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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

記者メモ

 

2023年 記者メモ

2023年 記者メモ
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6月7日付 「拡販?自転車操業?」
2023-09-11
 ▼大手段メーカーの一角は、『5月はようやく前年並みに近づくのでは』と見る一方、『まだまだ変わらず良くない状況は続いている』という中小・ボックスも少なくない。
 紙加工上場企業の今期決算予想は大幅な改善、段ボール事業では値上げの寄与はもちろん、前年比での量的な伸長を見込んでいる。現在の状況と照らし合わせると、『随分と強気だ』としか思えない。予想通りに行けばとは期待するものの、今後、電気代はじめ、まだまだ段ボール工場稼働に伴う、マイナス要因が現れてくる。値上げ効果もいつまで続くのか。それにしても早期の需要回復を願うばかりだが、中には『これが本来の数字』との意見も。成長はコロナ禍による一過性のものだったのか?
 ▼関東地区、ある県の小規模段メーカーによる安値・拡販の話題を聞いた。少し前、値上げ期間中にはやはり同じ県のボックスメーカーでも同様の話があったが…。同段メーカーの貼合量を考えれば、影響は限定的かもしれないが、周辺の大手一貫でさえ顔をしかめるほどのレベルらしい。もっとも、値上げ完了後という時期で、百歩譲って量を狙いに来ているならまだマシで、中には自転車操業に陥ってしまったのでは?と同社の内実を不安視する向きも。(浮)
 
5月27日付「気になる通販向け需要」
2023-09-11
 最近、大手段メーカーの、ある拠点が大きく数字を落としたという。需要の落ち込み、値上げに伴う競り合いもあるが、同拠点(同社)は、大手通販メーカーに強かったはず。中小でもユーザー規模は異なるにせよ、芳しくない。なんだか段ボール産業の成長のけん引役であった通販分野(EC)の様子が変だ。
 『コロナ禍=通販の伸長』は、置かれた環境を考慮すれば当然だったが、アフターコロナでも、利便性や、電子端末および決済システムの構築が一層進んだこと、諸外国と比べ消費全体に占める市場規模の小ささなどを踏まえても成長の余地は依然大きいと記者は考える。一方でそれが段ボール需要につながりにくくなっている面も顕在化しつつある。
 要因は省資源化への取り組みが大きい。最たる例が、昨年8月末に世界最大手がウェブ上で大々的に発表した包装に関する宣言だ。要は段ボールから袋への転換、もしくは独自ケースではなく、小箱でも可能ならばメーカーのケースのままでの搬送を増やすことを推進するというもの。ケース入れ替え抑制は、環境負荷低減からすれば当然だが、従来、大雑把に言えば1商品に2ケースを使用していた分の需要は大きかった。ただ、冷静に捉えれば、これは少々バブル的、未整備な状況であったからと理解する方が自然だ。さらに2024年問題の影響も気になる。EC自体は拡大するが、それが段ボールの成長にもう寄与しないのではと一抹の不安を覚える。(浮)
 
5月7日付 「インキ色集約に注視」
2023-09-11
 段ボール印刷用フレキソインキ色を標準色に集約する取り組みを全段連ほか関連3団体共同で開始した。要は、今年度中に従来の補整色32および特練色による印刷デザインを控えてもらおうということ。集約は長年の懸案だが、今回の目的は、何よりも環境負荷低減。エンドユーザーにとってもスコープ3に該当する範疇で、CO2排出量削減に寄与する。思い切った取り組みではあるものの、理解が進めばと願う。
 昨年のインキ使用量は、標準色が全体の67%、補整色が9%、特練色が24%を占める(2006年に補整色は52から32に集約)。1年間で上記33%を如何にゼロに近づけるかだが、この中には大手エンドユーザーのコーポレートカラーや、製品独自色も含まれている。これら企業色を軽視するつもりは一切ないし、端的に言えば強制ではなく、協力ベース。環境というファクターにいち早くコミットしている大手エンドユーザーの決断に期待したい。そして交渉は無論、団体ベースではなく、個々の段ボールメーカーが行う。規模が大きくなれば、複数購買の割合も高い。段ボール側の足並みが揃うかも焦点となる。
 なお、調色によって標準色の掛け合わせで特練色に近づけることも可能だが、環境面からみれば負荷低減に直結するわけではないことは悩ましい。また、段ボールにとって印刷とは、と改めて問うことにもなるかもしれないが、まずは1年後にどのような結果が出るか、注視したい。(浮)
 
