板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2012年 段談

 
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12月27日付
2012-12-25
 ▼設備投資に経費節減、営業強化「やる事はいくらでもあるのに端から諦めている」、こう話したのは中堅ボックスのA社長。家業を引き継ぎ、利益率のひどさに驚きながらも内部から営業面まで改善した。物づくりに教育、システムの見直し等で、今では数量を減らしながらも、利益は業界平均の2倍から3倍をたたき出す。「出来るか出来ないは別にして、ケースはお客さんが取りに来るように出来れば一番いい」、発想自体ユニークだが、正攻法を貫きながら一方では、時と場合に応じて臨機応変に。「ここ5年、利益は○%。もっとあげられると思う」と、目線は更にもう一段上を見つめている。一昨年、フレキソ印刷機をS&Bしたが、3年後にはFFGで新たな計画も。
 ▼来年の機械メーカーは厳しそうだ、と思っていたが、どうしてどうして大手段ボール機械メーカーの受注は依然として好調だ。ある機械販売業者が「隣が設備するからやる訳でも無いだろうが、設備投資意欲は高いまま」と話していた。公開運転の場でばったりあった段メーカー経営者も同様の思いで、「あまり値切ったら、欲しい時に機械が入らなそう」。そう言えば、Mの9尺・1号機は中国地方の段メーカー。アメリカでの販売も好調なようだし、薄いシート対応のFFGも完成、12月中旬に試運転を行った模様。メーカー間の競争は激しさを増す。     (山)
 
12月17日付
2012-12-17
 「ISOWA体感フェア」が大成功のまま終わった。公開運転のように一方的な機械の見せ方では満足せず、「好きな時間に、好きなだけ機械を見て欲しい。会社も知って欲しい」と全部署から8名のプロジェクトメンバーが集まった。社内からこうした声が自発的にあがり、直ちに行動へ移るのも磯輪社長自ら進めてきた風土改革の成果だ。「会社は本当に良くなりました。これを見て欲しかったんです」、会場で若い社員が参加者に話していた。
 工場、事務所を展示会場に見立てて14ブースを設営するなど、業界初めての試みには不安もあっただろうが、全社員が明るく一生懸命に対応、満遍なくもてなす姿は印象的だった。彼ら(彼女ら)の奮闘とその結果は自分自身にとっても、将来への強固な礎になり、ISOWAの成長へつながっていく事は間違いない。
 体感フェア紹介記事を小紙10月27日に掲載し、中で『企業にもファンはいる。得や欲も無く、好きな部分を見つけて応援してくれるファンづくりは大切であり、このイベントもファンづくりの一環』と書いたが、同社がいかにファンを大事にし、また増やそうとしているか、肌で感じた人もたくさんいたはずだ。機械メーカーの本筋は開発にある。スピードに組織力を高めたISOWA、増やしたファンが
 
12月7日付
2012-12-10
 ▼『潮目が変わる』、段ボール業界でも市況の動き始めに使われているが、11月に入って何人かから言われた。もちろん悪い方で。変わった理由はいくつもあるにせよ、危機感がありありだ。特に小さなボックス、元々大手ボックスとはシート価格に○円から○円ぐらい違いがあったが、年初めの値上げでその差は広がり、更に今回の下落で幅は拡大した。「買っている量の違い、と言われればそれまでだが…」と納得できない経営者は多い。
 ▼『段原紙でも同じですよ』、とは流通関係者。同じ地域の段メーカーA社で聞いた原紙価格とB社では若干違うので聞いてみたら、シート価格と同じだと。日頃の取引状態も考慮されるらしいが、「安い原紙を探す会社は、結局、高いものを買わされる」。シートもそうなのだが、「売らなきゃいい」と誰もが思うところにいつも滞りなく納入され、困った様子は全く無い。「売る人は必ずいる」とはO社長、やっぱり売る側の責任も重いのだ。
 ▼ひと月足らずで平成24年が終わる。年明け当初、ごたごたした製品値上げも春には落ち着き、一安心した矢先の公取立ち入り調査。「気持ちが一気に冷え込んだ」(段メーカー社長)人も多かった。来年はどんな年になるだろう。「今年よりも…」との見方もあるが、段ボール無くして日本の物流は動かない。自信を持って頑張ろう。     (山)
 
