板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2014年 段談

 

2014年 段談

2014年 段談
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12月27日付
2014-12-25
 先日ある経営者が今回の製品価格について『じっくり行かねば。焦って強引に値上げすれば、直ぐに戻されてしまう』と話していた。確かにそうだけど、じっくり行くだけの余裕があるかどうか、体力勝負になったら中小は堪らない。一部の大手は、『(業界から)中小は抜けていかざるを得ない』としていたそうだが、社数の減少が安定につながる、と思っていたらそれは違う。この10年間で社数、コルゲータ台数ともに減り続けたが、安定とは程遠い。
 11月中旬には、某大手が他社で値上げ交渉を進めている大手ボックスに○円で○○万平米入れた、と広まった。このような現象があちこちで起こっている。独自の考えで動いた中小の例だが、『ボックスへ○円の復元を持ち込んだ翌日、ゼロに落とされた』。そこには他社から旧値で入り続けており、『得意先を失っただけで終わった』と言う。
 段ボールは超大手、広域ユーザーを除けばボックス含めて地場での競争、大手の一角だけが動いていないのではなく、業界全体の雲行きがおかしい。しかも中小段メーカーはここ数年、生産量をジリジリ減らした。それでも『量に縛られる事無く、これでは(収益面)やっていけないと、みんなが思わない限りダメだ』と漏らした社長がいた。価値観の違いなのか、頭ではわかっていても、平米数を伸ばそうとするところがある。     (山)
 
12月17日付
2014-12-15
 『今年を振り返れば、常に価格の事が頭を占めていた』とは段メーカーA社長。年初は本当に原紙が上がるかどうかを考え、春先にはその時期、夏前になると上げ幅、秋には製品価格への転嫁と、?価格?が付いて回った。段メーカーの決算は発表されている大手だけ見ても軒並み大幅な減益。一貫やHDにしても段ボール部門がこれでは経営内容に大きく影響した。中小だって格別安い飲料など無い分、多少の差はあるが、悪くなっているのは同じだ。
 段原紙新マシン稼働から今後、上がった原紙の値崩れを期待する向きもあるように思う。外販を止めても価格を維持したいメーカー、機械を動かさなければならないメーカー、立ち位置の違いが鮮明になってくるのだろうか。原紙が値崩れすれば、プラットホームの再構築どころではなくなる。段ボール産業全体の問題解決にもならない。板紙大手元経営者のBさんが『段ボール側には悪くなればどうにかしてくれる、と甘えがある』と話していた。やはり製品価格復元へと前に駒を進めた方が健全だ。
 11月末『来春には、はっきりする』と某大手段メーカーの幹部が言った。何がはっきりするのか、詳しくは聞けなかったが、『新値(段ボール製品)が浸透する』のか『原紙が戻る』のか、どちらとも取れるニュアンスだった。何れにしても春先には答えが出ているそうだ。   (山)
 
12月7日付
2014-12-09
 ▼輸出関連など大企業の業績は絶好調だけど、紙パ関連会社は総じて伸び悩んでいる。原燃料の高騰、人件費など固定費上昇と経営を圧迫する要因がいくつも絡む。段ボールも同じだ。製品価格復元に取り組んではいるが、時間ばかり経過し成果のほどは…である。『他の業種では製品に常に新しい機能や付加価値を付け、価格に転嫁している』とした大手段メーカー幹部がいた。『原材料が上がったからを口癖のように、これだけで価格修正に突き進んでいる』こと自体、段ボールは少し時代遅れ、と見ているのかもしれない。
 ▼段ボール製品付加価値向上の起爆剤として期待されているひとつがシェルフレディーパッケージである。内外装を一体化しそのまま陳列でき、内装箱と外装箱のセットよりも軽量化。運搬から保管・開封、展示を簡素化し店頭オペレーションも向上する。美粧段メーカーをはじめ、一貫系や大手、中堅など各社しのぎを削り始めたが、競争原理からこの市場が拡大するのは大歓迎である。
ただし新商品を販路拡大のために安く売る事や、他社と価格だけの競争に突入する事は避けなければならない。『段ボールは価格の連鎖(安売り)を断ち切らなければならない』と表現した業界人がいたが、その通りである。安いから使われる、では苦労して開発した人達にも申し訳ないだろう。頭の切り替えをしなければ。   (山)
 
