板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2015年 段談

 

2015年 段談

2015年 段談
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12月27日付
2015-12-22
 ▼今年は個人的に色々あった。まず元旦に貴重品を詰め込んだバッグを置き忘れた。子供達と飲んだほろ酔い気分は瞬時に醒め、青くなった。幸い翌日には出てきたからまだ良かったが、1年のスタートがこれだった。調子の悪かった大腸、3月に検査したら大きなポリープが2つ見つかった。これも悪性で無くほっとした。夏、急性前立腺炎を患い尿が出なくなった。慌てて病院に駆け込み治療。周りからは『何か悪い遊びでも』とからかわれた。直ぐに回復したものの、今度は身体中に薬疹が出て熱も39℃まで上がり、湿疹は10月まで残った。11月は久し振りの税務調査。1点指摘されただけで済んだ。口の悪い先輩からは『また髪が抜けたな』と言われたが、やっぱり気は使う。12月には入れ歯が嫌で長年通った歯医者を替えた。第一段階として左下の奥歯4本をインプラントに。
 ▼肝心の板紙・段ボール業界はどうだろう。古紙は輸出量の減少、価格面など色々な見方が出ているが、そう簡単には弱含むまい。原紙は再値上げを期待する向きもあるが、果して主導するメーカーが出るだろうか。現状、在庫は気になるし、各社のお腹の空き具合は。段ボール側とすれば、周りの同業に惑わされることなく、地道に合理化や取引改善を続けていくのが一番。誰もが量など追う時代では無い事を理解しながら、やっている事は…。  (山)
 
12月17日付
2015-12-15
 ▼あるボックスでシート不良の話になった。6社から購入しているが一番多いのは「枚数不足」で、殆どの段メーカーから見られると言う。以前、親しい社長が「クレーム付けられるよりも最初から多く納入する」と話していたが、この金額も1年積み重ねれば驚くほどになる。次は「上反り」「下反り」で、製箱機にかからないひどさが続けば購入平米に影響する。実際、品質の悪い〇社はトップから最下位まで転落した。この他、月に何点か見られるのが「汚れ」や「キズ」、「裏積み混入」、「ヒゲ」や「トリム混入」であった。購入リストには一流メーカーが並んでいたが、機械が新しくても不良は発生するようだ。
 ▼少し意地悪だったが、購入のポイントは価格か品質か、と尋ねれば、迷わず「品質」と強調した。大きなボックスは売る方も買う方も?価格ありき?、のように思われがちだがそんな事もないようで、価格よりも品質、デリバリー重視で取引する。
 ▼もっとも、価格の話は1社だけしかしなかったようで、それもいつの間にかうやむやに。話をした、しない、は関東で聞くメーカー名と真逆なのも興味深かった。デリバリーに関してはどこも運転手不足で大変。シートは積み方にノウハウが必要で、降ろし方には注意がいる。「同じ運送でも敬遠されがち」と耳にするが、運べなくなってからでは遅過ぎる。      (山)
 
12月7日付
2015-12-09
 ▼『弱肉強食』『戦国時代』、顔をあわせた中小段メーカーが口にした言葉だ。価格をどうにかしなければならないのは、この仕事をしていれば誰でも分かっている事。ならば何故、原材料や諸経費だけ上がって自社製品はダメなのか。『市場原理は理解しているが、自分の事しか考えない会社が多過ぎる』とする。一度変わったかに思えたが、『そうでは無かった。今の方がよっぽど悪い』ようだ。『来年も設備増強計画は何件もある』と加え『社数の問題より、トップの考え方』と強調した。
 ▼一昨年からの一連した価格修正。製品は一部大手の増産体制からほとんど浸透せず、昨年末からはシートも弱含みに転じている。中部地区の社長が『最近になって特値で対応するメーカーが出ている』とすれば、関東でも『1000枚以上の特値対応を止めようとすれば、直ぐに他社から見積りが入る』と言う。『取引改善が出来たと言っても一部のみ。価格を変えなければやってはいけない』のが分かっていながら、何とも情けない話である。
 ▼さて、真偽のほどは定かでないものの、重量物用の某社が、大手〇社の傘下に入る噂が一部で出始めた。いくつかの変遷を繰り返してきた優良会社だけど、落ち着く先はやっぱりここか。間違いなければ、重量包装でも力を付け、グループの体制は更に盤石になるのでは。    (山)
 
