板紙・段ボールから印刷紙器までを網羅した専門新聞社です

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有限会社
日刊板紙段ボール新聞社

東京都文京区湯島4-6-11
湯島ハイタウンA-509号
TEL.03-5689-0121
FAX.03-5689-0120
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板紙・段ボール産業の総合紙。
紙器・段ボール企業を中心に機械・資材メーカーなどの動向をはじめ、箱を使うユーザーの動きも網羅。各種統計の分析なども充実。

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日​刊​板​紙​段​ボ​ー​ル​新​聞​社​
 

記者メモ

 

2023年 記者メモ

2023年 記者メモ
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12月27日付「縮小局面、3つの方策」
2024-01-16
 11月の大手各社の段ボール生産量は前年比98~100のレンジで、ほぼ前年並み。一部大手からは『一巡してようやく、底が見えたかもしれない』との声がある一方、中小・ボックスからは『大手はすごいですね』『まだまだです』が多数だ。
ある業界の先輩は、段ボールがそうとは言わないが、仮に産業が縮小する局面で、生き残る道はシンプルに▽自らも縮小する▽シェアを拡大する▽別分野(当然、高付加価値分野)進出―の3つに絞られるとした。自ら縮小は、一見マイナスではあるものの、規模を追わずに利益重視に舵を切ることができれば(難しいことではあるが…)、中小・ボックスにとってもひとつの選択肢にはなりうるはずだ。
 一方で、大手(大企業)はどうか。依然として成長・拡大を見据え、市場もそれを求めている中、縮小という選択肢は現実的ではない。そうなると、シェア拡大と、別分野への進出となる。ただし、パイが限られた国内でとなれば、陣取り合戦は必至で、大手同士中心に、中小、ボックスも含めて、それなりに犠牲を払うことにもなるが、海外市場に目を向けると、シェア拡大はまだまだ十分可能ともいえる。そして別分野進出は、近似性の強い産業分野、もしくは従来から保有する資源を活かした新規開発も想定される。いずれにせよ多くの時間、莫大な資本も投入することにはなるが、シェア拡大と他分野進出、よくよく考えれてみれば、既にここ5年(いや10年以上か)、大手各社の事業展開はこのレーンにきっちり乗っている。 (浮)
 
12月17日付「切るか?平米600グラム」
2023-12-25
 段原紙は単位が㌧、段ボールは平米なので、使用量や値上げ幅など算出の際、便意的に6掛けするのは、平米600㌘想定だからなのは周知の通り。ただ、細かく言えば、過去に一度も実績値で600㌘以下はない。
 段ボールリサイクル協議会が中心となり、容リ法推進のため自主行動計画でリデュースを推進。2004年の640・9㌘から、過去20年弱で、実に40㌘近く軽量化した。段種変更や、強化原紙採用など包装合理化を着実に実行してきた成果である。一方で、近年は横ばい傾向で、軽量化も限界に近いとの声も。25年が最終年の第4次自主行動計画では04年比6・5%減(599・2㌘)が目標だが、届きそうで届かない状況にあった。それが今年は減少が急加速している。9月現在で597・2㌘と、600㌘はもちろん、目標さえも前倒しで達成する勢いだ。
 なぜ急激に進んだのか。連続値上げで、コストに対するユーザー意識が高まるとともに、段ボールサイドも合理化提案を強化したことは影響しているだろう。他方、平米は需要部門によって異なる傾向にある。一般的に青果物や電器器具・機械器具用がその特性上、比較的重くなるが、今年の需要を見ると両分野とも需要はかなり低迷している。特に猛暑の影響等で青果物需要が大きく落ち込んだ夏場頃からの軽量化が顕著なので相関関係は強そう。
 まだ数値が公表されていない10、11月は、例年青果物の出荷が増えるので平米も重くなる傾向にあり最終的にどうなるかは不明だが、初の600㌘切りは濃厚だ。ただ、需要減少が主要因であれば素直に喜べない面もある。 (浮)
 
