板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2023年 段談

 

2023年 段談

2023年 段談
3
 
6月7日付
2023-06-20
 ▼『価格を大事にするしかない』、『ここで崩したら元も子もなくなる』。多くの中小やボックスが言う。苦労しながら値上げした努力を台無しにしてはいけない。値上げして何カ月経つのか、まだ数カ月だ。賃金、輸送など等、問題が山積しているのに情けない。
 ▼4月の大手段メーカー生産量は悪かった。全社が100割れ、一貫□系子会社が98%だった以外は全て95%前後だ。ある大手の販売会議で『通販の落ち込みが際立っている』、『営業マネージャーからはっぱが飛ぶ』と出たらしい。大手の数字がこれだから中小、ボックスはより悪い。『身体で落ち込みを感じる』、『減少幅は切実』、どの業種が良くないでは無く『段ボール需要全体が』との声もあり、親しい会社が90を割っている。しかもGW明け後も厳しい状況が続く。
 ▼コルゲータが夕方を前に止まれば動かしたくなる。『量を追わなければいいですが…』何人かに送ったメールだが、『他社の芝生を狙っている』『値段での競込が』こんな返信が多かった。ボックスの『(シート価格を)あわせてきました』はまだしも、『(シートを)特値の更に特値で販売している会社があり困っている』(中小段メーカー)には、何も言えない。特値を下回る特値価格っていくらだろう。普通に考えれば、紙代だって出ていないはず。これがまかり通るのだから、おかしな話だ。 (山)
 
5月27日付
2023-06-09
 ▼最近『変われない業界』、こう話す人が多い。少し前に加工賃の修正で成果を上げた時期もあったが、瞬く間に戻っている。30年前と比べ変わったのは社数ぐらいだ。板紙も段メーカーもボックスも淘汰・吸収され減った。入社当時、レンゴーの売上高は3千億円程度だったが、それが今や連結で9千億円を超える。大きな会社が周りを飲み込みながらより巨大になる。もっとも究極、一貫2社になったとしても2社で争奪戦を繰り広げる、と思っている。〝価格でしか差を付けられない段ボール箱〟、どうにかして欲しい。やればできるし、儲かるのは自分達ではないか。
 ▼『噂が先行し煙から火が付く』『ビビった製紙会社がある』、段原紙も段ボールも色々と言われる。たとえば『某大手段メーカーが5月から販促』と出た。そこの会社幹部に聞いた人がいる。答えは『落とした数量を、元に戻すだけ』だった。『弱気の製紙会社○○』、そう言われる会社も辛いだろう。一方、現在でもケースが未決の超大手□、5、6月から決まり出したようだが、それぞれの◇は上げ幅もバラバラでまだ難航しそう。誰かが『あわないなら売らなきゃいい』と言ったが、それぐらい強気で交渉して欲しいものだ。こんな事ばかり書いていると、尊敬する◎さんから『ネガティブばかり…。ダメだろ』とお叱りを受けそうだが、現状を見回すと致し方ない。 (山)
 
5月17日付
2023-05-31
 ▼段ボール製品値上げがほぼ終了したが、その評価はどうだろうか。まずは一生懸命に動いた関係者に『立て続けの修正、ご苦労様でした』と言いたい。さて、昨春の1回目は原紙代上昇分の10円に、諸々のコストアップ分プラスαを加え、中小・ボックスは悪くても『及第点』。大手経営者の中には『営業が頑張り、90点は付けられる』まであった。中身製品の値上げ機運があり、得意先も頭から拒否の姿勢はあまり無かったようだ。
 ▼続けざまの2回目、原紙の上げ幅は15円と大きかった。大手段メーカーは製品転嫁について、秋から出ていた〝やります、やった〟は口だけで年を越した。動かない会社に引きずられ伸び伸び状態が続き、得意の〝後だしジャンケン〟ならまだしも、全く動かずの一貫系も散見された。4月にほぼ終わってみれば、何人も『春に比べ結果は良くない』と言う。特にシート販売、中小は年々落としているが一貫系は『数量をまとめる、厚物格差を取らない、など等あの手この手で』絡め取っていく。『1回目と異なり値上げ後の心配があります』とも聞いたが、商権の移動は既に出始めている。全体の需要量が落ち始めているだけに先の見通しも曇りがち。
 ▼『上がった価格の維持は数カ月も持たなかった』漫才みたいな話まである。安売りは『大手ばかりじゃない。ボックスだって同じだ』西でも東でも、売り込むシート販売会社はある。普段はポジティブで品行方正な社長が『これだけ数字が悪いと普段なら絶対に手を出さない仕事でも欲しくなる』。それだけ環境がよくないのだ。小紙で本を発送する宅配〇、今朝も何度目かの料金改定表を持ってきたが、購入する段ボール箱の値上げは別のよう。□にしても数年前まで段ボールを作っていたのだから、業界の実情も解かってよさそうなのに。(山)
 
