板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2022年 段談

 

2022年 段談

2022年 段談
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9月17日付
2022-09-29
 ▼板紙各社は㌔15円で走り出したが、ある大手原紙メーカーは『(再値上げで)充分過ぎるほど段メーカーの立場は分かります』と言っているらしい。もっとも段メーカーにしてみれば、その原紙メーカーの決算があまりに悲惨で『いくらそう言われた所で…』。しかも話には落ちがあり『あそこはいつも同じ事を言う』、更に『一番、取り切るのもあの会社』だそうだ。
 ▼今になってみれば白い紙がこれだけ落ち込み、板紙が伸びるとは想像していなかっただろう。まさかの逆転現象である。しかも昔、子会社◎板紙が『加工で1県1工場(コルゲータ)構想』を掲げ、着々と手を打っていた時期があっただけに、〝たられば〟で見れば残念だ。紙業界の超名門企業だけに、もっと早くから手を打つなり、何か無かったのか。専業は専業同士、組めば面白い、と個人的に思う。
 ▼『値上げの時期だからこそ、生産平米、数字が物語る』、と中小段メーカーが言った。何回か書いたが、以前、一貫□系大手段メーカーは値上げをしっかりやり生産量を2割近く落としたが、当時の社長は『やればやっただけ数字に表れる』だった。これが業界全体から絶賛された事は言うまでもない。値上げは出来た会社が勝ち、出来なければ負けだ。ダメになった会社を見ればよく分かる。『口だけの共存共栄は聞き飽きた』、こう話す人もいる。(山)
 
9月7日付
2022-09-16
 ▼『段原紙と製品は同時に上げてもらいたい』、段ボール側は強く思う。発表を見てがっかりする。同じ日に発表しても『個別に交渉させて頂きます』では、抽象的過ぎ、いつ、いくら上げるのか、はっきりしない。前回は危機感を持ったトーモク、ダイナパックが額などを明示し勢いがついた。ある程度の成果が達成出来たのも、これがあったからだ。
 ▼本来なら原紙を上げた一貫メーカーがこの役目を担わなくてはならない。『紙だけ上げて製品は蔑ろ』ではあまりにもナンセンスだ。これに対して『今度はやる』もあれば、『○%と言い切れば、その価格に引きずられる』『もっと上げなくてはならない顧客もある』、と言う。一貫系営業マンの言い分だ。値上げの度に先頭切って実践していれば『それもあり』とは思うが、『遅れた一番の原因が一貫』と見ている。果して10月1日から一貫系は動くのか、特に□グループは『動かねば原紙で猛反発』も予想される。
 ▼鉄鋼や石油関係などではチャンピオン交渉がある。一般にチャンピオン交渉で決まった価格は業界指標となり、同業他社も追随する場合が多く、例えば大手製鉄とトヨタ自動車による値決めが、指標価格となったりする。段ボールは全農や広域ユーザーが後回しになり弱腰だ。中小段メーカーの小さな会社の方が先に値上げが決まっていく。この交渉にも善し悪し在るだろうが、『チャンピオン不在の業界』と言われる中、以前は一時、チャンピオン交渉の是非を問う声もあったが…。 (山)
 
8月27日付
2022-09-09
 ▼『1回目は唯々諾々だった。しかし2回目は是々非々になる』。これからの原紙値上げの交渉について、親しい段メーカーがこう話してくれた。何度値上げしても理由・理屈が付くなら、買う側もそれはそれで理解は出来る。今の日本の状況ならなおさらだ。しかし今度の原紙2回目は、『各社円の裏付けが出来るのだろうか』と言う。確かに一部の製紙メーカーは石炭の使用量が多く、同業からも心配される具合だが、工場別で見ても石炭の使用量は違う。まして他社になるとどうだろう。川上側に、コストアップは川下に押し付ける、こんな考えがあるとすれば、『腑に落ちない』、が段ボール側の気持ちではなかろうか。
 ▼ほとんどの原紙が9月1日から上げる事を発表したが、『ひと月ありません。これで出来るのでしょうか』、ボックスメーカーから聞かれ、返事に困った。どう考えても、数カ月前に上げたばかりのユーザーにまた足を運び『再度、価格を上げさせて下さい』とは…。誰だって言いにくい。しかもコンスタントに取引きある会社は約200社ある中、うち数社は値上げ出来ないでいる。競合する大手段メーカーが前年価格での取引きを認めたからだ。『特に大手企業は率先して行動してくれなければ』と話す。
 ▼王子マテが8日に値上げを発表し原紙メーカーが出揃った。時期が10月1日からと少々ずれたが額は15円以上と足並みを揃えた。上げたばかりの箱もあり時期には大きな抵抗を持つが、いよいよ〝秋の陣〟を迎える。紙を上げた一貫3社は、製品でも言い訳などせず、先頭切って推し進めて欲しい。物事をプラスに考えるかマイナスに捉えるか。ならば段ボール側も2回目をチャンスにして段ボールの本来の価値を取り戻そう。『一貫の動きより自社の存続を掛けて動く』とは中小社長、頼もしい。(山)
 
