板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

記者メモ

 

2024年 記者メモ

2024年 記者メモ
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4月27日号「初の中国で思うこと」
2024-05-08
▼『過去の取引条件もあって、売価ベースもそれぞれで、当然ながら値上げ内容も変化してくる。特に原紙が上がるわけではないので、今回は慎重な対応が求められる』とは大手段メーカーの一角。時期を明記していない会社もあることから、ジワリ、ジワリ転嫁を図っていく戦略となるのか。しかし、何らかの狼煙、さらに言えば起爆剤がほしいというのは、今の偽らざる本音でもある。
▼4月7日から1週間、中国・深センおよび近隣の佛山市を訪問した。遅ればせながら初の中国。未知なものには想像が広がるのが世の常だが、『うーん、やはりな、日本製の方が…』と感じたこともある一方、良い意味で、裏切られた点も少なくなかった。段ボールメーカー、機械メーカーの個別訪問取材、WEPACKと、追って詳細を特集するが、段ボール関連に限らず、分野によっては、いつの間にか日本の先を走るその背中に、焦りを覚える感覚もあった。一長一短だが、スピード感は明らかに異なる。
 科盛隆とハンウェイの技術提携、その先のフレキソ・デジタルハイブリッド機。今日本で必要か否か、その性能、メンテナンス等々、考え出したら色々と?が浮かぶこともあるが、とっさに、かつてのテレビデオを思い出した。片方が壊れたら、かえって面倒で、ビデオ自体もなくなったと言えば、結果的な成否の判断は分かれるかもしれないが、当時まだ小学生だった記者は、その登場にドキドキ、ワクワクした。今回、中年オヤジが、科盛隆の何会長から開発について直接聞いて、この時と同じ気持ちになったのは事実。と同時にテレビデオを発売したのが日本メーカーであり、それを経済のけの字も知らぬ少年が、当然のことだと受け止めたこともやはり思い出した。 (浮)
 
4月17日号「価格調整に変化あるか」
2024-04-29
 3月は予想以上に悪かった。元々、稼働日の絡みで前年比では苦戦するとみられていたが、残念ながら需要自体も芳しくなかった。大手も苦戦している会社が多く、前年比で90台前半は当たり前、中小はさらに厳しい状況だったようだ。新しい期となり、もういい加減に下げ止まるとみている(期待している)が、値上げに向けて本格的に動き出し始めたタイミングとあって、『量云々ではなく、純粋にコストアップと向き合う状況である方が…』との声も聞くが、ここは値上げによって需要減のカバーも含めて、事業良化に向けた推進力になるとポジティブに受け止めたい。
 期末と言えば、原紙の期末調整も気になるところ。今回の製品値上げがどう影響するのか。『これによって、かなり引き締まった』と捉える向きは多い。そんな中、『もうそんな時代ではない。早く止めるべき』と強調する業界関係者の言葉は重い。価格の後決めが業界自体を良くすることはないとの意見には共感するし、それを実行してもらいたいとも感じる。一方で、原紙価格(市況)の維持、板紙・段ボールの協調路線と果たす役割があるから、続いているのも事実。さらに言えば、段ボール製品市況(値上げ時含めて)にも重要な役割を果たしている点は無視できない。そういう意味でも今回の単独値上げが、段ボール自体のコストアップを段ボールだけで業界外に強く転嫁できるきっかけになれば、何らかの変化が見られるのかもしれない。(浮)
 
