板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2016年 段談

 

2016年 段談

2016年 段談
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2月27日付
2016-03-02
 ▼既報の通り、フジダン小田原工場を見学した。大手の新工場やリニューアルが相次ぐ中、久し振りに見た中小の勢いある姿だった。『会社始まって以来の投資』と坂本社長が話していたが、公取の課徴金や年金基金での負担が重なっていただけに?やる時はやる?思い切った決断だった。シート専門として立ち上がり品質重視、『ボックスのために』の気持ちも強い。ISOWAの最新型コルゲータを導入、小ロット多品種でも高いパフォーマンスを提供できる工場として新たにスタートした。段ボールは生産量こそ大手に偏ってしまったが、企業数は圧倒的に中小・零細企業が多い。頑張れ中小。
 ▼原紙の先行きには段ボール側にも色々な見方がある。「今年は下がる」から「秋には再値上げ」まで。下がるも上がるも願望絡みがあるし、どちらに転ぶか今は見当つかないが、1円違っても大きな金額になる。その仕入先を大きく変更した段メーカーが何社かある。特に目につくのが□製紙。大きく減らした量の奪回に動き出し、新マシン稼働先のZ製紙からここへ変えたところもあり、最近は?えっ?と思える段メーカー名も。□製紙直系の流通では無く目立たぬ流通を使っている、なんて話も聞く。ライバル製紙の思わぬ方向転換で大きな販売先を失っていただけに、今年は巻き返しに動くのか。
 ▼原紙、何となく怪しい雰囲気に…。(山)
 
2月17日付
2016-02-19
 ▼中部や関東の中小段メーカーから同じような話を聞いた。ある会社が『某ユーザー向けを安値で奪ったはいいが、捌ききれずに元の段メーカーから動いていない』『ボックスから仕事を取ったものの、自社で作れず外注先を探したが、引き受け手はなかなか見つからなかった』。仕掛けた会社はよく御存じの一貫系で、もちろん評価は『質の低い話』などボロボロだ。いまだに続く主力子会社の相反する動き、司令塔は機能している?
 ▼こんな話もある。『同じ会社が工場間でシートをとりあう』『ブラックユーザーから受注を増やし過ぎ、悲鳴を上げている中小』『某地区の中堅ボックス向けで止めていた特値対応が復活』等など、あげたらきりが無い。質を求める動きがある一方で以前と変わらぬ量狙い。これは大手に限った事でも無く、中小も同様のようだ。関西の〇社長が、『原紙も段ボールも流通も全て損をしている』とし『今年、現在の製品価格を維持できなかったら、淘汰の時代に突入する』と話していたが、本当だ。生産量が増え続ける事に惑わされているのか。危機感が無さ過ぎる。
 ▼さて、昨年一年間の大手段メーカー生産量。1〜12月まで全ての月で対前年比100%超えが2社ある。1社は想像通りの専業で、もう1社は一貫系でもYの方。    (山)
 
2月7日付
2016-02-09
 ▼本紙付録として配布している段ボールメーカーの分布図。初めて出したのが96年だから丸20年が過ぎた。当時299社、467工場、コルゲータ518台と掲載したが、社数、台数ともに減り続け、昨年は196社、353工場、377台になっている。工場名の頭にグループのマークを付けているが、マークが増えた事は系列化が進んだ結果だし、森紙業やセッツなど大きなグループも飲み込まれた。力を付けてきたのはトーモク。96年には子会社を持たず18台だったが、今ではトーシンなど子会社・関係会社6社を加え24台まで増えた。ちなみに今年は記者の計算では神奈川と広島で1台ずつ減り、長野・埼玉で1台増えるから増減なし。分布図は3月17日号と一緒にお届けします。
 ▼さて、設備投資活発な一貫系大手段メーカー△社。親会社所有の近隣地区へ新工場を建て、夏を目処に〇工場を移設する計画だったが、現在稼働中の工場も止めずに動かす、と一部で流れている。新工場は2200×350?マシンを導入し1000万平米クラスだが、同地区で捌ききれない受注があり製箱機含めて残すのか。ちなみにこの会社、昨春先から快調に飛ばし、対前年比で見ると11月は110%以上、12月もこれ近く伸ばしている。なお、この県では大手専業系も本社工場用地を取得済と聞く。こちらも勢いある会社だけに、今後が注目される。     (山)
 