11月27日付
2015-11-27
 業界に入りたての頃、ある板紙メーカーが『一県一工場』を掲げていた。親である自分の段原紙を潰す段ボール会社を全国に配置しようと考えたのだ。既に体力の弱ったメーカーを買収したりし、数社を傘下に収めていた。その後、企画部長と親しくなったが、いつも段メーカーを探していた。ただ製品で稼ごうと言うよりも原紙の消費ばかり気にしているようだった。
 段原紙は段ボールにしか使えない。傘下の段メーカーを増やして親が決めた価格で買わせたい、この構図は昔も今も変わっていない。特に値上げのスタート時点ではその傾向が強い。この所、某一貫が主力系列段メーカーのあてがい分を増やしたらしいが、これは今までの行動に対して中小が反発し、中小向け販売量を減らしたから、と見ている。原紙と製品、この値上げは、多少の時差はしょうがないにしても一体であるべきだ。川上だけ潤ってもしわ寄せは必ず出てしまう。
 その原紙だけ上がった状態が続いている。しかも製品値上げの、?値?の字も出なくなった。世の中値上げムード一色の中で段ボール産業だけが取り残されている。ある社長が『情けない話だが、原材料の高騰を理由にするしか、製品値上げのきっかけは掴めない』と強調した。次世代にバトンタッチするためにも、もう一段のステップアップは必要で、それには原紙→製品値上げしかない。 (山)
 
11月17日付
2015-11-20
 ▼北関東と言えば全国きっての激戦区。2500万平米を筆頭に1000万クラスがひしめき合う。大手各社の設備投資も活発で既にいくつかの増強計画は終えている。ここに『大手と中小老舗段メーカーが一貫工場を考えている』と流れている。信じられないが同じ県で。大手の方は系列会社の関係者に聞いたら、意味深長に笑っていた。中小ではユーザー絡みのような話も一部にある。バブル全盛期のような話だが、この県では大手食品包材メーカーの段ボール事業進出まで耳にするのだから驚きである。
 ▼少し前に大手段メーカー新工場の噂話を取り上げた。あの県とこの県で土地を手当てし、計画は他にもあると。最近、その話になるとどこでも全く同じ県名を聞く(具体的な市名も)。何となく出所は同じような気がするが…。とは言え、関東圏での設備増強はボックス含めて多数ある。段ボール統計によるとこの地域は10年で3億2千万平米以上増加した。月にして2700万平米、1工場250万としても10工場分の需要が増えたのだから、投資も集中する訳だ。
 ▼困った事に増えているのは段原紙の在庫も。10月末でライナが32万、中しんで15万トン、合計47万トン強になっている。この先、日本製紙と特種東海製紙の提携で数が減るメリットはありそうだけど、安定化には更なる取り組みも必要であろう。      (山)
 
11月7日付
2015-11-13
 ▼某地区の段メーカー、原紙が上がってだいぶ経った頃、購入先にクレームを付けた。子会社が一向に動かず『中小の紙だけ上げているのか』と。お偉方が『そんな事は無い』と言い訳に飛んできたらしいが、基本的に『口先だけで』何も変わらなかったと言う。子会社(段ボール会社)の営業責任者もおかしい。『ここにいるのは後、2年だから』と価格修正など全くやる気はなし。かえって邪魔ばかりするそうだ。この地区では孫会社のボックス名も頻繁に上がる。もちろん赤字ケースの販売で。
 ▼大手9月の生産量。減らした会社、伸ばした会社は相変わらずの様相だけど、伸ばした会社もその伸びが鈍っている。関東でも東北でも中堅以下の取材先では仕事が不足気味だ。片や大手ボックスには『うちのシートを増やして下さい』と工場長自ら足を運ぶ事も増えている。そんな中、『ユーザーに印版を返しに行った』とはある中小段メーカー。担当者の余りの理不尽さに取引を止めようと、ユーザーの資産である樹脂版を返しに行ったのだ。
 ▼日本製紙と特種東海製紙の製販に亘る提携。生産量で第2位に浮上など色々話題にされる事も多いが、日経産業に掲載された『特種東海、自助努力に限界』は一方に偏り過ぎではないか。東海・島田工場は業界でも屈指の工場だ。提携側にしても使いたかった設備に違いない。  (山)
 
10月27日付
2015-11-02
 ▼お店で女性達が大型スーパーやコンビニでのディスプレイの変化について話していた。スーパーでは段ボールをそのまま使ったシェルフレディ型パッケージ等の展示方法。『便利よね』と言いつつ、その箱を家の片づけにも活用したいようだ。コンビニでは軟包装(パウチ)が増え続けているが『紙の箱はかさ張る。パウチの方が持ち帰りやすく開け易い』と聞こえた。
 ▼量販店では大量に使う段ボールの開梱作業も大きな課題となっており、大手段メーカーが処理しやすいケースの開発に鎬を削っている。7月に商標を公開し話題にあがる事が増えた某社のハイブリッド罫線などはその最先端であろう。技術的に優れるだけに完成までには時間もかかる。利便性を高めたのだから製品価格に反映して欲しい。そうしないと、段ボール箱は舐められるし、開発に携わった多くの人の苦労が報われない。
 ▼某大手段メーカーの勢いが止まらない。海外含めて3工場を完成させ、来年はN新工場が稼働する。この他、用地取得先はA県とM県を耳にしており、競合メーカーからの嫉妬含めた尾ひれ付き噂かも知れないが、北関東と四国地方の計画もあると言う。?将来を見据えた確固たる基盤作り?にしても凄すぎる。ちなみに記者の個人的な見方は、段ボールメーカーの力の見せどころであるし、半分以上は実現させそうな気がするが…。   (山)
 