8月17日付
2022-08-29
 ▼7月中旬にこんな話が出た。大王製紙や興亜工業の発表前だ。『(値上げは)やるしか無いけどね』とはある大手製紙メーカー営業関係者で、段メーカーが『(再値上げ)どうする?』と聞いた時の返事だった。この頃、再値上げに対して段ボール側にまだ少しは余裕があった感じだが、『流石に9月1日から15円』に驚き、『(額、時期に)呆れた』と言う。周りの同業に聞いても反発は大きく『来年の話じゃないの』と続け、あるボックスは『まだまだ決着していないケースだって存在するのに』と憤る。しかもその元凶は一貫系がほとんどだ。親しい経営者が『夜も寝られない人が増えそう』だったが、本当にそうなるかも知れない。
 ▼専業製紙は大王の後に続く。興亜が21日(9月1日、現行価格より25%以上)、NTIは26日(9月1日、15円以上)、一貫レンゴーも28日から同額の15円以上である。ウクライナ戦争もあって膨大に膨らんだ燃料代、特に石炭ボイラーを使う会社は大変な事は理解できる。今年1月に22~23円だった豪州一般石炭価格(港渡し)は6月前後に65円と跳ね上がった(ちなみに18年は10円台)。石炭比率の低い製紙会社でもコストは100億円超えだと言うから、仲間内でさえ『相当深刻、存続の危機にある』と見る。それは分かるが、製紙メーカーみんなが、また違う工場でも、同じ燃料(石炭)を使うような言い方の打ち出し価格だ。他の材料にしても価格の上げ下げだって当然ある。こうも紋切型では、多くの専業段メーカーも腑に落ちない。 (山)
 
8月7日付
2022-08-17
 ▼5月が前年比109、6月は106%を叩き出した一貫系段メーカー。これに関して親しい中小各社は、『〇〇に振り回されている』『上げるか、どうしようか…。のらりくらり作戦』『話に上がる通り』等など、この他にも上げたら切りが無い。中には『悲しいくらい数字が物語っている』もあれば『数字を伸ばしたい〇〇の活用がある』(ボックス)まであった。それでも段ボールやボックスは、製品値上げに関して及第点が付けられる。ただし値上げ効果はあっても中小の作る数量は…。なお一貫系の兄弟会社、災害で1工場が未だに復旧していないが、5、6月共に100超えとこちらも立派。
 ▼夏前から燻っていた原紙再値上げ、大王製紙が初めて一番に手を上げた。7月19日に発表した内容は9月1日から㌔15円以上アップだった。一部の段メーカーには前もって声掛けしてあったのか、噂は前週後半には広がっていた。各社の予想は『○製紙かと思ったら大王だった』や『最初とは立派な会社になったものだ』など反応は色々である。段ボール側は総じて『そんな感じは持っていました』『そう思って気持ちを引き締めていた』感じだ。今後、大王は一貫化を突き進んでいくのだろう。
 ▼原紙値上げは興亜工業21日、NTI(日本・東海)26日と続く。ここまでは順当な予想だが、コラム入稿日(28日)に『少し様子見』『先行メーカーとの違い』を耳にしていた一貫△社が発表するようだ。先日の理事会で大王の値上げについて『知らない』としたあの仕草は…。残るは一貫□社の動向になるが、洋紙の値上げでは紙の盟主らしからぬ離れ業を見せたものの、段原紙では足並みを揃えるのか、それとも『まだ』はあり得るのか。
 ▼相次ぐ値上げ発表。しかもこれだけ前もって各社の噂が広がるのも珍しい。年に2度の価格上昇、上げ幅も大きく、まだこれから改定するケースも一部で残るだけに、はたして浸透は。 (山)
 