4月17日付「シート値上げのズレ」
2023-09-11
 ▼段ボールシートだけみても地域、グループによって随分と値上げ時期に差があった。聞いている限りでは最大5カ月のズレ。これに額の違いが加われば…。各社各様と言えば聞こえが良いが、そこまで差が出るものなのか。当然、これを受けて、段メーカー、ボックス双方で、今後の動きにも違いが出てくるだろう。原紙に関しては、既に今回の値上げの調整に議論が移っている。焦点は○月分。段メーカーからすれば自らのシート値上げ開始時期を考えれば○月は当然、さらにはとのスタンスだが、製紙サイドからすれば○月分を交渉の分岐点とすることで、それ以降は取り切れればという所だろうが、果たして。
 ▼4月から中小企業も、働き方改革の一環として月60時間超の残業について割増賃金率が大手と同率となる。既に残業上限等は移行済みで、影響は限定的かもしれないが、これで大手と同様となった。生産性向上への取り組みでもしばしば取り上げられるが、段ボール産業では、大手と中小では大きく見れば同じ段ボールを製造していても、設備、工程、人員、ロットとかなりの違いがある。そしてその違いが中小にとって、自らの強みとなっている点はやはり無視できない。働き方改革が不要とは言わないし、生産性向上も正しい方向性だが、中小にとってはさらに難しいかじ取りが求められる時代となった。 (浮)
 
4月7日付 「コスト高続く、価格維持を」
2023-09-11
 2月に続いて、3月も原紙サイドは、会社によっては数万㌧規模の大幅な減産を継続するようだ。輸出が回復基調からはほど遠く、能力過剰状態を解消するには、端的に生産しないことでしか対応できない。もっとも、生産コストを考慮すれば、止めた方がマイナスは少ないのが現状だ。輸出向け込みだからこそだが、今の原紙在庫は膨大である。そして輸出に劣らず、内需の不振が深刻だ。食品など多品種での値上げが先行実施されたことで、一時的な買い控えが起きている。給与への反映などの循環を経て、消費が常時に戻れば、段ボール需要もプラスに転ずるだろうが、一体いつになるのか。この半年あまりは、景気の気を実感する。このまま段ボール市場が縮小するわけではないと分かってはいても、ボディーブローのように業界には効いてくる。
 原燃料が多少落ち着いている現状は安心材料ではあり、値上げで一定の成果を得たといっても、製紙首脳が強調するように、配送費、人件費、バイオマス燃料はじめ、コストアップ要因は山積している。段ボールでも配送、環境対応、人の確保と同様だ。今後を考えると、今は原紙、段ボールともに価格をどれだけ長期にわたって維持できるのか。そこに懸かっている。 (浮)
 
3月27日付「原紙減産効果は如何に」
2023-09-11
 2月の段原紙生産は大きく減少した。稼働日は前年比で1日多かったが、大手は大部分が90%前半、中には80%台も。と言っても決して突発的ではなく戦略的な減産だ。2月も依然段原紙輸出が6万㌧弱、前年比60%程度に沈み、中国の内需回復が遅れていることも考慮し、不需要期のこのタイミングで各社行った。ただ、3月に入っても思いのほか輸出は回復していないようだ。需給バランスを崩すことは市況面を考慮しても、今最も避けなければならない。その点では、製紙各社のベクトルは現時点では揃っているが、いつまでも減産というわけにもいかないはず。少々悩ましい状況だ。
 国内段原紙出荷は前年比%。大手段ボール各社のシート生産も前年比%から103%の範囲。やはり1日稼働日が多いことを考慮すれば、今一歩の結果だった。2月末になってようやく勢いが盛り返してきたとも聞くがどうだろうか。
今回の二次値上げの特徴は、例外は結構あるにせよ、お上の指導もあって、大手エンドユーザーの理解が良かったという声が多かった点だ。裏を返せば、『中小ユーザーほど、2次値上げがきつく、その仕事が多い中小段ボールメーカーの値上げが遅れがち』(流通)という構図となってしまった。結果的に段ボール業界で、大手と中小との差がさらに広がることになったかもしれない。 (浮)
 
3月17日付「今、直視すべきこと」
2023-09-11
 ▼複数のボックスでシート納入を止められた、関東の中小段メーカー。2月1日からの値上げを打診したところ、競合他社がそれぞれ2月21日、3月1日実施であったことが理由だ。自社製品は早く値上げしたいが、原材料の値上げはなるべく遅らせたい。重々理解できることでもある。そしてそれに応えるメーカーがあるのも理解できる。対エンドユーザー、ケースの交渉も同様だろう。同業他社が多数あるわけで、競争自体は当たり前だ。がしかし、このような繰り返しが、値上げがダラダラ遅れ、結果として何となく程よい具合(もしくは他業界に比べて薄利)から脱却できない根深い要因だと思うのだが…。長かった値上げが終盤に差し掛かった今だからこそ、敢えて言及したい。
 ▼2月17日号、『年々減少するシート販売』に様々な意見を頂いた。あるボックス社長から、ボックスが減少する中、生き残っているのは特徴ある有力メーカーとの記述はどうなのかと指摘を受けた。曰く『設備投資も人員投資も行わず、ゾンビ化したボックスと、ケース比率を増やしたいあまり、(ボックス)商権の加工受託という安易な方法を乱発した段メーカーのなれ合いの結果(これに伴い段メーカーの加工も増加)』と手厳しい。記者としては、長年地場に根を下ろし事業を展開してきたボックスの貴重な商権であることは無視できないし、しっかりと差別化を図り生き残ってきたボックスも少なくないことは強調しておきたいが(同社もそのうちの1社)、熾烈な競争の中で、前述のような事例に、どうしようもない理不尽さを感じるがゆえの、偽りない指摘であることは、直視しなければならない。(浮)
 