 
4月7日号「やり切るか、製品値上げ」
2024-04-19
▼段ボールは主原料(原紙)が上がらない限り値上げできなかった。もちろん原紙が下がった場合は製品まで引きずられて値下がりする。原紙価格が段ボールの大部分を占めるのだから当然である。しかし最近は、副資材や物流問題、雇用・賃上げなど様々なコストアップ要素が複雑に絡んでいる。『これまでの交渉では出なかった項目が出始める』、今年に入ってこう話したのは、今まで『原紙上昇以外に値上げ交渉なんて』だったはずのある段メーカー役員だ。
▼ダイナパックの齊藤社長は2月に行った本紙インタビュー(3月7日号)で『一時的に大きな賃上げを行うのではなく、継続的に4%の賃上げを実施出来る様にすることが、業界に身を置く経営者の責務だと実感している』、と言い切った。齊藤さんらしい前を向く発言だが、確保できても維持していくのにお金が掛かる訳だ。一方『段ボール機械も少し前に比べずいぶん高くなった』とはボックス経営者。人手不足から機械化に逃げるにしても資金が、中古設備で対応してもメンテナンスに費用が嵩む。しかも工場環境を働き易く改善していくためには大きな投資が必要である。
▼大手段メーカーの発表が相次いでいる。『箱がどんどん高くなったら使われなくなりそう』、と心配する声(記者もそんな一人だったが)もあるが、これからはそんな時代ではないのかもしれない。流れは『大企業だけでなく、中小企業も継続的な賃上げ』。3月初旬の日産自動車に対する下請法違反勧告にしても大きく関連している。これも段ボール製品単独の追い風になればと思う。
▼3月13日に日経が掲載した4段見出しの大きな記事”段ボール原紙に過剰感”。『ユーザー側の相殺作戦』『多大な損害を被る』(段メーカー)など笑えない話だ。最後には『段ボールシートなどは一部で値下げもみられる』と余計なおまけまで書かれていた。日経は16年3月21日、下がってもいなかったシートを2円下げ段ボールシート市況を実勢価格にあわせようとした。あまりにも市況欄と乖離があったからだ。このいい加減な日経市況を指標とするユーザーもあり、当時、業界も少なくない被害があった。今回の記事にしても、在庫は『売り急ぎもない』し記事内のコメントや動きも新しそうにない。『淡々とやる事を進めればいい』と話す経営者がいた。確かにそうだ。
▼『散々嫌味を言われるのだから早く出せばいいのに』とは王子コンテナーの値上げ発表。13日の全段連理事会を森と共に欠席しグループ会議に。22日出した文面には労務費、人件費などあえて記載せず。グループ他社から異論があった、無かった?今の流れは『利益を上げ、従業員に還元』だろう。 (山)
 
3月27日号「見えている風景の違い」
2024-04-04
 出張帰りはハイボールでも飲みながら、新幹線の車窓からの景色を眺めるのは至福の時。都市部を抜ければタイムスリップしたような日本の風景に心奪われるが、ふと考えれば、そこからこちらを見れば記者の呆けた顔までは見えないものの、時速300㌔の最新鋭マシンが数分おきに駆け抜けているわけで、視点によって随分と見え方が違うわけだ。
 段ボール製品値上げもレンゴーに続いて大手各社が追随してきた。今回段ボール特有の要因だけでなく、労務費と協力会社への価格転嫁はむしろ、ケースユーザー含む他産業の大企業にとって共通する課題である。語弊を恐れずに言えば、簡単に認めてくれるかは置いても、大手同士、見えている風景がかなり近しいというのが今回の値上げの特長だ。全体経済の底上げという使命も担っているわけで、中小段メーカーの『まずは大手同士の交渉の行方を見てから』が多いのにも頷ける。もちろん、中小も人件費だって上げたいし、人手不足の解消のためにも投資したいし、物流コストは非常に心配ではあるが、大手と同じ強度で交渉ができるかは、ユーザー規模もそれぞれで難しい舵取りにはなる。『自分たちが動けるような勢いがあれば』というのは本音だろう。
 そしてボックス、今回は同じ産業でも、もしかしたら見え方が正反対かもしれない。原紙が上がらない段メーカーと違い、シートは上がる。ではどの程度の上げ幅で、どれ程の強度での交渉となるのか。一抹の不安を覚えながらも今は先行きを見守っている。 (浮)
 
