板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2023年 段談

 

2023年 段談

2023年 段談
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9月17日付
2023-09-27
 ▼昔は〝戻し〟、15年ぐらい前から〝協力、調整金〟。名前は変わったが原紙取引において、購入した原紙代金が事後に幾らか返ってくるシステムである。名称が変わった当初は『これで戻しが無くなった』と大手原紙メーカー社長も喜んでいたが、心の中では『やっている事は同じ』だと思っていた。実際メーカーも流通も『うちは協力金やりません』だったはずだが、蓋を開けてみれば…、今もって続いている。『出す会社、出さない会社。多い少ない』は吟味するらしいが、これに助けられている段メーカーは少なからずある。
 ▼〝量を追う姿勢〟についても問題視されている。コツコツ積み上げた価格転嫁が台無しにされるのだから、腹も立つ。親しい経営者は『助長しているのが、生産平米以外の評価指数が無いからだ』と指摘する。会社の利益率や一人当たりの利益率、一人当たりの労災発生件数など等。真に『良い段ボール会社』を表す指標を考え、非価格競争力で競うようにすれば『大小では無い〝優劣〟によるランキングができるのではないか』とする。
 ▼『量を追う事の根本にあるのが協力金』とも言う。段メーカーの中には、今現在、自社がどれだけ儲かっているか、この値段で売ればどれだけ加工賃が取れるか『把握しているか、甚だ疑問』な会社がある。後から戻ってくる金額を頼ればまともな企業経営など出来る訳がない。『戻しを嫌い、まともな原紙取引を望む会社を知っている』とし『業界の悪癖に切り込んだ会社こそ〝優〟企業である』と強調した。 (山)
 
9月7日付
2023-09-22
 ▼『台湾や中国製のマシン精度が上がっている』、ある機械メーカーが言った。『印刷機は遜色ない』。中国では約4千台のコルゲータが動いていると言われるが、FFGはまだ千台に満たない。印刷機、グルア単体機が圧倒的に多く、入れ替えが進んでいる。台湾はもちろん中国メーカーにしても需要に合わせて年間60、70台以上のマシンを組めば技術は格段にアップする。
 ▼東南アジアの日系企業では台湾製フレキソ印刷機が数多く稼働する。日本国内でも使われ、王子コンテナーはサンライズを重宝、台数も年々増えている。LMCについても複数台が稼働。他にも『日本市場を狙っているメーカーもある』らしい。ただし国内は印刷機メーカー5社の実力が高く、がっちり地盤を固める。『昔ほど価格差もなく、厳しい要求の日本をターゲットにする必要があるのか』などの見方も。とは言っても億の投資だけに、資金面で台湾・中国製に頼りたいボックスは一定以上ある。『アフターサービスもしっかりしているなら』が第一の条件で。
 ▼一時は日本市場に数台の超大型機を納めた外資企業。当時は日本法人社長とは親しかったが、撤退した。その後、新たな担当者が事務所を構えて国内で活動を再開、メールをやり取りした事もある。その後、音沙汰は無いが、最近の噂では『引き合いまで』あるらしい。それも本国工場では無く上海工場製。本社製は高価にしても、上海製ならば…。コルゲータはフレキソと異なり日本製とは大きな価格差があるだけに真偽はいかに?(山)
 
