板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2023年 段談

 

2023年 段談

2023年 段談
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2月27日付
2023-03-10
 ▼『鬼より怖い公正取引委員会』、『そこまで、気にしなくても』等など…、個人的に公正取引委員会に対して良い感じを持っていない。過去にあった事案で、その気持ちはますます強くなっている。大きい会社が販売する原材料が上がり、それを製品に転嫁する場合、弱い立場の小さな事業者が、強い企業(ユーザー)に立ち向うには、皆で気持ちを一つにしなければ中々前には進まない。顔を突き合わし〝いつから、幾ら以上に〟と決めている訳でも無いのに、記者の頭では『納得はいかない』。まぁ最近の報道では〝価格転嫁に消極的な会社や団体に注意喚起した〟とあり、少しはマシに思えるが。
 ▼その公取委に『こんな大会社がある』とひと言チクりたい。日本を代表する企業なのだが、子会社での段ボール箱購入にまでわざわざ口を出し、段ボールへの扱い方が本当に酷い。値上げ交渉に出て来る人物は業界でも超有名人らしく、前回の10円では紙代の半分しか認めず、ある一貫はそれ以下。今回の15円に対しても半分で、また値上げの根拠を持って来いらしいが『すべて却下するので意味が無い』と言う。『納入業者をいじめて高収益を上げ、賃金も大幅にアップした立派な会社、こんな顔をする』。全くふざけた話では無いか。取引ある大手段メーカーもよくご存じだと思う。ひと言、公取委にたれ込んでもらいたいぐらいだ。
 ▼親しい会社が大手の傘下に入った。このコラムに『昨年はM&Aが少なかった』と書いた矢先の事、つい先日会った社長からの電話には『まさか』しか無かった。いつも通りの元気な声であったが、これに至った過程を思うと、1番辛く残念なのは社長のはず。大きな決断だったと思う。記者とは気が合い、昼は必ず蕎麦屋か鰻屋でご馳走になった。業界では名門・老舗企業。付き合いも幅広く、色々と教えて頂く事も多かった。大手の系列になったからと言っても100%ではなく、この先も大きな変化は無いだろう。それにしても『また連絡します。○○辺りで』と笑顔で別れたばかりだった。まずは健康でいて欲しい。落ち着いたら一杯やりましょう。 (山)
 
2月17日付
2023-03-01
 ▼ISOWAが取り組むサービスに関する新体系(1月27日広告、2月7日インタビュー)。同社が長年続けてきた〝ISOWAは止めません 止まりません〟の新たなステージである。段ボール機械、それを使うオペレータ、会社に対する愛情から立ち上がり、業界の常識を破る新たな試みだ。
 ▼『機械が4時間以上停止すると、工場が被る損失は急激に大きくなる』、多くの段メーカーが同じように言う。突発停止は、同じ機械への生産振替を始め納期調整など時間や労力がかかり、最悪は信用を無くし商権を失ってしまう。機械メーカーは突然止まる故障が発生すると、他のサービスの予定があっても、何とかやり繰りして現場に駆けつける。これはどこのメーカーでも同じだろう。
 ▼この時の費用は最も安い平日料金。機械が稼働している曜日・時間だから、当然と言えばそうである。しかし今は予防保全に取り組んでいる会社も増えている。機械が稼働していない休みの日、作業が終わってから整備・点検する。その時間にISOWAから提案された予防保全を行うと、休日や割増料金になっていた。よく考えれば、一番困っている修理が最も安く、真面目に予防保全をやろうとすると割高、おかしな話だ。
 ▼〝自己矛盾〟の是正。4月からスタートする新体系は計画的であればあるほど安価に改定する。ISOWAのサービス売上げは大きく減ると言う。普通に考えれば、『何でも値上げの時代。部品や資材も上がっているし、一律20、30%上げた方がよほど楽』である。
 ▼磯輪社長は『同じ船に乗りたい』『共に栄えて行きたい』とし、機械メーカーと段ボール会社が長期的な繁栄を目指す。〝機械は壊れるまで使い続ける方が得〟では無く、〝壊れる前に早めに対応する〟である。 (山)
 
2月7日付
2023-02-21
 ▼昨年の原紙輸出は速報値で前年比微増の99万7千㌧と100万㌧に到達せず。秋頃は多少ペースが落ちても届くと思われたが、11、12月に大失速した。中国向けの減少、円高に振れた為替などが理由だ。これに伴い、製紙メーカーは減産を行うとともに、一部は急遽国内グループ向けにシフトするなどした。
 『コンバータ向け』『指定・支給紙』『輸出』。従来以上にこのバランスが崩れると、各社の方針に狂いが生じる。と言っても昨年も輸出は過去最高を更新したわけだし、春頃には従来の水準に戻るとの見通しもあるが、仮に12月のように5万㌧を割り込む数字が続けば、近年の能力アップを加味しても、余程自制しなければ高い在庫水準も相まって先行き厳しい。ましてアジアの大増設で国際競争は一層激化する。国内も能力過多といえばそれまでだが、燃料の高止まり、脱炭素へ向けた設備投資が引き続き重く経営に圧し掛かる上、装置産業の宿命だが、稼働益抑制は難しい。既に原紙値上げは高水準で決着したとはいえ、輸出如何で、コンバータ向けでは一貫メーカーの内製化アップを含めた陣取り合戦、指定・支給案件の過当競争も想定せねばならない。無論、段ボールにとってもプラスとはならない。
 ▼シートは2月から段階値上げ含めて上がり始めた。ケースも同時進行で進めば良いが、4月を最終に如何に早く決着できるか。一部大手の動きの鈍さ、もしくは決着上げ幅への不満の声は気がかりだが、原紙の価格調整、昨年〇月分までは旧値としても、2月が起点では○カ月分は戻ってこない。ボックスもシート値上げが重く圧し掛かる。輸出の動向も気になるが、まずは値上げだ。
 ▼なお、段ボール最大のユーザー団体は、支給原紙で満額回答、自助努力分を差し引いた○円の値上げを段ボール側に伝えた。2月以降実施、○円を基準に段ボール加工賃改定は4月からの様子。5社会はじめ大型支給・指定原紙も満額に近い水準のようだ。 (浮)
 
