板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

qrcode.png
http://itadan.com/
モバイル版はこちら!!
バーコードリーダーで読み取り
モバイルサイトにアクセス!


有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
----------------------------
板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

----------------------------

日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2018年 段談

 

2018年 段談

2018年 段談
3
 
6月7日付
2018-06-20
 ▼昨年、大きく掲げた生産目標をクリアした某一貫系段メーカー。他の大手も羨むほど数量だけは稼いだ。当初はそこに500万平米上積み、と聞こえていたが、最近は更に増えてプラス1000万、既存の段ボール工場では足りない数字に膨らんでいる。『5年、5000万平米、利益5%』が新たな照準のよう。今年に入っても対前年比で1月106、2月107、3月106、4月108%と伸ばし続けているのを見ると、噂だけでは済まないのかも。本気でやるとしたら何のために、親だってそこまで期待はしていないだろうに。中からも『切りがない。どこまで走れば…』こんな声が出ているが、利益5%を同時に達成できるのならばたいしたものだ。
 ▼『協力金を期待して積極的に値上げに動かなかった段メーカーはキツイ』、あちこちで話題にあがる。仲間内でも『値上げが面倒なのか、やっていなかった』と見られているが、『どうせ緩むのだから』と高をくくっていたようだ。古紙価格が軟弱で推移しても、新年度に入っても、想定外の『出せない』。製紙側の強さに焦り始めていると言う。そう言えば、ちょっと前にボックスが破綻し、そこへシートを販売する段メーカーも一部で噂にあがった。『正常な商売をやるためにも値〇〇は無い方がいい』、成果を上げている会社は、こうも見る。なお近く○県の中小がコルゲータを廃棄するようだ。 (山)
 
5月27日付
2018-06-12
 ▼トーモクの社長が交代する。新社長は中橋光男常務だ。20年社長を続けた齋藤さんは会長に就く。人事が発表された6日前に齋藤社長と会った。『お変わりありませんね』と煽てた記者を『そうだろ』と笑顔で返し『毎日腕立て伏せを80回』と笑いながら話していた。『歳(73)と同じ回数だと鈍る』と言い、普段と全く変わりなかった。トーモクは北海道の創業、北海道出身者が幅を利かせていた。同地でも無く、まして転職組の齋藤さんは異端児扱いも受けたようだ。会う度に『24時間会社の事を考えている』とし神戸、長野、ベトナム工場を同時期に新設、雪害にあった館林は再建した。東日本大震災でも仙台で自らスコップを持ち、陣頭指揮を取った。
 ▼『若い人は毬藻(まりも)より毬栗(いがぐり)』、社長の口癖で、平均点より1箇所でも百点を求める。ここに良き伝統が受け継がれている。兄弟会社と持株会社で揉めた時にはそこの経営者に一人で立ち向かい段ボール事業、そして会社を守った。アメリカから戻り本社社長に就任直後にインタビューした。当時の伸び悩みを指摘し『俺が取り戻す』と熱く語り、それを実現した。日本で1番の段ボール工場はトーモク館林工場、コルゲータをみても世界最高速のTM450、その実力はよく分かる。これからも会長として、業界全体を健全な方向へ、また段ボール側の考え等、発信して頂きたい。(山)
 
5月17日付
2018-05-30
 ▼4月に入る頃から『某社が終了宣言を出し、値上げに蓋をされそう』、こんな声が聞こえていた。取り方には色々あるが『あの会社は原紙上昇分の転嫁は終わり。次のステージに入っている。今度は物流関係の改善、そのコストの回収』と前向きに捉える段メーカーも。反面、『ケースを売り歩きはじめた。上げた後はいつもこれ』と指摘するボックスもあちこちにいる。上がった原紙代〇円に対して上げた製品価格は未だに届かず、まだまだ取り組んでいる会社は多い。時間を掛ければ良い訳でも無いが、この先どうなるのか不透明感が増す。それにしても〝あの会社〟の存在は大きくなった…。
 ▼製品値上げについて、『進んでいますか』と尋ねれば、決着率は別にして東北から九州までほとんどの経営者が『進んでいる』と返事をする。ただしその後に色々と注釈がつく。特に、大手間での仕事量の移動、決まった価格、時期についてひと言ふた言ある。最近はどこの会議や理事会でも『トラックが無ければ、運転手がいなければ』など度々耳にするが、段ボールケースも輸送・物流には欠かせない。大手ほどもう少し自信を持って値決めに取り組んで頂きたいものだ。さて4月の大手段メーカー生産量、一生懸命に取り組んでいる会社とそうで無い会社が鮮明に。量ばかり追い求め従業員が疲弊しても、正常な姿では無いように思うのだが。 (山)
 
