板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2020年 段談

 

2020年 段談

2020年 段談
3
 
6月7日付
2020-06-22
 ▼『収束』はあっても、『終息』はない新型コロナウイルス。今後、社会経済活動の変化が否応なしに進むのか。可能ならば、意識しつつも、従来の日常に近づくことが望ましい。誤解を恐れず言えば、心理的、行動的にインフルエンザと同様になれば…。にしても様々な制約はしばらく続く。業界の媒体として今まで以上に役割を果していきたい。
 ▼加工食品とともに、コロナ禍で伸びている通販向け需要。その物流現場への包装システム提案は大手中心に、プレーヤーが出そろってきた。まだまだ増える大型物流拠点、そこでの合理化、省人化の観点から、ニーズは高い。先行する欧米システムを倣った点は共通するものの、各社特徴を持った提案を進めている。全体でみれば通販向け需要は依然限定的とはいえ、伸びしろを考慮すれば、システム導入と、これとセットのシート、ケースでの大ロット納入といった構造は先鋭化していくはず。通販業界の集約、寡占化も後押しするだろう。大手飲料ユーザー案件と同様の、全国展開する大手同士の競争は既に始まっている。
 ▼飛沫飛散防止用段ボール仕切りの製造にいち早く取り組んだのが多くの中小段メーカーとボックス。地場のニーズを汲んで、それぞれが工夫して小ロットで即時対応する。中小の強さが際立った象徴的な事例だ。未曽有の苦境下、ひとつの光明をみた。   (浮)
 
5月27日付
2020-06-05

 ▼『奪い合えば足り無くなる事ぐらい、分かりそうなものだが』休み明けに、こんなメールが届いていた。ここ何年も数量を伸ばした一貫直系とその子会社に、別の一貫系段メーカーが加わりある地区で争奪戦を繰り広げているのだ。『△は□と○が悪い、□は△にやられた』、自分の行為は棚に上げ、『責任は相手にあると言っている』。近隣の中小はそのとばっちりで、軒並み仕事を奪われているのだから、ホント馬鹿馬鹿しい。『シート売りは特に酷い』とも書かれていたが、その通りで夏に動かす一貫系段メーカーの新工場は、親会社の威信をかけ『垂直立ち上げを目指す』(一貫関係者)予定であり、シート販売は貼合メーターを稼ぐに手っ取り早い手段。しかもその会社の経営陣は過去にない強力な布陣、今後も取り合いは続くのだろう。新型コロナの影響で世の中の仕組みまで変わりそうな時に、こんな旧態依然としたやり方で良いのだろうか。『覇道でなくても、王道で充分なのに』、こんな中小の言葉は届かないのか。

 ▼3月の段ボール生産量(速報)が全段連から出され、前年比100%だった。小紙4月27日号に『大手8社が軒並みプラス(1社のみ95)、中小の多くが二桁近いマイナス』、と書いたが、全体の均された数字を見ても実態がよく分かる。さて、4月の大手生産量8社を見ると6社が98、99、100%である。稼働日が一日多いからそれなりに減っているように見えるが、『前年は大型連休で仮需がかなりあったので、それを加味すれば通常の数字』と見る向きも。それに比べ中小は前後が多く、二桁マイナスも。しかもGW明けはより厳しさが増している。      (山)

 
5月17日付
2020-05-28
  ▼4月27日1面記事〝一貫との格差、更に拡大〟〝細る中小の仕事量〟について、読者からメールや電話を頂いた。中には『社名ぐらい、はっきり書いて欲しかった』『給料だけ貰ってハートを注入しない一貫のサラリーマン幹部、役員は退場させないと』などちょっと過激な意見もあったが、業界に対する〝想い〟は共通だった。ここで細かな内容を紹介する事はしないが、大手の一部含めて共感してくれたのだから書き手としては嬉しい限りである。一点気になるのは、『一貫に怒るなり文句なり、反応があれば良いですが、無くなったら業界、正に終わりですね』といったメール。『小さな業界紙のこんな記事、関係ない』で無視されたら…。
 ▼ごく最近、一貫本体に利益率の高い得意先を狙われた中小段メーカーがある。ただでさえ2ケタ近く落としている中で、この仕事だけは無くす訳には行かず仕方なく価格をあわせた。なぜこの混乱期にこんな事が起こるのだろう。新型コロナの影響から大手の得意分野で特需が湧き出しているのだから、中小の大事な仕事にまで手を出さなくても、と誰もが思う。しかも中小から奪った仕事を自工場でやらず(ロット、納期などの条件があわず)別の中小に『やらないか?』と振る、こんな話まであるのだから何をか言わんや、だ。ちなみに振られた中小、即答で断っている。『業界にとってのストレスはコロナより□と△』、ある地方の段メーカーはこのように言うが、業界健全化には力ある一貫の是正された行動あるのみだ。
 ▼4月27日に駆け巡ったのが、新型コロナ関連。某所で出入り業者が発熱し陽性か陰性か結果が出る前に、大事をとって1週間ほど止める決断だったとか。この病気は気をつけていてもいつどこで誰が罹ってもおかしくない。自工場で発生しなくても、思わぬ所にリスクはある。30日耳にしたのは診断結果で【陰性】、5月7日からはなんら支障なく、通常業務なのだから本当に良かった。 (山)
 