 
3月17日号「四国の段ボール需要」
2024-03-21
 記者にとって四国は馴染み深い土地。レンゴー愛媛東温工場の竣工式を取材し、内部まで見学できたことは感慨深いものがあった。
 四国の23年の段ボール生産量は4億8128万7千平米で、全国に占める構成比は3・4%と、地域別では、北海道に次いで小さい。需要部門で見て特徴的なのは、青果物および薬品・洗剤化粧品用、日用品はじめその他の製箱用の割合が高く、電気器具・機械器具用や加工食品用が低い点。各県の数量は不明ながら、この需要部門別特徴からも、愛媛県が経済の中心(香川県は決してそうは思っていない)、少なくとも段ボール需要が多い産業に強いとは言える。現に小紙調べでは、四国にコルゲータは計台あり、内訳は愛媛6台、香川4台、徳島3台、高知1台である。レンゴー系、王子系、独立系に、製紙系を加えた市場だ。本土とのインフラは大橋で発達したが、関西、中国地区も市場相応の工場がひしめき合っており、やはり四国内の需要を如何に喚起するかに懸かっている。
 さて、竣工式での大坪会長のコメントにもあるように、同工場はまだまだ拡張の余地がありそうで、四国の4分の1の需要を担うというのも十分可能だろう。願わくは四国経済が縮小せずに、実現してもらいたいと心底思う。(浮)
 
 
3月7日号「レガシー値上げになるか」
2024-03-11
   もしかしたら、秋頃には?と囁かれていた段ボール製品単独値上げ。ここでレンゴーが先陣を切った。知る限りで段原紙値上げを伴わない値上げは初めて。4月以降の物流費、労務コストに、電気代など、段ボール事業でのコストアップ要因が山積していることは周知の通りだが、「原紙代だけで終わってしまった」、前回値上げはもちろん、これまでのほとんどの値上げで、こんな声を多く聞いてきたが、今回、製品だけでどこまで完遂できるのか。噂段階でも「どう動けばよいのか」「正直、戸惑っている」という中小段メーカー、ボックスも少なくない。そういう意味では、レンゴーの動きに大きな注目が集まるとともに、専業含めた大手の追従具合が大いに気になる。「大規模エンドユーザーでの未達部分がターゲット?」「徐々にだが、同社グループ会社も含めて、大手中心に安値が増えていた。価格の下げ止まりを狙っているのか。否、もしかしたら値上げ前提の動きか」「さらなる段ボール離れが起こらないか」など、様々な声が上がっているのも事実。シートはどうなるのか。もしや量を狙う絶好のチャンスと捉えるところもあるかもしれない。ただし、成果を上げれば産業にとって、大きなレガシーになる。(浮)
 
 
2月27日付「不気味な静けさの先」
2024-03-14
「この静けさが、なんとも不気味なんだよね」とは2月半ば、ある有力段メーカー経営幹部。値上げ効果は依然活きているとはいえ、需要を見れば相当な焦燥感を多くが持っているはずだが、安値拡販は一部に留まっている現状を指しての言葉だ。当たり前だが、同氏は値上げ後に、量がないなら、バチバチやって、たちまち市況が・・・という悪循環を望んでいるわけではない。長年の経験と勘から、各々の判断ではあるが、何だか日本的な雰囲気の中、統制の効いた現状への不可思議さ、それ以上にその顛末に不安を覚えているようだ。価格が維持され、需要も春以降、戻れば取り越し苦労かもしれないが、無論、価格をむやみに下げるべきではないが、「ユーザー商品がインフレで販売不振、PB商品化率が高まる中、段ボールだけが価格に対する柔軟さを欠いては、段ボール離れが深刻化しやしないか。と述べるとともに「○%超の包装材比率を顧客がどう捉えるか。最前線の営業は既に直面しているはず。とも。想像以上の静けさが必要以上に硬直化を生んでいると解釈したが、業界の大先輩の見方、皆さんはどう捉えるだろうか。(浮)
 