5月7日付
2018-05-23
 ▼『A社を製紙系段メーカーが狙っている』『B社は専業大手の傘下になる』『C社は一貫系が近く面倒をみる』、中小段メーカーを取り巻く環境が厳しさを増す中、こんな噂が巷であがる。どこまで本当なのかは疑問だが、確信を持って話す人もいる。それぞれが取り組んでいる価格修正、思ったほど進展せず、しかも製紙側からの協力も期待できないとしたら現実に起こっても…。『この1年で何が出て来てもおかしくない』とした段メーカー経営者は何人もいる。周りは値上げ、値上げ、ビール業界などは収益性重視、あの宅配も大きく変わった。〝段ボールだけ?〟と、段ボール産業に関係する人みんなが思っている。なぜ変われないのだろうか…。
 ▼『いつまで経っても同じで変われない』『いつ変わるのか、本気で引っ張るリーダーが出てくれば』、ある経営者から聞かれ、それを別の社長にぶつけたら『他力本願では何も動かない。動ける力を残しているうちに、自ら仕掛けていくしかない』とし最後に『この業界は他人の事なんて何も考えていませんよ』と話してくれた。『う~ん、確かに』。それにしても4月に入って購読先のボックスが2軒廃業した。中小段メーカーの〇工場売却も耳にした。従来から積み上げた信用やこれからの戦略の建て方で、将来の姿は大きく違ってくる。ちょっと前の甘えはもう通じない。 (山)
 
4月27日付
2018-05-14
 ▼原紙、製品までの一連した価格修正。段原紙は発表から遅れることなく浸透し現在も強気の姿勢を変えていない。『10円では不足だった』との声も漏れ聞えて来る。製品になると達成率は件数ベースで見ても千差万別、まして金額ベースならなおさらだ。『宅配便や運送の情勢、諸々の値上げラッシュから段ボールもそう抵抗なく上がる』はずだったが、進めていくうちに…。ある経営者が原紙と段ボール、双方の出荷額から計算したら、値上げ目標を100とした場合、原紙は〇割近くで製品は△割に届かなかったと言う。
▼地域によって、進捗に大きな差があり『思ったよりも』『4月で終了する』とした会社も何社かあるが…。それにしても〝質を求めれば大きく量を失う〟こんな事でいいのだろうか。
 ▼『コスト上昇分を製品に転嫁する、当たり前の事が出来ないのが今の業界だ』と話したのはA社長。年明けまで姿勢の良かった大手系も拡販に動き出し、中小の中には驚く安値でがっつり量を取る会社が存在する。ここはシート販売も大手ボックス向けが多く、価格は書けない値段。周りから『製紙側に期待している』と見られているが、期待通りに返ってくるのか甚だ疑問だ。実際、製紙系大手段メーカーAは赤字のようだし、製紙も流通もこれからは『協力する段メーカー、しない会社を選別』するそうだから。 (山)
 
4月17日付
2018-05-01
 ▼『物価が多少なりとも上昇傾向にあり、人件費や運賃の上昇が容認されるという環境は、デフレ時代に比べ値上げ交渉しやすいはず。しかし段ボール業界の現状では、優秀な人材はなおさら来なくなる』とは中小段メーカーA社長。春に入って値上げが加速すると思っていたら逆方向。ひどい事例では『ある得意先で一貫系段メーカーが値上げを打ち出したが、当社の値上げ前の価格より安かった』。『量の呪縛は業界のDNAで、変えることは無理なのか』とも話したが、大手の一部の行動は確信犯だ。『これでは原紙の値上げを認めたくない』、いくら前へ進めても邪魔をする会社がいてはそう思いたくもなる。
 ▼一方の段原紙、3日にメーカー側が流通を通して『いっさいの値引きはしない』と大手・中小段メーカー問わず通告、強気の姿勢を崩さない。ただ段古紙の見通しは中国での状況も絡んで、また高騰するかどうか読みにくいが、最近はかなり緩んでいる。輸出価格も3月末時点では表に出せない値段のよう。製品価格改定では大手ユーザーの一部は4月からについて、揺さ振りをかけた。実際に先延ばしもみられる。負けないよう『製紙側はユーザーに原紙の環境(下がる要素が少ない等)をきちんと説明すべき』であり、特に『原紙以上に加工賃をしっかり交渉しなくてはならない』。拡販に走る段メーカーが増える中、果たして。(山)
 
4月7日付
2018-04-19
 ▼製品値上げ。段メーカー、ボックス問わず複数で、概ね今月初めから、金額ベースでは6~7割程との声。元値も各社各様なら、その総括もそれぞれだろうが、本来業界内に留まるべき利益が、結果として顧客に流れてしまった面は否めない。『業界全体としては失敗』こう見る人も増えてきた。既に大手一貫Aは終結宣言からの拡販攻勢と先を見据えているようだが、ここから体力勝負の様相がさらに強くなる。あわせて、3月中旬以降、原紙サイドの調整に期待する声もより大きくなっていたが、果たして?
 ▼古紙動向。中国は3月1日から禁忌品含有率0・5%以上の古紙の輸入禁止を本格化させており、その本気度が際立ってきた。日本からの輸出もしばらく様子見の状況が続きそうで、段古紙の緩みが一層懸念される。現状、原紙在庫は比較的タイトな状況ではあるものの、古紙在庫は高水準にあるのでなおさらだ。結局中国次第なのだが、その動きは分からない。高値でも困るが、これ以上、安値ではさらに困る。栗原社長が今号で私見として言及しているが、上限・下限を定める個別売買契約による国内価格の安定化は有効な策となるかもしれない。そもそも原紙メーカーは兎も角、段ボールメーカーの間には、輸出に左右され過ぎる古紙価格への不満は従来から根強くあった。今回の値上げを踏まえてもそれは変わらないだろう。 (浮)
 