5月7日付
2020-05-19
 ▼上野駅で下車し湯島の事務所まで10分ほど上野公園を通る。その一角にホームレスに近い男女7、8名のグループがいる。交番のお巡りさんも公園管理者も注意などほとんどしないから、朝早くから酒を飲み好き勝手にやっている。4月初め『コロナ』と聞こえた。今はどうしても反応するし、この人達からその単語、と思ったが、よく聞いていると『早くに罹ればいい。今はまだベッドも空いている』。良いか悪いか別にして、公園にいても気になるんだ、と納得した。自分は罹らないと思って駅前でバカ騒ぎする学生、繁華街から朝帰りする若者よりは…。
 ▼『コロナの影響、大手段メーカーではほとんど無いのでしょうか』、ある人からの問い合わせだ。先日も同じような電話があった。外出自粛により巣ごもり、スーパー等では冷食・カップ麺などが品薄傾向、通販での購入も増加する。当然これらを輸送する段ボール箱も増える、につながっている。ここ数年、ユーザー業界でも勝ち組、負け組がはっきりしているようで、勝ち組ユーザーは大手段メーカーと取引き、と言った図式も背景にあるのかも。しかしオーナー系段メーカーやボックスを回っても『増えた』『増えそう』は皆無である。この大きな違い、価格戦略(中小=仕事量が少ないから価格は守る、大手系=量で補う)にも出ているとしたら…。 (山)
 
4月27日付
2020-05-12
 ▼広がる新型コロナ、4月11日には全国の感染者が6千人を超えた。この日は通うミュージックスクールでも千葉県で職員が感染、首都圏のクラス全部の休講期間が更に延びた。小紙においても従業員はもちろんだが、新聞を刷る印刷工場、読者の皆さんに発送する発送所に何かあれば、と気がかりな毎日である。一般紙の大きな印刷工場と違い、今は小さな輪転機で業界新聞を刷ってくれる会社も少ないのだ。
 ▼ロックダウン(都市封鎖)、オーバーシュート(感染者爆発)、クラスター(集団感染)、テレビで朝晩聞かない日が無いほどこの単語は溢れている。聞きなれないカタカナで、初めて耳にする人も多い。横文字にコンプレックスのある記者には何となくスマートに聞こえ、意味の持つ怖さが伝わりにくい。高齢社会の日本なら尚更で『感染爆発』『都市封鎖』とズバリ言った方が効き目は大きいように思う。また『前例のない対応』とも最近よく出てくるが、前例好きのお役所仕事だけに難しそう。布マスク2枚配るのも…。
 ▼首都圏を中心に展開する鮨屋、湯島と上野にも店舗を構える。上野は大型店で昼間はもちろん、朝から近所のボーイやホステス風の男女が酔っていたほど、客入りは良かった。4月の初め、昼に湯島店に入った。カウンターの板前がひそひそと話している。『昨日はあの上野店でも〇円しか売上げが無かったそうです』と言えば、年長者は『もうとっくに原価割れ』と。一番安いランチを食べたが、おしぼりを2度、度々お茶を差し替え、『足りないものはございませんか』。12時を過ぎていたが帰るまで誰一人入らなかった。『また来てください』店の外まで店長と板前が出て最敬礼された。こんな対応無かっただけに、飲食店の現状、いかに大変なのかよく分かる。 (山)
 