11月27日付
2014-12-01
 ▼大手段メーカーを中心に10月の生産量はかなりの伸びを見せたが、収益、中身となると、…である。△社長も『量だけは』と言ったが正に業界全体の現状だ。秋口から動き始めると思った一貫系段メーカーは未だに方向を具体化せず、『あれから2カ月以上経つのに、○社長の骨折りも無駄か…』と一部で囁かれている。会社が大きくなるとこんな事もあるのだろう。
 ▼中堅ボックスから『仕事が減って困っている』と電話があった。都内と近県にも工場を持つ会社で、業績は好調とばかり思っていた。『ユーザーからは常に値引き、シートメーカーからは値上げ要求もある』とし、『危機感を持たねば』と話していた。業界自体あんまり良くないが、ボックスを取り巻く環境は、それ以上に悪くなっている。
 ▼このところシートに関する問い合わせが増えた。段メーカーから『どうなっている?』と聞かれる事もあった。一貫とその系列のみ強硬な姿勢を貫いているが、他は臨機応変に相手や同業の腹を探っているようで、まだまだ全体を盛り上げる気運にはなっていない。加えて公取の影響から周辺同業者間の空気も読み辛いようだ。
 ▼製品価格復元の根本にあるのは段ボールケースである。間違って捉えて戦略を誤ると原紙VS段ボール、ババの押し付け合いになる。今回はじっくり腰を据えて取り組まねばなるまい。   (山)
 
11月17日付
2014-11-20

 ▼少し前にあるボックスが、黙っていても下がり続けたシートに対し『加工賃よりも、差益(ケース下がらず)の方が儲かる』と話していた。購入量に商売の器量など色々加味しても、本来の姿とはあまりにもかけ離れ、何となく釈然としないでいた。?シートに10円玉を付けて販売?こう言われた段メーカーもいたようだが、このような商売がこの先も成り立つとは思えない。『どこからでも買える』ではあまりにも情けない。最近、経営者から後継者を紹介されることが増えた。世代交代、新陳代謝が進んでいる。自分の息子さん達にきちんとバトンタッチするためにも価格は大切に。
 ▼いわき大王製紙3号機の竣工式に出席した。新マシン稼働でライナから中しん、強化に薄物と全品種バランスよく出荷できるようになった。広大な敷地に半月分の原料(古紙)を蓄え万全な体制。パーティーもフラダンスショーやいわき市長の乾杯音頭でスタート、晴れやかなまま終了した。気になるのは今後の売り方、出席した段メーカー全てに聞いたわけではないが、『一度は使ってみたい』『増やそうかと…』など数社から聞かれた。品質的にも魅力ある製品であることは間違いないし、最新技術を駆使して段原紙の向上は望むべきところだが、これらをどう売り広めていくか。巷の噂のようなことは無いと思うが、大王製紙の今後が気にはなる。  (山)

 
11月7日付
2014-11-12
 ▼某一貫系段メーカーの○工場移転がおぼろげながら見えてきた。△県にある現在地での増築・コルゲータ更新計画もあったようだが、隣接用地売買の関係から手狭ながらも同県近隣に有するグループ企業の土地を活用し、設備を一新して来年度から稼働させる予定らしい。全体像はあくまで噂の範疇だが、製箱機含めて新マシンは既に発注済とも巷で流れ始める中、撤去する旧マシン(貼合機)の行先も気になるところ。こちらも風説だが海外ではなく国内の系列、それも南の方に据え付けられるとか。この会社、設備更新ではここ数年1、2を争うほど勢いがあり、日本海側の工場増強も取沙汰されている。
 ▼段ボールを取り巻く環境、『息苦しさがある』と表現した社長がいたが、中小段メーカーの設備投資もそれほど衰えていない。もっともこちらは生産拡大よりも極力ロスを減らす狙いから。人手不足の影響もあるのか、機械化で逃げようとする動きも顕著になりつつある。『○さんがいないとあの機械は上手く動かせない』(A社)、度々聞かされる話だが、いつの時代も人の問題は付きまとう。良き人を集め、維持していくにはそれなりのコストが掛かる。現在進行形の段ボール製品価格復元。変わりつつあるように思えるが、シートに関しても水没価格は修正しても、目立って決まった事例はまだまだのよう…。     (山)
 
10月27日付
2014-11-04
 ▼『思った以上に強硬』とは関東の段メーカー。原紙側との交渉で○円と決めた事に対し、大手は一歩も引かないどころか、上積みニュアンスさえ含ませていたそうだ。極めて親しかった段メーカーと喧嘩別れした原紙幹部もいたらしい。『こちらの事情は無視。親会社の一部で決めているのだから仕方がない』と言う。新マシン稼働の2社も目立った動きは見せておらず、この先の価格もガチガチだったら、早くに転嫁しないと『…』だ。
 ▼一貫だって段ボールを復元しない限り、赤字を付け替えたにすぎず、全体の収益改善には程遠い。しかも予想を上回る遅れで、次の一手も、打ち出せないでいた。そんな中、大手専業の影響か原紙側経営者にも変化があったようで、『段ボール製品もようやく道筋が開けそう』と期待する経営者がいる。『秋以降の変化もその表れ』としていたが、確かに少しずつではあるが大手の本気度を示すように、中小への見積り依頼が増えてきた。
 ▼シートに関して、こんな事もあった。抜群に買い方が上手い会社がある。上手と言えば聞こえはいいが、段メーカー側からすれば、『あそこには…』だろう。そんな会社からA社に見積り依頼がきた。数年前に馬鹿げた金額を提示されて以来、取り引き無かったが、既存購入先から価格改定が相次いで出され、『ひょっとしてA社の価格は…』と思ったのだろうか。 (山)
 