5月7日付
2023-05-19
 ▼『給料を上げると収益に響く、そうならないように生産性を高めよう』。テレビでよく聞く話である。意味はよく分かるし、生産性の向上に常に取り組んでいるのは我が産業でも同じだ。ただ生産性を上げれば段ボール箱は安く作れる一面がある。今は昔に比べ2倍近い速度で精度の高い箱が作られている。良いマシンを入れて儲かれば『人や次への投資に回せばいい』ものを段ボール業界のいけない所は、安く作れると安易に安く売ってしまう会社がある事だ。
 ▼〝会社の適正なる利益〟は各社で異なる。持つ設備から全て違うのだから、ひと箱にかかるコストも大手とボックスでは大きな開きがある。たとえ償却が終わった機械を使っているボックスがあっても、ここが安く拡販に走る事はまず無いはずだ。一部大手に見られる『うちはそれでも利益が出る』的な考え方で量を増やす行為は、全体の向上を思えばやるべきでは無い。『自分さえ良ければいい』は、必ず自分に巡ってくる。やった事はやり返される。まして荒らした地域に荒れた価格が残ったら…。地場で家業を守っている中小・ボックスがある事を忘れてはならない。
 ▼値上げもほぼ終了し期待されるのは需要動向だ。『仮需があったから』『値上がりで買い控え』など、食品よりも日用品などの落ち込みが大きそう。4月から一段と落ちた会社も。なお大手段メーカー3月の生産量を見ると、一貫系□2社がともに101%、最低は一貫△の長男格で95%。それでも大手の数字は中小よりもだいぶ良さそうだ。 (山)
 
4月27日付
2023-05-10
 ▼『値上げ交渉に入ると、毎度必ず品質クレームが増えるのはなぜなのだろう』と苦笑気味の段メーカー。従来と何ら変わることなく、粛々と段ボールを製造しているに過ぎないわけだが…。こんな難癖も交渉術のひとつだと考えているなら、見当違いもよいところだ。値上げ時のユーザー対応、業界に身を置くものとして、聞いているこちらが苦々しくなるような話を今回も方々で聞いた。特にひどいケースは書きたくもなるが、参考にするユーザーが増えても、なお困るという声を受けて、確かにその通りだと頷くしかない。
 ▼3月の原紙出荷はやはり大手は軒並み前年比ではマイナス。一方で大幅な減産で90以下の会社と、90台後半の会社に二分された。現状、国内出荷でここまで大きな差が出るとは考えにくい。前年比では依然低調な水準ながら、8万㌧を超えてきた輸出へのスタンスの違いが表れた結果のようだ。
 段ボールも依然、本調子とは言えず95~101のレンジだが、値上げ前の仮需、それに伴う段ボールの発注と、段ボール値上げ自体の仮需が入り混じっている状況で、ある大手段メーカーは『エンドユーザーによって月々の実績がジグザグ安定しない。4月以降の需要がどうなるか。あまり期待はできないかもしれない』と話す。なお、個別では、大手一貫2グループの数字が対照的なのが気になるところ。 (浮)
 