8月27日付
2023-09-08
 ▼生産が悪い。6月は大手段メーカー8社中、一貫□系1社のみ前年比で102%あげたが、後は全てマイナス。大手がこれだから全段連の速報値も95・9%、昨年10月から9カ月連続して減少だ。大手7月の数字も稼働日が1日少ないものの100超えは一貫△子会社1社のみ。後は冴えない。中小の数字が大手より良い事はまず無い。世間一般の景気は少し持ち直しているものの、段ボールシートに関しては価格含めてネガティブばかり。比較的落ち着いていた地域でも『弱含み』的な話をよく耳にする。
 ▼原材料が上昇し製品が追い付かなければ段ボール会社の収益は良くならない。ある一貫□系大手段メーカーを見ても一目瞭然、見事な赤字決算だった。通常は『今期こそ』とV字までは無理にしても返り咲きを狙うもの。それがどうだろうか、ある地域では7月に『○○平米増やしてくれれば○円下げます』と来たらしい。ボックスにすれば仕入れは安いに越した事ないが、あそこも、ここも、同じような話を持ってくるのなら…。気持ちは『仕入値の低下はオマケみたいなもの。ケースだけは守らなければ』だろう。
 ▼『量を稼ぐ大手は立派』、に一見みえるが赤字決算では何もならない。許す親会社もこれから良くなると思っているのだろうか、日本の段ボール事業に興味が薄いのか。決算数字を見た若いボックス経営者が『なんだか悲しくなります』と話していたが、段ボール産業を背負うべき位置にいる会社なのだから、その気持ち、よく分かる。 (山)
 
8月17日付
2023-08-28
 ▼少し前に掲載したレンゴー長谷川副社長のインタビュー、環境問題を全面に出した内容で反響があった。
 ▼あるボックスは、『テレビを観ていたらこれからは環境問題に対応できない会社は、お客から避けられる』とやっており、『段ボールはリサイクルの優等生、これで済んでいた時代では無くなっている』こう感じたそうだ。段ボール箱が出来るまで、古紙から原紙、段ボールシート、ケースまで、製造工程でどれだけ環境への負荷がかかるか、『箱を作っている本人がよく分かっていない』と話していた。その中で、『Scope1、2ってなんだ』と聞かれたが、事業者が直接、または間接的に排出する二酸化炭素ぐらいの説明しか出来ないが、ユーザーにとっては自分達が作る商品より、格段に原材料の調達やパッケージングの外部委託であるScope3(CATEGORY1)、特に原紙に関連する部分が8割超も占めると言う事は、大きな課題だろう。
 ▼抄紙する熱源がガスか石炭かバイオマスか、これによって製紙会社の立場は様変わりする。石炭はコストも安く、ボイラーを設備した当時はこんな問題が起こるとは、想像できなかったはずだ。『入れ替える』、にしても莫大な資金が掛かる。個人的には石炭・ガスを選んだ『運もある』と思いたいが、今日の気温を考えると、環境問題はますます大切になって来る。(山)
 
8月7日付
2023-08-23
 ▼1~5月累計をみると段ボール生産が前年比2・5%減に対して、出荷は同5・8%減。生産の落ち込みもさることながら、出荷が3ポイント以上悪い点が今の状況を端的に表している。出荷の全てがボックス向けではないことを考慮すれば、ボックスの製箱量がこの数値以上に悪いのも頷ける。大手の内訳を聞いても製箱が前年並みの一方、シート出荷は90%前後が少なくない。これが中小段メーカーになれば80%台前半も。一部ケースでは大手などからの請け仕事の引き上げも散見されるようだ。このような中で救いは、昨秋からのマイナス成長が始まる以前から、近年の業界勢力図、成長分野の需要が大手集中といった状況を把握した上で、少なくない中小、ボックスが、『量ではなく、仕事の中身を重視』する戦略にシフトしていること。無論、需要が回復しない不安、不満はありながらも、『値上げにしっかりと取り組んだ後、従来通り自社の強みを活かした仕事を続けていくだけ』とのマインドを維持している。
 ▼段ボールでもよく聞く東西価格差。業界特有の理由も多分にあるが、先日ある方から聞いた話では、東から西に引っ越す際、全国展開の店舗で、『同じ製品を購入するなら移られた後にした方が』とありがたいアドバイスを受けたという。東でも他社と比べて安値で提案する仕組みがあるし、今はネットで最安値もわかる時代。それを踏まえても西の方が得とのこと。買い物上手が多い故か?!記者も西に多くの地縁、血縁があるので納得するところも。 (浮)
 