3月27日付
2018-04-11
 ▼段ボール業界でも収益を最優先にする経営者が増えた。そんな中で『バランス(数量)はやっぱり大事』と親しい社長が話した。今回、大手と競合する得意先で飛ばし過ぎ思った以上に減らしてしまったらしい。2月の生産を見ても多くの中小は良くて前年並み、昨年より1日稼働日が多くてもだ。『仕事量や専業大手の決算を考えると溜息しか出ない』と言うが、中小はみな同じ気持ちだろう。
 ▼実際に手元の数字では、大手段メーカーは1社だけが前年比で100割れ、伸ばし続けるYに至っては107も稼いでいる。もっともそのY、本当かどうか分からないが『このまま行けば赤字…』との噂も。親から紙をちゃんとした価格で買っているのだから、あの売り方では『当然』(中小経営者)か。ちなみに同じグループでもSは1、2月ともに100。以前の勢いからすると少ないように見えるが、周辺では『値上げをやった(やっている)』と。昔、一貫系のI社長が『生産を見れば一目瞭然』としていたがその通りである。
 ▼トッパンや福野段のM&A、15日に破綻した三愛ダンボール。この他にもコルゲータを外す、大手の傘下に等、まだまだ出て来るとする関係者が『値上げをやりきるか、どうかで先も決まる』とした。現況だが『出口は見えてきた』『もう一歩』から『まだまだ』『競合する客先は…』まで色々ある。 (山)
 
3月17日付
2018-04-04
 ▼3月2日、あのトッパンコンテナーがレンゴーの子会社になる、と発表された。週明けには関東の名門・福野段ボール工業が中部の雄である中津川包装工業に買収された、と一報が飛び込んできた(7日号で既報)。理事長経験会社のM&Aだけに記者はもちろん、同業者でも『びっくり』した経営者が多い。中津川が『関東で拠点を探している』とは聞いていたが、業界内では衝撃的ニュースであった。『寂しい話だ。これからも集約・淘汰が進むのだろうか…』近隣のボックス経営者に聞かれたが、『今やるべきこと(価格修正)をしておかなければ』としか答えようが無かった。買収話は決して〝負〟のイメージばかりでは無いのだから。
 ▼シート価格の上がったボックスが殆どだと思うが、極一部の地域で取り零しがあるようだ。場所は書かないが先日取材した同地区の段メーカーが、そう口を揃えた。大手ボックスから『それでいいの、どうなるか分かるな』と言われ、おとなしく引き下がったのは数社の大手営業マン。入れ合う中小は動きようが無かったらしい。またあるボックスと競合する段メーカーは『2月からシートは上がったはず』なのに、ケース値上げに動く様子の無いボックスに『本当に上がったか、甚だ疑問』と言う。材料価格の上昇に抵抗するのは当たり前の事だけど、言われるがままに聞いて帰る段メーカーは情けない。 (山)
 
3月7日付
2018-03-14
 ▼ケース値上げも進んでいるようで喜ばしいが、原紙メーカーの生産比率見直しなど方針転換からか一部に品薄感が出ている。この状況を踏まえてか、一部の板紙会社が段メーカーに『不足する』と半ば脅しをかけているようだ。しかし大手ユーザーには『潤沢に原紙を供給している』とも耳にする。実際にそうならば『売る所が違うのでは』、と言いたくなる。
 ▼1月の段ボール生産、中小段メーカーは『溜息しか出ない』に『散々たる数字』と前年割れが続出した。大手を見れば伸ばし続ける一貫系子会社Y(前年比106%)を筆頭に中々の数字が並ぶ。100%を切ったのは1社だけだ。『値上げの時期に量を落とさず集めるとは…』と誰もが思うし、ボックス側からの『春先には波乱の幕開け』はまだ優しい方で、強烈な嫌味を言われた営業マンもいるそうだ。
 ▼あるボックスが『以前の段メーカーはシェア拡大を狙い、手間の掛かる仕事に手を出さなかった』と話した。ボックス特有の細かな仕事は安定し、たとえ100ケースでもそれなりの利益を上げられ、経営は成り立っていた。ところが最近はセミタイプの機械を設置する段メーカーも出て『競合するようになった』。一方の段メーカー側は『最新鋭のFFGを導入する大手ボックスも増えた』と言う。シート代に近いケースが出回れば、得をするのは買う方だけ。 (山)
3
<<有限会社 日刊板紙段ボール新聞社>> 〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウンA-509号 TEL:03-5689-0121 FAX:03-5689-0120