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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2019年 段談

 

2019年 段談

2019年 段談
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2月27日付
2019-03-18
 ▼18年の段ボール生産量(速報値)は143億9430万1千平米で、出荷量は37億5268万4千平米。段メーカーの他社購入もあるが、単純計算で、シート販売率は約26%。これが08年は同33%、1998年は同39%なので、この10年で7%、20年では13%減少した。段メーカーの製箱比率上昇、ボックスメーカーの減少が主な要因として挙がるが、どちらが先かは意見が分かれるだろう。ただ、現状の磐石な原紙価格に加えて、配送問題などが顕在化する中、なお一層、シート販売の舵取りは難しさを増しているのが現実だ。だからといって、原紙のように、有無を言わせない値上げで良いわけではないはず。少なくともケース値上げも同様な状況にならなければ、最終的に誰が割を食い、誰が得をするかは明白だ。
 ▼『バラエティでも取り上げられるのにね』と段メーカー幹部。2月初めの日曜、人気番組で、中国の通販爆買いに端を発し、日本の段ボールが値上がり、飲料はじめ様々な商品が上がるとの主旨で特集していた。引越し業者は購入するケース代が17%以上も上がったと実値を挙げていた。同様の特集も多い。広く認知してもらうチャンスだ。実際、『今回の値上げが過去、最もやりやすい』と断言する段メーカー社長もいる。昨年末以降の古紙下落を受けた製紙一貫の動向が多少気になる所だが、価格改定もしくは取引条件改善の理解を得るべく、今は前を向くしかない。 (浮)
 ▼関東は大きな市場であり、『まだまだ伸びる』と誰もが思う。が、それにしてもこの先数年間で、コルゲータ更新を含めいくつ新工場ができるのだろうか。正式に発表された森紙業の千葉県船橋以外に、耳にしているだけで埼玉のRT、群馬のOI、茨城では土地を取得したRにTに、Dが更新と計画がひしめいている。もちろん噂の範疇ではあるが、大手の工場だけにコルゲータは300㍍以上だろうし、生産能力は中小段メーカーの比では無い。『大手の陣取り合戦、中小は蚊帳の外』とある社長が話していたが、1月の大手生産量を見ても、新工場分を今から埋めようとしているのだろうか。
 ▼『中小はシート販売から引き始めている』、地方のボックスからこんなメールがあった。大手2社、中小2社と取り引きしているが、中小からは昨年末に『申し訳ないがこの値段でしか売れません』と言われたそうだ。価格面もそうだがニュアンス的に『(運ぶのが大変)売りたくない』みたいだ、と言う。一方の大手、シート値上げの案内配布はいの一番だったが以後、音沙汰なし。ボックスでは『いずれ上げて来るだろうが』とは見ているものの、『(一貫と中小)置かれた環境が違うようだ』と感じている。一昨年このコラムで、〝シート販売は中小では出来なくなりつつある〟と書いた事があったが、現実にそうなってしまうのだろうか。 (山)
 
2月17日付
2019-03-04
 ▼『これだけ厳しい状況は今まで無かった』とは、段メーカーの会長。『良い時も悪い時もあったが今回ばかりは』と話す。原紙側の強さから、同業の出方など待つ余裕無くシート値上げに邁進したが、早く動いただけに『かなりのダメージ(量)がある』と言う。全体で見ても、2月に入ってシートは前進した。『2月1日から〇円以下では売れません』西でも東でも、ある大手は1歩も引かなかった。1月中旬にはシートを終わらせた中小もある。懸命に動いた会社でさえ『余裕など一切無い』のだ。とは言ってもシートを買うボックスから『(自ら安値を出し)今の時期にいくら何でも…』と諭された一貫系もあるとか。呆れてしまう。
 ▼動いた会社と鈍い会社の差は歴然だ。転嫁率(上がった原紙価格、製品価格ベース)で見れば倍以上は違う、と聞いている。有力段メーカーが、シートを上げるにしても原紙の手当てにしても『ここまで状況が変われば一貫系列に入った方がずっと楽』と冗談交りに笑ったが、『あそこは〇に、あっちは△に』、こんな噂話も案外、早めに実現するのかも。もっとも傘下入りと言っても人気は見事に偏っている。今後はケース価格の交渉が本格化する。『お客さんの方が理解している』、まともなユーザーも多い。大小問わず毅然とした姿勢で交渉しよう。『これを乗り切れれば、明るさも戻る』のだから。 (山)
 
2月7日付
2019-02-20
 ▼コンセンサス、コミュニケーション等が足りない、取れていない、こんな声を休み明け早々段ボール側からよく聞く。古紙が諸々の事情から高騰、配送などその他のコストも上昇し原紙メーカーはそれを価格転嫁、2年続けて紙は上がった。この値上げの背景は段メーカーだって理解はしている。お腹にあるのは『一方的過ぎる』(専業大手)、『交渉にならない。冷たく機械的』(中小)と感じてしまうその手法、上げ方だ。過去ずっと段ボール側にスタンスを置いていた原紙専業も、別の顔を見せるほど。集約淘汰が進んだ上に外にいくらでも売れる時代、日本だけでの需給(古紙、原紙ともに)も考えられない。『環境がガラリと変わったんだ』、そう言われればそれまでだが…。
 ▼3団体新年会で齋藤全段連副理事長が、『お尻を叩かれている製品値上げ、段メーカーは頑張り第4コーナーを回ったが、ムチばかりでは…』と話した。その場で参加者から賛否両論耳にしたが、記者が思うに大切なのは段ボールと原紙は一体ということである。ともに無ければ成り立たない存在だ。それが最近はちょっと違う気がする。片一方ばかりどんどん先に駒を進めても。もっとも段ボール側も環境の変化について行かねば、厳しさから脱する事は出来ない。〝他社が〟よりもまず自社で動かねば。なお専業大手○、茨城・阿見に工場用地を取得したもよう。 (山)
 
