板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

2017年 段談

 

2017年 段談

2017年 段談
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12月27日付
2017-12-22
 ▼今年最後のコラムになる。原紙側は古紙の乱高下に振り回されたが、8月から㌔10円の値上げが実施され一息ついた。残るは段ボール製品である。材料高に加えて、輸送関連、労働環境などの改善、抱える問題は山積みされ、解決には大きなコストがかかる。ユーザーの求める品質には人手では対応できず設備投資も必要だ。スタート時は時間もかからず決着すると思っていたが、小々もたもたした。それでもトップ企業の力もあってここに来てシートは一気に浸透、今後、ケースへの転嫁に全力であたる。
 ▼ただし未だに動きの鈍い会社が残っている。中小の名前も出る。『説明すればお客さんは分かってくれる』。ここからが難問で『仕入先みんなが揃ってから』となってしまう。『原紙が上がった時点で月次は赤。放っておける経営者が信じられない』と同業は言う。勢い付いている今、やらねばなるまい。
 ▼小紙の調査では今年、段メーカー4社がコルゲータを廃棄した。1社は2台を1台に集約、3社はボックス等で仕事は続けるようだ。ボックス業界では廃業や系列入りも相次ぐ。やる事をきちんとやらない会社は、市場から退場を迫られる。なお11月に開いたアナリスト向け説明会で製品について、A社は『進んでいる』、B社は『少々遅れている』、C社は『遅れている』こう説明したと耳にした。今までの動きを見れば当然か。 (山)
 
12月17日付
2017-12-14
 ▼値上げの現状、一歩ずつ進んではいるが地域等によって差がありあり。加えて中小や専業大手は材料代を転嫁すべく動いている(動き始めた)が一貫□直系と製紙系段メーカーはまるで逆。しかも積極的な一貫△社でも子会社Aは親とは別で、掲げた数量目標に向け掻き集めている。グループ内では『高い原紙を買っているのに…』と量と質を同時に確保した評価があるものの、周りの見方はちょっと冷ややか。
 ▼成果を上げる大手ボックスもある。東北地区の某社では『値上げ進捗状況は5割に迫る。このチャンスを逃がしては』とシート値上げも、前向きに捉える。ただ入れあう段メーカーの動き次第では『後ろを向かざるを得ない事も』。ボックスの持つ高い利益率の仕事を狙う段メーカーは間違いなく存在する。大手段メーカーにも『ナショナルも決まりだしたし、残るは◎社会』と大きく進展している見方がある。中には『成果は6割に達している』会社も。地場の方が遅れているのだろうか??
 ▼地域名は書かないが、大手段メーカーが多数点在するB地区。製紙系も複数工場あり主導権も大手が持つ。ここは『どうしてこんなに弱いのか』と中小社長が嘆くほど出遅れている。11月初めに取材したボックスも予想通り『(値上げについて)何もしていない』だった。動く必要のないボックス、この責任は段メーカー側にある。 (山)
 
12月7日付
2017-12-06
 『元に戻る事はない』。大手一貫幹部は強く言い切った。段古紙価格だ。数カ月間、国際市場は急降下したが、ここに来て動き始め来年は従来にない水準と予想する。中国の輸入規制問題はあるが、決して短期的な見立てではない。
 eコマース台頭により世界中で段ボール需要は伸び続け、段古紙需要も膨らむ。玄関先に直接商品が届くようになると、一般家庭に段古紙が集まるが、米国は大半が他資源品と混合回収のため回収率は悪化する。同国は世界最大の段古紙輸出国。日本の回収率は限界に近いし、欧州は余力なく、中国はまだ拙い。需要に相応しない量の段古紙争奪戦だ。 ならばその時、安定供給のために高い古紙を購入できる原紙、製品価格にしておかなければ。だからこそ『製品価格を世界水準に持っていかなければならない』。加えて燃料に物流費、働き方改革が圧し掛かる。今の価格水準では将来、日本で段ボールが生産できなくなると同義に響く。
 その製品値上げ、10月末頃まで『進捗は良くない。大手の動きが見えない』との声が多数占めたが、11月半ば以降、勢いが付いたようだ。同時期、専業大手も『シート、地場ユーザーは月中に決着する。交渉事だが、時期か額なら額は妥協しない』と断言した。動きが鈍い大手Aも重い腰を上げたようだし、西日本も動く。このまま〝世界水準〟に向け進んでほしい。 (浮)
 
