板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2016年 段談

 

2016年 段談

2016年 段談
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9月17日付
2016-09-23
 ▼『新しい製品を作るのにはコストがかかる』『付加価値を付けるのもコストをかけた』、開発関係者の意見だ。どこで作っても大差無いと言われる段ボール製品ではあるが、それぞれの会社で考え工夫を凝らして納めている。『汗水流して作った段ボール箱を安売りしてはもったいない』こんな普通の考え方が、今の段ボール業界にあるのだろうか。他所が出来ないサービスを売りにするのは悪い事ではない。しかし量を狙ってこれをやり出したら結果は見えている。
 ▼その価格だが、維持または一部新製品や納期・ロット関係で個別修正した例もそれなりにある。問題は以前から触れているように手っ取り早く量を稼げるシートだ。『○○枚から〇円値引き』『あわせます』、言葉巧みに揺さ振る会社が大手段メーカーを中心に何社もある。『元々、利益がほとんど無かった』シートでも、更に安く納品しているのだから驚きだ。シートを安く売れば、いつかはケースも下がりだす。点が線になり面まで広がったらどうなるか。
 ▼某大手段メーカー〇工場、老朽化したコルゲータ更新の噂がかねてからあがっていた。会社側では『まだ決まっていない』と繰り返すが、効率を高めるためかWは貼らず、SF1台のシングルタイプで話が進んでいる、と耳にした。実現すれば、能力アップとしての入れ替えは久し振りの事になる。(山)
 
9月7日付
2016-09-12
 ▼関西地区に続き日本海側、関東と精力的に段メーカーを回ったD製紙社長。『ソフトな印象だけど、バイタリティーに溢れていた』、とは中小経営者だが、多く聞かれたのは『紙の提案でも無く取留めの無い話ばかり』で、『何しに来たんだか分からない』。製品価格で前に進めない段ボール側には『具体的に切り出して貰いたかった』と、期待も一部にあった。もっとも社長が帰った後から営業幹部が相次いだ会社も。がっちり固める大手一貫2社、販社で攻勢かける□製紙、昨年は新マシンの関係で大きく増やしたD製紙だが今年は100前後で推移する。余力あるだけに後半どう動くか注目。社内では弱気の声も聞かれるそうだが…。
 ▼親しい段メーカーからメールを頂いた。ある本を読んだ感想で『電機を段ボールに変えるとそのまま通用しますね』と言う。本には『電機大手の人達の話を聞くと、赤字を出しても他社が同じ事業で赤字なら怒られない。〝市場環境が厳しかった〟で済むから。ところが、シェアを落とすと怒られる。〝どうしてあそこに負けたんだ〟と厳しく叱責される。だから、みんな採算度外視でじゃんじゃん売ってシェアを取りにいく。事業の目的は利益であってシェアではない。しかし、競争、競争できたサラリーマン経営者はどうしてもシェアに目が行ってしまう』と書かれているのだ。記者も同感だ。 (山)
 
8月27日付
2016-09-02
 ▼『それにしても悪過ぎだ』とは親しい段メーカー。7月の段ボール生産量は軒並み前年を下回った。2日稼働日が少なかった事を考慮しても『仕事が無い』と言う。大手7社を見ても100%を超えたのは前年がひど過ぎた△社だけ。専業系を中心に冴えず95%程に留まった。中小は輪をかけて悪い。関東では『大手が下まで降りてきた』であり、中部地区では25%落とした会社もあるようだ。『秋以降、厳しくなる』と見る経営者が何人もいる。取り巻く環境がどう変化するか、変化をいち早く捉えて対応できるかどうか。本業(段ボール)に集中しないと退場を迫られる事になる。
 ▼『○円ですか』大手ボックスのシート価格には今でも驚いてしまう。ある中小段メーカーが『いくらやっても利益が出ない』と2円の値上げをお願いした。『切れてもいい』覚悟で申入れた結果、単価は据え置かれ数量は今までの半分以下に減らされた。最近そのボックスから『値下げした大手がある。他の大手2社もそれに合わせてくれた。□さんはどうする?』と電話があった。計算すれば運賃排除後は真っ赤、協力金を入れても水面スレスレ、『いくらやっても(価格をあわせても)きりが無い』と断る考えだ。自分が下げれば増えると思うのは大間違いで、他所だって同じ事をする。学習効果の無い会社が多過ぎるのか、市場を制する大手の戦略か。(山)
 
