板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2018年 段談

 

2018年 段談

2018年 段談
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9月17日付
2018-10-01
 ▼原紙の状況や傘下入りするオーナー系が相次ぎ、意欲を削がれる経営者もいると言う。それでも、『頑張る方向が大手とは違う。大型高速マシンだけで段ボール需要は全てまかなえない』として、積極的に動く中小社長も。全国隈無く、ナショナルから小さなユーザーまで行き渡る段ボール箱、大手だけでは不可能であり、ボックス含めて勝ち残る道は幾つもある。それを見付けられるかどうかはそれぞれの努力なのだが、今しないでいつするのか。
 ▼ある大手の経営者が、『あの会社をやっつければ勝てる、あそこだけには負けられないになると、価格競争は苛烈になる。印刷業界では、大日本と凸版が戦争した後には、ぺんぺん草も生えない、とよく言われる』と指摘した。1、2位の会社が覇権争いすれば産業全体に被害は及ぶのだ。段ボールの場合は、大手だけじゃなく、系列の局地戦も加わるのだから余計に始末は悪い。『王子、レンゴー、プラス1マイナス2社で市場を寡占して、本当に良くなるのか。占有率より量を減らしても良いから価格を上げることが大切なのではないか』と、付け加えたが、これだけでも救われる思いだ。
 ▼7月に国内の原紙出荷量が、丸三を含めたレンゴーに追い抜かれた王子マテ、トップから転げ落ちた事を問題視したそうだが、1番に拘る辺りが王子らしい。但し8月はどうにか挽回した。 (山)
 
9月7日付
2018-09-20
 ▼農林水産省が8月27日に発表した「国内外における農業資材の供給の状況に関する調査について」。農業競争力強化支援法に基づく調査らしく、資材販売店約480店舗に対し調査票を郵送、約320店舗から回収し販売価格を調べた。調査資材の中に段ボール箱も含まれており、ダイコン10㌔とキャベツ10㌔の仕様(寸法)と通常価格(最小価格~最大価格)が書かれている。コメントには「双方ともに販売価格に大きな幅がある」としているが、ロット、材質輸送条件なども不明。C5のはずは無いだろうし、最小価格は紙代に届いておらず、最高値は耐水・撥水加工かも分からず。こんな中途半端な資料を公にして何になるのだろうか。高く買っている人は平均値へ、平均の人は最安値に近づけたくなるだろう。全く嫌らしい調査だ。 (山)
 ▼『段ボールメーカー6グループ系譜図』は初の試み。企画前からアドバイスをくれた○社Hさんはじめ、多くの協力でまとめることができた。正確さを第一に取り組んだが、歴史を遡るほどに難しい作業となったのも事実。相違点など是非、教えて頂きたい。今回、業界再編の歴史を再認識する一方、今再びその気運の高まりを感じる。編集中も現在進行形のニュースが次々飛び込んだ。出来上がったばかりの図には既に上書きした赤ペンの文字。なお、一貫Aは今年度中にさらに3社買収との噂も。 (浮)
 
8月27日付
2018-09-12
 ▼『ボックスがここ数年で変わって来た』、こう指摘する人がいた。大手ボックスが力をつけ段メーカー顔負けの設備で『かち合うのは中小では無く大手段メーカーだ』。一方で小さなボックスの廃業が相次ぐ。残された手間の掛かる仕事をやろうにも『荒らされて材料代ギリギリ』。昔はそれなりに利益を上げた仕事、蜜に群がるように取られてはひとたまりもない。ボックスを潰せば『下請先が無くなり、大手段メーカーやユーザーも困るだろう』こう呟いたがどうも最近はそうじゃないらしい。
 ▼『大手、特に一貫とは違い過ぎる』こんな恨み節が聞かれる中小段メーカー。一貫は、買収先でもコルゲータ、主力製箱機の更新など着々と手を打ち、万全な体制を更に固める。新工場の計画だって見え隠れする。余力のあるオーナー系では『このまま設備投資を進めていいものだろうか』、こんな声が一部に出始めている。大手にしても専業は、今の原紙環境が続く限り中小とそう大差ない。使う量が多いだけに、その分苦労もある。なお一貫系、赤字でも無く量を伸ばすこと自体は悪くは無いがあれだけ増やせば、余計なお世話だがこっちが労務面を気にしてしまう。
 ▼中国次第ではこの先、古紙を取り巻く環境は大きく変わる。ずっと原紙の天下が続くとは思えないし、片一方ばかり突っ張っても業界全体の幸せでは無いのだが。 (山)
 