7月27日付
2023-08-09
 ▼月に何度かやり取りする親しい知人からメールがあった。オーナーでも社長でも無く一社員からスタートし段ボールの製造・販売で培った彼の言葉には重みがある。巷に存在する安売り営業マンに〝爪の垢〟でも飲ませたい。
 ▼発端は記者が『シートが弱含みに』『地域で大きな差も出ている』と送ったメール。返信には『ロット格差に応じて加工賃、運賃、ロス等ちゃんと説明し胸を張って商売しております。ですから仕入れ価格で出た利益はあくまでおまけみたいな位置づけで考えておりますし、地域格差による価格帯はあまり意識しておりません』とあった。『仕入れを抑える事が利益に直結しますので必死になるのも分かります。しかし安売りしては元も子もないですが…』と続け、『ですから仕入れ価格より売値が大切であり薄利多売は卒業したいものです』その通りだ。
 ▼一部で見られる安売りに対しては『逆に安く仕入れているところの方が、利益率は悪い会社もまた多いのが現実』と指摘、『昔はよく特値が流行りましたけど、値上げで一番苦労するのは安く材料を仕入れていたものです』とする。『ですから弊社では特値で仕入れて対応する商品はここ2回の値上げで全て改善し特値依存から脱却いたしました』『あまり材料を安く買いすぎると安売りから抜け出せなくなり却って危険です』。皆がこうなれば良いのだが。(山)
 
7月17日付
2023-07-26
 ▼誰に聞いても『何も変わっていませんね』と口を揃える。『業界は良くなったか』『地位は向上したか』『段ボールの価値は上がったか』『働く人達に喜びや遣り甲斐は増えたか』等など、ここ最近、関係者と顔を合わすたびに話をするが、『全く変わらない』で終わる。世の中、変わる速度が著しいけれど、一部に見られる量を追う姿は昭和・高度成長期の様のまま。大手営業は赴任地で数年勇ましく売り歩き、安値だけを残していく。『段ボール製品の価値が本当に低くなってしまった』のだ。
 ▼生産量はこれまで低位安定、若干でも伸びていた。ここに来て減少傾向が出ているがそれでも微減である。輸入品に押され製品が消滅する産業だってあるのだから恵まれた業界ではないか。『価格で量を追わなければ』『競うなら、値段以外で』誰もが普通に考える事である。それが出来ない。地場の中小は安値で拡販しても市場を壊すだけで、何も残らない事を肌で感じている。多くは完全に質中心へシフトした。『悩みに悩み』ここ数年で『10%以上数量を落としても、収益のためにそうする』と言う。
 ▼最近は人の問題もある。夢や働き甲斐のある産業で無ければ若い人は集まらない。『業界の地位向上を目指そう』『段ボールの価値を取り戻そう』、言葉は出ても空振りばかり、空しさだけが残る。〝人は大切な資本〟であり、将来の段ボール産業だって左右する。リーダーや引っ張るべき会社ならそれを考えなければなるまい。自分の会社だけ大きくしたって…。(山)
 
7月7日付
2023-07-19
 ▼『需要の減少に磨きが掛かっている』『回復の兆しが見えない』複数の親しい段メーカーが溢した。『過去最低の数量を更新』も耳にする。『貼合量の少なさからコルゲータも早めに止まる』、こんな話が一段と増えた。5月の大手段メーカー生産量、『そろそろ回復する』一部で出ていた期待を裏切った。2社を除き100位なのだから、前年同月より一日稼働日が多い事を考えればマイナスである。全段連の速報値はまだ出ていないが、良くてトントンか。大手でこれだから中小やボックスを含めた全体の数字はより悪い。『周りもみな90%前後』と言う地域もある。
 ▼苦労して上げた価格が『持ち堪えそうにない』もあちこちから声が出る。『上げたばかりで値下げ合戦に突入しそう』はあり得ないだろう。『どうしてこの価格でシートを出せるのか』中小専業から見れば不思議な値決めがある。『この段メーカーに入れている原紙価格を疑ってしまう』のだ。さてその値段だが、ある人から聞いた一貫系大手段メーカーの原紙価格。間違った事を言う人では無いだけに驚いた。中小からすれば『えっ』では無く『え~~っ』である。
 ▼悪い事ばかり書いたが『独自経営を貫く』『量は良くないが、市場の雰囲気はべた凪』こんな声もある。今はじっと我慢時、〝原紙からシートと崩れる嫌なパターン〟だけは避けなければ。 (山)
 