12月7日付 「PDFではなく、本紙で」
2023-12-21
 ▼『新聞はPDFで支社に送ってはいけませんよね』、こんな電話があった。『今時、律儀な会社だ』が、受けた第一印象である。と思えば『〇〇が載っていましたね。もう少し詳しく教えて頂けますか』、購読していない大手段メーカーA工場から言われた。『どこで新聞を』と聞けば、全く悪気もない様子で『毎号△△からPDFで回ってくる』、と話す。『一部配れば数十枚コピーが出回る』だったが、今やPDF全盛になりコピー以上に、丹精込めて作った新聞や資料が簡単に読まれる。本紙でちゃんと読んで欲しい。
 ▼さて、新聞を送るには第三種郵便が使える。特別に認可を受けた定期刊行物を郵送する際、一般の手紙・葉書よりも格段に安く送れる。その認可を不正利用する事が多々あるそうで、最近は3年に一度ある三種の審査がより厳格になった。影響があるのか分からないが、年に数度新聞の付録で一緒に配布しているA1サイズのコルゲータ分布図や段メーカー系譜図が、三種で送れなくなった。年ほど前からずっと続け、最初の一回目は実物で送れるかを確認した。にもかかわらず、しかも三種が改定された訳でもないのに『付録の定義に入らない』、『ダメだ』と言う。
 ▼理由を知りたく社長Uが担当郵便局とやり取りした。電話ではらちが明かず後日、日本郵便東京支社3人で説明に来た。向こうの言い分を聞いたが『分かるような、分からないような』、再度、部署に聞き連絡をすると言う。公社から株式会社に変わったとは言え、いかにもお役人の言い方だった。 (山)
 
11月27日付「強い段ボールメーカー」
2023-12-11
 『需要がないならば減産するだけ。価格(利益)を落としてまで販売する理由がない』とは原紙メーカー幹部。何を指標に市況を判断すれば良いのかという根本的な問いから一旦離れ、価格に対するスタンスという意味では、大手板紙各社、同じ方向を向いているのが現状だろう。
 段ボールについても、一部新規案件などで、驚くような価格が見受けられるものの、やはり『値上げの成果を水泡に帰すようなことは誰も望まないし、そんな行動をとるだけ骨折り損』と大手、中小問わず複数の段メーカーから聞こえてくる。むしろ、幸いにも需要が回復し始めた時こそ、堰を切って競争に突入するかもしれないとの不安の方が大きいようだ。
 そんな中、『現状〝取った、取られた〟にこれまでのように頭を悩ます必要がない時であるのならば、なおさら、それ以外の山積する懸案について、真正面からじっくり考えて、迅速に行動に移すべき時だ』とは、ある中小段メーカー経営者。無論、価格戦略、拡販戦略を軽視して生き残れる業界ではないことは十二分に理解し、その中で長年戦ってきたことを前提とした言葉だ。今後生き残っていくために重要なのは、喫緊の物流問題への対応はもちろん、人材確保、環境対応等をしっかり行えるかだと強調した。
 量が減少している今、〝強い段ボールメーカー〟の意味合いも大きな転換点を迎えているのかもしれないと感じる。 (浮)
 
11月17日付「設備せずに、健全?」
2023-12-01
 ▼印刷業界は大変な時代が続く。取り巻く環境が様変わりしてしまった。広告はデジタル、カタログや取説もネットに移行し紙媒体は激減した。輪転印刷も同様、大手一般紙の発行部数は言わずもがな。小紙を刷る印刷工場は4カ所潰れた。今の会社が5社目だから全て倒産した事になる。どこの業界も同じようで『新鋭設備を入れなければ遅れてしまう。入れれば入れたで償却が大変』潰れる直前、印刷屋の社長が嘆いていた。よく知る紙の業界紙からは『刷る会社が無くなったら我々も困る、まとまって頼もうか』と持ち掛けられた事もある。
 ▼発行部数の少ない業界紙でも輪転機で印刷する。もちろん機械は古く速度も低速だ。その設備を持つ会社が減った。以前はどこで調べたのか『うちで刷りませんか』とアポ無く来社されたが、今は全く来ない。一番長く刷っていたのは3カ所目のJ社で、年近くお世話になった。当時は広告の版下から丸ごと印刷所で頼り切っていた。
 ▼『今日不渡りを出します』、『持ち出せなくなるので広告や版下など早く持ち帰って下さい』と親しい役員から連絡があった。過去にも経験があったので若い記者二人に慌てて取りに行かせた。新聞は仕掛かったまま。どこか別の印刷屋を探し作らねば、発行日に間に合わなくなる。助けてくれたのが4カ所目の印刷屋営業部長だった。『お困りでしょう。(職人に)やらせますよ』一日も遅れることなく印刷できた。しかしここも数年後に破綻した。現在の印刷所はその営業部長の転職先でもある。『うちは大きな設備投資もせず堅実ですから』と言い『安心して使って下さい』。〝設備投資をしない〟これが、良いのか悪いのか…。(山)
 