1月27日付
2016-02-01
 ▼1月は各地で新年会が開かれる。興味深い話を聞く事も出来た。少しでも伸び続ける段ボール生産量について『伸びてもたかが知れている』『量に浮かれてはならない』と言うのだ。段ボールは加工賃商売である。量(原紙はトン、シートは平米)で喜ぶのは素材である段原紙ぐらいで、製品はあくまでも加工賃、質や付加価値で計らなければならない。昨年、最大手が量を減らして質を選んだ。単独での戦法だっただけに厳しさも見え隠れしたが、中小でも同様の方針で突き進むメーカーがある。この考えを変更する事無く、価格だけで段メーカーを選り好みするユーザーとはもう縁を切るべき時期だと思う。作り損ほどバカらしい事は無い。
 ▼少し前に話題になった某大手の新工場。近くから移管した分はあるにしても既に1千万平米以上と、近隣で囁かれている。しかも全量自社製箱と耳にした。関東の工場のようにFFGがずらりと並ぶ訳でも無いのにけた違いだ。広域向けだとしても、その生産性、効率の良さは日本一と言っても過言でない。周りのボックスにしてみれば、喉から手が出るほどシートが欲しいと思うが、昔からシートの売り方にはこだわりがあっただけにそう簡単にはいくまい。ただし関西地区の中小は『仕事の違いからか、今は全く影響はない』としており、某大手トップからは、『まだ半分以下』と笑い飛ばされた。 (山)
 
1月17日付
2016-01-21
 ▼段ボール製品は独自での値上げが難しい商品だ。原材料の高騰をバックにしながら時間をかけて取り組む事になる。困った事に、その主原料である段ボール原紙だけが上がり転嫁できない状態が続いている。今年の原紙価格はどうなのか。段メーカーサイドには、『製品と同時の原紙再値上げ』を期待する声もあるのだが。
 ▼『原紙大手3社で動きそうなメーカーは』だが、まず一貫A社、製品でも先頭切って値上げに邁進、結果、後ろを見れば誰も付いて来ずに生産量を大幅に減らした。一貫B社も強引に値上げ、しかも製品には力を入れず、同社の色が濃かった中小からもそっぽを向かれ始めた。その分、有力子会社のあてがい分を増やして対処。大手C社は煽りをくってB社子会社からはじき出された。加工を傘下に持たない弱みが出ている訳だが、中堅製紙会社との提携で大手専業にどの程度強気で出られるか。
 ▼11月20日に開いた一貫B社のアナリスト向け説明会では、アナリストからの段ボール事業は元気がないが、の質問にY社長は『うちが元気がなかったら、大阪の某社なんてもう〇〇でる状態じゃないのかな』と答えたと伝わっているし、製品値上げに関しても現場で起こっている状況とはかけ離れている。まぁ、3社間がしっくりいくとは思えず、古紙価格も…。『先頭切るメーカーなんて』ではなかろうか。 (山)
 
1月7日付
2015-01-09
 前回申年は2004年。当時、新年会で全段連・大坪清理事長は「古紙業界は今後大きな焦点になる」と述べ、古紙・原紙・段ボール「三位一体の構造改革」の重要性を訴えている。一回りしても依然、影響の強い言葉だ。
 中国の台頭などで00年から増えた古紙輸出。急上昇モードに拍車がかかったのが03〜04年にかけて。これに伴い激しい争奪戦が始まり、価格も高値で推移する。主原料の高騰は避けられるなら、それに越したことはないが、過去、古紙が原紙・製品値上げを後押したのは紛れもない事実だ。この意味は非常に大きい。それも古紙価格が明確であればあるほど、スムーズに進捗している。リーマン・ショック後の国際価格暴落後、国内段古紙価格のみを微調整にとどめた点も逆の意味で然り。これこそ三位一体の成せるところだ。
 一方、後ろに付く、『構造改革』はどうか。建値とかい離したプレミアムの常態化は「人を悪くする」との関東商組・大久保信隆理事長の言葉が状況を端的に表す。割合が増える程、不透明感は増し、古紙が値上がりしているとの言葉も広く届かない。エンドユーザーからは「大変なのはわかるが、プレミアム?」と言われ、川上に振り回される段メーカーからは「安定しないなら、輸出なんてするな」との意見は少なくない。建値との二重価格は根深く、三位一体の観点からも問題は多いのではないか。   (浮)
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