2月17日号「人材募集に一苦労」
2024-03-11
▼『人がなかなか集まらない』、テレビや新聞はもちろん、身近な段ボール会社からも聞かされる。そういう板紙段ボール新聞も社員を募集する。17年振りの事だ。採用の手立ては、どのような人材が応募してくるのか、はたまた入社するのか。U社長の悩みどころ…。
▼小紙が最初に人を入れようと思ったのは昭和の終わりから平成の始め。10名在籍した社員がみんな60歳前後、30代は一人だったので『若い人がいれば』と単純な思いからだ。当時はバブル全盛で売り手市場。職安を使ったが『どうせ来やしない』と思っていたら一人応募があった。その社員は今でも在籍する。若い人材、コラムニストを集めようと頻繁に朝日新聞の求人欄に出した時期もある。朝日は編集系、読売は営業系、そんな迷信みたいな話も当時はあった。現在は転職サイトなどネットが主力のよう、アナログ人間にはこれもついて行けない。
▼20代の若者10数名が出入りした。書ける能力、気概・やる気を求めていたが、こちらの要求を満たす人は半分もいなかった。書けずに1、2年で辞めていく事も多い。時代は変わり”打たれ(注意・怒られ)弱い”はまだしも、”給料よりも自分の時間が優先”こんな声もよく聞く。知り合いのお子さんは上場企業に勤めるが、副業はいくつでも自由らしい。『会社勤めって何だろう』、”たくさん稼ぎ良い車に乗りたい”なんて、もう死語だ。 (山)
 
2月7日付 「調整で拡販」ありえない
2024-03-06
 段ボール原紙の価格調整。地域、原紙メーカー、段ボールメーカーによって違いはあるものの、ここまでの原紙サイド、段ボール側双方の声を勘案すると、昨年4月以降最終的には概ね㌔○円と考えるのが妥当かと思う。そして現在の段ボールサイドの置かれた環境、つまりは長期にわたり需要が伸びを欠く中、値上げ後の製品価格水準を無理に崩す自らのリスクに加えて、今後の配送費や電気代はじめとした諸々のコストアップ要因を考慮すれば、調整(協力金)の是非は一旦置くとしても、それをもとに無茶な拡販や、安値での横やりに充てることはとてもではないができないはずだ。
 値上げ幅と比較しても○円自体は、決して小さな額ではないと思うが、それに今頼って周りが眉をひそめるような何らかの動きを取るようであれば、値上げ時にしっかりと価格改定に取組んだのかも含めて、『これまでの事業展開についてさえ、疑問符が付くだろう』との段ボールメーカーの意見に強く同意する。大手から中小まで今期(年度)の段ボールメーカーは、増収増益もしくは、黒字転換した決算が並ぶはずだが、来期(年度)についてはなかなか厳しい見立ても増えつつあるわけで、なお更、自制が必要ではないだろうか。 (浮)
 
 
1月27日付「〝憤り〟から〝呆れ〟に変化」
2024-02-14
 ▼『出足は鈍いですね』『あまり変わらない(良化していない)ですね』とは年初に複数の段ボールメーカー。マイナス成長、一巡後は底打ちとの希望も、昨年11月は前年比1・8%減、12月もおそらく…。ちなみに22年12月は前年比97・7%。それよりも昨年12月は、さらに2%強は悪いか?前年並みの会社でも、当初の予定(予算)と比較すれば、相当に悪い状況。如何に業界関係者の多くが今の右肩下がりを意外だと受け止めているか窺える。新年会での挨拶でも強調されていたが、原紙も段ボールも、多くがしっかりと耐えている。そんな中でも皆が『えッ』と言う価格を出す、『点』の動きは聞こえてくるが、それを受けての反応が従来の憤り、怒りから、呆れ、苦笑いに如実に変わってきたのが、現在の多くのスタンスを象徴している。コストアップが山積する中、当然だろう。しかしながら、これ以上長くマイナスが続いたら…との怖さは消えない。
 ▼好調なインバウンド、年末に妻の実家近くの富士吉田に行った際に覗いた土産売場。和菓子のパッケージが、『ハリウッド映画に出てくる日本的な、海外の方から見れば日本らしいが、我々には違和感あるデザイン』に。主観だが、パッケージデザインもインバウンド仕様? (浮)
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