7月27日付
2022-08-08
 今月初めの夜半、パッと真っ暗になり、その後数時間停電した。電力ひっ迫による計画ならば、多少の準備もできたが、この時代、東京でいきなりとは…。幸いにも暑さが控えめな日で助かったが、実際に起きて初めて気づくこともある。経験を踏まえて事前の備えをしなければ。
 事前の備えと言えば、そろそろ気になるのが、段原紙再値上げ。最も準備したところで、『製品値上げがやっと終わったばかりでとても…』というのは段ボール側の率直な声でもある。年に2度となれば国内では初めて。石炭はじめ燃料の暴騰、昨秋と比べれば次元が違うレベルで7月以降、それがモロに圧し掛かってくるはず。原紙サイドの多くが実施を前提とした下期利益確保型の予算組でもある。そんな中、注目を集めるのが、日本製紙の第1四半期決算発表予定の8月5日前後。同社は石炭比率が最も高く、今期の予想も未発表、このタイミングで予想を出して、値上げ発表も行うとの見方も。発表から2カ月半後、10月以降から実施となれば、ナショナルユーザーとの年契交渉にも間に合うのでスケジュール的には十分にあり得る。
 と勝手に備えていたところ、三連休前、週明けに大王が代理店を招集したとの情報が駆け巡り、いち早く値上げに動いた。一見、意外なようで、やはり石炭比率が高く、最近の値上げに対するスタンスは品種問わず、前向きではあった。2強はじめ他社動向も気になるが、まずは一貫グループとして製品値上げまで含めた同社の姿勢に注視したい。 (浮)
 
7月17日付
2022-08-05
 ▼段ボール業界を止めたある人物が言った事が忘れられないでいる。『段ボールは規格箱の世界に近い』、『大手の潤沢な資金には敵わない』、『いずれその地域で1、2社を除き全て一貫系に入るのではないか』、最後には『我々中小がやる商売では無くなった』だった様に思う。20年近く前の事なのだが、今その言葉を思い出したのは未だ関東地区を中心に起こっている製品値上げの現状があったからだ。値上げが終わった中で一部の製品は他社も驚く『現状維持価格』。紙が上がっているならば当然赤字覚悟で社内から『工場単位でも数千万円の赤字』と漏れている。専業段メーカーならば出来る訳が無く、僅か半年続ければ破綻になっている。ちなみに全農の価格は〇円らしい。加工賃は各JAが個別で決めるとも。中小の良さを加味せず価格だけでいいのだろうか。
 ▼昔はボックスも多くシート専業はそれなりの利益を上げていた。それが大手との競争から『あの値段(シート価格)で商売になる訳が無い』、と徐々に撤退を決め、特に5、6年は激しさを増す。残されたシート専業は格段に減った。中小にしても20年前のシェアは現在よりだいぶ多かったが、多かれ少なかれ半数は中味を重視し量を落とした。今の146億平米から20年前の135億平米、計算上は10億平米以上増加したが、その大半は新工場や新鋭機増設など大手段メーカーの独壇場だ。中小なら1社でやって年に2400万平米、10社で2億4千万平米、何だか気の遠くなる話である。(山)
 
