」だとしたら、何とも情けなく淋しい話である。
 ▼確かに自社周辺段メーカーの出方を「狸ばかり」と表現した社長がいる程、北関東は「動いていそうで動きは鈍い」。中には旧・原紙価格でボックスの仕事(青果物)を奪った段メーカーもあるそうだ。中部では「自動車・電気ユーザーに値上げは言いにくい」と耳にするし、進んでいる地区とは大きな隔たりがある。
 ▼ある社長が「我々が広域を気にしてもしょうがない」と話していた。一貫や大手専業が、広域ユーザーの値上げをどう進めているか、中小段メーカーは「そんな事を気にせずに、自分のやるべき事をしっかりやらなければならない」と言うのだ。値上げを【無理】などと軽々しく言わず、上げる努力をすれば結果は必ず出るのだから、早くに遅れを取り戻そう。    (山)
 
1月17日付
2012-01-19
 「どれぐらいシートが上がっているか」の問い合わせが何件かあった。古い読者の小さなボックスメーカーからだが、どう返事をしていいのか困ってしまう。上がっているかと言えばそうだし、これからだ、も当てはまる。地域や取引条件によって、かなりのバラつきがあるのが今回のパターンである。
 昨年11月21日に出揃った原紙値上げ。「下がる時もタイムラグがあるのだから上がる時も…」ではあるが、その期間は大体2カ月。今月中旬以降は、段メーカーにとって想定外になるのだろうか。
 「A社が動かないから」とB社が言えば、Aは「Bが動かないから」と切り返す。こんな現在、決着済は極小さなボックスか、大手一貫1社納入のユーザーなど一部だけに偏っている。「取りこぼしの解決」(北関東大手一貫)と言うよりも、製品値上げは「新年明けての大仕事」(関東D社)である。
 救いは、多くの中小段メーカーが自らの力で値上げを勝ち取ろうと、積極的に動いている事。「原紙の仕入れでむちゃな要求などしない」(中堅C社)とし、「当社1社でも値上げをお願いし続けている」のだ。
 足並みの乱れも指摘されるが、「○▽が動かないからうまくいかない」など、言い訳作りに使っている面がある。他社への責任転嫁や顔色を窺う余裕など無いのだし、自分から動かない限り、展望は開けない。   (山)
 
1月7日付
2012-01-06
 原紙と製品の値上げ。2001年に10円上がってから4回繰り返され合計37円値上がりしたが、5回ともに原紙は満額、シートもほぼ要求通りに修正された。以前は原紙が上がる事に反発した段メーカーも、「製品も同時に上がるならば」「加工賃も修正されるなら」、と強い拒否反応を示さなくなっていた。一貫化が進み板紙業界と段ボール業界が一体化している事もあるが、やはり板紙のリーダーと段ボールのリーダーの存在が大きいのだと記者は思う。それなのにだ、なぜ今回はすんなり決まらないのだろう。
 まず、段メーカーにそこそこ余裕があった事。以前のように赤字ならば同じ方向を一斉に見るが、少しでも利益が出ている仕事を、下手に弄りたくないのだ。ただしこの余裕も当初より増えた協力金があってこその話で、「値上げに動かないのならば、1〜3月は止めてもいいのでは」(中小段メーカーA社長)と、ごく健全な経営者も存在する。
 総合製紙と板紙専業の思惑違い。新聞古紙を触りたくない総合製紙と段ボール古紙のみの板紙専業、この差が「スタート時点の足並みの乱れからシートにまで続いている」(段メーカーB社)。ここに過去にシェアを落とした一貫の数量奪回まで絡み、某中小段メーカーをやり玉にあげる人までいる。本年を素晴らしい年にするためにも、値上げに邁進するべきなのに…。(山)
4
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120