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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2022年 段談

 

2022年 段談

2022年 段談
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2月27日付
2022-03-09
 ▼『今回の値上げ、価格を見ても皆さん強気です』、出だしはこんな声が溢れた段ボール製品の価格改定。進捗具合はどうだろうか。『相変わらず』『変われない業界』、聞く話は…。
 ▼大きな会社ほど上の意思が末端まで伝わりにくいとはよく聞くが、段ボール業界はこれが著しい。もっとも一貫の一部トップには『段ボールの事なんて眼中に無いのでは』(中小段メーカー)こんな愚痴まで耳にする。紙を上げた責任は一貫にある。いくら最高益を出しているからといって、『製品が遅れること自体おかしい』のだ。日経新聞が書くごとく一貫だって今や『段ボール頼み』では無いか。専業大手はトーモクが1月31日、ダイナパックは2月3日と相次ぎ製品の改定を公表した。実施時期が異なるのは置いておき、専業は動かなければ会社が成り立たないのだから必死だ。
 ▼一貫系も早く明確にやっただけ、会社が大きな分、利益も増える。一部巷では親会社から『3月21日、〇%。これで2月14日から動くように』と具体的な指示が出ていると言うが、拍車がかかるかどうかは動き次第。製品が遅れればそれだけ、身内の紙に対する抵抗だって強くなる。しかし、ごく最近、段メーカーから届いたメールには、『一貫系は一年間据え置きを出した』『4月からも同値で進めている』、と書いてあった。今現在『安値の更に下に潜り込む』事もあるから驚きだ。
 ▼さて、ある経済誌2月12日号に大手食品会社の社長インタビューが掲載されていた。テーマは〝値上げ術〟である。そこには『シェアが高い会社が値上げをしなければ、他メーカーが先に値上げをしようにも交渉は上手く進まない』『交渉力を持つシェアトップが値上げする、と言えば仕入側も、致し方ないとなる』。実に分かり易い、そして簡単な話ではないか。 (山)
 
2月17日付
2022-02-28
 段ボール原紙の値上げが実施される。上げ幅が㌔10円以上なので、段ボールシートの平均平米600㌘、国内年間貼合量を146億平米として試算すると、単純計算で1年で876億円段原紙は上がる。これにインキや糊、運送費など上昇分を加えてシート・ケース値上げとなるので、最終的には1千億円以上をケースユーザーに転嫁する必要がある。
 もちろんエスカレーター式にスムーズにいくものではないことは、過去の値上げを見るまでもない。『業界環境を見れば、段原紙は確実に上がる。それをシート・ケース転嫁できなければ一転、逆流し業界内での体力勝負に陥る。そうなればどこが強いのか(もしくは馬鹿を見るか)は明白だ』(大手段メーカー)との言葉は、先に挙げた額の大きさとともに重みを持つ。
 シートに関しても動き始めた。トーモクはシート平米10円以上、公表こそしていないが大手一貫2強各々の傘下段メーカーも◎円と○円で打診を始めるようだ。価格の違いはあれ、狙いは近い所にあると信じたい。オミクロンの影響も含め少々、値上げ交渉に遅れが見られるとの指摘もある中、新年度を見据えて一気呵成に進んでほしいし、過度なシェア争いのキッカケだけにはしてはならない。無論、原紙サイドには段メーカーだけでなく、大型エンドユーザーの指定・支給の改定に目処をつけてもらいたい。 (浮)
 
2月7日付
2022-02-17
 ▼各地の親しい段メーカーやボックスとメールをやり取りした。2月から始まりそうな㌔10円の段原紙値上げ、『過去下がり続けた加工賃、負担が増え続ける運賃など取り戻さねば』とする声がある一方、『理由の一つに古紙操短と聞くが、言う割には減っていない』から『環境投資と言えば聞こえはいいが、予定の話では』まである。とは言っても紙は〝上げる〟となれば上がる時代だ。皆さん、粛々とやるべき事を進めている。
 ▼早々とユーザーを訪問し『3月1日から改定したい』、とお願いした中小段メーカー営業マンだが、交渉相手から直ぐさま『△社(一貫)は4月1日からで、と言ってます』と釘を刺された。もっと酷いのは大手子会社の『1月から1年間据え置きで』、なんとユーザーに念書まで提出したそうだ。ボックスには一貫系□社が『シートは3月いっぱい従来価格で』、と伝えてきた。総じてこの□社が軟弱と耳にする。
 ▼製紙系で動きの良いのは、ちょっと意外だったがボックスへの提示が『一番乗り』も多いD社。ある会社には『飲めないのならば、納入できません』と強気の発言をしたそうだ。Sも他社が気になりながらも、グループ内ではいち早くシート改定に動いている模様。聞く限りでは提出された見積りも、当初の噂より数円高い価格、紙代に諸々のコストアップ分が含まれている。
 ▼昨年はコロナ禍でも破綻する会社が少なかった。『ゆるゆるの貸付条件、その反動が出始める』と言われている。段ボール会社も煙は何本も上がったが、具体化した事例は極僅かだった。今年は出だしから大阪の中小が大手流通の子会社になった。『まだ増えそう』とは複数の段メーカー社長、そうならないためにも価格修正には全力で。22年の予測が過去最高だとしても、大手向けのあまり儲かりそうもない分野の伸びである。あらゆる需要分野で増えた時代と、営業スタイルが変わっていない事が、問題なのだ。 (山)
 