1月27日付
2023-02-21
 ▼昨年12月後半、段メーカーに『シートが遅れに遅れて○月からに』『ある地区のボックスからこんな話も出ています』と伝えたら、『そこまでは無いでしょう』と否定された。一方で『ケースの目処を見極めながらシートを進める』こんな意見もある。それからひと月経った今、『その○日より更に伸びそうだ』と見る関係者が多い。但し『シートはあと少しで』の話も出ているし、ケースまで上がった地域もある。一部だがシート先行で上がりキチンと成果を出している。
 ▼昨年、買収された段メーカーは吉沢工業(新潟県)だけ。それも経営的に困ってでは無い。年に原紙が25円も上がり、単純に考えれば成り立たない段メーカーがあってもおかしくない。原紙は段ボール会社にしか売れないのだから売り先が淘汰されて困るのは売る側。どこまで〇〇金を出し続けられるのか。
 ▼『5社会の価格も訳が分からない』、『支給紙、紙だけ上がって加工賃は…』、『系統と商系で値段が△△』、『ギリギリの製紙ももうあきらめモードを思わせるほど、値上げの意欲が無い』諸々な噂が入る。もちろんガセネタもあるだろうが、悪い方が多い。今もってジョーカーはユーザー側には行っておらず、板紙・段ボールの間をウロチョロしている。『中小段メーカーが先か、一貫2社を抜かした紙側か』淘汰される会社の事だそうだ。これが一貫の戦略だとしたら、凄い。
 ▼昨年12月の大手8社の生産量、100%前後が多かった中で、少ないのは一貫△子会社の93、多いのはもう一方の一貫□系で102%となった。果たして値上げが遅れる理由はどこに。関東も決まり始めれば早そうなのに。 (山)
 
1月17日付
2023-01-31
 ▼昨年後半は思った以上に原紙2回目の製品転嫁が、もたついてしまった。年明けからの攻勢で一気に挽回できるかが焦点になる。現在の業界値上達成度は大手と中小段メーカー・ボックスでは認識が異なっている。中小の多くは『値上げはこれから本番』なのだ。少し前に『うちは動いている、という気持だけが上層部に伝わっているのかも知れない』と、大手営業幹部から聞いた事があったが、値上げすれば数字に反映されるのだから分かるはず。大手と中小での顧客の違いがあるのか?
 ▼12月半ば過ぎに気になるメールがあった。ある地域で『独立系で一生懸命に動いている会社があるが、見ているとユーザーは他の段メーカーに移っている』と。別の地区では、いつもは先に動く中小専業が、周りの同業から今回は遅く『アクセルを踏んでいない』『あそこと絡むと延び延びに。シートが良くて〇月、悪ければ□月に』だった。更にキャンペーンを張った一貫系の孫会社は『10月の数字を維持する勢い』と言われる始末。
 ▼さて、昨年は業界全体の生産量が前年を若干超えたものの、予想を下回ったようだ。誰かが言っていた『みんなシートに敏感』らしい。23年は卯年である。例えの中に〝登り坂は平地より困難だか、兎は登り坂こそ得手〟とあった。値上げは自分でやらねばならないし、一貫1社を抜かせばそれなりの動きも出てきたようだが…。『値上げのためには量を減らしても』と思いながら、22年の生産実績を見ていて感じた事がある。『そんな会社がダイナ以外に出て来たら凄い』。〝値上げは◎月には…〟などと言わず直ぐにでも。もう待った無しなのだ。 (山)
 
1月7日付
2023-01-24
 前回卯年は2011年。そうかあの年から干支が一巡したのか。
 同年の段ボール生産量131億4078万平米に対して、今年の生産量は148億5千万平米を見込む。実に17億平米超の量的成長だが、果たして段ボール業界でどれだけの人が実感・享受できているのだろうか。小紙推定で393台だったコルゲータ数は現時点で358台に減った。工場数ベースでも25工場減、ボックスメーカーの減少はこれを優に上回る。無論、企業間競争は当然であるし、それぞれの方法で各社努力を重ねてきた結果で今があるが、コルゲータはじめ設備の高能力化を加味すれば、この間の増加分を補ってあまりある状況である。
 価格水準も当時と比べて表向きは大きく上がったが、やはりそれを実感できている人は業界でどの程度いるのか。そしてこの1月、段ボールメーカーにとって、昨年来の大幅な値上げの正念場を迎える。まさに踏ん張りどころ。12月半ばになって、『やっと動き出した』との声が段メーカー、ボックス双方から聞こえ始めた。『原紙の上がり分を補填する値上げではなく、段ボール製品自体の値上げを』という方向性が合えば、明るさを実感できる1年になる。『悪貨は良貨を駆逐する』、昨年末、ある業界の大ベテランが現状を憂いて放った言葉だが、そんな状況を克服できるチャンスでもある。一方で、『今回の値上げ分ですら、いつ吐き出しになるか分からない』との指摘があるほど、先行き不透明感は強い。なお更前に進まねばならない。
 小紙も指摘すべきことは指摘し、業界の成長に少しでも貢献できるような紙面づくりをしていきます。本年もどうぞよろしくお願いします。 (浮)
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