6月27日付
2023-07-11
 ▼『値上げ前の価格で売り歩いている』、あるメーカーの事である。あちこちから同様の話が出るのだから困っている同業が何社かありそうだ。量的規模のある会社ならば『増やして原紙の購買を有利に』が無きにしもあらずだが、増やそうにも設備的に貼れる訳が無く疑問符も付く。ならば楽に売りたいのか、『営業マンが減って大変』とも耳にする。恐い事に『自転車操業に陥っている』との噂まであるのだから困ったもの。
 過去に倒産した会社の後日談では『安い価格なら、売り易い』『値引きもユーザーの言いなり』などをよく聞かされる。良い事が一つも無いのが身の程を知らない〝安売り〟。これで会社が大きくなった事例は無い。ある人から『償却の終わった機械を使っている会社があっても、ここが安く売る事は無いはずだ(5月7日付け)と書いていましたが』、それは『違いましたね』と言われてしまった。
 ▼『今、C5はいくらでしょう』と聞かれ、北から南まで各地域の中堅ボックスメーカーが買うシート価格を聞いてみた。販売先は大手段メーカーが9割であり、地域によって価格差があった。ある大手段メーカーは〇地区では周りより高く、△地区は一番安い。『関東では、えっここが?』と思う会社が他社よりだいぶ高値で販売している事例もある。
 現在は東北、九州が高めで関西は安め、と言ったところか。ただ関東で今の原紙価格で取引する中小段メーカーには、この価格で売れる事に驚きもあるはずだ。輸出に国内がダメとなれば、一貫は自社グループあてに押し込み原紙を増やそうとする、そうなれば弾かれたメーカーは。需要減少に加え、不透明感は増えそう。まぁシートが高いならば箱にしっかり転嫁すれば良いだけで、シート価格に固執しても仕方ないかも。 (山)
 
6月17日付
2023-07-04
 さて、1年間に2度の値上げを終えた評価は。『率直に言って1次はほぼ満足いくものであったが、2次は物足りなかった』とは、ある段メーカー社長。結果的に何が物足りなかったかといえば、専業段メーカーとしては至極当然、自らの製品値上げ分の転嫁が1次と2次とで異なったこと。そうなるに至った様々な阻害要因についての同社長の見解は、あえて明示しないが、多くが『確かに…』と頷くであろう2次で見られた原紙も含めた段ボール業界の弱さを口にした。では皆がこの結果に対して同様の評価を下すのだろうか。
 卑近な例だが、通知表で、ある教科が3だった評価を、2でなくて良かったと捉えるか、4、5を取れなかったと不甲斐なく思うか。置かれた立場で随分と違うし、将来の進路によっても異なるかもしれない。他教科が良ければ問題ないと思う者もあるだろう。これを少々強引に業界に結びつけると、一貫、段メーカー、ボックス、規模の大小、地域によって、表向きはともかく必ずしも本音では評価が一致しない点が悩ましい。2次ということもあり、それが顕著に出たかもしれない。調達資材での調整の感触、原紙・段ボールトータルでの評価、1次との兼ね合い、顧客の置かれた状況等々。ただ、一貫幹部が言うように、段ボール単独でも電気代、配送費、人件費がこれからも下がる可能性が低いのは共通している。 (浮)
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