1月27日付
2022-02-07
 ▼2月から始まる段原紙値上げ、発表直前まで一貫系段メーカーの安値拡販があった事から、一部段メーカーは『中小、専業潰しにしか思えない』と指摘する。それでも各社、得意先への説明訪問を増やして交渉準備を進めている。『競っているうちに半分以下に』とはA式ケースの加工賃。『新製品など、切り替わる時』を切っ掛けに修正しようと努力してきたが、『10年前の工賃には到底及ばない』。上げ幅を原紙メーカーは㌔10円以上としており、これに他の副資材の上昇分、上がった運賃、諸々を積み重ねると最低でも紙代6円、プラス3円は必要となる。紙は上げると言えば上がる時代である。『どうせ後で』と、〇〇金を目論むより、自分の力で前に進めなければなるまい。やった会社と手を抜いた会社の差は、少し先に歴然となる。
 ▼業界首脳の年頭所感を読むと、〝環境対応〟や〝取引改善〟〝物流問題〟の文字がパラパラ入っている。やれる環境対策は何にでも大きな費用が付きまとう。また取引改善にしても小回り、小ロット対応に大手との差を見いだしていた部分もあるだけに、どこまで踏み込めるか、この塩梅がなかなか難しいところ。さて、12月の大手段メーカー生産量、最高は一貫系の108で最低は専業の96%。ちなみに一貫及び一貫系4社は100超え、専業3社は100割れと、見事に二分された。 (山)
 
1月17日付
2022-01-31
 ▼2年続けて紙関係団体の新年会は開かれなかった。感染者が落ち着いていても、テレビ等で『6波は必ず』『大人数は避けて』と報道されれば開く気持ちも萎む。コロナの影響はまだまだ続く。それでも昨年10月から会食に誘われる回数が増えた。もちろん少人数でだが、2年近く遠ざかっていただけに、顔をあわせての会話に飲む酒は楽しい。しかし厄介な事に新たな変異株が現れ、感染者も急激に増えている。影響が小さければいいのだが。
 ▼昨年の段ボール業界、中小社長が『増えはしなかったが、大きく落ち込まなかった』と言うように、大手に掻き回されながらもどうにか製品価格を保ち、なんとか乗り切った1年だった。今年はどうだろうか。11月末に打ち出されたレンゴーの原紙値上げ。丸紅、大王製紙は12月10日に続いた。この2社、当初から『レンゴーに続き』と流れており、『日本製紙(12月15日発表)も想定内』だったよう。原紙最大手の王子、マテリアから購入する中小各社は一様に探りを入れていたがなかなか掴めず、12月16日に代理店を集めた事が前日に広まった。
 ▼原紙側は上げ幅の根拠を〇費2円、□費2円、◎費2円、△費4円とあげているが、妥当か否かの意見は分かれる所。ただし製品の価格修正は、落ち込みつつある加工賃を始め、紙代以外の負担分を取り戻すチャンスに出来るはずだ。ここは実利を取らねば。責任ある一貫は段ボール製品への転嫁に突き進んで欲しい、と思うが中小には『結末まで責任もって欲しい』とする声がある一方、『一貫が10円全て製品に転嫁する事はあり得ない』と疑心暗鬼は根強い。行動で挽回せねばなるまい。 (山)
 
1月7日付
2022-01-19
 ▼今年の全段連需要予測は前年比1・7%増の148億7千万平米を見込む。達成すれば過去最高の更新となる。コロナ禍から脱して、再び成長基調にという予測と捉えた。発表直後、様々な方に感想を聞いても、『そんなに伸びるのだ。結構強気な数字ですね』との主旨の意見が多かった。そんな中、『この程度なのですね』との声も。海外市場に精通する方からの返信だった。そこでハッと我に返ったのだが、日本の段ボール市場は世界標準でみれば、成熟産業に限りなく寄っているということ。予測に期待感を持ちながらも、頭の片隅では近い将来、ピークを迎えるはず、それが今年か来年か、もう少し先か…と考えてしまっている。成長需要分野を確実に取り込みながら、紙化(段ボール化)のチャンスも活かすと同時に、青天井ではない市場の中で何が大切なのか。やはり業界の利益を確固とした姿勢で護るべきではないか。
 ▼エンドユーザーへの年始の挨拶では、当然製品値上げの話題も含まれるだろう。『価格でしか提案できない営業は本当に必要なのだろうか。段ボール業界で改善のアイデアを考え、提案できる営業がすごく少なくなってしまっていると感じる』とは、有力ボックスメーカー社長。値上げ交渉であっても、否値上げ交渉だからこそ、そこにもうひとつ、相手が価格以外で喜ぶ武器(提案)があれば違うはずだ。 (浮)
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