4月17日付
2023-04-27
 ▼いつ、どこででも簡単に起こる価格競争。段ボールはその典型だ。このコラムを20年以上書いているが、20年前にも『平米数をいくら上げても利益は下がり続ける』、今と同じ事が載っている。『泥沼の消耗戦を展開しているのが現状で、新規顧客を開拓できたにせよ、無茶な価格では限界すれすれ。しかもやれば、やり返されるのが通常のパターン、他社から同じ事を仕掛けられている』ともあった。これも全く同じ、会社数こそ大きく減ったものの何一つ変わっていない。得をするのはケース購入者、言えば(言わなくても)値段を下げる事に慣れてしまっている。本業の穴埋めを他の事業でカバーする段ボール会社もあるがこれでは産業全体のレベルアップには程遠い。
 ▼『原紙、製品価格値上げ』どちらも段ボール産業全体の向上、この想いが込められている。原紙と段ボール、一貫化が進みその割合は6割以上になった。『箱が儲かってこそ段ボールも原紙も成り立つ』この意味合いが大きくなっている。しかしある社長は『引っ張るべき大手の言っている事とやっている事があまりにもかけ離れている』と指摘する。根本には究極の価格競争がある。『値上げは頑張れ、しかし量は落とすな』が本社からの指示であり、それを嘆く工場長も『役員になると同じ事を言う』らしい。この繰り返しでは、変わる変われる事もまだ無さそう…。 (山)
 
4月7日付
2023-04-19
 ▼『4月1日でほぼ終了』『ラストスパート』『決めた水準もまぁまぁ』、こう話す経営者が格段に増えた。遅れていた地域でも遅れを取り戻そうと必死に頑張った。年に2回の原紙値上げを皮切りに始まった製品値上げ。モタモタはいつもの事ながら、同じくやらない会社は最後までやらず、それでも段ボール産業としては及第点をつけられそうだ。記者の想像以上に進んだ背景には、数量の減少を顧みず値上げに邁進した専業系段メーカーがある。『大手が給料を上げるのは良いが、その前に上げなきゃならない物がある事を、忘れないで欲しい』、こんな声があちこちから聞こえているのも現状だ。『上げたばかりでの揺り戻し』、などは絶対にあってはならない事である。
 ▼『給料を上げなさい』『満額決着』、新聞を開いてもテレビを観ても、紙パ業界でも、そんな話ばかり目に付くこの頃である。仕事に対する意識が薄い人まで昇給する余裕が、小さな会社にあるのだろうか。働く仲間が幸せになる事はもちろん嬉しいが、仕事に対する姿勢や取り組み方1つにしても、見ていれば違いは分かる。〝やる人やった人〟、〝やらない人出来ない人〟でメリハリを付けるのは当然だと思う。そう漠然と感じていたら中小段メーカーからも同じ内容のメールがあった。『仕事ぶりを見ていれば分かる』とし『上げる人は20%上げてもいいが、その代り下がる人だっている』だった。全従業員に一律、上げられる余裕が段ボール会社に出来ればそれに越した事は無いが…悩ましい。(山)
 
3月27日付
2023-04-10
 ▼机の中に雑誌の切り抜きがあった。『価格競争ばかりしている企業は、その多くがいずれ傾く』と書かれていた。段ボール業界を取り上げた訳では無いが読めば読むほど『段ボール?』と思えてしまう内容だった。・市場が伸びているからそこを狙えば良い=(関東はまだまだ伸びる)。・厳しい価格競争の中で収益性は極端に悪化=(段ボール会社の多くがそう)。・売れば売るほど赤字が出る物を作るのは不幸=(段ボール経営者の多くがそう思っている)。・価格競争から脱却する手立てを早急に模索=(ベッドに仕切りなど等を多数考案)。・どうやっても利益の出ない仕事があり、ダメな仕事は捨てる=(専業系の方針)。最後は『価格競争で勝ち残れるのは資本力のある大企業だけ』とあったが、ここについては、『中小やボックスもその特性を活かし大手とは違った勝ち方がある』、と言いたい。実際に地域でキラリと光る中小企業は何社もある。
 ▼日経に何度か掲載されたのが〝下請け価格転嫁、胸に手当てた財界人〟(1月31日付)、〝原材料高など中小にしわ寄せ〟(2月8日付)など、中小の転嫁が進まない実態を取り上げたもの。記事には『企業の賃上げ原資の確保に欠かせない価格転嫁が遅れている』とも書かれている。22年春闘の大企業の賃上げ率が2・07だったのに対し、中小企業は1・96にとどまり、23年の差はより広がっていると想像する。『交渉力の弱い中小は大企業から厳しいコスト要求を突き付けられやすい』のだ。段ボール箱でもユーザーの資材、購買担当者から大きな圧力があり、上がった材料代を転嫁できない実態をよく耳にする。真摯に対応しない大企業には大きな問題があるが、今は何でも言える時代だし、勇気をもって値上げに取り組まない段ボール会社があるとすれば、責任はより重い。 (山)
 