10月17日付
2015-10-21
 ▼日本列島を襲う異常気象。50年、100年に一度の大雨が降る。テレビで映し出されるのは想像を絶する光景だ。8月25日、熊本に上陸した台風15号は40?を超える猛烈な風が吹き荒れた。『工場の屋根の一部が剥がれて飛んでいきました』、教えてくれたのは〇社長。被害が広がらなくて幸いだった。最近では18号による大雨、茨城、宮城県に大きな打撃を与えた。堤防の決壊、溢れる水、流される家が目に焼き付いている。中堅ボックス△社は廃業の方向とも言われており、被害の大きさが窺える。今夏は2週間ほど猛暑が続いたあと冷夏、日照り不足に。段ボール生産量に影響する青果物は天候に左右されるが、こればかりは神様・仏様を拝もうか…。
 ▼西日本の親しいボックス社長が、『最近□社に対する不信感が出ている』と言う。この地域は地域全体の総量が目減りしているだけに、荒れたらやっかいだ。関東では原紙だけ上げて動かなかった事で知られていたが、場所を変えてもやっている事は同じのよう。段ボール関係ではないが長年、紙業界で仕事をしてきた友人も『社名も歴史も全てにおいてプライドの塊だったのに、形振り構わない』と話していた。記者は段ボール育ち、紙の大手トップは一部しか面識ないが、もう少し国内にも目を見張らして欲しい。ちなみにこの地区に一貫系が工場を考えているとかいないとか…。    (山)
 
10月7日付
2015-10-13
 ▼『価格だけの人がいれば品質重視の人も、ユーザーの購買担当には色々な人がいる』、少し前にこう書いたところ、『売る側の人間も同じだ』とある段メーカーが話した。『うちは〇円以下ではシートを出していないが、価格が折り合わずに止めたボックスは今でも□円。開きは〇円以上』と呆れる。ここ数年、付加価値面や与信管理から自家消費を増やす中小段メーカーが多いが、関東圏では大手を中心に高速コルゲータが4台相次いで稼働。増えるシート生産能力は少なく見積もって700万平米以上だ。
 ▼大手の生産量、某一貫系列の伸びが著しい。1社は西の新工場の関係から昨年には増加傾向にあったが、もう1社は今年の4月から飛ばしてきた。『工場が移設する関係から量確保もあるんだろうね』、とは同じ地域の段メーカー社長だが、そのリニューアル工場の能力は200万平米以上はアップする。ちなみに本体は依然と我慢の体制を続ける。『量は減らしても収益が大きく改善した』と関係筋。業界全体でこの傾向が広がれば良いのだが…。
 ▼ボックスA社が、『この機械が止まったら、仕事は段メーカーに出す』と言う。こんなボックスが他にもある。段メーカー側も高速製箱機を導入、そんなボックスをバックアップ。段メーカーからすれば優良な得意先を持つボックスは喉から手が出るほど…。(山)
 
9月27日付
2015-10-05
 ▼商品にあわせて作られる段ボール箱だが、仕事はこれで終わらない。『明日には500個欲しい』『時間は〇時から〇時に』『一部変更になったから』等、作った後からも様々な要求が付きまとう。しかもこれらの多くが無料のサービスだったら…。ボックスや中小段メーカーにとって『他所が出来ない細かなサービスをしているから、注文が入る』のは確かにそうだが、線引きが難しい。
 ▼少し前にここで取り上げた【青果物関係の落札価格】。加工賃を無視し、紙代にもならない赤字で受注した例があったが、『どこか』と聞かれる事も多かった。もう一度言えば、落札した複数の段メーカーが製紙系列だった事。原紙は段ボール箱にしか使えない。あくまでも箱の材料、最終製品である箱の価格が適正にならない限り原紙価格だって安定はしない。製品が上がらなければ後ろを向きたくなるのは当然だ。
 ▼技術の進歩は著しく段ボール機械も例外ではない。要求される精度向上に加え、追求される生産性・コスト。特に段ボール機械は納入先の工場にあわせてカスタマイズされているだけに、作り手は大変だ。その機械で2倍に生産性を高めたからと、安く売っては何もならない。ある経営者が『機械が良くなれば良くなるほど、段ボールの価値は下がってしまう』と話していたのが頭に残っている。売り方次第ではそうなってしまう。   (山)
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