11月27日付
2017-11-29
 ▼原紙側が一歩も引かない中で、『年内に決めなければ多くの段ボール会社が淘汰される』こう言い切ったのは段メーカー社長。大手ユーザーとも取り引きあるが、危機感を持ち先頭切って価格改定を推し進めている。ただ、『自分が何をすべきなのか分からない経営者も』複数存在する事に半ば呆れる事もあるらしい。自分からは値上げを積極的にせず、周りを眺めながら最後に付いて行けばいい、と思っている経営者達の事だ。
 ▼『原紙が後ろを向くことは絶対に無い』『製品値上げも粛々と進んでおり後は詰め。成果は上がっている』とは一貫メーカーの上層部。米国や中国含めた国際古紙マーケット事情についても話したが、両国ともにこれからも需給は逼迫すると言う。日本以外の国では原紙から段ボール製品への価格転嫁も進み、年に幾度となく値上げが実施された。段原紙が高騰した中国では割安な日本からの輸入も増え、国内板紙メーカーにとってはドル箱的存在になっている。ただでさえ安価な日本の段ボール箱、『取り残されている』こう思うのは記者だけではない。
 ▼ある段メーカーからのメールに、『人件費に福利厚生、設備投資など等、コストを吸収するには低価格主義で走っていては難しい』、『安ければ良い、定価を割って安易に販売する、そんな社風は代えて欲しい』とあった。心に刺さる人もいるのでは…。 (山)
 
11月17日付
2017-11-20
 ▼10月5日と18日、日経に『古紙価格が下落』と2度も出た。その直後ユーザーB社から、段ボールの値上げ交渉を進めていた段メーカーA社に『材料(古紙)が下がったのに認める訳にはいかない』と連絡があったそうだ。『段ボールの材料は段原紙でそれは上がっている』、しかも古紙事情は『いつ高騰するか、先も読みにくい』などいくら説明してもダメらしい。
▼大きな影響力を持つ経済紙、事実だけを書くのならまだしも〝潮目が変わったようだ〟(5日付け)〝段ボールを中心に買い手から価格の引き下げを求める声が出そう〟(18日付け)など記者の感想のようなコメントを載せるのだから迷惑千万。ある段メーカーが以前、意見した時に当時の記者は『こちらは書きたいように書くだけ』と返したそうだ。
 ▼ブラックとも言うべきユーザーBは、たとえ古紙が上がった場合でも屁理屈を付け認めないのだろうから、丁重にお断りすればいいと思う。もちろん、A社は即刻納入を辞退した。さて11月の中部商組や関東商組の古紙輸出価格は一転、急騰した。ユーザーBの担当者、どう出るのだろうか。
 ▼さて日経、11月8日に古紙輸出価格上昇を報じた。そのコメントも『段ボールの価格を押し上げそうだ』『原紙の更なる値上げを検討』など同じ新聞とは思えない。誰かに怒られたのか…、勉強したのか…。 (山)
 
11月7日付
2017-11-14
 ▼総合商社系流通のケース得意先で一貫□直系段メーカーが口にした事が一時話題となった。『古紙が下がって製紙サイドで利益が出ているので、〇月までこれでやらせて頂く』と言ったそうだ。10月初めの出来事だが皆が頑張っている中でネガティブな事だけに今まで書くのを伸ばしてきたが、中小の得意先に手を出すなど色々あるようで…。10月の件は俄には信じられないが、多くの数量が移動したのは事実らしい。ただ、同社9月の生産量は前年同月比でマイナス1%、値上げに動いているのは間違いない?
 ▼何となくすっきりしない値上げ状況。中小各社は懸命に進めているが、時期や金額ともに当初の読みと相違があるような、無いような。取材先でも『周りは掛け声だけは立派』で、特に大手ユーザーに対しての大手段メーカーの姿勢は量を睨んでか『動きが見えない』、と言う。大手ボックス向けのシート販売も同じよう。それでも中小がイニシアチブを握る相手には、たとえ大きくても強気で交渉、想定内の成果を上げるか?
 ▼段ボール使用量最大のZ、『改革、政策絡みから厳しい状況』など取沙汰され、その値上げ進捗状況が何かと話題になっていたが、『遅くとも◎月には決まるようだ』と耳にした。なお11月の古紙輸出価格、前月比で急騰した。下がった上がったを気にするよりも、製品をもう少し前に進めねば。 (山)
 
10月27日付
2017-11-02
▼懸命に値上げに取り組んでいる〇社。それを茶化すように共通の得意先で『〇社は早くから動いているようだけど大丈夫か』と言った中小段メーカーがある。普段の経営状態から仲間内では『どっちが大丈夫なのか…』と呆れられている。この会社、他に儲け口があるのか、大きく落とした量の回復か、10円上がった原紙価格を転嫁せずにやっていけるのなら、それはそれでたいしたものだ。
▼『ひと月ずれ込んだがボチボチ成果があがっている』、としたのは関東の中小。中には『ケースも決着する』会社もある。問題はシートもケースも大口ユーザー向け。入れ合う同業に聞く訳にもいかず押したり引いたり。『決まった』『まだまだ』斑模様感は否めないものの、それでも目標には近づいている、いや、近づいていなければ。
▼古紙の輸出価格が下落、と囁かれている。日経では5日に金額まで出した。記事の最後に〝古紙価格の潮目が変わり始めている〟とあったが、潮目は変わっていない。また18日付けでは『段ボールを中心に買い手から価格の引き下げを求める声が出そうだ』と書いた。これを武器にするユーザーがあるから困ったもの。古紙事情はあくまでも中国のライセンス問題に起因するところ。中国でのOCCは直近で50円もする。解除されたら…。書いた記者は担当を変わるようだし、右往左往しない方が良い。 (山)
 