4月17日付
2020-04-27
 ▼『原紙メーカーでも製品部隊を持つ一貫と専業では販売戦略に大きな違いがある』とは、多くの段メーカーの意見である。しかもここ数年、一貫はグループの加工度(製品シェア)を高めて年々内製化を進めているが、反対に製紙専業の販売先である中小をはじめとする専業段メーカーのシェアは極一部の企業を除き大きく低下した。これは製紙側も実感している事だ。では、専業製紙が専業段メーカーと過去のように密接になるかどうか、と言えばある程度の距離を持ち始めると思う。距離ではなく取引相手に対しての温度差、『キチンと経営しこれからも安定した得意先であるならば』と言った所であろうか。〇〇〇もまた然り。
 ▼専業段メーカーへの売りが減れば、代りの販路を見つけねばならない。段原紙は段ボールにしかならないのだから、客先も絞られる。最も考えられるのは伸び盛りにある東南アジアを中心にした輸出。たとえ増産メーカーであっても日本国内で全部捌いて需給を乱すより、外に売りたいはずだ。対一貫で見れば、直接ユーザーへ売る手だてもある。もっとも海千山千のユーザー、絡め取られては何もならない。それでなくてもある大企業は中小段メーカーに『うちで原紙を供給するから製品を安く』と声掛けしたそうだ。個人的な気持ちとしては、やっぱり『専業は専業同士でしっかり結びついて』なのだが…。
 ▼前々号で触れた北越コーポレーションの段原紙、段メーカー等あちこちから色々と入ってくる。大消費地である関東圏をカバーすべく、埼玉県に拠点(倉庫)を持つと言う。その効果なのか中小有力段メーカーが扱う話まで浮上する。オマケが購入する古紙価格で『○円で買えれば紙も安く売れるよね』。売り先の細る古紙屋さんからずい分安く入ると、関係筋での噂話である。製品の需要が伸び悩む中で定かでは無いにしても、指定・支給紙の価格に、増産・参入メーカーの動向、何だか波乱含みになっている。 (山)
 
4月7日付
2020-04-17
 新型コロナ拡大の影響で業界関連のイベントも次々と延期となっている。経済への影響はリーマン・ショックに匹敵する?との声も聞かれるように。ちなみに2009年の段ボール生産量は07年比で10%減、同程度の落ち込みは想定する必要があるのかもしれない。
 もっとも現状に限れば、飲料、加工食品等、巣ごもり需要で減っていない。これらの多くが、大手の主戦場。ここまで昨年対比で概ね、現状維持程度なのも頷ける。中小およびボックスでは、得意分野によっては2割以上落としている所も出てきたのとは対照的だ。
 かりに前期末(20年3月期)で原紙および段メーカーの狙いと要望を加味した動きがあったとしても、それぞれの話を聞く限り、少なくとも現状で原紙、シートともに市況が動くことはないはずだ。
 ただし、今後、新型コロナの影響ではなく、これに端を発した、本格的なリセッションに転じるようなことがあれば、総じて需要は減って、ユーザー要求は厳しさを増す。先方からすればこれまで耐えている状況なので、なおさらだろう。
 川上をみると、2月の原紙輸出が7万㌧強と驚異的な伸び。中国向け増加、台湾一貫の外部買い強化などが要因という。古紙、原紙の連携による輸出拡大は、国内の需給バランスにつながるのだが…。とは言ってもやはり新型コロナ次第では市況全体の悪化が懸念される。 (浮)
 
