有限会社
日刊板紙段ボール新聞社
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。
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▼無謀にも大手の得意先にちょっかいを出した中小段メーカーがある。取れた取れないは別にしても、行くからにはそれなりの自信があり価格を出したはずで、取れない場合でもその価格は残ってしまう。荒らされた先は優良な得意先だったらしく、大手の癇に触り、全納入先を調べられ反撃を食らっているとかいないとか。無理な拡販は傷も大きくなる。手を出したメーカーは『社員が長続きせず数年で辞めていく』とは周辺の同業者だが、人材不足では業界事情に疎くなるのも当然か。
▼『関西の原紙価格は関東とは違う』、以前から言われていたが、『更に差が広がっている』こんな声が聞こえる。『向こうは中小も多く、関東とは品質が違う』らしいが、他にも要素はあるのか。さて最近、D製紙の社長が関西方面を重点的に回ったようだ。固い一貫2社に、流通への締め付けを強化した専業大手、戦略は各社それぞれだが、D社はどう動くのか。『同じ価格じゃ』とは段メーカーだけど、意外にしっかり儲けている?
▼ユーザーへの提案力、実現させる開発力、それを広める営業力、どれをとってもやっぱり違う。昨年、先頭切って値上げに邁進、A級工場2、3工場分を落としたが思った以上に経営に響き〝正常化〟へ舵を切った△社。広域奪回にシート販売強化、本気になった同社の動き。どこへ行っても耳にする。 (山)
▼地方のボックスで、シート価格の話になった。表面上はガチガチな原紙価格、シートが弱含んでいるとしたら、被りは段メーカー側にある。C社長『厳しい年もあったがここ1、2年は中小段メーカーの方が逆風だ』とも言ったが、強ち間違いではない。『(シートを)増やして欲しい』と一貫系段メーカーから電話があった翌日、同系列からも売込みがあったと言う。中小はケースの仕事が減少気味、シート販売でも大口は価格維持に精いっぱい。うっかりすれば『そっくり持って行かれる』(中小社長)。しかも大手の一部は中小からの仕入れ価格を低めに見直した。
▼段原紙在庫。製紙メーカー側の予想に反し、思ったほど減っていない。夏季休暇に向け積み増す可能性も大きい。『みんなでそんなに一生懸命作らなくても…』とは大手板紙メーカーの若手営業マン。また流通に対して問い掛けした某大手原紙メーカーは、一部取引先ではその言葉通りに動いているし、一貫2社の攻勢にどう対抗して行くか腕の見せ所。原紙側には猛暑で原紙が伸びる事を期待する声もあるが、天気予報では当たりそう。さて、飲料の比率が高過ぎると是正を始めた某専業大手、相手に安過ぎる価格の見直しも求めたが叶わず、一貫△社が旧値でさらったそうだ。最近、中小ともぶつかるこの△社、けっこう危ない価格を出している。 (山)
▼熊本地震、少し離れただけで被害状況に大きな差が出ている。翌日から動いた工場があると思えば、某ユーザーの敷地にできた起伏や地割れは相当深く、未だに復旧の見通しも立っていないと言う。さて熊本県内には6台のコルゲータが動いているが、大手段メーカーのマシンが地震で1週間ほど止まった。その間ボックスにはシートを供給しなければならないが、県内のグループ工場から回してもらわず、他県(九州北部)にある自社工場から運んだそうだ。同系列でもライバルであり、2社間の空気も見えてきそう。
▼5月以降、ボックス・中小段メーカーで数量が伸び悩んでいる。関東地区で聞いた翌日、東北から中部、関西圏で尋ねたら『同じようなものです』が返事だった。全体の生産量に大きな変化は無いのだから、最近言われるようになった需要構造そのものが、飲料を中心とした大手一貫過多に変わって来たのだろうか。しかも一貫系が『動き回ってしょうがない』そうだ。対前年比を見てもよく分かる。アップダウンが激しいのも波風が立つ。
▼設備投資活発な一貫系段メーカー。S県を中心に関東周辺ばかりかと思いきや、N県で計画が再浮上している。『旧□工場のリニューアルが先かN県が先か、検討段階』と見る向きもある。いずれにしても、新工場に次ぐ大きな投資との噂だ。 (山)
今年の舎人会研修会は星空で有名な『昼神温泉』。参加6人で80歳超えが3人、記者ひとりで平均年齢を下げたが、好奇心や頭の切れは別。全く歯が立たなかった。飲料工場の包装ラインも見学したが、メンバーの質問にはメーカー側案内者も『後で調べて…』を繰り返すばかり。天竜川ライン下りでは景色より『この船の重さは』『速度は』が気になったよう。もっとも下船後の話題は『コンパニオンより可愛かった』と乗り合わせた若い女性の話で盛り上がる。ここだけ見ても如何に元気な面々かがよく分かる。
車中は〇さん持参のCD(演歌と民謡)。通勤時に練習していたのだろうか、2次会のカラオケでは他の団体客がその喉に驚き握手を求めたほど。小節のきいた歌声は勤めていた大手段メーカーの中でも1、2を争った。最高齢はMさん86歳、AKB48の最新情報は熱狂的なファンクラス、歴史、書道の知識も豊富、専門はノイズの除去で未だ現役と言うから凄い。A会長のお兄さんは83歳、有名写真展で入賞する腕前、研修会の翌日も撮影に出掛けるそうだ。毎回、丸二日間、I顧問の計画通りに動いているが、コンパニオンの延長料金以外は普段の仕事同様、狂いなかった。
『あの歳で』、と話す本人がその人より年上なのがちょっと可笑しいが、皆さんは人生の目標です。ありがとうございました。(山)