10月17日付
2017-10-24
 『おたくが一番ですよ』。複数の段メーカーでユーザーにそう言われたと苦笑混じりの声を聞いた。『ユーザーの常套句ではある』ものの、やはり競合メーカーの動きは気になるところ。だからと言って当の競合に直接聞くわけにはいかない。以前と比べて難しさが増したのは事実だろうが、10月に入り、そう言った声が重なってくれば、自然と多少なりとも動きが鈍いメーカーが浮かび上がってくるもの。それが大手ならばなおさらだろう。
 誰も犯人探しをしているわけではない。ただ必死なのだ。『単純計算で月産200万平米ならば、月に2千万円、3カ月で6千万円。それを200万平米クラスのメーカーが放っておくことなど、とてもではないができない」と段メーカー社長は強調する。だから多くの中小がちゃんと動いている。
 原紙メーカーも中国発の古紙国際マーケットの混乱が収まれば、さらなるコストアップが待ち受けていると捉えている。原紙は下がらない。これからエンドユーザーとの指定紙交渉も本格化するが、その点は変わらないだろう。
飲料大手が業務用を中心に瓶ビールの値上げを発表した。採算が苦しい部門のテコ入れ、最大手の動きだけに、他社も追随するようだが、原紙交渉、ひるむことなく、強気であってほしい。別ものとは言うものの、やはり段メーカーは指定紙の動向を注視している。 (浮)
 
10月7日付
2017-10-11
 ▼『大手の一角や中小が頑張っている』、一方では『一気に進むと思ったらそうでも無かった。全く動かない中小がいる』との指摘もある。シートの上げ幅にしても全国的にシングル8円、ダブル円を主軸に動いているが、入れ合っている先、特にメインの納入先に対しては及び腰な会社も。意外に頑張っているのが一貫系M、買い方上手な某県大手ボックスに真っ先に見積書を持参、その内容も立派なよう。原紙代に毛の生えた価格だっただけに、早期決着を目指している。『地域で進捗状況に差がある』、こう見ている経営者もいるが、その地区原紙メーカーの姿勢の影響か。南の方ではようやくオーナー系大手も動き出したよう。Mの兄弟も頑張らなくては。
 ▼関東商組は9月に続いて10月も古紙の輸出共販(入札)を見送った。どこからともなく『年内いっぱい古紙は弱含む』こんな声が聞こえてくる。耳に入った古紙価格は確かに下がってはいるが、これが打ち出した原紙価格に影響するとは思えないし、原紙側も中小段メーカーには依然として強気である事に変わりは無い。段ボール製品の値上げの根底には産業全体のボトムアップがあるはずだ。年明けには『古紙は高騰』との見方だってある。トーンダウンなどせずやり切らなくては。話題にあがるヤマト運輸はアマゾンとの運賃交渉で4割以上の値上げを実現した。段ボール業界だって出来る。 (山)
 
9月27日付
2017-10-02
 ▼製品値上げの期日である10月1日目前、段メーカー各社の動きはどうだろうか。『気運が盛り上がっているこのチャンスを逃しては』、と中堅段メーカーは言う。以前の価格見直し時だが、某ユーザーに5社が入れ、4社の上げ幅は〇~〇〇円、残りの1社は『うちは量が少ないから値上げしなくても』、価格がどうなったかは想像がつく。今回の値上げでも様子見している会社が極少数だけど存在する。大手一貫でも『□と△では意気込みが違う』と見ている人が多い。ひとり一人が肝に銘じて動かねば、人が集まる産業にはなるまい。まずはシート、地域にもよるがもう少しスタートダッシュに力を入れた方が…。
 ▼だいぶ前になるが『古紙に振り回され過ぎる』と話していた段メーカーが何社かいた。あの当時でそう思ったのだから、最近の乱高下をどう見ているのか。中国政府の環境対策強化から派生した9月の古紙輸出価格。今後、ミックス(雑誌古紙)のみで留まるのか段ボール(古紙)も引き摺られるのか、逆に規制対象外の段ボールは『引く手数多、上昇する』、こんな声さえあるがどうだろうか。10月の入札は気にはなるが、段ボール側は製品価格の改定、これだけを考えて動かなければ。
 ▼大手段メーカー8月の生産量。一貫△グループ長男、なんと前年比112%も。高い原紙を買ってこの数字…立派だ。 (山)
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