8月17日付
2016-08-23
 ▼『情けない』、段メーカーが嘆いた。『この産業にはプライドが無いのだろうか』とも言い、ある受注に関する話をした。ユーザーからの依頼は、段ボール箱に緩衝材をセットして納める仕事で数量は月に数百、手間もかかるが年間を通してコンスタントにあり金額もそれなりだ。口座の無かった相手だが、思い切った金額で見積書を提出した。後日、資材担当者から『〇社と価格が大きく違う』と電話があり、聞けば原紙代に毛の生えた程度、とても加工賃を積み上げたように思えなかった。それでも諦めきれずに納期面含めて対応した。ところが〇社が再度出した価格は最初よりも2割近く安い。『原紙系だから出来る』ともしたが、紙を使うだけで段ボール側には何も残らない仕事が増えている事に危機感を感じている。
 ▼雑巾を絞るように製造コスト等を切り詰め、利益を確保した小さなボックスがある。従業員も協力的で、自分の財布同様に考えたそうだ。『これ1枚ぐらい、この発想がダメ』とは若い製造課長である。この会社、段メーカーとぶつかり、ある納入先から〇%の値引き要請が来た。『社内でいくらコストカットしても、売価の下落はその何倍もダメージがある』とし、『ユーザーも同じ製造業としてどうかと思うが、段メーカーは小さなボックスを大事にする気はもう無さそうだ』と強調した。     (山)
 
8月7日付
2016-08-09

 ▼無謀にも大手の得意先にちょっかいを出した中小段メーカーがある。取れた取れないは別にしても、行くからにはそれなりの自信があり価格を出したはずで、取れない場合でもその価格は残ってしまう。荒らされた先は優良な得意先だったらしく、大手の癇に触り、全納入先を調べられ反撃を食らっているとかいないとか。無理な拡販は傷も大きくなる。手を出したメーカーは『社員が長続きせず数年で辞めていく』とは周辺の同業者だが、人材不足では業界事情に疎くなるのも当然か。
 ▼『関西の原紙価格は関東とは違う』、以前から言われていたが、『更に差が広がっている』こんな声が聞こえる。『向こうは中小も多く、関東とは品質が違う』らしいが、他にも要素はあるのか。さて最近、D製紙の社長が関西方面を重点的に回ったようだ。固い一貫2社に、流通への締め付けを強化した専業大手、戦略は各社それぞれだが、D社はどう動くのか。『同じ価格じゃ』とは段メーカーだけど、意外にしっかり儲けている?
 ▼ユーザーへの提案力、実現させる開発力、それを広める営業力、どれをとってもやっぱり違う。昨年、先頭切って値上げに邁進、A級工場2、3工場分を落としたが思った以上に経営に響き〝正常化〟へ舵を切った△社。広域奪回にシート販売強化、本気になった同社の動き。どこへ行っても耳にする。  (山)

 
7月27日付
2016-08-01
 ▼今年前半の段ボール生産量、全体で見れば、対前年比を少し上回っているが、中小段メーカーやボックスに限れば前年割れしている会社が何社もある。その分、大手がせっせと作ったわけで、例えば一貫系のYは前年(平成年)1月から快調に飛ばし、この年は12月まで全て100%を超えた。しかもその内5か月で110以上だ。今年に入っても100%を超え続け、5、6月は108以上を確保した。シート販売にも力を入れているようで、従来はライバル一貫系が強かった有力ボックスへいつの間にか入り込み、今では主力取引先になりつつある。
 ▼老舗段メーカーが□工場のコルゲータを7月初めに止めた。資金的な余裕からか、やる気の問題なのか、少し前から週に3日間ほど動かすだけで、いつ止めてもおかしくなく、顧客への対応もそれなりだったよう。『噂は前から。大型ケース向けの仕事で代わりのシートを探すのも大変』とも言われるが、製箱は自社他工場からシートを運びそのまま続けていくようだ。
 ▼『量不足が続くと負の連鎖に入り込む』、こんな声もささやき始めているが、『今のケース価格で設備投資をし、配送含む従業員が満足する賃金を支払えるか疑問』でもある。古紙から固く原紙も関東はガチガチ、製品価格を守らねば何も残らない。なお原紙だが、西と東の差は広がっている?     (山)
 
7月17日付
2016-07-21

 ▼地方のボックスで、シート価格の話になった。表面上はガチガチな原紙価格、シートが弱含んでいるとしたら、被りは段メーカー側にある。C社長『厳しい年もあったがここ1、2年は中小段メーカーの方が逆風だ』とも言ったが、強ち間違いではない。『(シートを)増やして欲しい』と一貫系段メーカーから電話があった翌日、同系列からも売込みがあったと言う。中小はケースの仕事が減少気味、シート販売でも大口は価格維持に精いっぱい。うっかりすれば『そっくり持って行かれる』(中小社長)。しかも大手の一部は中小からの仕入れ価格を低めに見直した。
 ▼段原紙在庫。製紙メーカー側の予想に反し、思ったほど減っていない。夏季休暇に向け積み増す可能性も大きい。『みんなでそんなに一生懸命作らなくても…』とは大手板紙メーカーの若手営業マン。また流通に対して問い掛けした某大手原紙メーカーは、一部取引先ではその言葉通りに動いているし、一貫2社の攻勢にどう対抗して行くか腕の見せ所。原紙側には猛暑で原紙が伸びる事を期待する声もあるが、天気予報では当たりそう。さて、飲料の比率が高過ぎると是正を始めた某専業大手、相手に安過ぎる価格の見直しも求めたが叶わず、一貫△社が旧値でさらったそうだ。最近、中小ともぶつかるこの△社、けっこう危ない価格を出している。  (山)