3月27日付
2020-04-06
 ▼そろそろ新規参入・北越製紙の段原紙が出始める。新潟県内で大手やオーナー系含めて数社に中しんが決まっている、と耳にしたのは1月中頃。先日は中小段メーカーに、ある代理店が複数の北越幹部を連れて来たそうだ。社長が『売るの』と聞いたら、代理店の返事は『扱いません』だったようだが、ここと身内の流通以外でもう1社が扱うとの話が、他からはあがる。工場の場所や品種によって、また『価格は落とせない』(流通筋)中で、使う段メーカーがどこまで出て来るか。従来の取引先製紙との兼ね合いも加わるから、更に悩ましい。
 ▼一方、指定・支給紙、○○会含め色々と話題になっているが、キナ臭い話も出始めた。増やしたい一心からか□が取った価格は□円と一部で流れたが、はたして現況でそこまで出したのだろうか。いずれにしても『市況にだけはしたくない』が、段ボール、製紙共に頭にある。この話この価格、本当ならば専業段メーカーは…。
 ▼ある社長のメールは『ここ何年も仕事量を落としている』から始まった。価格が変動する度に減っている。原紙が上がり製品に転嫁し落ち着いた頃、『値段が通りほっとしたと思えば一貫系から横槍が入る』と言う。前回、前々回あたりの原紙値上げから顕著に。つい最近も営業からの日報に『A社はボックスBに、2000平米以上は〇円引きます』と書かれていたそうだ。元々この地域は競争が激しく運賃もほとんど出ない価格帯、それを更に下げると言う。同社はこのボックスから手を引いた。
 ▼『一貫やその系列でなければ、ここまで出来る訳が無い』、中小は皆そう思っている。『段ボールが無ければ物は運べない、災害があればベッドとして役に立つ』、この業界の人は誇りを持って仕事をしているが、その価値を自ら落とす行為を、プロが分からぬ訳が無い。西日本の中小社長からは『自分達グループさえ儲かれば、大きくなれば良い、この戦略でやっていたら…。無い知恵を更に絞らねば』とあったが、数字を見ればその通りかも、『数社を除く大手生産量の伸びには驚く』。大手も2月は一日稼働日が少なく減っているが、減り具合は中小の比では無い。
 ▼中小は単独では何をするにも限界がある。提携やアライアンス、その話は以前から出るものの実際の動きになると、まだまだである。そろそろ本気で考え動く時期ではないだろうか。 (山)
 
3月17日付
2020-03-26
 ▼日経が事あるごとに書く〝段ボール古紙一段安〟、そして必ず記事の文末あるいは別見出しで〝原紙価格に下げ圧力〟とある。最近では2月15日朝刊に4段抜きで出た。シートなど製品価格の扱いにしても同じ。業界をよく知らずに『憶測で書くな』とコラムで指摘してきた。読者からも圧倒的に『その通り』との声が多いが、先日はこんなメールを頂いた。『製紙側のトップは口を揃えて〝原紙価格引き下げなんてとんでもない〟と言っているが、子会社(段ボール)がシート価格を下げている現状を知っているのでしょうか』と。
 ▼段ボール側は、日経を読んだユーザーから『原材料(古紙)が下がっているのだから』と揺さぶられ、片やシート販売では仲間から泣かされ、ダブルパンチである。『古紙が下がって良いのは原紙であって、段ボール専業には全く関係ありません』と説明しても通じにくいと言う。メールには具体的に新工場が稼働するある地域で、一貫名と販売先からその価格まで具体的に書かれていたが、とても紙面に出せる価格じゃない。
 ▼『価格修正がある程度通り落ち着きを見せた頃、量を狙う体制に入る』、毎回、同じことが繰り返される。今までと違うのは、原紙が全く崩れていないのに段ボールで動きが出始めている事だ。大手一貫が『競争の行く末に勝ち残るのは資本力』と分かってやっているとしたら、とんでもない話である。『原紙は下げず、段ボールの価値は自ら下げる』、一貫グループの中で真逆の動きがあるように思う。 (山)
 
3月7日付
2020-03-19
 ▼年初めから仕事量が少ない。全国的にそんな感じだ。『メートルが伸びない、今日は3時過ぎに止まった』と耳にする。他社の仕事に手を伸ばしたくなるのもこんな時期。実際、特値に対応した動きが取り合いを引き起こしている。自分より規模の小さな会社が狙われる。まだ市況に影響していないものの、シート販売には『不安が増す』と聞く。原紙の状況に変化は見られない。〇〇金の名前が△△金と言い方が変わったくらいだ。どこで聞いても、ガチガチの強さで崩れる気配さえ感じない。段ボールだけ売り急ぐなんて…、自殺行為ではないか。
 ▼リニューアルや強化で1工場に40億円も注ぎ込める一貫系□。中小の何年分に相当するのだろう。M&A前は少額の投資でも親会社の許可が必要らしく、しかもそれさえなかなか下りなかった、と聞いていたのだから様変わりだ。同じグループの△にしてもそう、ここには総額20億円が投資されるようだ。売りたくなる訳だ。
 ▼ネット販売で引っ張りだこの人気商品、他社が値上げすると自社の製品価格もそれに釣られて自動的に上がって行くシステムがあるそうだ。『今はマスクなんかそうですよ』とは、段メーカーの専務だが、『段ボールもそうなれば』と横で聞いていた社長、『いやいや、段ボールの場合は自動的に値下がりしてしまいますね』で話が終わった…。これが業界の現状か。 (山)
3
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120