3月7日付 「大増産時代、日本の競争力」
2023-09-11
 ▼猛烈な勢いで外国人旅行者が戻ってきた。『V字回復以外の何物でもない』と、受講したセミナーでの専門家の言葉。確かに都内、地方都市、東海道新幹線内、どこもかしこも明らかに増えた。パッケージ需要にもつながるので、アクセル全開の国内ウィズコロナと合わせ、段ボール需要もパッと開花宣言と相成れば良いが、未だ鈍い一般消費。値上げ後は本来ならば、需要が旺盛な状態がベターだが、『少々厳しい方が価格は維持される』と皮肉な声が出るのは段ボール特有か…。
 ▼このコラム掲載時には、段原紙輸出も再び戻っているのか。山發日本の坂口健太郎氏の調査・集計では、2022年末から23年上期に世界で稼働する段原紙マシンの合計能力は実に1668万㌧。中国590万㌧を筆頭に、欧州349万㌧、以下、東南アジア、米国等々、軒並み大幅増。正直、能力過剰まっしぐらと斜めから見てしまうのは、世界の段ボール産業の成長力を見くびり過ぎ?。同時に日本原紙の国際競争力に立ち戻る。価格変動への瞬発性や、ニーズに適した品質、インフラ力、求められるのは日本基準ではない。いずれ太刀打ちできなくなるのではとの不安がよぎる。ただ、ある大手製紙は、各々が独自の戦略性を持っているかが分かれ道とした上で、『古紙含有の高さひとつ取っても、品質、状況次第で意外な新規輸出先の開拓にもつながる。その芽は出てきている』と強調した。今後は各社の浮沈がより際立つか。 (浮)
 
2月27日付「需要停滞、4月以降は」
2023-09-11
 1月の大手段ボール生産量は前年比100が1社、あとは96~99。中小では90台前半も少なくない。大手の数字をみても昨年秋以降、ほぼ同様の傾向にある。極端に悪くはないが、なんだかしっかりしないと複数の段ボールメーカー。
 やはり加工食品や飲料はじめ、多品目で値上げが実施されたことで買い控えの影響がジワジワと反映されている。帝国データバンク調べでは、昨年10月の7千品目超に続き、2月も5千品目超が上がるし、さらなる発表もまだまだ控えている。しばらくは段ボール需要も停滞する可能性は高い。
 そんな中、段ボール値上げは『最終4月までに完了させる』と大多数が動いている。上流の原紙含めて、進捗、幅ともに地域差が大きいとの声は依然として根強く聞こえてはくるが、やはり製品に関しては、このラインは譲れないとの思いは地域問わず共通している。 では4月以降はどうか。実に1年以上、ほぼ途切れることなく値上げに奔走した段ボール業界。しばし落ち着いた状況になればとは願うが、先行き、原紙は為替、燃料次第では多少なりともコスト高が解消されるのではとの観測が広がっている。これに連動し、段ボールもこれからは大手を振って量にシフトと考える会社もあるのではないか。気持ちは分からないでもないが、そこはほどほどにしなければ、この1年の取り組みが元の木阿弥、すぐに吹っ飛んではあまりにも不本意ではないか。 (浮)
 
1月27日付「公取の公表、影響は?」
2023-09-11
 昨年末、多くが仕事納めというタイミングで、公正取引委員会が公表した、価格転嫁の協議に至極消極的な13の会社・団体。加えて、他にも実に匿名4030社に注意喚起があったという。公表先の名前を見れば、段ボールのビッグユーザーが含まれていたので、かなり衝撃的ではあった。もちろん、それらの規模や事業展開を考慮すれば、取引は膨大且つ多岐にわたる。そのうちの一つに段ボールも含まれているかもしれないということしか、発表内容からは判別できないが、発注、受注双方からのヒアリング等による該当調査期間は21年9月から22年9月、当然段ボールの価格転嫁時期にも被る。実際、公表先のうち複数は段ボール値上げの度、動向が話題にのぼる。異例の措置が、現在進行中の値上げにプラスとなる可能性は高い。
 一方で今後段ボールメーカーが、対象になる可能性だってあることは留意すべきであるし、もしかしたら既に4030社に含まれてるやもしれぬが、やはり規模や業態を考慮した場合、圧倒的に我慢を強いられる立場である。今回の発表は昨今の政府方針を踏まえたものであるはず。今後、様々な都合で、一過性の見せしめ的なパフォーマンスでは終わってほしくないし、この状況を追い風にすべきだ。正当な自助努力と事業展開の先にある価格転嫁を、大規模ユーザーが全く取り合ってくれないのではと、端から尻込みする状況を脱却する機会になればと強く願う。 (浮)
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