1月27日付
2019-02-12
 ▼某大手ユーザーに値上げで動いた一貫子会社の営業マン、資材担当者から『〇〇が儲かっているのに、上げるのですか』と聞かれ、反論出来なかったそうだ。ユーザー自身は立派な収益を上げている。全くおかしな話だ。また原紙部隊に段ボールの営業マンが『(古紙に引きずられ)原紙も弱含みか』と尋ねたと、嘘みたいな話まである。もう少し学ばねば、顧客にやり込められてしまう。
 ▼一方シートの交渉で『〇円以下では売りません』と強気で切り出した大手段メーカー、ここまでは立派だがボックスから『ケース価格は?』のひと言に無回答だったと言う。仕入先を変えない優良ボックスが何故こんな事を口に出したのか。前回値上げ時にこの段メーカーから痛い目に合っていたのだ。シートを満額上げておきながら、入れ合うユーザーにはボックスの提示額より下げた価格でネゴ、結果その価格に落ち着いてしまった。ボックスにしてみれば『シートを上げておきながら、全額転嫁できないケース価格を提示するとは』。この一件が無ければ、このような言い方はしなかった。原紙もシートも同じである。最後の製品までやらないと後々まで悪影響が残る。
 ▼量を睨みながら『赤字で無ければ』位の気持ちでは、11月に原紙をあの値段で仕切られた専業は満足しない。それでもじっとしていれば財布からお金が出て行くばかり、色々な動きがある。南九州でのM&A、関東で駆け巡った噂話。板紙・段ボールを取り巻く環境は様変わりしたが、いつの時代も変わらないのはやれば必ず結果は残るという事。シートは件数ベースではそこそこ進んでいるのだから、もうひと踏ん張りだ。 (山)
 
1月17日付
2019-02-01
 ▼ある経営者と話をしていて『段ボールは数社で7割を占めるんでしょう。儲かりますね』と言われた。自分の経験(他業界)から、『大手がしっかりリードできている状態で価格も安定』と見ていたのだ。しかし現状はどうだろうか。宅配便の成功事例を目の当たりにし、原材料の高騰を受けながら、今一歩、踏み込めないのが実態だ。中小の経営者に取材してもほとんどの人が『何故できないのか』と呆れている。しかも中小の一部の動きが鈍い。自分の財布から毎月大きなお金が出て行くのに、周りは『理解できない』でいる。
 ▼12月、関東での出来事だが一貫の子会社が大きな得意先に『今回は前回値上げできていない会社に対する値上げであって、御社は値上げ交渉の対象外』と言ったニュアンスの説明をしたそうだ。その後、入れ合う中小がその納入先に値上げのお願いをしたところ『価格を上げずに量を維持するか、価格を上げて量を失うか」になった。しかも前回の価格だってまともじゃなく、資材担当者の上から目線での言い方に我慢も限界、一貫からの紙の買い方を変えるか思案中。上層部はより現場に目を向けなければ、前に進むものも進まない。
 ▼この状況を『どう見ますか』と聞かれる事が増えた。多少遅くても近く挽回できるものと信じている。やらなければ中小は大手と違い会社が無くなってしまうのだから。(山)
 
1月7日付
2019-01-23
 人手不足が深刻化する中、多くの外国人労働者が段ボール工場で働き、貴重な戦力として活躍している。ただ、急激な外国人材拡大等が生産設備の自動化など技術向上に影響を及ぼすという意見もある。段ボール産業ではどうなのか。
 昨年10月の段ボールセミナー18では、関連産業の発表でコルゲータやFFGの自動運転等がテーマとなっていた。東日本段ボール技術委員会は「IoT化で将来的に業務全体の74%が削減可能」との試算を発表。大きな数字だと感じた。
 専門家の中には「外国人労働者や経験の浅いオペレータに配慮した使い易さや操作性、いわゆる〝ユーザーフレンドリー〟は良い方向性だろう。ただ、オートメーション技術は人間の手や眼に替わる物。IoTやロボット等の最新技術は、現在も日本が強みを持っている分野であり、単に安い労働力で賄おうとするのであれば時代に逆行し、国際競争力低下にもつながりかねない」と懸念する声もある。
 ボックスメーカーに訊いてみたところ、「人の手で行うからこそ利益が取れる細かい仕事もある」、「自動化できてもコストメリットがあるのか」。さらに「どちらもコストがかかる。まずは、しっかり製品値上げを進めなければ」、「いくら外国人材が増えても魅力ある産業にならなければ、どっちにしても入って来ない」とも。…確かにその通りだ。 (菅)
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