8月17日付
2018-09-04
 ▼一般紙にヤマト運輸の収益が値上げ効果で大きく改善された、と出ていた。大手3社で凌ぎを削って来たが、人材確保もあって物量確保から方向転換した結果だ。本気で取り込めば、やる気があれば、変われる良い見本である。ヤマトの他にも価格競争を繰り返してきた産業が脱価格勝負を打ち出している。テレビに流れる値上げラッシュを見ていてもそれを実感する。段ボール製品、現在の価格で満足しているのだろうか。『赤字では無い』とするメーカーは多いがその程度では人も集まらない。近くの会社に移られてからでは遅過ぎる。
 ▼消費者の心理を調査したあるアンケート(5月に実施)によれば、宅配便の値上げについて「生活が苦しくなるので止めて欲しい」との回答が17%であるのに対し、「宅配業者も経営が苦しいのだからある程度の値上げは仕方ない」が74%もあり、業者の窮状に理解を示している、と言う。ここでは、なぜ値上げが必要なのかを消費者に積極的に説明する姿勢が最も大切、と指摘する。包材価格を少しでも抑えたい企業と消費者では、事情も異なるが、収益性から厳しい作業環境、今一度、声を大にして言いたいところだ。
 ▼さて利益率の高い重包装段ボール、中津川が関東で拠点を確保したが、一貫系重包装メーカーもどうやら関東で新工場を建設するようだ。もちろん貼合機も導入する。 (山)
 
8月7日付
2018-08-22
 堅調な段ボール需要を受けて板紙各社のフル稼働状態が続いているが、中しん中心にタイト感は近年稀にみる。典型的な装置産業の板紙にとってマシンは回せば回すほど心地良いはず。まして滞りなく出荷されるのだからベストな状況。値上げ以降、市況は盤石、段古紙もまだ統制可能なレベルで『今年は間違いなく黒字』と誰もが口を揃える。
 一方、『自分達で(需給を)引き締めたわけではないのに』と皮肉交じりの声。段メーカーの調整要求が強まる年度末から、一貫して玉が足りない状況は、『結果的にプラスに働いた』。品種構成拡大、好調な輸出なども大きいが、今年に入ってメーカー問わず、マシントラブルが散見されている点も残念ながら要因といえる。むろん、ホイホイ更新するものではないが、老朽化は否めない。そんな状況でのフル稼働となれば無理も生じるようだ。ボイラー故障、配管トラブル、転抄機での品質不良など真偽がはっきりしないものも含めると様々露呈しており○日間停止との話もかなりの頻度。段ボール側からは『もう戻してくれないなら、せめてしっかり整備してほしい』との厳しい意見も。
 内装分野では長期間停止していたメーカーが再開した矢先、今度は他社が老朽化に起因するだろうトラブルのために少なくとも今月末までは休転という。なかなか全てが順調とはいかない。 (浮)
 
7月27日付
2018-08-08
 ▼『この半年間で差(段メーカー間)が付いたように思う』と流通幹部が強調した。取り巻く環境を見極め、製品価格の見直しに積極的に動いたかどうかを指している。ある中小は早い段階で原紙側の強気な姿勢を見抜き、ケース得意先全社に価格改定のお願い配達・納品時間の見直しを送り、きめ細かく営業へ指示した。最後の詰めには社長も出向き説明に当たった。『営業マンに任せきりでは、どうしても甘くなる』、『原紙側に期待できない以上、1円でも認めてもらわねば』、前だけを見る方針を貫いた。それでも『これでようやく浮上している程度』、『まだまだ見直しを続ける』、と言う。
 ▼一貫某社の新工場が取沙汰されて久しいが、最近は〇〇に土地を取得し稼働年月まで噂に上がる。この県では昨年新たに2台のコルゲータが動き出したが、いくら需要の伸びる北関東でも…。しかもこのグループ、買収した段メーカーのコルゲータも入れ替えるらしい。『あそこは集約時に、改造したばかりでは』と聞けば『新マシンの機種まで決まり、来年には』と言い切る人も。それにしても中小各社の数字は伸び悩み、たとえ量は出ても価格面から収益は上がらず。原紙を握る一貫との差は開くばかりだ。ちなみに6月の生産量だが、稼働日の関係からマイナスが多い大手の中で一貫系Yは102%。何を目指しているのだろう。 (山)
 
7月17日付
2018-07-31
 ▼『これほど(原紙)変わるとは想像できなかった』、多くの専業段メーカーが思っている。取り切った原紙値上げと製品値上げのアンバランス、『いくら何でも…』『そうは言っても…』恨み節になるが、現在の古紙調達を考えれば声を大にして言いたくなる。『協力金は麻薬だった』こう表現した人もいるが、これはこれで的を射ている。何の経営努力も無しに、黙っていても戻って来た年月が長くあったのだから。慣れは恐い。但し段ボール側には、事後調整よりも、現在の原紙価格交渉や古紙を含めた環境について原紙側から何の説明も無い事に苛立ちは溜まる。特に一貫は、ユーザーへの説明をきめ細かくする必要がある。
 ▼小さなボックスを取り巻く環境は更に厳しい。価格交渉にしても弱った会社は相手(得意先)の言いなり。同業からは攻め立てられ値引きで防戦、利益は押し下がる。老朽化が進んでも設備投資は不可能。以前、廃業した社長から印刷機更新について相談された事があった。『中古でもそんなにするのですか』と驚き、数千万円の機械を購入しても『返済は出来ない』、と言い切った。後継者問題にしても、これまでは後継者難が廃業の引き金になったが、現在は『いても止めていく』。ボックスメーカーのケース製造・販売網は人体で言えば毛細血管、経済を支えるためにも無くてはならぬ存在なのだが。 (山)
 