11月27日付
2012-11-26
 ▼大手段メーカーのA、B、C。Aで聞けば「BやCが安売りして困る」、Bでは「AもCも拡販」、指摘されたCでも「A、Bともに量狙い」とする。原紙が下がったからなのか、大手はどこも動きが活発だ。「来る時が来た感じ」と中小段メーカーは言う。結果(公取問題)が出ない段階で、様子見のユーザーもいる中で、ここまで弱含んできた製品価格。○社長は「今年?まだマシだよ。怖いのは来年度」としたが本当だ。
 ▼極小さなボックスが悩んでいる。25年以上使ってきた印刷機が壊れそうなのだ。今まで修理業者がどんな故障でも直してくれたが、「それも限界に近づいた」。仕事を続けるにはどうしても必要な設備。オーバーホール機の価格を聞いたが、「うちの規模では無理」で、「中古を探すことになる」と言う。まだまだたくさんある小さなボックス、使える印刷機はないのだろうか。
 ▼段メーカーの営業も色々。得意先からの難しい要求であっても、「やってみます」「やらせて下さい」と持ち帰り、素早く何らかの手立てを考えて顧客に応える人もいれば、「無理ですねー」「それはちょっと…」と二の足を踏む営業マンもいる。段ボール箱が差別化しにくい商品ならば、なおさら営業マンの質(態度や対応力など等)は重要になってくる。価格でしか勝負できない営業は、必要無いのでは。(山)
 
11月17日付
2012-11-15
 ▼地域によって業界景況感に違いがあるのはよくわかる。ある機械メーカーの関東担当が「名古屋はいいですね〜」と話していたが、確かに先行きについても関東の見方はちょっと厳しい。「古紙→原紙→製品の一連安。シートはまだそれほど落ち込んでいないものの、下落パターンは避けられそうにない」(段メーカー社長)。大手はより厳しく、某一貫系は設備投資をようやく再開したものの、公取問題もあって「一旦、白紙状態」に戻ってしまったとか。
 ▼段メーカーT社長に勧められ「新幹線 お掃除の天使たち」を読んだ。敬遠されがちな清掃業務に誇りを持ち、詰まった汚い便器でも完璧にやり遂げる彼女達(おばさん)。試行錯誤を繰り返しながら歩んできた道筋は、会社を良くするヒントやアイデアが詰まっていた。なぜT社長が本を勧めたのか、「自分の仕事に誇りを持てば、安易に安売りなんて出来ない」と思っているからだ。段ボール箱製造業、けっして良くはない労働環境の中で頑張っている従業員のためにも、安売りはしない事である。
 ▼昨年の「段ボール企業名鑑」は1年で売り切れました。売上高や取引先、設備内容から会社概要など調査した本で、かつて無い速さで完売したのは、与信管理の徹底や同業他社が気になるから?  今年は「段ボール・製箱・紙器企業名簿」です。こちらもお役立て下さい。   (山)
 
11月7日付
2012-11-06
 ▼古紙価格がまた2円下がった。今までとは違って王子や日本製紙などが動いた。以前からそれぞれ思惑違いがあるにせよ、これで計4円。古紙価格の先行きは見方も様々だがある大手経営者が最近の板紙・段ボール業界を「過去、数年間の値上げが吹っ飛ぶほど悪い」と表現した。そうならないためにも、各社それぞれ知恵を出して切り抜けなければ。
 ▼原紙在庫が増えている。5月から40万?をオーバーして9月には42万?まで増加した。「適正在庫は32万?」(商社筋)と言われるぐらいだから相当な量。段原紙は段ボールにしか使えない。出口(段ボール)が減っていないのにどんどん積み上がるのは作っているからだ。生産調整など諸々な手を打っている原紙メーカーだが、実際増えているのだから頭が痛い。10月中旬、日経に上値を2円引き下げられたがこれで済めば…。
 ▼岐阜県の中堅段メーカー・多和田紙工が設備投資計画を公にした(1面記事参照)。大きな設備投資を計画段階から発表するのは中小では異例。「段ボールを取り巻く環境は良くありませんが」と尋ねたところ、「製造業である以上、設備投資は大切」「不況時こそ積極的に」と力強いコメントが返って来た。絶えずきちんと経営しているからか、波風にも強い。
 