 
7月7日付
2016-07-12

 ▼熊本地震、少し離れただけで被害状況に大きな差が出ている。翌日から動いた工場があると思えば、某ユーザーの敷地にできた起伏や地割れは相当深く、未だに復旧の見通しも立っていないと言う。さて熊本県内には6台のコルゲータが動いているが、大手段メーカーのマシンが地震で1週間ほど止まった。その間ボックスにはシートを供給しなければならないが、県内のグループ工場から回してもらわず、他県(九州北部)にある自社工場から運んだそうだ。同系列でもライバルであり、2社間の空気も見えてきそう。
 ▼5月以降、ボックス・中小段メーカーで数量が伸び悩んでいる。関東地区で聞いた翌日、東北から中部、関西圏で尋ねたら『同じようなものです』が返事だった。全体の生産量に大きな変化は無いのだから、最近言われるようになった需要構造そのものが、飲料を中心とした大手一貫過多に変わって来たのだろうか。しかも一貫系が『動き回ってしょうがない』そうだ。対前年比を見てもよく分かる。アップダウンが激しいのも波風が立つ。
 ▼設備投資活発な一貫系段メーカー。S県を中心に関東周辺ばかりかと思いきや、N県で計画が再浮上している。『旧□工場のリニューアルが先かN県が先か、検討段階』と見る向きもある。いずれにしても、新工場に次ぐ大きな投資との噂だ。      (山)

 
6月27日付
2016-07-01

 今年の舎人会研修会は星空で有名な『昼神温泉』。参加6人で80歳超えが3人、記者ひとりで平均年齢を下げたが、好奇心や頭の切れは別。全く歯が立たなかった。飲料工場の包装ラインも見学したが、メンバーの質問にはメーカー側案内者も『後で調べて…』を繰り返すばかり。天竜川ライン下りでは景色より『この船の重さは』『速度は』が気になったよう。もっとも下船後の話題は『コンパニオンより可愛かった』と乗り合わせた若い女性の話で盛り上がる。ここだけ見ても如何に元気な面々かがよく分かる。
 車中は〇さん持参のCD(演歌と民謡)。通勤時に練習していたのだろうか、2次会のカラオケでは他の団体客がその喉に驚き握手を求めたほど。小節のきいた歌声は勤めていた大手段メーカーの中でも1、2を争った。最高齢はMさん86歳、AKB48の最新情報は熱狂的なファンクラス、歴史、書道の知識も豊富、専門はノイズの除去で未だ現役と言うから凄い。A会長のお兄さんは83歳、有名写真展で入賞する腕前、研修会の翌日も撮影に出掛けるそうだ。毎回、丸二日間、I顧問の計画通りに動いているが、コンパニオンの延長料金以外は普段の仕事同様、狂いなかった。
 『あの歳で』、と話す本人がその人より年上なのがちょっと可笑しいが、皆さんは人生の目標です。ありがとうございました。(山)

 
6月17日付
2016-06-21
 ▼『先行きが分からない』、中小段メーカーでこんな話が多く出る。大きく落ち込んでいる訳でもない。何となく『すっきりしない』のだ。関東を回っても原紙側、特に一貫2社は価格面で強気の姿勢を表面上は崩していない。ある大手原紙経営者も『(嫌われようが)これぐらいしないと価格は維持できない』とし方針を変えるつもりは無い、と話した。ただし協力金が微妙な雰囲気にある。自家消費化を進める一貫に対し、売り先が絞られる原紙専業の価格政策、KにKダッシュ、中しん抱き合わせ、こちらも気になるところ。
 ▼『間違いなかったですね』とは、半年以上前に書いた重包装段メーカー買収に関するコラム。掲載直後は問い合わせも多く、国内重包装段メーカーには迷惑千万、申し訳なかったが先日、買収側(レンゴー)から公表された。王子コンテナー神奈川工場リニューアルにしても掲載直後に会社から『正式には何も決まっていない』と指摘されたが、その会社の中から『やる方向』と聞かされた知り合いが何人かいる。熊本工場についても地震前から噂は広まっており、記者個人的にはどちらかは1、2年、と見ているがどうだろうか。いずれにしても段メーカーの体力強化は大歓迎だ。
 ▼〝正常化〟を進めるレンゴー。レン友会も昨年11月に若干会則を変えたが、最近動きがあるようだ。シート販売でも本腰か。(山)
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