3月17日付
2023-04-03
 ▼段ボール箱の価格修正が進んで来た。これはこれで良かったのだけど、中小にはすっきり感が無い。早くから交渉を進めた各社の生産量は減り続けており、中には過去最低まで落とす会社も。『真面目に値上げはしたが…』の気持ちが強い。但し利益は上がっており『ひと段落』だ。大手を見ても『割の合わない仕事は辞退』、を徹底したダイナパックは量を減らしながら増収増益、しかも過去最高だった。この真似が一貫にも出来れば。後ろから付いて行くばかりじゃ情けない。
 ▼王子コンテナー栃木工場ではないが、大手は一貫を中心に老朽化した工場のリニューアルを進めている。環境対策から働き方などを考えれば、作り替えなければ出来ない事がたくさんある。来年早々にはレンゴー松山工場に変わって愛媛東温工場も立ち上がる。当然、能力やキャパシティは格段に上がる。埋めるためにする事は過去の事例から一目瞭然、その皺が中小に寄るとしたら。中国地方では『オーナー系が四国から橋を渡ってくる』とも聞く。
 ▼『A式では競争にならないのだから』、『大手とは他で勝負しなければ』昔からよく聞く話である。ある経営者が言うように『自分の得意分野を持たなければならない』しかも『一貫が出来ないような分野で専門特化する』、それをより明確に打ち出さなければ何れは退場も。C式でもワンタッチでもそうだが、たとえ人海戦術の製品であってもやり方を考えその会社にマッチするならば真似の出来ない強さになろう。
 ▼さて、この時期に目を疑う一枚のチラシがある。配ったのは南関東のボックスだ。『相見積もりを取ってみませんか?』と書かれ、『一度商談を頂ければ、早急な対応を行いたい』とある。コラムで段メーカーが量を増やす事例は数多く書いたけど、本来なら価格にシビアなボックスがこのあり様。そこへのシート供給も気になってしまう。もしも箱を安くできる価格でシートを出しているのなら…。 (山)
 
3月7日付
2023-03-22
 ▼3月になった。遅れに遅れた製品値上げだが、ようやく進んで来た。『4月には大方が決まりそう』『上げ幅もそう悪くない』など、少しは明るい話題も増えている。ただし動きの遅い地域がまだまだ残る。ある大手段メーカー幹部も『地域によって差があり過ぎる』と話していた。『大手ユーザーZの紙は2月、箱は5月から』に対し、『中途半端な紙をベースに決められて』と引っかかる人が多いものの、それでも〝一縷の望み〟なのか『あそこが決まれば』が一部にはある。
 ▼当初は動かなかった(全く?)一貫子会社は、期待した量を確保したのか、まだ不足なのか。周辺に動かない大手があるとそれだけで進捗度合いは遅れてしまう。競合相手など周りを見ながらにしても〝シートは半年近くの差〟。先に上がったボックスは素早く動きケースへの価格転嫁も早い。当然、遅くなればその影響は確実に表れる。『ケースまで上がるのならば、シートはいつ上がってもいいですね』、ボックスの言う通りだ。
 ▼年々下落した加工賃、『2回の値上げで少しは引き上がった』、と思いたい。苦労を重ねてようやく獲得した成果である。何があるか分からない時代だけに、自ら貶めること無くこの価格はしっかり守って行きたい。『人材を集めるには今のままでは…』『従業員の給料を増やしたい』こう話す経営者を何人も知っている。設備投資にしてもそう、一回滞れば後々まで響いてしまう。
 ▼価格を下げるのはひと言で済む。一瞬である。既に『新価格がある程度行き渡った頃が狙い目』、こんな声が一部にあるそうだ。名前に上がる数社はいつも聞き慣れている会社だ。北関東では一貫系の大型工場も本格的に動き出すし、子会社も含め周辺の生産能力は大きく上がる。1月の大手生産量は他がマイナスの中(中小やボックスはより悪い)、1社のみ約100%だった。ある中小段メーカーが、大手が得意先ボックスに出したシート新価格を見て、『その価格で買いたいぐらい』と嘆いた。新工場の会社とは別のようだが、この時期に…、情けない会社が多過ぎる。 (山)
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