11月7日付 「何でもハラ、変わる世の中」
2023-11-17
 ▼セクハラ、パワハラを筆頭に〝ハラ〟が付く単語が増えた。世の中の常識を教えるつもりがパワハラに、本人は指導のつもりなのに線引きが難しい。『少し熱が出たぐらいで』もダメ。若い女子社員に親しみを込め『可愛いね』だって、危ない発言になる。親しい会社の若者、親子ほど年が離れているが妙に言葉使いが馴れ馴れしい。ある業界関係の会社で上司が新入社員に、得意先への態度を注意したら、『自分はそうは思いませんが』で済まされた。昭和のシニア世代からすれば、セクハラは論外だが、『世の中の考え方が様変わりし、ついて行くのも大変』が本音だ。
 ▼ステークホルダーもこれからはいくつも増えそう。会社経営者は、総会屋と対峙すれば済んだ時代は終わった。〝物言う株主〟が注目されていたと思ったら、最近は労働組合まで。アメリカではハリウッドの脚本家や俳優がストに動き、池袋・西武デパートの労組も。今後も資本の論理を追求する流れが強まれば、『労働者への影響も広がっていき、経営者は必然的に〝物言う労組〟に対応を迫られる』、こう一般紙に書かれていた。また、『矛盾するようなステークホルダーたちの主張に向き合い、徹底した対話で労使の一体感を維持できた企業は、収益を上げながら株主にも寄与する好循環を描ける』とも。この部分は、ある親しい会社が既に実践している事と全く同じであり、記者にもよく分かる。 (山)
 
10月27日付「調整ではなく価格維持で」
2023-11-10
 『もちろん、気にはなるが早急にこちらから決めてしまいたいとも考えていない』と中小段メーカー。◎月以降の原紙価格調整についての言及だが、同様のスタンスの所は少なくない。現時点で地域によっては、大規模エンドユーザー指定・支給原紙の上げ幅との差を念頭に置いた調整になると言われているが、本決着はまだ先にはなりそう。しかも先になればなったで、来年の指定支給価格交渉の行方が絡んでくるし、さらに需要低迷が尾を引けば、何らかの影響を与えるだろう。よって特段、不安にならなくとも…という考えも多分にあると推察する。
 ただし、冒頭の言葉は先行きの更なる原紙市況軟化を見据えてというよりも、『今は製品価格を維持することが最優先であり、(たとえ自社の収支上、プラスに働く)調整でさえも、それが発端になり製品市況が崩れれば、元も子もない』が真意だ。裏を返すと、それだけ身近に価格競争が迫ってきている証左でもある。現に関東地区で聞いたシート価格の最安値○円は局地的とはいえ、同業他社が『意味不明』と絶句するほど尋常ではない。これに限らず入札などで過度な競争も増えている。皆がきな臭さを感じているはずだ。やはり利益は調整ではなく、製品価格維持で出すべきだ。(浮)
 