10月27日付
2012-10-29
 ▼「原紙価格を左右するのは古紙価格、その古紙価格は中国の状況次第で大きく変わる。また国内原紙価格の上げ下げは、原紙メーカーの手の内にある。古紙はまた下がった。原紙が下落した場合、シートやケースも引きずられて下がってしまう」こう話した段メーカーが心配しているのは、
 
10月17日付
2012-10-17
▼「真っ暗闇の中で手探り状態。誰もが疑心暗鬼になってしまう」、こう大手の経営者は話したが、現状が下げ局面にあるだけにしんどいところ。某ユーザーが「A社は○円を提示しましたが、お宅は」と、B段ボールに投げかけた言葉がまさにこれだ。言ったか言わないか、確かめられず、中にはアドバルーン的な情報を流すユーザーだっている。「あそこが好き勝手にやるなら、うちも対応せざるをえない」になったら大変だ。
 ▼ほんの10年ほど前、めちゃくちゃな段原紙価格に製品も安売りが続き、板紙・段ボール業界全体が疲弊しきっていた。両業界、数人のリーダーが引っ張ってここまで良くなった。顔さえ合わせなくなり「この先どうなるのだろう」、と誰もが思っている。どんなに優れたリーダーがいようにも、そのもとに集まる事も出来ないのだから尚更だ。難しくても新しい秩序を早くに作る必要がある。
 ▼公取2度目の立ち入り調査(9月19日)に関して、地方紙含め一般紙の書き方はあまりにもひどい。社名を大きな見出しで書かれた会社は大悪人扱い。誰がリークしたのか知らないが、たまったもんじゃない。大手が業界をリードするのは当たり前の事、それぞれの会社がそれぞれの考え方で行動した結果がこれでは…。「儲け過ぎ」なんて書いた新聞もあったし、市場規模1兆5千億円は多過ぎだ。      (山)
 
10月7日付
2012-10-09
 ▼「値下げなんてまるで慈善事業」、ある経営者が嘆いていた。数カ月間に渡ってユーザーを訪問し、やっと紙代の半分程のケース値上げを認めてもらったが、某段メーカーが「○月から旧値に戻します」と、たった一日で今までの苦労をぶち壊したそうだ。シートにしても同じで、元々大手ボックスは○〜○円しか上がっておらず、ここに来て中小ボックスにも“戻し”の動きが出始めた。結果、段メーカーの置かれた現状は、「協力金を含めない月次決算は悲惨」にある。
 ▼「大手一貫の動きがガラリと変わった」と流通幹部は言う。原紙からの値上げの先頭に立ち、ケースでもがむしゃらに走ったメーカーが今は“我関せず”に。公取事件の影響なのか「グループの傘下に入るのか否か、白黒をはっきりさせていくのだろう」と話していた。変わって前面に出てきたのが△で、「量を減らしてでも」と頑張っていたが、渦巻く流れは結構強い。
 ▼価格下落はまだまだほんの極一部。不安定ながらも
 
9月27日付
2012-09-26
 ▼3千から2千、3百から2百に減ったと言われるボックスに段メーカー。「残った会社で仲良くやっていけると思ったらそうじゃなかった」が、小さな段ボール製造会社の本音だ。段ボール産業の主要販売先である飲料は低価格指向。ケース価格も引きずられ「量が伸びるのはいいが、価格に大きな問題あり」である。今夏、飲料中心の○工場が連続して生産量を更新した大手段メーカーでは、作れば作るほど安い注文が集まってくる、と言う。
 ▼家電は減少スピードを速めそうで、関西圏の中堅ボックスA社は仕事量の3割を失った。総需要が増えない中で、リストラを進めて無駄を省き、絞りに絞った状態のうえ、肝心の市況はそれぞれ体感しての通り。こんな時こそ、多少足りない仕事量でも無理をせず、今ある仕事の価格を大切にし、独自のノウハウを積み上げ、得意先との関係も深めていく事が一番なのだ。
 ▼そう思っていても、現実は全く違う段ボール業界。「□社と入れ合うと、ろくな事は無い」とは関東圏のC社長。大手段メーカーや□社が、ボックスへのシート価格を○月から調整する動きがあるという。「先を読んでいるつもりなのか。ただ量が欲しいだけなのか」。原紙価格が下がりもしないのに、全くおかしな話であり、もしも多めの協力金を期待しているとしたら、大きな間違いである。      (山)
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