10月17日付
2014-10-23
 ▼たまに立ち寄る駅ナカのスーパーマーケット。頼まれた商品を手に取ると、いつもと違う。パッケージデザインは同じなのだが、何となく違和感がある。裏の表示をよく見れば内容量が減っていた。ある飲料もそうだ。1?が900に、900だった物は720?と小さくなっている。消費カロリーの関係から「1回で食べきる小分け商品などは小さく少なくなってもいい」と言う人もいるが、値上げは値上げだ。ちょっと癪に障るので、同様の製品で以前と同じ分量を探したがひとつも無かった。いつの間にか、あらゆる物が上がっている。
 ▼少しだけ動き出したシート価格復元。先日訪問した小さなボックスと大手ボックスの違いには驚かされる。小さなボックスは「○月後半、○日から○円改定」で決められたが、複数の大手ボックスには見積りは出ても、どこも本気で詰める事をせず「置いていくだけ」のよう。段メーカー側は、状況の見極めが難しく『動くに動きづらい』『動きたくても…』が本音。一歩も引かないトップ系、別の大手も具体的な交渉を進め始めたが、入れ合う会社はまだおよび腰だ。手離れの良かったシート販売だが、現在のシート売りには与信問題も付きまとう。原紙代の○円、その他コスト上昇分を全部吸収すれば経営はアップアップに。加えて原紙側からは『もう一段の上げ』、こんなおかしな話も漏れてくる。   (山)
 
10月7日付
2014-10-15
  これまで値上げについて「特別苦にならず、どちらかと言えば良い機会」と捉えているボックスが多かった。顧客との信頼関係と、シート購入およびケース価格を目先の利益を追ってむやみに動かさず安定価格で取引き。だから下がった価格を復元する時もすんなり通ることが多かった。 
 ただ、今回は違う。「段メーカーが持ってきた、(シートの)見積り額や各社の上げ幅をみる限り、対応は分かれるのでは」(ボックスC社長)と不安を口にする。「元来、シートが十分な上げ幅でメディアを通じ見える形での値上げができたならば比較的、余裕を持ち取り組むことができるが、今回の平米○円の上げ幅ではケース値上げを行なう所と、据え置いて我慢する所に分かれる」。たとえ満額○円でもケースの上げ幅を設定するのが難しい。ましてその半値程度で決着すれば、いくら値上げができるのか。「我慢して仕事を取る。もしくは我慢して仕事を守る」。いずれにせよ値上げとは真逆のベクトルに向かうとして「体力がないところは厳しい状況になる」とする。
 「原紙の弱含みによる価格復元、それを受けたシートの特値対応、恩恵を被っている部分はあるが、根拠の乏しさが上げ幅の少なさに表われているのでは」とも。ちなみに9月最終週時点で正式な要請はまだない。
 
9月27日付
2014-10-03
 段ボールを「良い商売」、と言う人は大勢いる。業界に入って35年、他の仕事に手を出さず段ボールのみで倒産した例はほとんどない。成熟しても量が減らず、「恵まれた産業」なのに、相変わらず低収益性に悩んでいる。
 以前、親しい段メーカーから小冊子『思考の落とし穴』を頂いた。書かれているのは"勝者の呪いのワナ"で、要はオークションで勝利を収めたはずの落札者が実質的には敗者になってしまう"落とし穴"の事だ。欲しかった対象物(仕事)を落札しても、落札価格が高過ぎればどうなるかは誰にでもわかるが、何故そうなるのか。競争相手が多ければ対象物の価値を過大する可能性が高まり、しかもライバルに負けたくない気持ちが働きそうさせてしまう、と言う。そして最後に、対象物の評価を20%差し引き、これを上回るようならば入札を諦める事、と締めくくってある。今、読み直して見たが、心当たりある会社は段ボール産業でも多々あると思う。バカげた価格での受注は誰も得をしない、海外の小冊子にもちゃんと書かれていた。
 さてシート価格の動きはどうだろうか。地域によってやる気が違う、こんな声も聞かれるが、小さなボックスには改定の見積りがポツンだが届き始めている。ダンマリだった某一貫も半ば過ぎから動きだしたという。もっともこれは先延ばしになっていた原紙価格を決めたいからか。(山)
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