10月17日付「花王など、取り組みに注視」
2023-11-01
 ▼『段ボール箱が一番環境に優しい』、『リサイクル性抜群で繰り返し再生可能』、今でもこんな良い製品は無い、と信じている。家電から食品・青果物など中身製品の形態にあわせながら安全に全国津々浦々、至る所まで送り届ける段ボール箱は影の主役だ。災害があればベッドやパーティションとして生活も支える。安価な兵器に使われるのは悲しいが使い勝手は抜群だ。段ボールを目にしない日はまず無いだろう。
 ▼戦後、森林資源保護法を背景に木箱から一気に転化した。その後は段ボール箱の利便性から高度成長期もあって、今や年間生産量140億平米を超える。日本の人口が減少に転じ始めても、段ボール生産量は微増だった。ただ個人的には、ネット通販などでの過剰包装や大企業の総合的なサステナビリティへの取り組みを目の当たりにし、『いつまで量が伸び続けるのだろう』と半信半疑な面もあった。
 ▼経済紙1面(9月19日付)にも取り上げられた花王と複数の大手流通の取り組み。梱包材を段ボールから折り畳みコンテナに切り替え、将来的には業界全体での循環型折り畳みコンテナの標準化を目指す、と言う。ここには段ボール箱の課題として『店舗での開封・廃棄作業の負担やリサイクル過程のCO2排出量』をあげている。過去にも折コンは話題にあがったが、検証結果に注視したい。(山)
 
10月7日付 「系譜図発刊、業界の今後」
2023-10-19
 9月27日号で『段ボールメーカー7グループ系譜図2023年版』を付録として発刊した。2018年、20年に次いで3回目、その都度、新たな動向を追加してきたが、今回から大手6グループに加えて、フジダンを入れた。関東屈指の独立系段メーカーとして従来から、高いシート品質と供給対応力を発揮してきた。近年はボックスメーカーのグループ化を活発化させるなど、ケース含めて総合力を高めてきている。さらにはボックスとの共同製造会社ユナイトパッケージを設立。同事業の成り行きは業界にとっても大きな注目に値する。
 既存6グループでは、最大手レンゴーの動きは依然活発、過去3年間でも段メーカー、ボックスをグループ化した。一方で系譜図には掲載していないが、近年、段ボール事業以外、海外事業でも積極的な動きを見せている。大王グループも中計通り、大王パッケージ自体の強化と並行して、他社のグループ化を積極的に推進した。段原紙生産では業界4位、外販も当然多く、単純な資本関係の有無に留まらない連携も視野に入れているだろう。対象的に、王子グループは関東地区で国内最大級の段ボール工場を立て続けに開設も、資本参加の動きは近年見られない。
 次回発刊は現在のところ、これまでと同様の間隔にしようかと考えている。そろそろ現行スタイルと異なるデザインへの変更も計画しているが、この間どんな動きがあるのか。掲載グループ同士の連携は今のところ考えづらいか?また、ナビエースの福野段ボール工業、カミ商事の日本紙器のような、掲載グループ以外の動きも紙面含めてしっかりとフォローしていく。 (浮)
 
9月27日付「上半期を振り返って」
2023-10-06
 ▼今年上半期を数字で振り返ってみたい。1~6月の段ボール生産量(確報)は前年同期比2・8%減の76億2620万7千平米で、下半期に億2216万平米生産しなければ年の146億4836万7千平米には届かない。7月以降、前年から2億399万9千平米の上積みが必要。月にして平均3400万平米弱。大きな数字ばかりで感覚が麻痺してしまうが、ハードルが高いことは事実。もっとも前年に届くかどうかが最重要ではないはずで、需要低迷をしっかりと認識し、どう行動するかが大切なことは言うに及ばない。
 上半期の需要部門別では、分母が異なるが、「包装用以外」が前年同期比6・9%減を筆頭に、「電気器具機械器具用」同6・7%減、「その他の食料品」4・8%減、「その他の製箱用」同3・4%減と続く。これらはいずれも全ての月が前年比割れ。一方で最大需要部門の「加工食品」は前年並み、統計上は決して飲料含むこの分野は悪くない。地域別では、北海道以外が全て前年割れ、中部同5・5%減、中国同5・0%減と続く。一概には言えないが、段ボールパレットや建材用等を含む包装用以外と、電気器具機械器具に強い地域の落ち込みが大きい。さらに言えば品種別では、両面の同2・4%減に対して、複両面(複々含む)が同7・7%減との相関関係も強そうだ。需要分野別でみれば、食品分野がインフレによる成長鈍化、より高強度のケースが多い分野の需要低迷によると言える。
 ▼8月の大手速報値。段ボールは、前年並か90%台前半か、各社凹凸はあるが、原紙国内出荷92%強を加味すれば全体は前年比95%程度だろうか。(浮)
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