7月7日付
2018-07-20
 ▼『まだ何かありそうですね』、中小段メーカー社長と製紙会社の再編、中小のアライアンスなど話していた翌日、旭段ボールの買収がダイナパックから発表(6月18日)された。ある意味でトッパン、福野段より衝撃は大きい。旭段は昭和年に創業、段ボール産業を黎明期から育てた名門中の名門企業。現社長の村瀬さんとは記者が入社以来の付き合い、当時、小紙が事務局をやっていた『板紙産業研究会』でお世話になった。明るくお洒落で気さくな性格、寂しい気持ちでコラムを書いている。
 ▼10年ほど前まで300万平米弱だった関東の〇社、一貫系列に入ってから次第に力を付け、今や当時の倍以上を生産する。他社ではあまり作らない組み合わせのシートも製造しているようで、ライバルからも重宝がられている。『社長本人が売り込みに来ました』とは同業者だが、不思議な事に周辺でこの会社の悪口をあまり聞かない。どこに秘訣があるのだろうか。
 ▼『親からの指示らしいよ』とは、新たな目標に向かって邁進中の一貫系大手段メーカー。今年に入っても毎月、快調に飛ばし5月は前年比114%までかき集めた。この時期にそんな指令が出ているとは思えないが、昨年開かれた目標達成パーティーでは、その親からお褒めの言葉を頂いたようだ。それにしても『いくら何でもやり過ぎ』の声は関係会社の中にもある?(山)
 
6月27日付
2018-07-11
 5月末の原紙在庫は前月よりさらに減少し44万㌧弱。ライナは前年並みだが、中しんは75%程度と明らかに少ない。実際、GW明けには、関東中心に相当ひっ迫した。6月も引き続きタイトであったものの、現時点では多少の一服感もあるようだ。ただし、需要期に向かう中、北上製紙廃業、岳南排水路の点検、夏季休暇などを考慮すれば、しばらく需給が緩むことはなさそう。
 これだけ原紙がガチガチでは、値上げ未達分程度の市況の緩みを期待していた一部段メーカーは、厳しい状況に追い込まれるとの声は多い。『これまで古紙買付けには余裕があったじゃないか』との恨み節も聞こえてくるが、洋紙マシン停止や転抄が次々と発表される中、原紙サイドも緩める気配はなかなか見せない。まして古紙自体、未だ明確な見通しを見いだせていない。
 生産量は伸びているのが救いと思いたいが、中身をみれば毎月、前年比で100%を大きく超えているのは大手だけ。分母を考えれば、全体生産量の増加分とほぼイコール、中小との格差は広がるばかり。大手の北関東での新工場の噂も再燃しているし、中小買収やコルゲータ撤去の話も東西ともに、かなり真実味のあることとして聞こえてくる。『今年は本当に正念場』とは段ボールメーカー経営者だが、『先を見据えてしっかり値上げに動いたからこそ、秋以降は多少楽になる』とも強調した。 (浮)
 
6月17日付
2018-07-03
 ▼『うちの会社は価格でしか勝負できないんです』、段メーカー社長が送ってくれた文章の書きだしだ。コンサルティング会社の経営者が、安売りした末路などについて書いたものを回してくれたのだが、読めば読むほど段ボール業界にピッタリ当てはまる。一部をここで紹介したい。
 ▼品質や納期は同業他社と同じレベル、差異性を価格の安さにあると信じ価格だけで突き進む。当初はそれでも利益は出るが、他社も安くすれば違いは無くなり商権を失い落ち込んでくる。『価格競争は終わりなき競争。1円でも安く、は最後には無料にしなければならなくなる』のだ。『何百年と続いている老舗企業が、価格だけで連綿と商いを続けているのでしょうか』とも指摘する。
 ▼『量が伸びていた先代の時代は価格でも勝負できた』、しかし現在はどうだろうか。『後継者の役目は価格競争から脱出、それ以外の何かを付加する事にある』。段ボールがどこで作っても同じなら、どこで差を付けるか、ある段メーカーは『当社でやるサービス以外では、仕事が成り立たない得意先をいかに多くするか』に全力を挙げている。そのサービスは何か、オリジナルとは、これには各社それぞれ知恵を絞らねばなるまい。営業マンの質なら業界で一番、を目指しても良いのではないだろうか。中小段メーカーやボックスは、そうしなければ行き詰まってしまう。 (山)
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