7月7日付
2022-07-20
 ▼製品値上げは、6月でほぼ終わったようだ。時間は掛かったが勝手に点数を付けさせて頂ければ、平均して及第点は行きそうだ。『値段重視でやった』中小段メーカー、数量を若干減らしたものの件数や価格ベースで見れば当初予想より良く、総じて各社こんな感じだ。
 ▼『この次は』、話に出る原紙の再値上げだか6月上旬にある製紙メーカーでは〝製紙の取り巻く課題〟を代理店会に説明した。・原燃料急騰・物流24年問題・CO2削減などだが、ここに来て段メーカー側に変化が出ているように思う。少し前までなら〝いつ、額は〟と構えていたが『今は無いのでは』『一貫の間でも違和感ありあり』と見ている経営者もいる。たとえ値上げがあったとしても『一貫と専業製紙では額、時期ともに違うのでは』と言う人も。ただし石炭主力のコストは膨大に膨らんでおり、まぁあくまでも段ボール側の見方です。
 ▼製品の上げ方であるが『会社が小さくても自社の製品に自信を持ち、相手が大きくても対等に渡り合う度量(値段交渉…)』『紙やシートが何度上がっても、掛かった費用は製品に転嫁し回収しなければならない』。格好よくまとめればこの通りであるが、他社と競る中で現実にどの程度までならば、各社の許容範囲なのだろうか。ここが一番難しい。『段ボールは平米数も大切、質とのバランスが重要だ』ある段メーカーの話である。『他社より安くしてたくさん持って来い』ではないものの、『やっぱり落とせない受注はある』と言う。 (山)
 
6月27日付
2022-07-08
 ▼5月の製品貫徹を目指し『一生懸命、やっているのに』とは中小段メーカー。先日は『ある得意先で一貫系が出した単価が旧値。他の一貫系も価格が動かないだけにそれに従った』と言う。往々にしてこんな事が起こる。関東圏のある地域では『(一貫系は値上げをしないで)量は1人勝ち状態』、こんな噂が関連業界の末端まで流れている。これだけ耳にしていればその会社の幹部にだって届くだろう。大手の中でも値上げ達成度(目標度?)に違いがあるのか、『あの会社はどうする事も』とまで言わせる。経営層が変わり理事会などでは『少しは』と聞くが、現実に目を向けるとこんなあり様だ。関東で大きな工場が近く動き出す、子会社の段メーカーも増強される。1000万平米クラスなだけに周りへの影響は少なからずある。
 ▼読者から『(山)は熱いね』『色々と怒られない』と言われた。たまに『それは違う』とお叱りを頂くが書いていて素直に嬉しかったし、こんな良い表現で褒められる事はそうない。コラムで『安売りするな、価格を保て。と言い続けているが業界は少しも変わらない』もある。小さな業界紙で『自らの付加価値を高めよう』と言った所でたいした力は無いかも知れないが、何れにしても『変わるまで、書き続けて行こう』とは思っている。
 ▼さて製紙メーカーは代理店に原紙の現状を諸々説明しているようだが、中には『再値上げがあれば、こうは行かない』みたいな声もある。こうは行かない、は『製品にモタモタした段ボールなのか、上げきらなかった一部ユーザーなのか』。大手ユーザーでは原紙が〇円上昇したかは疑問であり、その責任は…。 (山)
 
6月17日付
2022-06-29
 3月から上がった段原紙。段ボール製品値上げが概ね4月以降となれば、当然ながら最低でもこのひと月分のギャップ調整が気になるところだが、今回は取り切りの姿勢を崩していない。現状を鑑みればそれだけ原紙サイドは切羽詰まった状況にあるということか。
 大手エンドユーザーの指定・支給にしても契約上、時期ズレはあるものの、満額取り切りの方針はほぼ変わらなかった。ここでも強気の姿勢のようだ。
 一方で大規模ユーザーの中には少々驚くべき動きが聞こえてくる。特定分野の原紙調達を差配するAは、値上げ幅については満額で応じたものの、さしあたって各地域への供給はこれよりもかなり安価な価格にしたとの噂も。Aが正当な代理店機能を発揮したともいえるが、万が一にも最終的な段ボール製品の値上げ幅が抑制されることに繋がらなければよいのだが…。
 さらに、あるエンドユーザーでは原紙値上げを認めつつ、それを自社で吸収、段メーカーへの供給原紙の価格は変更しないという、にわかに信じがたい方法を模索する動きもあるとか。段ボール製品の値上げを避ける思惑があるのか?
 先日ある段メーカー元社長が言った『敵は本能寺にはなし』という言葉が染みてくる。業界内の上げ幅を巡る攻防もさることながら、最終的に転嫁するのはエンドユーザーであることも決して忘れてはならない。 (浮)
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